ISU ~Infinite Stratos Unite~   作:北斗七星

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 活動報告で書いた奴です。気が向いたら見てやってくだしあ。


男は一人じゃない

「ここがIS学園か……」

 

 眼前にそびえる建造物にどこか感慨深そうな表情を浮べる少年。無造作に伸ばされた黒髪、直向な光を宿した双眸が特徴的だ。

 

『イチズ。感慨にふけるのはいいが、そろそろ時間じゃないのか? 君と彼女の話が正しければ、これから会う人物は時間に厳しい人だったはずだが』

 

 左手首に巻かれた腕時計から聞こえる声に少年は苦笑いで応える。

 

「時間に厳しいっていうか、全体的に厳しいんだよな、あの人……待ち合わせ場所も分かってるし、大丈夫だよ」

 

 よし、と頬を叩いて気合いを入れ、少年は地面に置いていた鞄を肩にかけて歩き出す。彼が目的の人物と出会うのはそれから十分後の事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで待っていろ。私が呼んだら入って来い」

 

「分かりました」

 

 少年の返事によし、と頷いてその女性は教室に入っていった。静かに扉が閉じられると、少年は緊張の面持ちで大きく息を吐き出した。

 

『どうした、イチズ。柄にも無く緊張しているのか?』

 

「まぁ、ね」

 

 小さく深呼吸をしながら少年は頷く。何せ、これから彼が入ろうとしている世界は九十九パーセントが女性という、想像もつかないところだ。いくら教室(この)中に知り合いの男が一人いるとはいえ、この先上手くやっていけるかという不安は拭えなかった。

 

 まして、少年はこの施設が創られる原因になった人物と最も近しい人間だ。多種多様な人間から様々な意味で狙われる事になるだろう。

 

『心配するな。君と私が共に戦うんだ。畏れる事など何も無いさ』

 

「はは、そうだn」

 

 相棒の頼もしい言葉に笑みを零しかけたその時、

 

「キャーッ、千冬様、本物の千冬様よ!」

 

「ずっと、ファンでした!」

 

「私、お姉さまに憧れてここに来たんです、南アルプスから!」

 

「あぁ、お姉様、愛しのお姉様!!」

 

 突如、教室の中から響いた黄色い歓声に少年はびくりと体を震わせる。鼓動が早鐘のようになる中、腕時計の中の相棒も声に驚嘆を滲ませた。

 

『流石は初代ブリュンヒルデというべきか、凄まじい人気だな』

 

「その呼び方、本人の前でするなよ。千冬さ、織斑先生ってその呼ばれ方嫌いみたいだから。にしても、千冬様って、お姉様って……ここってIS学園の1年1組だよな? 織斑千冬ファンクラブか何かじゃないよな?」

 

 来る場所間違えたか? と少年は本気で首を傾げる。腕時計の相棒が間違ってないぞ、とフォローを入れるが、ビックリするほど説得力が無かった。

 

「おい、入って来い」

 

 ウンウン唸りながら悩む少年を呼ぶ声。考えるのは後回し、と少年はその声に従って教室の中に入っていく。

 

「失礼します」

 

 教室に入った瞬間、自分に向けられる三十二対の視線。一つ一つはそれほど大したものではないが(一名を除いて)、これだけの数が同時に自分を見ているとなると思わずたじろいでしまいそうになる。少年はそのまま回れ右して教室から出て行きたい衝動に駆られるが、グッと腹に力を込めて我慢し、皆に軽く一礼して見せた。

 

「こいつが1年1組最後の一人だ。十星」

 

「はい。初めまして、十星(とおほし)一途(かずと)です。苗字でも名前でも好きな方で呼んでください。で、こいつが」

 

『イチズの相棒をしているエックスだ』

 

「『よろしく!』」

 

 腕時計に表示されるXの輝きを皆に見せながら少年、一途は人好きのする笑みを浮かべた。

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