渚を連れて現実世界へ行き、そこでで親の知り合いにゴッドフィンガープロテクターを三日掛けて製作してもらい異世界に帰ってきた。誰も見たいと思わないだろうしその間のことは全面カット。
ただ一つ言えることは渚ちゃんマジ天使。俺この戦いが終わって成人したら渚と結婚するんだ…。
文武両道で成績だって学年三位、料理以外の家事は出来るし顔面偏差値だっていい。さらには幼馴染属性を持っている。大体のラノベだったら主人公と恋人関係です。むしろここみたいに親友止まりなのがおかしいくらいです。
その話は置いておこう。
三日間の間に翔子さんは完全回復して咲耶と“歩兵用携帯型陽電子衝撃銃”通称ショックライフルを開発していた。その名の通りショックカノンの小型版だ。ただし三日で開発したかと言うとそうではなく以前から暖めていた設計案をこのタイミングで出したらしい。どちらかと言うとSTM合金で作ったM82A1にショックカノンのカートリッジを装填しただけの物。暖めている間にここまで簡略化出来たのか、それとも本当は三日間で仕上げたのか。
M82をベースにしたが、金属としてはとてつもなく高い強度を持つSTM合金を使用したため薄く作ることが出来たので重量は九キロまで削減できた。それでも片手で扱えるのは伝説の傭兵か能力者くらいだ(能力の恩恵として身体能力の向上がある)。
現在の俺の装備を纏めると月読とゴッドフィンガープロテクターとショックライフル。
これだけあればきっと何とかなるさ。
「どうも天照久しぶりじゃの」
高天原の下町情緒溢れる町並みの少し高価そうな茶屋に入って行き四人掛けの席を独り占めしていた神のところまで行き有無言わさず正面の席に座りどこからどう見ても不機嫌なご様子の神に話しかけたのは我らが真琴神だ。それに気付き俺と渚が近づく。
「誰かと思ったら元宇迦之御魂神の今は…どっかの土地神様じゃない。いい加減私を呼び捨てにするのやめてくれる?」
いきなり重い空気なんですけど…。
どうもこの人が天照らしい。髪の色を除けば真琴と似てる。しかし真琴とは不仲なようだ。
「ふん、土地神なんて止めたわ。あんな退屈なこと三百年もやってられるか」
「あんた神様の自覚あるの?勝手に仕事を投げ出すなんて。…ふーん、人間風情に仕えているんだ。落ちたものね」
「自由はいいぞ、自由は。むしろ神が人に仕えてはいけないなんて誰が決めたんじゃ?」
「誰もそんなことは決めてないわ。なぜか分かる?誰も格下相手に仕えるなんて考え付かないからよ!」
「それはうぬが人を見ていないからだろう。人は神には無い強さを持っておる。私からしたら人も神も対等じゃ。対等な存在に仕えて何がおかしい?」
「あんな奴らのどこが強いのよ!百年も生きられないような、胸を刺されたら死ぬような、青酸カリを0.3グラム摂取したら死ぬような、二十五分笑い続けたら死ぬような奴らのどこが強いのよ!」
「うぬって実は人間大好きなんじゃないのか?って、そうじゃない。人の強さは生命力じゃないわ。口で言っても分からぬじゃろうから、うぬがやっているあのゲームにそこの人を出そう。勿論勝ったらあいつの願いを叶えてやるんじゃぞ」
「どうしてそうなるのよ。しかも人間があれをやるなんて正気じゃないわ。でもいいわ、受けて立ってやろうじゃない。ただしその人間が負けたらあんたは今後高天原への立ち入りを禁じるわ!」
「うー、じゃあ、こちらはもう一つ要求しよう」
「何よ?」
「簡単なことじゃ。私のささやかな願いを叶えて欲しいのじゃよ。何、とてつもなく簡単な願いじゃ。霊力の消費も一切無い」
「ふーん。ならいいわその要求も飲んであげるわ。明日の十時に私の闘技場に来なさい。場所は覚えているわよね?」
「ああ、覚えておるよ。行くぞ、お前様」
うん、真琴とアマテラスは不仲どころか険悪な仲だ。記憶しておこう。
「計画通りじゃな。あいつはああ言わないとお主を試さないだろうからな」
「ん、ああそうだろうな」
実際かなり人嫌いな様だから、あのくらい言わないとその気にならないだろう。
「それよりもさ、何で二人の仲が悪いの?」
渚が俺も気になっていたことを聞いた。
「別に、大昔に喧嘩してそのままここまで来てしまっただけじゃ。人生の先輩からのアドバイスとして、喧嘩したら早めに仲直りした方が良いと言っておこう」
それは、重く受け止めないといけないアドバイスだな。