せかいシリーズ   作:猫舌36@活動停止中

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第二話

侵蝕魚雷は音響魚雷に反応し海水を消滅させるだけに留まった。

以下作戦会議中。会話オンリー。

 

「なあ、もしかして霧がこの世界に居るの?」

 

「ええ、一隻だけ居ます。しかし、その艦名が問題です」

 

「何だ?超戦艦ヤマトとでも言うのか?」

 

「いえ、そう言う意味ではなく、存在しないはずの艦名なんです」

 

「ん?戦艦加賀とでも言うのかのう?確かにあれは戦艦としては存在しないものじゃな」

 

「惜しいですね。正解は改鈴谷型重巡洋艦伊吹をモデルにした超重巡洋艦イブキです」

 

「えらく語呂が悪いな!超重巡洋艦とか噛む為の言葉だろ!」

 

「いや暦、問題はそこじゃ無いぞ。重巡伊吹は建造途中で空母に設計変更するも完成率八十パーセントで工事中止、そのまま解体されたんだ」

 

「おい竜也、お前リミオタだったのか!?」

 

「ああそうだぞ。特に軍艦が好きだ」

 

「お前絶対艦これ課金勢だろ。司令部レベル百超えてるだろ」

 

「ばれたか」

 

「って、そんなことはどうでも良い。翔子さんはどうすれば良いと思います?」

 

「こよみん、そこで私に振るのかい。戦術ネットワークで通信出来ないの?」

 

「呼び掛けに応じませんね。ネットワークに接続してないようです」

 

ここまで会話オンリー。いやー雑談って楽しいよな。

ここで作戦会議を止めたのには理由がある。

一つ、アクティブソナーのピンガーの音を感知したこと。

二つ、強力な重力波を感知したこと。

三つ、海が割れたことだ。

 

「いきなり切り札かよ!敵艦の位置は?」

 

ロックビームに捕まったようでさっきまで海底に居たのにどんどん深度が浅くなっていく。ロックビームって三千メートル先でも機能するんだ。

 

「三時の方向十三キロ、艦首はこっちに向いているよ!」

 

海上まで持ち上げられると同時に渚が叫んだ。モニターを見ると上下左右に割り、周りに円形の超重力砲ユニットを多数円状に並べている重巡と言って良いのか分からない重巡居た。

コンゴウ型と同じ様な艦体内部の超重力砲ユニットとタカオ型の浮遊式の超重力砲ユニットを使っているのか。見た目はヤマト型よりも派手だな。

 

「横っ腹をぶち抜こうってか。咲耶、相転移フィールドスタンバイ。ここでテストをするぞ!」

 

「げぇ、り…了解。相転移フィールド展開用意。翔子さん」

 

「分かってるよ。補助エンジン出力を八十パーセントから百二十パーセントへ。相転移フィールドへ接続」

 

「相転移フィールド、右舷に展開。衝撃に備えよ」

 

右舷に光の膜が出現するのと超重力砲が発射されるのは、ほぼ同時だった。

相転移フィールドが相転移させたエネルギーが光と熱として放射され膜が強く光り、海水は蒸発する。

しばらく異常気象だな。エルニーニョ現象って言うんだっけ?

これ以上十秒を長く感じたことは無いな。

無意味と思ったのかエネルギーの限界なのかは分からないが超重力砲は消えた。

 

「ヤマト、イブキと通信を繋いでくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかで見たことがあるような気がする巨大な戦艦を超重力砲で撃とうとしたら不思議な光の膜で掻き消された。僕の知識では超重力砲を防げるのは次元空間曲率変位(ミラーリング)システムだけの筈だけど、あの戦艦はそんな僕の常識と言うか原作知識に風穴を開けた。

 

「しかもあの戦艦から通信?しかも戦術ネットワークを通しての通信。あの戦艦も霧なのか?」

 

しかし、装甲表面にイデア・クレストは確認できず、霧の艦隊とは思えない。

てか霧ってことは僕は仲間に攻撃したってこと!?はわわわわ、今すぐに謝らないと!

 

映像通信で交信するためにカメラをナノマテって、その前で土下座をしながら通信を繋ぐ。

 

「貴艦を深海棲艦と誤認してしまい、侵蝕魚雷と超重力砲を向けてしまいました。深くお詫び申し上げます。煮るなり焼くなり侵蝕魚雷を撃ちこむなりどうぞお好きに」

 

「あー。分かったから顔を上げようか。女の子が土下座をするもんじゃ無いよ」

 

あれ?男の人の声が聞こえる。メンタルモデルは女性の筈だから男の人の声が聞こえるのは誰かを乗せていると言うことか?もしかして千早群像さん?

しかし、コアに入ってくる映像を見ると群像さんじゃなく、橙色の髪と緑色の目が特徴的な高校生くらいの男子が言ったようだ。

 

「えーと、あなた方は?」

 

その人以外にも五人の人が映っていた。

その中の一人、髪を腰まで届く栗色のポニーテールにしている女性が答えた。

 

「私は霧の宇宙戦艦ヤマトよ」

 

霧の戦艦のクラスには大戦艦級か超戦艦級しかなかった筈だ。てかなんだよ宇宙戦艦って。ん?宇宙戦艦ヤマト?そもそも作品が違う。まあ、今更だけど。

 

「ええと、私は霧の超重巡洋艦のイブキです」

 

「無理をしなくて良いよ。君は日本に住んでいた普通の男子高校生だろう。どっかの誰かさんが同じ様なものだったから何となく分かる」

 

銀髪の男子がそう言うと橙色の髪の男子は顔を赤くする。

てか一瞬でばれた!何この人!

 

「いえ、日本に住んでいた男子中学生です」

 

隠す意味も無いから訂正する。

そう言っている内に橙色の髪の男子は落ち着きを取り戻したようだ。

 

「さて、重巡イブキ、俺に一つ提案がある」

 

この人は艦長の様だ。今頃気が付いた。

 

「はい、何でしょう?」

 

「俺たちと一緒に日本に行かないか?」




重巡イブキについては作者が以前考えていた蒼き鋼のアルペジオと艦これのクロスオーバー作品の主人公でした。
なぜモデル艦を伊吹にしたかと言うと『未完成艦なら原作に出て来ないだろうからどんなキャラ設定にしても大丈夫だろう!』と言う馬鹿みたいな考えがあったからです。
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