本気を出すといっても、ただ神様を俺の体に憑依させるだけなんだけどね。十分すごいけど。
ん?急な展開に着いて行けない?じゃあ、一から説明する。
実は俺の家は神様とか妖怪とかそう言う物を扱う家なんだよね。あ、この話はオフレコで。この話をしたと親に知れると何されるか分からないから。
まあ、俺は技術はあるけど使い続けるための霊力が少な過ぎるから何一つ出来ない。そこで俺は独学で口寄せを学んで神様を降ろせるようにして神様の霊力を使って術を使えるようにしたのだ。
しかしバレた時はやばかった。父さんから大目玉食らった。俺が結界師読みながら作った間流結界術で左腕滅された。母さん居なかったら今頃俺は片腕生活だったぜ。
そんなことは置いといて、今回はあの黒髪ロリの破壊神を憑依させようと思う。大丈夫、俺の見た目はロリにならない。
「はいどーも破壊神さん。お久しぶりです。一発ぶん殴らせて下さい」
「いやいや、君そのためだけにあたしを呼び出したの?前言わなかったっけ?あたしは忙しいんだよ」
「じゃあ、この後のご予定は」
「アニメ見て、漫画読んで、ご飯食べて漫画読んで、寝る」
「この暇人が!!」
「で、用が無いなら帰って良い?あたしこの世界の魔物嫌いなんだよね。あいつらおいしく無いし」
「いや食うなよ。はぁ、破壊すん……破壊神様ーどうかこの非力な私に力をー」
「まあ、暇だから良いけど、今噛んだよね?後なんで棒読み」
「失礼。噛みました」
「いいや、わざとよね」
「噛みまみた」
「わざとじゃない!!?」
「噛み合えた」
「あたしは噛んでない!」
「てか暇だから力を貸してくれるって、どんだけ神様って暇なんだよ」
「年末年始以外は基本暇。まあ、あたしは破壊神だからね、私にお願い事をする人なんて中々居ないからね……一年中暇だよ」
「大丈夫です。俺の知り合いの神様は『俺さー、この十年間人の願いを聴いてないんだよね』って言ってるから」
「下には下がいるのね」
「さあ、とっとと終わらせましょう」
「はいはい、早く帰って漫画読みたいよ」
「おお、これが破壊神の力か。うん、他のどの神よりも強いな」
「当たり前でしょ、あたしは他の神とは違うのよ」
頭の中から声が聞こえる。これだけは何回やっても慣れない。
破壊神を憑依させたことで一定範囲内の物体を壊す力が使えるようになった様だ。
上を見ると件の空中戦艦が三隻見える。空中戦艦は巨大な双胴艦に主翼が二対、エンジンノズルが二基ついてる。
「だったら主翼を壊すか」
そう言った瞬間、空中戦艦の一隻の主翼が全て根元から落ちる。揚力を失った戦艦はどんどん高度を下げていく。
「今までで君が一番あたしの力を使えてるよ。他の神で似たような力を使ったことがあるの?」
「今まで力を貸してくれた神様にも同じことを言われた」
「ふーん、まあ興味ないや。それより戦艦二隻、その艦載機三十九機残ってるよ」
「え?場所とか分かるの?」
「当たり前じゃん。今だって君あの戦艦の主翼だけを根元から壊したじゃん」
「それがどうかしたか?」
「だからこの位置からだと向こう側の主翼の位置は分からないじゃん。君は無意識に私の千里眼を使えてるんだよ」
「へえ、そーなのかー」
「そーなんだよ。あたしがサポートするから、一気に全て落としなさい」
頭の中に周りの地形と敵の位置が浮かんでくる。……後でバファリン飲もう。
「あーもう、多すぎだろ!結!!滅!!」
艦載機三十九機全てが爆発する。俺一人だと三十立方センチの結界一つが限界だけど、神様の無限に等しい霊力を使えばこれくらい余裕だ。
「ぜぇぜぇ、後は……戦艦のみ。ん?そうじゃん。艦載機があるってことは空母も居るんじゃねーかよ!どこだ!?」
視界にも千里眼にも写らない。もっと遠くに居るのか?
「なあ、千里眼を一つの方角に絞って遠くまで見ることは出来るのか?」
「余裕余裕、あたしの千里眼は面積で範囲が決まってるからね」
「じゃあ、北から時計周りで一周するぞ」
「あたしは良いけど君の脳が耐えられるかな」
「余裕だね。俺の脳は毎日の徹夜で鍛えられているんだ。五徹しても頭痛くないぜ」
「それ感覚の麻痺じゃ…」
「あーもう、いいからやるぞ!」
多分北だと思う方を向いて千里眼を使う。そのままぐるりと一周回る。
「あっちか、少し遠いな」
大体五キロ。歩いて一時間くらい。
「はあ、それにしても見た目が女の子なんだから少しは女の子らしく出来ないの」
「うるさい、俺より見た目女の子じゃん」
「見た目のことは言うな!」
怒られた。話を振ったのはそっちなのに…。
「ああ駄目だ。頭が痛い。思考が出来ない」
「ほら言わんこっちゃ無い」
「神を二柱同時に憑依させたことは無いけどやるしかないか」
少しすると目の前に桃色の髪をしている人が現れた。
「あら久しぶりに呼ばれたと思ったら女の子に成ってるじゃない。そして既に破壊神を憑依させてるなんて…」
「賢悟じゃなかった、暦、何でこの神は鼻血を出してるんだ」
「この神様は癒しの神のジャネットさんだ。鼻血を出してる理由だが、この神様はただ単に百合とBLが好きなだけだ」
「なるほど、要するに腐ってるのか」
その言葉に頷くことしかできない。ちなみにジャネットさんは自分の恋は普通に異性としたいと言っていた。
「ジャネットさん、力を貸してください。具体的には頭痛を治してください」
「それが終わったら帰って良いかしら」
「良いですが、どうかしましたか」
「今彼氏を待たせてるのよ」
「そうですか、お幸せに」
と言いながら内心はリア充爆ぜろ!な俺。
そんなこと思ってると頭痛が消える。多分憑依せず直したんだろう。
「じゃあ、さようなら」
「さようならー。……ところでお前の名前何?」
「叶音」
「ここで天丼かよ!!」
変な流れになってしまいましたが本来だったらプロローグ第二話に伏線を張る予定でしたが忘れてました!
さて予定では次回異世界編最終回です。
次回は土曜日までには投稿します。