四十三発の三式弾は一斉射で戦艦棲姫を旗艦とする艦隊を全滅させた。
空母ヲ級が放った航空機もその内片付くだろうし、本来の作戦ならここで一区切り着いた所だろう。
しかし、敵はどうやら潜水棲姫だけじゃなく霧の艦隊も居るようだ。
少し考えて長門に通信を繋ぐ。画面の向こうには敵艦隊を撃破しても油断せず、周囲を警戒している長門が居た。
「長門、これよりヤマトは単艦行動を行う。その間艦隊旗艦を君に移譲するが、良いか?」
「霧の艦隊か…。確かに今の私達では戦うことが出来ないな。分かった、これより艦隊の指揮を執り敵潜水艦を叩く」
「後で甘いお菓子でも食べさせてあげるよ。長門がが甘味好きと言うことは提督から聞いている」
そう言うと画面の向こうの長門が顔を赤くして通信を切った。
なるほど提督の言う通りだ。長門マジかわええ。
戯言だけどね。
敵は超重力砲の色から推測すると大戦艦コンゴウだ。猫耳と尻尾を着けさせて『にゃん』とか言わせてやりたいな。『お帰りなさいませ、ご主人様!』でも良いんだけどね。
気になるのは超重力砲が撃ち込まれた方向と侵蝕魚雷が来た方向が全く違うことだ。
「もう一隻居るのかねぇ?ヤマト、分かる?」
「私とイブキさん以外にも、もう何隻か霧が居ることは確かなんですが」
「それが誰かは分からないか…。面舵四十五、全機関始動。最大戦速、砲雷撃戦用意」
最大戦速?27ノットだと良いね。実際は90ノットだよ。リッミター付きでね。
「敵艦捕捉、1時の方向に数三 。艦種判別戦艦一、重巡一、潜水艦一。艦名は…ヒュウガ、タカオ、イ401!」
行方不明になっていた艦娘(?)を見つけたよ。
その後戦艦棲姫と潜水棲姫を沈めた攻撃艦隊は青き鋼を連れ立って呉鎮守府へ帰還を開始。途中でイブキ率いる護衛艦隊とすれ違いながら呉に戻ってきた。主な損害は三式弾を撃った際、余りの威力で半壊した各艦の主砲塔のみだ。
そして今はイオナと共に提督室に報告に来ていた。
「すまない。あの変な軍艦の出すジャミングで霧の索敵装置が使えなくなっていた。久しぶりにレーダーに反応があると思ったら霧だったからな。他の霧との関係が険悪な私達は超重力砲と侵蝕魚雷で迎撃したんだ」
深海棲艦はレーダーとかを使用不能にすることが出来るらしい。そんな空間でも普通に動くコスモレーダーって一体。艦娘たちが装備しているレーダーは近距離じゃ無いと使えないと言っていたけど、言い換えれば近距離なら使えると言うことで、ジャミングの影響をそこまで受けてない。技術も環境に合わせて進化するのだろう。
「で、youは何しに日本へ?」
「提督、ふざけないで下さいよ」
提督はこの状況でもふざけている。この人は真面目と言う言葉を知らないのだろうか?
「日本観光…と言うのは嘘だ。ヤマトに呼ばれたからな。まさか、本当にまた会うことになるとわな」
「そうだな。多分ルーナ艦長も冗談のつもりで言ったと思うよ」
このイオナは蒼き鋼のアルペジオの世界に行ったときに出会ったイオナだ。勿論群像さんたちも居る。
「それにしても主計長から艦長とは出世したな」
「実質左遷だけどな」
運用人数が極端に少ない戦艦の艦長。左遷以外の何物でもない。
「ちょっと暦さん?あの子本当にイオナなの?私の知っているイオナはあんな性格じゃなかったと思うんだけど」
「霧にも色々あるんですよ」
ややこしいから説明しにくい。このイオナは原作イオナで提督があったのはアニメイオナなんて言ってみろ。とてつもなくややこしいことになる。
「ふーん。まあ、めんどい話はここら辺にして。イオナは人類の味方と言う認識で良いのかな?」
「ああ、それで良い。もっとも、私は群像と共にあるだけだがな」
「じゃあ、あなた達には先に次の作戦を説明するわね」
提督は次の作戦、それもかなり大規模な作戦の説明を始めた。
この作戦が成功すれば人類の勝利に近づくだろう。
成功率は八パーセントだけど。
あと三話くらいで終わる…かな?