まぁ、どこにも置いてませんでしたが…。ゲームアーカイブスで買った方がいいんでしょうかねぇ。
10メートル程度の距離。お互い1発喰らわせることが出来る距離だ。
先に動いたのはエルフだ。こちらを真っ直ぐ見据えて正面から矢を放つ。それを左手の短剣で弾くと同時に右手の短刀を投げる。
「シルフィード」
エルフが避けようともせずそう呟いた。
途端、左側から強力な風が吹き、それに吹き飛ばされる。
背中に翼を生やし、数回羽ばたいて勢いを殺し静かに着地。
シルフィード…風の精霊か。
世の中には妖精や精霊などの目には見えないけど力を持つ存在が居る。それを呼び出し使役するものを召喚霊術と向こうの世界では言っていた。
こっちでは召喚魔法と言えばいいかな?
とにもかくにも、これでは近づくことも難しい。魔法主体で行こうにも、歴史的建造物と樹海の近くでは派手な魔法は使えない。使えるのは水系くらいか?
だけど水は風に煽られやすい。あれ、もしかして詰んでる?
僕は召喚系の魔法はてんで駄目だから、これはもしかしたらきついかもしれな痛いっ!
脳天に矢が刺さった。ちょっと動きを止めたら急所に攻撃か。
同じところにいたら撃たれてしまう。
と考えていたところで今度は右肩に刺さる。
右手で頭、左手で肩のを抜き、翼を生やしてバックステップ。風を利用して後ろへ大きく下がる。
面倒になってきた。周りへの被害を度外視しよう。
周りの木を2本魔法で触れずに持ち上げ、それを投げつける。
吹き飛ばすのは難しいと感じたのか、僕から見て左に転がって避ける。その直後に2本の木が地面に落ち砂埃が舞う。
だけどそれらは囮。単なる目くらましに過ぎない。
僕自身も左から半円を描く様に回り込みながら追い込む。砂埃で周りが見ないが、コウモリをイメージ元に持っている吸血鬼はエコーロケーションと赤外線可視化が可能だ。
その2つを駆使して普通なら目を開けることができない砂埃の中エルフを探す。
「見つけた」
それと同時に強い風が吹き砂埃が流され、視界が広がる。
予想より少し早い、仕方ない。作戦変更、プランBで行こう。
正面から突撃。当然前から僕を吹き飛ばそうと強い風が吹く。
だが、
「それが、どうした!」
そんなことは関係ない。10の力で押し返されるなら、100の力で進めばいい。
左手の短刀を両手で握り血液を供給してサーベルにする。
これ以上詰め寄られないようにエルフが慌てて弓を引く。風で加速した矢は左肩を貫通するが、左肩を構築している魔力を操作して瞬時に傷を塞ぐ。なるほど、意識すればすばやく治癒させられるのか。
もう切っ先が届くくらいに距離を詰めた。躊躇わずにサーベルを上に構え振り下ろす。
しかし、それがエルフに届くことはなかった。
なぜなら、横合いから正面のより強い風が吹いたからだ。
予想だにしない方向からの風だったので情けないことに再び吹き飛ばされた。
「そこまでです」
風上のほうを向くとそこには、僕と同じか少し上くらいの年齢のエルフが立っていた。
もしかして2対1?まぁ、大丈夫か。
サーベルを構え直し、2人のエルフと向かい合った。