暦が今まで頑張ってきたことは、もしかしたら本人より知っているかもしれない。
賢悟だった頃もなぜか怪異からよく襲われる私を守ってくれたし、高校受験のときだって私と同じ高校に行く為に毎日遅くまで勉強していた(不登校になったのは頂けない)。
死んでしまった直後もすぐに生き返ったらしいしそれから一週間で戻ってきた。なぜか女の子になってたけど。
それからもなぜかヴィノ何たらによって送られてきた刺客からも私を守ってくれた。
それ以外にも行く先々の世界で頑張っていた。
でもそれはいつも私から見えない所でだ。だから今挙げたことは全て本人の口から聞いたり、他の人から聞いたものだ。
ヤマトに乗って戦うときはすぐ近くに居るけどコスモレーダー席と艦長席の位置関係上直接見るのは難しかったから結局ヤマト本人から頑張りを聞いたりした。
でも、今回は近くで見れて応援することも出来る。暦が頑張って戦うなら、私は頑張ってそれを支えよう。
真琴の家からゲームの会場へ向かう際に、真琴に渡された服はなぜか俺や渚が通っていた高校の制服だった。ご丁寧に女子用だ。
真琴が言うには例の二人が制服を改造したらしい。ブレザーへの防弾加工とかスカートに帯刀ベルトとか。校則では制服の改造は禁じられていたはずだけど、学校を辞めた俺にとってはただのコスプレだ。
とりあえずこんな改造を施した例の二人とこれを運んでいた真琴に感謝する。
着てみたが着心地は変わっていない。一体どんな技術で防弾加工したんだろう?
「ふーん。多少は戦えるようね」
更衣室から出ると正面に天照さんが居た。
「このゲームについて教えていなかったから説明してあげるわ。あのくそ土地神からも説明を受けただろうけど、あいつはここ二百五十年高天原に居なかったから」
「つまりその間に何か変わったことでも?」
「さぁ、覚えてないわ。だから全てのルール五つを教えるわ。まず一つ、全ての勝負はあなたと私の式神の一対一。二つ目、どちらかが戦闘不能になった時点で試合終了。三つ目、一日一試合の全五試合全勝であなたの願いを叶えるわ。四つ目、あなたが式神に殺された場合はそこで試合中止してあなたを蘇生させ試合再開。五つ目、あなたが式神を倒す際周りに被害が出ない範囲なら何をしてもいい」
「二つ目と四つ目って矛盾してません?」
「それはハンデよ。あなたは式神を完膚なきまで傷つけて殺してもいいけど、あなたは基本的に死ぬことは無いわ」
死んでも無理やり叩き起こすし。とアマテラスさんは言った。
怖い怖い。最悪殺されては生きかえされられての繰り返しになるじゃないか…。
「一回戦開始まで後十分よ。精々頑張ることね」
そう言って彼女はこの場から去った。
そして迎えた一回戦。観客三人。いや人として数えるものじゃないのが混じっているから一人と二柱か。
そう言えば真琴が占いババみたいなものと言っていたが、観客の少なさも再現しているようだ。
俺は天下一武道会みたいなものを予想していたけどこれが現実のようだ。こっちのほうがやりやすいけど、何か物足りなさを感じる。
そんなことを考えている間に今回の敵が現れた。現れたんだけど…。
「でっけぇ」
目測六メートルの大男が現れた。
普通こう言う敵って中盤に出てくる奴だよな?
次回からしばらく戦闘回。