東方太陽録   作:仙儒

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22話

あれから色々あり、夜に永遠亭に帰って見たら、全員が素敵な笑顔で迎えてくれた。

思わずに勢いよく玄関の引き扉を閉めてしまった位だ。

しかし、運命は残酷である。

立ち去ろうとしたら後ろから絶対零度の声が掛けられ金縛りにあったかのように動かなくなってしまう体。脳が危険を知らせる信号をマッハで響き鳴らしているのに動かない。

頼む、動いてくれ!!じゃないと命がヤバい。阿修羅とか目じゃねえって、この人たち。

嫌な汗が滝のように流れ出す。今日はそんなに熱い日じゃないんだけどな~、何て現実逃避するが、この場の雰囲気がそれを許さない。

今なら幻想殺しの気持ちがわかる。不幸だーーーーーーー!!!!!

しかも幻想殺しと違って幸運Aだぞ!可笑しいだろう!普通の人の100倍以上の幸運な筈だぞ!!

それに耐えかねて思いっきり土下座。顔なんざ直視できねーよ、マジで。

それから理不尽な説教が始まり、途中から全員が私から女の臭いがする!っと、訳の解らん方向に話がずれた。取り敢えず、紫の名前を言ってしまったが、決して紫を売ったわけでは無い・・・・・。

すまん、嘘だ。だって怖かったんだよおにーさん、良い歳扱いて洩らすかと思っちゃった(若本風)

このネタは二回目だが怖いのは事実だ。許して欲しい。

この歳で本当に洩らしたら社会的に死ねる。だから此処だけは必死に我慢する。

そう言えば、話を変える口実も込めて、能力を使いの金庫にある一円札の束を半分積み(それでも土下座している私よりも高い位置にあるが、何がどうなってこうなったんだ?)良い機会だと永琳に告げる。

すると永琳の顔がみるみる青く成って行く。

まぁ、気にしている余裕は無いので、

 

「八意殿、まずはこれをお納め下さい」

 

永琳が声をヒクつかせて問いかけて来るがちょうどいい機会だ。

金で問題を解決するのはどうかと思うが、それしか感謝の気持ちを表す事が出来ないのだ。

 

「いままで、ありがとうございました。この無礼をお許し下さい」

 

それだけは本心だ。

 

「ま、まっt」

 

何かが聞こえたが逃げるのとこれ以上甘える事が無いように自分への戒めとして能力で用意してくれた家へと飛ぶ。景色がぶれる瞬間、泣きそうな顔で此方に手を伸ばしてくる永琳の顔が印象的だった。

 

はぁー、厄日だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

御師匠様にお話していたら突然お師匠様の前に一円札の山が出て来た。

こんな大金どこで手に入れたのかも気に成るが、今はそれどころで無い。

そしてお師匠様から告げられる言葉。絶対に聞きたく無かった言葉だ。

それを聞いた瞬間悟った。出て行く気なのだと。

何がいけなかったのだろうか?それとも皆で説教したから怒ってしまったの?

だったら謝るから・・・・だから行かないで!私を置いて行かないで!!数億年前の記憶が蘇る。

人類最古の戦争、人妖戦争。私達はそう呼んでいる。

たった一人と数えるのが馬鹿らしくなる大妖怪から低級妖怪そろっての戦争とも言えない戦争。

彼は一人、地上に残り、私達が全員逃げるまで戦い続けた英雄なのだ。

少なくとも私が月にいた時には何回も映画化され、ドラマにもなったりして後数億年間も繰り返しされた位のお方だ。

毎年その日に成ると月を挙げて祈りを捧げるお祭りとお盆を混ぜたような催しがされる。

その最後の時と同じ感じがした。

私が悪かったから、気に食わない所があればちゃんと治すから、だから・・・、

行かないで!!

 

「待って!!!」

 

手を伸ばすが、空を切り、そのままの勢いで転んでしまう。

土を強く握る。この時だけは周りの目を気にせずに大声で子供のように泣いてしまう。

他の雌豚達もバツの悪そうな顔をしている。

それもこれも全て、お師匠様の口にした紫と言う人物の仕業なのだろうか?

違うとは思いつつもそうだと言う自分が居る。その人物に合わなければ今みたいな事は絶対に成らなかったと私の冷静な部分が主張する。今すぐにでもそいつを殺しに、嫌、殺すなんて生ぬるい。生まれた事を後悔するように殺したいが、こんな事があった直後だ。本当にそんな事をすれば、今度こそ本当にお師匠様が愛想を尽かしてしまいかねない。

そんな事は無いと解ってはいるが否定しきれない自分がいる。

ならば、今だけは・・・・・、きっとほとぼりが冷めれば帰って来てくれる。そう自分に言い聞かせる。だからこれは自分へのお仕置きなのだ。だから今はこの暴走した感情を吐き出そう。

 

 

月明かりで幻想的な雰囲気を醸し出す竹林に、彼女の泣き声だけが虚しく木霊するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから一夜明けた。

一睡も出来ていない。

それに関しては英霊である事が功をそうした。今までは寝れるから寝てはいたが、本来英霊は寝なくても大丈夫な設計?に成っているのだ。

それに疲れと言う概念も無い。精神的な疲れはあるが・・・・・、

眠れなかったのは言うまでも無く、昨日の出来事。

逃げる為とはいえ、あれだけ怒っていたのだ。間違いなく私側が悪いのだろう。

それにその怒りの中には、今思い返せば、心配の念も孕んでいたような気がする。

あのように金を積んで怒りから逃げだした私自身を憎く思う処も大きい。

それに恩人に対して仇で返しているに等しき行為だ。

しかも毎日の面倒まで見て貰っておいて、だ。

はぁー、会うのが後ろめたいな~。まぁ、いずれはまた、会わねば成らないのだが、どの面下げて会えばいいのかがわからない。

それに相手も相当怒っているに違いない。

私が彼女達の立場なら確実に怒っているだろう。

取り敢えず、米を炊いて、宝物庫にぶち込んであった、レトルトのカレーを一つ取り出し、炊きたての御飯の上に掛けて電子レンジに入れて温める。

どうでも良いが、電気や水道の水は何処から来ているのだろうか。

電気はもしかしたらソーラーパネルが屋根の上に付いているのかも知れないが、水道は何処から来てんだ?井戸水からか?確か自称猫の青ダヌキがそれっぽい道具を持って居たような気がするのでそれに近いものでも使っているのだろう。

もしかしたら境界線弄って、マジでパクッて来たのかもしれないが・・・・・、まぁ、よかっぺい。

電子レンジから温まったカレーを取り出し、おいしく頂く。

うむ、流石は有名なだけはある。

・・・・・・・、そう言えば土産、どうしよう。あんな事があったばかりなので届けに行くのは気が引ける。お詫びの品として今から持って行くか?うん、私的に無理だ。

幸いに宝物庫の中には時間と言う概念は無いのでほとぼりが冷めてからでも十分だろう。

それが明日になるか、明後日に成るか、一年後に成るか、何時に成るかは解らんが・・・・・、

はぁ、鬱だ。

時間を確認する。まだ7時を過ぎた所であった。

寺子屋に行くにはまだ、早すぎるな。どうやって時間を潰すか。

ゲームでもあれば良いのだが・・・・・、買いに外に行くか。

能力を使い、外にある全く同じ造りの家を繋げて外の世界に出る。

 

窓から見える高層ビルの姿を見て、外に出た事を確認する。

空気が不味く成る。

まぁ、慣れだ。しょうがない。何時ものようにスーツに成って駅ビルに向かう。

 

 

駅について、ホビーショップを探す。

3階か・・・・・。そのままエスカレーターで3階に上がり、ゲーム商品をまとめて大人買いする。

プラモも気に成る奴や、○ンプラ等を買い、家に届くように手配した。

早速家が役に立ったな、宝物庫にぶっ込めばもっと便利なのだが、如何せんここでは人眼が多すぎる為、金ピカの鍵剣を出す訳にはいかない。下手したら戦争が始まり兼ねないしな。

なんせ、純金の塊だし。

カードも紫が黒いのを出してくれたので一々札を積まなくて良いので助かっていたりする。

 

 

帰り道にジュエリーショップを見つけ、暇つぶしにその店に何と無くで入った。

そうしたら、種運命で出て来た忠義の証にそっくりな、寧ろその物が置いてあった。

取り敢えずそれを一つ買ったら、キャンペーンでくじ引きを引く事に成り、くじを引いたら大当たり。

紫色のフェイスバッチ2つに、黒いフェイスバッチに、金のフェイスバッチも貰った。

無論お支払いは黒いカードだ。幸運Aがこんな所で仕事をするとは思わなかった。

後は銀で出来た、早苗が付けていたのにそっくりな髪飾りを見つけたのでつい、衝動買いしてしまったが問題は無いだろう。

何気に良い値段すんのな、これ。90万だとよ。因みにフェイスバッチは一つ15万だった。

1万に付き、ひとつくじを引けるのだが、4個フェイスバッチを当てた所で店員に泣き付かれたのでそこでやめておいた。大赤字だろうな~。まぁ、この蛇みたいなの買ったんで許して頂戴。

紙袋に立派な四角い黒い箱が沢山入れられ、それを受け取り、恒例になったトイレの個室で鍵剣を使い宝物庫にぶち込む。

・・・・・何、さっきと言ってる事が違うだって?

そりゃ、お前さん、そもそもそんなに大量の荷物をトイレの個室に持って行って手ぶらで出てきたら可笑しいだろう。

今回は荷物数が少ないのでこうやったわけだ。

前回来た時はそこまで頭が回らなかったし、そうする以外方法が無かったのだ。

ならしょうがないだろう?

物で釣るような事をするのは気がひけたが、弓を模したブローチを永琳の為に買った。

まぁ、こちらの心の準備ができるまで渡せないが・・・・。

時間は夜に届くように指定しておいた。

 

晩飯は毎日外で食べねばならないので都合が良い。自慢じゃ無いが料理何て、家庭科の時間に作った位でそれ以来してないのだ。必然的にレパートリーも少ない。

故に毎日朝と夜は外で食わねばならんのだ。もしくはおかずだけ買って帰る位か?

 

家に入り、能力で幻想郷に帰ったら、玄関の戸を叩く音が聞こえた。

何だろうと開けて見たら慧音であった。相手は驚いた顔をしている。

取り敢えず立ち話も何なんで中に入る様に促す。

素直に入ってくれた。

で、何故ここに来たのかを聞く事にする。

本当は茶の1杯でも出すのが礼儀だが、如何せんそう言った物が何処に入っているか把握できていないので、それについて詫びを言う。

慧音はそれに対して、

 

「気にするな、こちらこそ早朝から済まない」

 

と告げて来た。

そう言えば何でまた朝っぱらから来たんだ?それを聞いて見ると、昨日の夕方に急に大きな屋敷が現れて里の人達が混乱し、確認に来たが留守だった為、早朝に来てみたらしい。

それを聞き、苦笑いしながら、事の経緯を告げる。そうしたら「またあ奴か」何て頭を抱えていた。

その次に紫とはどういう仲だと聞かれたので顔見知りだと伝えておいた。

嘘では無い。それに、本当に私自身がどういう関係なのか測り兼ねている。

家を貰ったりするほどの間柄では無いのだが・・・・。

それに丁寧に身分証明書まで作ってくれたし・・・・・。

本当に何なんだ?紫がこうも積極的に人の面倒を見るような人物では無かったはずだ。

でなければ、そもそも人を神隠しにして楽しんだりはしない。

すると、今度は炊事出来るのかを聞かれた。

正直に出来ないと告げたら凄い勢いで「成らば私が来て作ろう」と言いだした。

その発言は嬉しいのだが、これまたそこまでして貰う義理は無い。

そもそも彼女には職を貰っただけでも返しきれない恩があるのだ。これ以上面倒をかける訳にはいかないのだ。

しかし、彼女は折れる事は無く、最終的には私が折れる感じに成ってしまった。

何でも食事も一人じゃ味気無いとの事だ。そう言えば慧音は自警団もやっていて、今でこそ迫害なんかはされて居ないが、それでも人とは一線を置いてる感じがあった。

それは慧音自身もそうだが、里の者もそれを無意識にやっている傾向がここに来て日が浅い私でも解った。否、日が浅い私だからこそ気付けたのやも知れんが・・・・・。

それの同情もあり、ついついおkを出してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼には悪いが実は賢者から家が出来る事やそこに住む人物の事を事前に確認していたのだ。

まぁ、日頃の胡散臭さのせいで疑ってここに来た訳なのだが・・・・。

そしたら本当に彼が出て来た。

それに驚きつつも疑問に思う。暇つぶしに神隠しをするやからがこうまで固執するのは可笑しい。

だとすればそう言った間柄なのだろうか?

そう考えたら何故か胸がチクリと痛む感じがした。

前に薬師に言われた恋と言うものだろう。私とて女なのだ。そう言った事にあこがれもあったが、いざ、そこに立たされるとどうしたらいいのかわからなくなってしまう。

疑問も残るし・・・・。

そして彼が顔見知りだと言って来きた。彼の様子を見ていて解ったが、本当にかれからしても解らないのかも知れない。妹紅も記憶が無いと言っていたし。

事実、嘘では無いのだろう。自分の事を一切口に出したりはしてなかった筈だ。

まぁ、会って日が浅いからかも知れないが、彼の性格上、それは無いだろう。

序に炊事は出来るのかを聞いて見た所、彼は苦笑いして頬をかきながら目線を反らした。

どうやら出来ないらしい。これはいい口実が出来た。

私が来て作ってやると言ってしまった。私自身、とても驚いている。

断って来たが私一人では味気無いと告げると、私の全てを見透かすような目で見た後、渋々了承を得た。

その後他愛もない話をして、今日は寺子屋が休みだと言う事を告げて外に出る。

心臓の鼓動がいつもより速く感じる。顔が熱い。

これが恋なのか・・・・・、うん、悪い気はしない。

むしろ心地よい。・・・・・・、間違いないな、私は彼に恋をしてるんだ。

そう考えた途端に今日の夜に彼の家に行くのに緊張してしまう。

今からこれでどうするのだと自分に言い聞かせるが鼓動はどんどん速く成って行く。

 

 

 

その後、変な行動や心ここにあらずの慧音を見て、里の人々は不思議がっていたそうだ。

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