ベッドの上でごろごろしながら作業をしてると真琴が帰ってきた。
飲んできた割には酔っているようには見えない。
「おう、早かったな」
「ああ、あいつが酔い潰れたのじゃ」
「どんくらい飲んだ?」
「ワイン十二杯とウイスキーをストレートで六杯じゃ」
お分かり頂けただろうか。ワインの度数は主に十五パーセント、それを十二杯飲んだのである。これだけでも驚きであるがそのあとウイスキーを六杯薄めずに飲んだのである。ウイスキーの度数は四十パーセントを越えるものがほとんどだ。そのためストレートで飲む場合は一杯三十分くらい掛けるものだ。しかし飲みに行って帰ってくるまでの時間は二時間。たった四杯分の時間しかない。ワインを飲んでいた時間も考えるなら3杯分の時間だろうか。単純に計算するとこいつはストレートのウイスキーを通常の半分の時間で飲んだことになるのだ。しかし前述の通り酔っているようには見えないのである。神様恐ろしい。
何でこんなに詳しいかって?秘密さ。
そんなことを考えている間に真琴は自分のベッドの上に正座で座りこちらを向く。
「さて、こう言っては何じゃが…。実はの、お主にはもう一つ能力があったのじゃ」
なるほど。確かに画面の前の世界ではエイプリルフールだった。もう数日も前の話だけども。
もしこれがエイプリルフールの嘘だと言うのなら真琴には失望する。
もっと分かりやすく尚且つインパクトのある嘘をだな…。
例えば、|魔法の第三惑星魔法の第三惑精クリーミィ☆かがりんのアニメ化とか!《keyのエイプリルフールネタは大体現実になる》
「書いてあることへの希望がルビに表れた気がするのじゃが」
「大丈夫だ、planetarianがアニメ化するだけで作者は大喜びだ」
「作者に対して言及するのはキャラコメだけのきまりじゃぞ」
「へいへい」
メタ発言はこれくらいにして置こう。
「で、そのもう一つの能力って何なの?」
「それを聞こうと思ったのじゃが、中々喋らなかったからな。酒を飲ませて口を割らせようとしたら潰れおって結局聞けんかった」
「それ九割はお前が悪いぞ」
九割九分ではないけど。残った一割はもったいぶったあの女王様の所為だ。
「それもそうじゃの。ところでお前様は何しておるのじゃ?」
「ゴッドフィンガープロテクター作ってる」
正確には設計してる。かなり大雑把だけど。
「何じゃそれ?」
「ゴッドガンダムが腕につけてる青いやつ。これはそれをモチーフに作った霊力集積放出装置だ。霊力については真琴の方がよく知ってるだろうけど空気中にも結構な量の霊力があるだろ?」
「その通りじゃ。空気中と言うより空間じゃが。それを吸収して体内に貯め必要なときに放出するのが霊術じゃな」
人体には霊力を作る機能など無い。しかし周りの空間から吸収しておく機能はある。霊力量が多いか少ないかはどれだけ多く貯められるかどうかだ。
神様は霊力を作り貯める器官が存在するから無限に等しい(真琴は最早無限。使ってもどれだけ使ってもカンストしてる)霊力量を持つ。
さて、話を戻そう。体の中に多く貯めることが出来ないどっかの誰かさんは考えた。『貯めることが出来ないなら貯める専用の道具を作れば良いじゃない『と。さらにそれに放出機能も付ければ良いじゃんと考えた結果がこれだよ。
一応、着けてる人から霊力を受け取ることも出来るけど、その場合は霊術の増幅と言う機能になるのかな?
「完成は来週以降だから、それまでは暇だな」
とりあえず書き上がった設計図を机の上に置く。
「でもそれを作るとなると霊力に詳しい人が居ないと無理じゃろ。となると一度私達が居た世界に戻らないと行けなくなるんじゃないのか?」
それもそうだ。この世界だと霊術師なんて居ないだろうから(この世界は技術力が優れているからオカルト的な文化が一部を除いて無い)この世界では作ることが出来ないと考えるべきである。玉鋼さんはこの世界の住人だけど今はもうお亡くなりになっているから無理。
「となるとヤマトを借りるか真琴の力で…」
「ああ、こよみん。その必要は無いよ」
いつの間にか真琴の背後に居た翔子さんがそう言う。
あんたもう大丈夫なんか…。
「君ら二人が旅行に行ったり、あとこの前の艦これの世界に行ってる間にこの世界と私達の世界は繋がれたんだよ」
「どう言うことです?」
「ヤマトに搭載している世界線跳躍装置、それを小規模にしてこの世界とあの世界の二箇所に設置したんだよ。これで誰でも自由に世界を行き来することが出来るようになったんだよ」
科学の力ってすげー。
「じゃあ、明日朝一で一度帰省しますね」
「あ、うん。ルーちゃんには私から言っとくね」
ルーちゃん?ああ、女王様の名前は確かにルーナだけど。流石に王族をそんなあだ名で呼ぶのはどうかと…。
そう指摘しようとしたらもう既に居なくなっていた。本当にあの人は何でも有りだ。