「さて、どうやって帰るかな」
俺と渚は未だに山の中に居る。こいつどこでサバイバルやってんだよ。見つかるわけねーよ。
「何でこの山に居たんだ」
「他のところじゃすぐに見つかっちゃうから」
「だから失踪せずに引きこもってろ。皆心配してたぞ。取り合えず寮母さんには謝れよ」
「でも、あのクソ親は心配してないんでしょ。捜索届け出したの寮母さんでしょ」
「はあ、義理の娘なんて萌えるだけなのに。何で嫌うんだろうな」
もしかしたら学生寮で暮らしていた理由はこれかも知れない。気付けよ自分。お前は馬鹿か。
「あんな奴らの考えてることは分からないわよ。…あ!道が見えてきたよ!」
「本当だ。んー、ここからなら寮より俺の家のほうが近いな。今日は泊まってけ」
もう二十時を過ぎている。女子二人じゃ危険だ。
「分かった。賢悟はどうするの?」
「俺も今日はそこで寝る。後今は暦って名前にされてるんだ。そっちで呼んでくれ」
「ああ、うん。分かったわ、こ、暦」
「それで良し。じゃあ、行くか」
そう言えば俺を轢き殺した奴はそのまま逃げたらしい。要するに轢き逃げだ。しかも犯人はまだ捕まっていない。
「捕まったら俺の手で制裁を加えてやる」
「具体的には?」
「アンモニアの臭いがするサウナに閉じ込める」
「相変わらずドSだね」
え?俺ってドSなの?そう思われてるの?マジで?
そんなことを話していると俺の家に着いた。
インターホン押そうとしたら『インターホン修理中』と紙が貼ってあった。なので、
「今晩はー。誰か居ませんかー」
近所迷惑なんて考えず叫んだ。すぐに玄関の戸が開く。
「はーい、どちら様って渚ちゃんじゃない!」
実年齢の半分くらいの見た目を持つ俺の母、
「で、そっちはえーと」
俺は必死になって霊力を放出する。こうするのが個人を特定するのに一番手っ取り早い。早く気付いて十秒も持たないから。
「ああ、賢悟じゃない。うん、やっぱりそう言うことだったのね」
あっれー?予想とは大分違う反応だ。何なの転生してたって分かってたの?
「はい、早く上がって上がって。賢悟はとりあえず父さんの方に行ってね」
「分かった」
「渚ちゃんは取り合えず警察に行くわよ。行方不明者だからね」
「はーい!」
なぜに嬉しそうなんだよお前は。
突っ込もうとしたらもうそこには居なかった。驚くことではない、ただの瞬間移動だ。俺には(霊力量的に)出来ないけど。いいなぁ。
さて久しぶりの我が家だ。父さんに会いに行くか。
「おお、賢悟か。久しぶりだな」
こちらは実年齢通りの見た目の俺の父、
「あんたら夫婦は同じ反応しか出来ないのか?驚けよ、少しは」
こっちは死人だぞ。生き返ってるんだぞ?
「それにしてもしばらく見てない間に可愛くなったな」
「好きでなったんじゃあない」
そう言えば殴るの忘れてた。今度呼んだときには殴らないと。
「で、父さんの所に行くようにって言われたけどなんか用?」
「ん、あれだ。お前その体でも神を憑依させられるのか?」
「当たり前だろ。あれは個人の能力じゃなくてただの技術なんだから」
ただのって言うのかは分からないけど。
「そうか、じゃあ明日東山にある祠にこれを供えに行け。ああ、渚ちゃんは連れて行くなよ」
東山とはこの街の東にある山である。正式名称は
「何この黄色い玉は?」
供えるようにと渡された物である黄色い玉。半透明になっており向こう側が見えるのだが、内側に霧の様なものが入っている。
「その中にある霧はあの山に居る神様の霊力だ。後割れて中の霊力が外に出るとこの地球上で妖怪大戦争が起こるから」
「そんな危険なもの家に置くなよ!」
今回触れた渚の過去話をお気に入り登録数十人になったら番外編として書こうと思ってたんですが、既に十人超えてました。なのでこの後書き始めます。