せかいシリーズ   作:猫舌36@活動停止中

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しまった。もうこの章の最終話だ。


第七話

空を埋め尽くす程の大量の妖魔を見ても俺は全く動じなかった。

数の暴力は確かに恐ろしい。数の暴力が有効だからこそ戦艦は廃れ、航空機が主力になったのだろう?

うーん、いまいちよく分からない例えだな。前言撤回。俺は動揺しているようだ。

 

「暦お姉ちゃん!受け取って!」

 

後ろから鈴ちゃんの可愛い声が聞こえる。あぁ、鈴ちゃんも無事だったのか、良かった。

安心して振り返ると真琴が鈴ちゃんに投げ飛ばされると言う、ありえない光景があった。

 

「よう、真琴。初めて会ったときを思い出すな」

 

しっかり受け止めて声を掛ける。

 

「かかっ、もっともそのとき私は投げる側だったのじゃがな」

 

真琴の言葉に思わず吹きそうになる。あれはショッキングな映像だった。

 

「さて、取り合えず真琴は妖魔を片付けてくれ。俺はもう一柱神を倒す」

 

「分かった。ある程度片付いたら神にも仕掛けるぞ。あとお前様はさっきからずっと戦って居るじゃろ。余り無理はするなよ」

 

会話終了。同時に走り出す。

俺は心渡を二本持ち再び跳躍する。影を置き去る勢いなんだろうが、生憎今の俺には影が無い。

両手の心渡で挟むように神を斬ろうとする。しかし、その斬撃は神が両手で刃を摘むようにして受け止めたことで無効化される。

すかさず右足の土踏まずから三本目の心渡を出しながら神の腹を蹴る。たった10センチメートルの刃でも腹に刺さると痛いものだ。

その痛みで心渡から手を離したことを感じて、今度は両肩を狙い刀を振り下ろす。こればかりは受け止めることが出来ず両肩から先が落ちる。

それと同時に変身が解ける。だけど――

 

「弾幕はパワーだぜ」

 

――すぐに別のキャラに変身する。今度は霧雨魔理沙だ。

 

「スペルカード発動!【マスタースパーク】」

 

目の前の神へ向けたミニ八卦炉から極太レーザーが飛び出す。レーザーは両肩を失った神とその後ろに居た沢山の妖魔を呑み込み蒸発させる。

俺はミニ八卦炉を横へ薙ぎ払う様に動かし広範囲の妖魔を消し去った。

無理はするなと言われたけど、無茶はするなとは言われてない。

 

「スペルカード発動!【ミルキィウェイ】」

 

星の形をした弾幕を沢山飛ばす。流石にマスタースパークと違って一撃で妖魔を倒すことは出来ないが、その分数がある。

ある程度倒したらようやく星空が見えてきた。

あれがデネブ、アルタイル、ベガ。指差す暇は無いから目でそれぞれを見て最後に全体を見る。

残念ながらミルキィウェイ(天の川)は見えなかった。

って、今は星を観てる場合じゃ無い。

箒に跨り、創造特化型の神の所へ向かう。

 

「貴様さえ、貴様さえ居なければ…!」

 

どうやら相手は相当お怒りらしい。

ミニ八卦炉を奴の顔面に向かって構える。

 

「スペルカード発動!【ファイナルマス――っぐへぇ!」

 

くそ、あとちょっとで倒せたのに。あの他のとは違うラスボスオーラ全開のあいつを倒せたのに…。

あと少しのところで妖魔の一体が俺を拘束し、そのまま急降下し、自殺覚悟で俺を地面に叩きつけようとしていた。

振り解こうにも魔理沙の筋力では脱出することも出来ない。

頼みの綱の真琴は神と妖魔に数で押されながらも必死に動き回りながら確実に妖魔を消し、神にダメージを与えていた。

真琴は自分のことで精一杯。だったら、自分でやるしか無いじゃないか。

 

「スペルカード発動!【ファイナルスパーク】、【ブレイジングスター】」

 

ブレイジングスターはマスタースパークの反動で高速移動するスペルカードだ。しかし、今回はマスタースパークの変わりにファイナルスパークを使う。

そしてファイナルスパークを地面に向けて撃ち、その反動で逆に妖魔ごと空を飛び、再び創造特化型の神の前に躍り出る。

すると全ての神がほぼ一直線上になっている。そう、このために真琴はわざわざ神と妖魔を引き付け、わざと不利な状況で戦っていたのだ。

自分のことで精一杯と言ったがあそこでの自分と言う言葉は真琴ではなく俺を指す言葉だったのさ。

 

「余り人類舐めるなよ!スペルカード発動!【ダークスパーク】」

 

ミニ八卦炉から全てを無に帰す黒いレーザーが出る。それが創造特化型の神も、その後ろに居たほかの神や妖魔も全て全てを無に帰った。

その瞬間、夜だと言うのに周囲が眩しい程明るくなり、網膜が焼け何も見えなくなる。

しかし。

 

「ありがとう、ございました」

 

俺の耳は確かに感謝の言葉を聞いた。その声の主が誰なのかは俺には分からなかったが、不思議とどこかで聞いたことのある声だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談と言うか、今回のオチ。

あの光が消えた…、と言うより、気が付いたら光が消えていた。

これは真琴も同じようで二人して目が点になった。

しかし、周りの風景には見覚えがある。一見ただの住宅街のように見えるが、ここは俺達がこの世界に着いたときに居た住宅街だった。

まさかの二週目かよ!?と思ったけど、振り向けばバットとボールを持って走る子供達を見て安心した。

そして、その子供たちに今日の日付を聞いたら、俺達がこの世界に来た日に戻ってると言うことは無く、時間が巻き戻った訳ではないと言うことも分かった。

つまり神の介入がそもそも無かったことになっていたのである。

しかし、不思議なことに服は破れ、深爪は折れていた。神の介入が無いことになったのに関わらず神との戦いの結果が残っていたのである。

気にはなるが、世界と言うのはこう言う不思議なことに満ちているのかも知れない。そしてそれを解明することは不可能なのかもしれない。

不思議と言えばあのときの感謝の言葉。

どこかで聞いたことのある声なのは確かなのだが、それが誰かは分からない。しかしこの世界で会った人の声では無い気がする。

もしかしたら神にやられた人たちの声だったのかもしれない。

幾つかの謎を残したこの世界だったが、俺達はこの世界から帰ることにした。思えば休暇のつもりで来たのに、逆に疲れてしまった。

最後に翔子ちゃん達に会いに行こうとしたけど、神の介入が無かったことになっている以上、翔子ちゃん達が俺たちのことを覚えてる可能性が限りなく低いので、会わずに帰ることにした。

もしも、これから先。何かの機会があり、この世界に来ることがあればそのときはまた会おうと。

そう心に誓いながら、俺と真琴は元の世界に帰った。




この章は私の過去作のリメイクと言いましたが、どちらかと言うと設定を幾つか使い回してるだけの新作みたいなものになっています。まあ、お楽しみ頂けたのなら幸いです。
つぎの世界は艦これを予定していますが、その前に番外編をやろうかなと思います。思うだけかもしれませんが。
あと、ここで少しだけ今回の物語の解説をします。
実はこの世界は翔子ちゃんの夢の中なんです。彼女は幽霊が出ると言われる場所へ行きそこで呪われ、寝たきりの状態になってしまっています。
この世界での神はその幽霊なのです。そして彼女が魔法少女として戦っていたのは幽霊を追い払うためのものだったんです。
そこへこよみんと真琴が迷い込んでしまったのが今回の物語の始まりです。
あの「ありがとう、ございました」は翔子ちゃんが言った言葉なんですね。
神の介入が無かったことになっても服はボロボロ、深爪は折れてる理由も、そもそも神の介入自体が最初から無く、あったのは幽霊の介入だったからと言うわけです。
以上で解説を終わります。
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