「王よ、ご決断を!」
「そんなの言うまでもない。逆賊に鉄槌の一撃を叩きこむのだ!」
たくさんの騎士たちに号令がかかる。
王からの厳命である。
騎士たちは敵国を攻めて居る途中だった。
疲労しきった騎士たちはそれでも王の命を全うするために攻め込んだ。
己が国へと。
戦況は泥沼だった。
「で、伝令。反旗を翻したのはモードレッド卿との事!」
「仮面の騎士め、ついに本性を現したな!」
激情が体を駆け抜ける。
どのような理由でこうなったのかは解らないが、こうなった以上、たとえ仮面の騎士でも容赦はしない。
その首、必ず王の前に差し出す。
その思いだけだった。
「ガウェイン卿、ここはランスロット卿と手を組んで・・・・」
「黙れ! 非武装の弟を討ったばかりか、あの黒騎士は王さえ裏切った。許せる訳が無かろう!!」
次々と倒れて行く騎士たち。
クッ、やはり他国を攻めたばかりの兵ではこの戦いはきついか。
騎士たちは解りきって居た。
王は人の気持ちが理解できないと。
離れていく騎士たちも多かった。
それでも私は王の判断は何時も正しいものだったと信じて居る。
前線に出る。
有象無象の騎士たちを片っ端から切り捨てる。
あれは・・・・モードレッド卿!!
今回の反乱の首謀者!
今こそ我が武を示す時!!
「我こそは太陽の騎士ガウェイン! 死にたく無ければ道を開けよ!!」
幾本か剣が私の体を貫く。
それに加えて敵国攻めで疲れきった体。
それでも体はとまる事は無かった。
あるのは主に注ぐ忠義のみ。それだけが騎士の体を前えと突き動かした。
仮面の騎士。モードレッド卿との死闘の末、手負いの傷は負わせたがランスロットにやられた古傷を討たれた。
最早息をするのもやっとだった。
それでも瀕死の体を引きずって陣に戻り、手紙を書く。
内容はランスロット卿への増援願。複雑な心のまま、許せる筈のない相手を私的理由よりも公的理由で許す事を書き記す。憎んでも憎みきれない相手だが今の王には彼の騎士の力が必要だった。
それを伝令に渡し、太陽の騎士はその生涯に幕を閉じた。
しかし、騎士は王を残して死ぬわけにはいかなかった。
騎士は夜中に王の枕元に立つ。
「王よ、ランスロット卿の増援をお待ちください、さすれば必ず勝機は我らが元に訪れます」
しかし、王は待ち切れずに出陣してしまう。
剣がまるで墓標のように刺さって居るの丘で王と仮面の騎士がぶつかり合う。
剣戟の激しい応酬が繰り広げられている。
勝負の途中で仮面の騎士の仮面が割れる。
そこからのぞかせた顔は王と瓜二つだった。
それにも驚いたが、仮面の騎士、モードレッド卿は死して尚、剣をふるい、その執念は決して癒える事の無い傷を王に負わせた。
その最後の戦も王は勝利で幕を閉じた。
生涯負ける事を知らなかった王の最後。
ガウェインはそれを見ていた。
太陽の騎士はそれを大声で嘆いた。
私が憎しみを捨てきれなかったばかりに王が死んでしまった。
私さえいなければランスロット卿が間に合った。
あああああああああああああ!!!!!!!!!!!
死の淵で叫ぶ。自身の激情が王を死に誘った。
もし次があるなら。
またばんかいする機会が、二度目の生があるのなら、
今度こそ、自らの全てを王に捧げよう
目覚めは最悪である。
これはガウェインとしての記憶か?
達が悪いにも程があるぞ。
何が嬉しくて死体の山なんぞみにゃならんのだ。
私はお前では無いんだぞ?
そうガウェインに文句を言いながら立ち上がる。
鮮明な夢だったため二度寝をする気にはなれなかった。
廊下に出て深呼吸する。夏の湿った空気が肺一杯に入ってくる。
東の空が茜色に染まり時期に夜が開けるだろう。
日本の夏の日の出は早い。3時半と言った所だろうか?
まだまだ真夜中じゃないか。
昼には寺子屋の仕事が待っていると居のに参ったな。
そう思いながら頭をかく。
能力でココアを出し口にしながらご来光を眺める。
夕焼けも良いが朝焼けもまた違った風情があるな。
縁側に座りそう思う。
そう言えばこうして朝日を眺めるのももう4回目か。
十年と言う月日を重ねながら夜明けを見るのが4回しか無いとはな。
冬場のご来光は私の中では夜明けにカウントされていない。
だって四捨五入して約7時位に朝日が顔を出すのだ。
それに外の世界と違って雪国顔負けの積雪量を誇る幻想郷に冬場に太陽が顔を覗かせるのは珍しい。
一度だけ見たことがあるが、あれは何と言うか、ダイヤモンドダストが陽光を反射し、とても幻想的で言葉では言い表せない物があった。
そう言えば聖達は元気にやって居るだろうか?
魔界から解放して以来会いに行っていない。
時々里で布教活動する星にナズーリンを見かける程度だ。
これにこれから守矢家が来たら信仰の奪い合いが始まるな。
それ故の非想天則と言うインパクトが出来たんだっけか?
確か最初は博霊神社の信仰を奪おうとしたんだよな。
あの神社に信仰何て無いのだが、それを外から来た彼女達が知る由も無く、一部では博霊神社を手中に入れれば幻想郷を牛耳取れるとちょっとおバカな考えがあったとか無かったとか。
そんな痛い子設定も入れられてたよな~、早苗は。
そう言えばロボオタも非想天則のせいでついたんだけか?
実際の所如何なのかは私も解らないが。
そんな彼女達は来年来る。
そこからは異変続きで大変だぞ? 霊夢。そう思いながら嵐の前の静けさなのかもしれないこの時間を有意義に過ごそうと思う。
その為にはどう行動した物か? 下手しなくてもトラブルメーカーに成って居るもんな~私。
ここは下手に動かないのが得策か。
さて、ココアも無く成りご来光も見届けた所で、
「私に何の用ですか? ルーミア」
夜明け前からずーっと私を見て居た彼女。
隠れて居るつもりでは居るのだろうけど生憎ガウェインのスキル上、隠蔽等の事は効きにくいのだ。すぐに、とはいかないが解ってしまう。
返しの一撃の穏健でね。隠蔽能力を使用している敵に対しては先制必中攻撃をおこなう権利を得るのも返しの一撃の特徴だ。その他にも無防備な時にも先制攻撃の権利を得てもいるし。ちょっとした因果逆転だよな。
チートなスキルだよな~。
もう能力と呼んでも良い域に達しているよな。
その代りもちろんメリットに釣り合うだけのデメリットが付いている訳だが、それはステータスのコーナーで見て貰おう。
「ばれて居ましたか」
そう言い頭をかきながら目線を反らし「あはは」と乾いた笑いを浮かべる彼女。
「こんな時間にどうしたのですか? しかもずーっとこっちを見て」
それにルーミアはそれもばれてたかと言い私の隣に座った。
「ちょっと悪い夢を見ただけですよ。ちょっとね」
「奇遇ですね。私も夢見が悪かったので目が覚めてしまったんですよ」
全く悪い夢だった。
ガウェインの後悔に憎悪と言っていい程の感情の激昂、それを押し殺してのランスロット卿への増援願、死体の山。
思い出すだけで気が滅入る。
それに体こそガウェインだが中身は私だ。ガウェインには悪いが、私は誰かに仕える気はさらさら無い。
お前の思いが報われる事は無いだろう。
と言うかEXTRAで十分報われたよな? レオと言う少年が王へと成長する瞬間に立ち会えたのだから。
それに光栄ですと言葉を残したのだから。
最も、幻想郷に来た時の状況からしてレオに仕えたガウェインでは無いだろうけどそれで満足して貰おう。
そう思いながらまたココアを今度は二つ出し、一つをルーミアに渡す。
ルーミアは少し躊躇った後、何かを覚悟したような顔で一口口にした。
そして少し驚いたような顔をした。
そう言えばルーミアはココアを見るのは初めてか。
幻想郷にココア何て出回って無いもんな。
珈琲は紫が良く持ち込んでいるが。私としては珈琲よりも紅茶が欲しい。
まぁ、紫が選んだだけあって格別なうまさではあるが。
そう考えている内にルーミアはココアを飲み終えて居た。
期待の眼差しが私に注がれる。
苦笑いしながら私の為に出したココアをルーミアに渡し、庭に出て伸びをする。
散歩でもしてこよう。
ルーミアにそう言ってその場を後にする。
さて、どこに行ったもんかな。
夢を見た。
騎士の夢だった。
その中には私の主の姿があった。
戦場に立ち、敵を次々と倒していく姿は何時もののほほんとした主の姿は無く。
私と決闘した時を思い出させるものだった。
しかし、仮面の騎士に頭を斬られた主。
そのまま陣に戻り手紙を書いてそれを伝令の騎士に渡す事で幕を閉じた。
しかし、それでは終わらずに王の枕元に化けて出て来る主。
そして最後の瞬間を見た時に膨大な感情が私の中に流れ込んできた。
激しい怒り、憎しみ、後悔。
そして主の心の底からの願い。
それを見て目が覚めた。
あれはなんだったのだろうか?
騎士たちの戦いは大妖怪級の物だった事に冷や汗を流す。
あんなのを何人も相手にして来たのか。
自惚れた訳では無いが大妖怪の私を倒しただけはある。
しかし、不自然な点がある。あれが本当に彼の夢だとするならば彼はすでに死人である筈だ。
しかし、彼は亡霊でも幽霊でも、ましてや半霊でもない。
今生きて居る彼は何なのだろうか?
そう思ってしまう。
今私の主である彼は一対何者なのだろうか?
そう思いながら部屋を出たら彼は東の空を眺めながら何かを飲んでいた。
暫くしたら彼から声がかけられた。
どうやらばれて居たみたいだ。
こんな時間にどうしたのかと問われ、変な夢を見たと言った所、彼も頭をかきながら同じだと言って来た。
私と主は式というパスによって繋がれている。
あの夢は恐らく彼が見た夢を私がパスを通して見た物だと確信した。
考えに浸って居たら彼から濃い茶色い飲み物を渡された。
こんな物見たことが無い。
受け取ってしまった以上飲まない訳にはいかない。
覚悟を決め、その正体不明の飲み物を口にする。
すると程よい甘さと香りが口の中に広がる。
こんな美味しいもの飲んだこと無い。
気が付けば全部飲みきってしまっていた。
期待の眼差しを彼に向けると彼は苦笑いしつつ私に茶色い飲み物をくれた。
そのまま彼は散歩してくると言って凄いスピードで居なくなってしまった。
取り敢えず渡された飲み物を飲む。
夢の事は気にはなるが彼が私の主である事には変わりない。
この事は彼が何時か話してくれる時まで黙って居よう。
その日が来るのか来ないのかは解らないが今彼は生きてる。
それだけで十分だ。
これも後で書き足していきます。
取り敢えず投稿と言う奴です。
それとCCCの野郎、また発売日伸ばしやがった