あれから一夜明けた。
やはりお師匠様は帰って来なかった。
しかし、絶対に幻想郷内には居る筈だ。確か、
何処でどう手に入れたかは知らないが、あんな大金を出した後なのだ。
人里にて仕事をしてると考えて間違いないだろう。
それにお金があるからと言って働かなくなるお人では無いのだ、彼は。
取り敢えずは相手もかなり警戒していると思うので、優曇華に薬を売る序に
注意深い彼の事だ。そうそう簡単には尻尾を掴ませてはくれないだろう。
兎に角今は少しでも多くの情報が必要だ。
幸い、
まさか、こんな所であの雌牛が役に立つとは思わなかった。しかし、だとするのなら、早々に手を打ちたい。彼の私への高感度は著しく落ちているだろう。
それにあの雌牛が気がかりだ。今の状態が長く続くと他の連中とのアドバンテージが増えてしまうだろう。それにあの天然女吸引機は少し目を離した隙に別の女を落としている可能性が高いのだ。
それを考えると、速く見つけ出し、謝罪してしまった方が良いだろう。
今度は彼を刺激しない為に私自身を抑える必要がありそうだ。またあの二の舞に成るのは御免だ。
取り敢えず優曇華に
彼に鉢合わせになってもごまかしが効くように名目上は薬売りの為に里に侵入させる事にする。
本当は私自らが行きたいが、そうすると相手が話し合いに応じない可能性が高いので断念した。
それに、まだ私自身の心の整理が出来ていない。
取り敢えず優曇華に命令しておいた。
元軍人なのだ、これ位はお手の物だろう。
一応気付かれないように細心の注意を払えと釘を刺しておいた。
・・・・・・、さて何て謝ろうかしら?
いっその事、この思いを伝えてしまおうか?しかし、それで拒絶されたら今までの関係が崩れてしまいそうで怖い。唯でさえ今回の出来事で高感度は低いのだ。受け入れてくれる可能性は低いだろう。
はぁ、彼への道のりはまだまだ遠そうだ。
約束通り夕食を作りに来たが、呼び鈴を押すのをためらってしまう。
一応包丁を持ってきたのだが・・・・・。
包丁を片手に持ち、屋敷の前をうろうろしてる慧音は第三者から見たら間違いなく不審者だろう。
そうこうしていたら玄関の戸が開いた。
苦笑いしながらこっちへ来いとジェスチャーしている。
緊張でぎこちない動きをしながら彼の家へと入って行く。
そう言えば異性の殿方の家に来るのは初めてなのだ。それが自分が特別な思いを抱いている殿方なら余計にだろう。キッチンに案内される。見たことも無いキッチンだ。
何でも炎が出ないのに炒めたりできる代物らしい。説明を聞いたが覚えるのに時間が掛りそうだ。緊張がそれを助長する。
そうすると、彼がまた、苦笑いしながら手を掴んで来た。いきなりの行動で驚いたが、おかしな違和感が私を襲う。
全く同じ場所なのに違う場所のような気がする。そして何よりも空気が不味い。
彼によると外の世界に来たのだと言う。
最初は何を言っているのか理解できなかったが、窓の外に聳え立つ見たことも無い作りの建物が所狭しと並んでいるのを見て、ここが外の世界だと理解した。
彼が私の手を引き、外に出る。
暫く歩くとその出かい建物に入って行く。何でもまずは服を買うそうだ。私の。
流石にそれは悪いと言ったのだが、彼は私の為にも頼むと言ってきた。
確かにそう言われれば、外の世界の人々とは少しずれた格好をしている。
ずーと感じる視線はその為か。確かにここは彼に従った方が良いのかも知れない。
服屋に付くと、彼は女性の店員を捕まえて私に似合う服を見繕うように頼んだ。
そのまま店員に引っ張られて服を幾つか着せ替えられる。
外の世界のものなんて着るのは初めてだ。可笑しい所は無いかを聞いて見たら、
「上白沢殿は美しいので何を着ても似合うと思いますよ」
何て言って来たので顔を反らしてしまう。不意打ち過ぎる。
恐らく顔は真っ赤だろう。
それにしても服の下でわからないだろうが、このブラジャー成る物が少し、嫌、かなりきつい。
その事を先程の店員に告げると、店員は妬ましそうに私を見て来た。
何かおかしな事でもいっただろうか?
そこで下着も含めて何点かを買ってもらった。最初は遠慮したが、外の金を持って無いでしょ?と言われ、素直に買ってもらう事にする。こう言う時の彼は絶対に首を縦には振らないのだ。
しかし、外の着物は少し慣れないな。そんなこんなで、料亭に入った。
メニューを見るがどれがどれだか解らない。彼がお勧めを頼んだ。
そうしたら少ない料理が時間をかけて少しづつ出て来た。
うん、流石はお勧めだけはあるな。
夕陽を眺めながら屋根の上でアイスを食べる。
ここ最近の習慣だ。屋根にはソーラーパネルは無かった。
どこから来てんだろうな~、この家の電気。テレビもちゃんと映るし。
テレビが映るなら携帯も繋がるのではと思い、開いて見るが県外だった。
もしかしたらスキマで何とかしてるのか?
だとすると余計に解せん。何故彼女が私に対してここまでするのかが。
もしかしてそれ程の能力者なのか?確かにステータス見てみたら点と点を結ぶ?程度の能力がC+からBに上がっていたり、色々追加されて居るが、どれも紫にしてみれば価値が皆無所か、百害あって一利無しと考えて良い。
故に解せんのだが・・・・・、それともこの能力の真髄を知っていて、それを幻想郷の為に使うつもりなのか?
まぁ、幾ら考えてもしょうがない。降りよう。そうしたら包丁を持ちながら玄関前でうろうろしている、慧音が見えた。
何をうろうろしてるかは知らんが、包丁持ってうろうろとか不審者過ぎるぞ。
降りて中に入り玄関を開けて中に通す。
早速料理を作って貰おうとするが、知識としてIHは知っているが、使い方が解らんと言って来た。
忘れてた、ここが幻想郷なのを。一応使いかたを教えるが、今日は無理かな?
そんな思いを込めて彼女の手を握り、外の世界に出る。
慧音が驚いた顔をしているのが新鮮だった。
取り敢えずは着てる服装が問題だな、まぁ、御洒落で良いのかも知れんが、外の世界で通じるかは解らん。飯を食いに行く序に、慧音の服を買おう。
そうして慧音の手を引いて行く。はぐれると大変だからだ。
そう言えばかなり視線を感じる。嫉妬を孕んだ視線が殆どだ。まぁ、無理もないか、慧音はかなり美人だもんな~。服装の件もあって余計に目立つだろう。
ビルに入り、婦人服コーナーを探す。
そんで婦人コーナーに付いたが、ここで重要な事に気が付く。私はファッションには疎いし、慧音も外のファッションは解らんだろう。
ちょうど近くにいた女性店員に声をかけ、慧音に似合う服を選んでほしいと頼んだ。
外の服等を着なれて無いせいか試着室から中々出てこない。
こうして待って居る時が一番辛かったりする。
女物を取り扱う店に男一人で待って居るのだ。必然的に注目の的に成る。下着もあるので余計にだ。
暫くして試着室から出て来た慧音は顔を少し赤らめながらウルウルで此方を見上げながら変では無いか?と聞いて来た。
思わずグッと来たのは秘密だ。
それに慧音はかなりの美人なのだ。似合わない服の方が少ないのでは無いだろうか?
まぁ、良いや。取り敢えずそれを伝えた所、顔を赤らめながら顔を反らしたのを見て、もしかしたらレアな慧音かも知れないな~、何て場違いな事を考えながら慧音を見ていると、下着売り場にて店員と話をしていた。
心なしか店員から嫉妬の念が滲み出ている気がする。
これが持つ者と持たぬ者の差なのか・・・・、決してその店員が小さい訳では無いのだが、如何せん慧音がでか過ぎるだけなのだ。
余り見て良いものでも無いだろう。近くの壁に寄りかかり、時計を確認すると、この店に来てから1時間以上経って居る事がわかった。女性の買い物が長いのは本当だったんだな。
暫くして試着した服を全部買い、今着ている服以外は全て自宅に送る様に手続きをした。
慧音がそれは悪いと言ってきたが、注目の的に成るのを理由に押し切った。
最後は渋々了承してくれた。
その後は、折角外に来たので、金が張るが外でしか食べられないような場所に行こうと思い、かいせき料理屋にいく事にした。近くにあったしね。
良く考えたらこれってデートじゃね?こんな美人とデート何て草々出来る事では無いので、今はこの雰囲気を堪能しよう。