東方太陽録   作:仙儒

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間休

目を覚ますとどこにでもあるような学校の屋上で夕陽を眺めていた。

高層ビルが立ち並んだりと近代的な現実世界のようだ。

どこの世界でも夕日はきれいなものである。

どこから出したかわからないアイスを食べる、あまり深く考えない方が良いだろう。

 

「「ガウェイン」」

 

女性特有の甲高い声が私を呼ぶ。

振り返るとそこには東方キャラである現実組の宇佐美連子とマエリベリー・ハーンがこっちに走って来た。

色々突っ込みたいが置いておくことにする。

何故だかそうしたく無いという曖昧な感覚がする。

 

「あなた、本当に夕陽を見ながらアイスを食べるのが好きね」

 

メリーが言いながら左隣に座る。連子は右だ。

私はその問いに苦笑いで返し、どこから取り出したのかわからないアイスをそれぞれに渡す。

 

「岡崎殿に北白河殿、元気にしてますか?」

 

自然と口に出た言葉。

それに蓮子が口を尖らせながら意を唱える。

 

「こんな美人二人に囲まれてるのに他の女のこと言う、普通」

 

確かに美人なのは認めるが自分で言うか?普通。

何も言わないがメリーも少しムスッとしてるような気がする。

再び苦笑い、

 

「二人の事を聞かなかったのはあって元気そうだとわかったからですよ・・・」

 

そう言うと二人は頭を抱え始めた。

む?おかしなことを言っただろうか?

 

「本気で言ってるの?」

 

「諦めなさい蓮子、良くも悪くもこれがガウェインよ・・・・」

 

蓮子にメリーよ、それはどういう意味だ?

まあ、この二人も天才なので一般ピーポーな私には理解しきれない事だろうとあきらめる事にした。

どうでもいいがメリーよ、さり気無くつねりながら言うのはやめて頂けないだろうか?

しゃべるのは問題ないが抓るのはやめなさい。

大切な事は二回言う主義です。まあ、口には出してないが・・・・。

思いが通じたのかどうかはわからないが諦めたような顔をして抓るのをやめてくれた。

 

「何ですか?その諦めたような顔は・・・・」

 

二人が私越しに目線を合わせて小さく「バカ・・・・」

と言った。

・・・・・これって虐めじゃあないだろうか。何故だかハブられたような気がするしバカって・・・、

おにーさん泣いてまうよ?これでも豆腐メンタルなのだ、ガラスなんかよりもズーッと弱い自身がある・・・・・。自分で言っといて何だが悲しくなってきた。

結論:気にしないことにした。

ちょうどアイスも食い終わった。残った棒を見てみると当たりと書いてある。

 

「このアイス、当たりなんてあったのね」

 

「私も初めて見たわ」

 

蓮子にメリーが乗り出して棒を見る。

メリーよそんな体制になるとあなたの大きくたわわに実った女性の象徴が腕に当たるんですが・・・・。

まあ、役得だから黙っておく、連子は・・・・・合掌しよう。

言ったら間違いなく鉄拳が飛んでくる。

それにしても、それほどまで当たり付きで当たりが少ないアイスなんて珍しいんじゃないか?

 

「差し上げますよ」

 

そんなに珍しいものなら渡した方が喜ぶだろう、少なくともあまり興味のない私が持ってるよりはアイスの棒も本望だろう。

 

「いらないわよ、そんな棒」

 

「私もいらないわ」

 

あれ?珍しいものじゃないの?蓮子にメリーよ。しかも連子に至ってはそんな棒って・・・・、

まあ、その通りなんだが。子供じゃあるまいし欲しがったりしないのだろう。だとしたら、ゴミ押し付けられるようなものなのだ。そう言われてもしょうがないか・・・・。

しかし、私の感想としては連子は頭はかなり切れるが中身は子供という印象なんだがな。

言わないのが花か・・・・。

二人もなんだかんだ喋りながらもアイスを食べ終わったようだ。

改めて周りを見渡す。

さっきまで茜色に染まっていた空が嘘のように黒くなっている。

周りが明るいせいか星もほとんどわからないし遠くに小さな小さな月が昇り始めていた。

もうこんな時間か・・・・・、暗い暗い空を見上げて、思う事が沢山ある。

星ひとつ見えないのか・・・・。目を凝らせば見えない事も無いが、これは英霊だから出来る荒業であり、一般人では到底真似で出来るものでは無い。

 

すると蓮がいきなり大声をだした。

 

「そうだったわ、私とした事が大事な事を忘れてたわ!!」

 

それから少しもったいぶった感じで止める。

本人から聞いて聞いてオーラが出ている。しょうがないので聞く事にする。

 

「どうしたんですか?」

 

隣ではメリーが呆れた感じで見てるのをものともせず。

まってましたー!!と言わんばかりにポケットから一枚の写真を取り出してドヤ顔をする。

 

「冥界の入り口を見つけたのよ!!」

 

そう言えば秘封倶楽部はそう言うオカルトな場所なんかの境界線をあばいてんだっけ・・・・、

冥界と言う事はデンデラ野の事か・・・・。

しかし、これまでか・・・・・、

空に微かにだが亀裂が入る。その様はまるで鏡に罅が出来るような感じだ。

 

 

「”三人”で世界の秘密をあばくのよ!」

 

無駄にテンションを上げている連子。

彼女にもわかっている筈だ、もう気づいているからこそのテンションなのだろう・・・・。

メリーも少し暗い顔をし始めた。どうやらこちらも気づいたようである。

 

「二人とも何ボーッとしてんの!速くいくわよ!!」

 

そう言って立ち上がる連子、しかし、そう言う訳にはいかない。

 

「蓮子・・・・」

 

メリーが小さくつぶやく。

境界線が見える彼女なら今どういう状態だかわかるのだろう。

 

「何もたもたしてんの、おいてくわよ!」

 

なおも続けようとする連子。

 

「レンコ!!」

 

私が怒鳴り静寂が訪れる。

しかし、わかってもらわねばならない。

 

「な、何よ、急に怒鳴ったりなんかして・・・・・」

 

動揺しながらこちらを涙目で見ている。

私は沈黙を貫きただただ連子を見つめる。

 

「メ、メリーもガウェインに何とか言ってよ・・・・」

 

最後の頼みとばかりにメリーに視線を向けるが、メリーは俯いたまま首を左右に振る。

今度こそ蓮子は崩れ落ちる。

 

「もうじき、こうした”意識内での”やり取りも出来なくなります。」

 

そう言いながら体が勝手に動く。ゆっくりと後ろに振り替える。

これだけは伝えなければならない。

 

「もうこれ以上境界を超えるのはやめなさい。二人ならまだ間に合う」

 

地べたに力なく座り込んだ連子と俯いて表情が伺えないメリー。

世界の秘密を知る事は・・・・、残酷な結果しか残らないから・・・・

 

「私は人では無くなった事を後悔してます・・・・だから、あなた方には人として幸せに成って欲しい」

 

空に大きな穴が開き、建物が次々に大地と共に崩れ始める。

朽ちて行く世界を目にし、虚しさが溢れるが、感傷に浸るのは後だ。

あふれてくる感情、これは夢の世界だ。

目覚めが近い、最後にこれだけは言わなければ・・・・・、

 

「蓮子、メリーも・・・・間違っても二度と会う事が無い事を願います」

 

そう、ふたりはまだ人間だ。私と会う事があればそれは此方側の人じゃないナニカに成った時だ。

特にメリーには注意をしてもらいたい。

はたしてそれを、人間を辞めてまでする価値のあるものなのかを今一度二人に確認してもらう為に。

体が消えてく、意識が無くなってく中で確かに連子とメリーが何かを言った気がするが、その言葉が何だったのかはわからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にガラスが割れるような音が響きわたり、崩落する世界をしり目に、一人の騎士が何とも言えない顔で見ている。

騎士は完全に崩壊した世界でただただ、手元にある3本の棒を持ちながらその棒を見つめている。

 

「・・・・・・」

 

何を思ったのか騎士はその3本の内、2本を上へと投げる。

投げられた2本の棒は光を放ちながら消えて行った。

騎士は残る1本の棒に目をやり、大きなため息をついた後、残った棒を今度は下に落とすように手を離した。

ゆっくりと光を放ちながら落ちて行く棒には「当たり」と書かれていた。




何かに似ている気がするが気のせいだ

あなたのその探求心はもしかしたら人じゃない何かになるかもしれない

人間やめてまでする価値が本当にあるのか?

今一度考えてみると良い
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