ベルLv.2昇格。
タケミカヅチ・ファミリアは、14階層でモンスターの群れに襲われなかった。
イシュタル・ファミリアが行動を起こすのはまだ先。と言うか原作の時間軸。
英雄王、『金ぴか』と言う二つ名を貰う。
激昂してロキ・ファミリアに喧嘩を売る←ここから
「ロキの所のファミリアに、喧嘩を売ったって!?」
教会の地下にある小さな一室に、ヘスティアの驚愕の声が響き渡る。
先程出ていってから戻ってきたギルに、何をしていたのか問いただした所、本人は特に気にすることなく、あっけらかんと答えた。…信じられないことを。
ファミリア間で喧嘩を売るとは、詰まるところファミリア同士の戦争だ。
本人は個人の問題と思っているが、聞くところによると、相手の主神ーーーロキに対して喧嘩を売ったとのことだ。
神に喧嘩を売るとはつまり、相手の眷族全てへの挑戦と意味とれる。
ヘスティアの隣で一緒に話を聞いていたベルは、その告げられた事実に、泡を吹いてベットへと倒れ込んだ。
彼にして見れば無理もないだろう。
唯でさえ主神同士の仲も悪く、その恋の道は険しいのに、そこへ畳み掛けるように告げられた言葉は、ベルの意識を刈り取るには充分だった。
泡を吹いて倒れたベルに、「ベルくーんッ!?」とヘスティアは目を見開き、更に悲鳴を上げる。
問題を起こした張本人は、ソファーに腰を下ろして、騒がしいわ、と普段通りの口調で諌める。
とんでもない大問題を起こしてきておいても、普段と変わらぬ態度に、ヘスティアは視線をベルからそちらに向け、目尻を吊り上げる。
「何を平然としているんだい王様君!一体何をしたのか分かってるのかい!?」
「煩わしいぞヘスティア。身の程を弁えぬ雑種に懲罰を与えるだけでさないか。まぁ、王たる我がすべき些事ではないがな。今回は特別に、我自ら裁きを下してやるがな」
起こしてきた大問題に、憤激するヘスティアに対して、当の本人は些事と断言し、逆に憤っているヘスティアに冷ややかな目を向ける。
何度もロキの元に行って謝ってくるよう伝えるが…。
「ーーー痴れ者がッ!!王たる我に謝罪しろと?弁えよヘスティア!王に対してその妄言、刎頚にも値するぞ!」
ギルは激昂し、ヘスティアの発言を一蹴する。挙げ句の果てには、酒を飲みに行く、と部屋を出ていってしまった。
「あぁ、ヤバいよ…」
ベットに眠るベルを横目で見てから、ヘスティアは、暗い地下室の天井を遠い目で仰ぎ見た。
ーーーーーー
「本当かいロキ?僕達に喧嘩を、いや戦争を申し込まれたって?」
「そうや」
遠征から戻ってきたロキ・ファミリアの面々は、帰ってきて直ぐに驚愕した。
自身達のホームである『黄昏の館』の門が粉々に砕け去っていたのだから。
直ぐ様フィンの号令が飛び、他の団員達に周囲の状況を調べるよう走らせ、自身は主要メンバーと共に、ホームの中に走っていった。
『
その懸念に、フィン達はロキの安否を確認するため館内を必死の形相で駆け巡り、見付けた。
……自身の部屋にて、ベットの上に寝そべり、ジュースを飲みながら本を読む、呑気な主神を。
第一発見者であるフィンが、その光景にずこっと足を転ばせ。第二発見者のアイズが肩を落とした。
そしてアイズを見て、ベットから飛び付いてきたロキの頬を思いっきり叩いた。
「うおおおおお!?」
叩かれた衝撃で、壁へと叩きつけられ、床を転がり回るロキ。そして、その悲鳴を聞き付け、続々とメンバーがこの部屋へとやって来る。
一通り痛みで転がり回っていたロキだったが、メンバーが全員揃った時点で起き上がった。
いまだに痛む頬を擦る我が主神を見て、フィンは一つため息を吐いてから、ラウルに、外にいる団員達に戻ってくるよう伝える。
一応、安否が確認でき、ロキに何があったのかを問い掛ける。
「それがなぁ…」
今だ頬を擦るロキは、遠征中不在であった眷族達に、事のあらましを語る。
そしてその紙には名前が書いておらず、興が乗った神々がその人物に二つ名を、いや呼称を付けることにした。
ーーーそして付いた名が、『金ぴか』。
ウチが命名したんや、と顔にひどい笑みを浮かべるロキに、ベートは爆笑し、他の者は呆れた笑みを浮かべる。
そしてここからが本題だった。
それに激怒した本人が、ロキ・ファミリアのホームであるここに来たのだ。
そして、どうやったのか知らないが、ホームの門を破壊したのだ。
まぁ、そんな名を付けられたら怒るのは分かるが、門を壊すとは、と全員が呆れた時。
「ーーーそいつ、神威が効かんかったんや」
フィン達の動きが、表情が止まった。
先程までの薄笑いとは違い、その細い目をすっと開いていた。
あり得ない。あり得るはずがないことだった。如何に高Lvの冒険者と言えども、神々の神威には逆らえない。
「……本当かい?」
「ああ…」
真剣な表情で聞くフィンに、言葉少なく答える。
爆笑していたベートも、話を聞いていたアイズ達も、その未知の者に瞠目した。
「ちゅーても、恩恵貰ってないから力はないけどな。神威が効かんかったのには驚いたけど、まぁそれだけや」
真剣な表情を一転させ、いつもの笑みを浮かべる。それは、これ以上不安がらせるのを防がせようとして。
「……それで誰なんだい?」
ロキのおちゃらけた態度に、肩を落とすものの、表情は依然変えていないフィンが問う。
他のメンバーの視線もロキの目へと集まる。
「ーーー以前酒場で会った、ドチビの所の王様っちゅう奴や」
細い目をすっと開いてロキはその人物を答えた。
その告げられた人物に、何度も会っていたアイズは、自身の腰に収められた剣の柄を、ぎゅっと掴んだ。