エルフ組が見つけたという宿は繁華街から離れた所にあった。それでも人は多く、道の真ん中で立ち止まったら即はっ倒されるだろう。
「ようやく来ましたか。遅かったですね」
宿のロビーにはリースさんが居た。
「ごめんごめん。待った?」
シャロさんが軽い感じで謝る。何しろ寄り道をしながらここまで来たので既に日は暮れているのだ。
「いえ。我々は寿命が長く、時間を気にすることはあまりないので。とりあえずご飯にしましょう」
そう言って僕達を外に連れ出した。今日の夕飯は宿の食堂ではなく街の食事処で済ますそうだ。
レーネさんは先に行っているらしい。
「こっちですね。この先で待ってます」
リースさんは迷わずに人混みの中を進んでいく。人混みに揉まれること3分間、周りの人間を食べてしまおうか、と言う危険な思考が出てきたところでようやく目的地に着いた。
石造りの建物が多い町並みの中では珍しいことに木造の建物だ。ここで今日の夕飯を食べるらしい。
中に入り、店員の案内でレーネさんが確保してくれた席へ行く。それなりに賑わっており、先にレーネさんが居なかったら座れなかっただろう。
しかし当の本人はと言うと――
「遅かったな。先に食べていたぞ」
――既に食事を始めていた。レーネさんに拳骨制裁を下そうとしたリースさんを止めるべきか止めないべきか悩み、結局止めないことにした。
うーん、お金が…やっぱり4人旅だとちょっと無理があるかなぁ。特にエルフの2人が意外なことに大食いだった。食費がぁ…。
とりあえず、明日の分は何とかなるかな。…明後日は、魔物狩りだね。
「そうそう、ラミアちゃん。あの噂聞いた?」
資金のやりくりを頭の中で纏めたところでシャロさんがそんなことを言った。
それにしても何でこんなタイミングよく声を掛けられるのだろう。やっぱり読心系の能力なのだろうか…?
いい加減このことについても聞かないとなぁ。まぁ、それはそれとして。
「噂って?」
「なんでも南の砂漠に隕石が落ちたらしいよ」
「それだけ?何かもっとこう、なぞの武装集団が居るとか」
「夢見過ぎだよラミアちゃん。それに話はまだ終わっていないわ。その隕石、何と途中で速度を落としたと言われているのよ!」
「減速…UFOの類じゃないの?」
「ゆーふぉーが何かは知らないけど、その可能性もあるわね!」
何なのか分かっていないのにそう言えるって逆にすごいと思う。
「あと、途中で光らなくなったとか、着地の衝撃がなかったとか」
「分かった、それ完全にUFOだ。宇宙人の船だ」
そうと分ければ、今後の砂漠での探索に古代遺跡だけでなく宇宙船も探さないと。