________欠けた夢を見たような気がする。
目が覚めて最初に見えたのは木でできた天井、最近では珍しい天井である。
少なくとも私の部屋の天井は木ではできていない。
そもそも学校の帰り道だった筈なのだが・・・・・はて?何故このような場所に居るのだろうか?
・・・・・思い出せない。
今更だがここはどこだろうか?消毒液の臭いがする事からどこかの病院か、あるいはそれに準ずる何かだと思ったが木造の病院なんぞ見たことも無いし、聞いたこともない。
とりあえず起きあがろうとする。
ズキンッ!
一瞬視界が真っ暗になった後に凄まじい痛みが頭を襲う。
その後にジクジクと刺すような痛みが額に感じる。
何なんだ、いったい・・・・。
重たい体を起こして自分の体をみる。患者服のようなもをきていた。
___やはり病院か?
そして自分の手を見る。
大きくてごつごつした手をしてる・・・・・まて、自分の手はここまで大きくもないしごつごつもしてない。
どういう事だ?また夢なのだろうか?最近こんな夢が多くて困る、夢の中では痛みなどを感じないと言いだしたやつに文句を言いたくなりつつ立ちあがろうとするが中々立てない。
まるで自分の体じゃないみたいだ・・・・・夢なら自分の体ではないか・・・。
患者用のベッドを下りると畳の部屋だった。
畳にベッド・・・しかも患者用のなんてと思いつつも歩こうとしたらあしが思うように動かずに思いっきり倒れてしまう。
痛い・・・・頭も現在進行形でズキズキ痛いし踏んだり蹴ったりである。
とりあえず動かない体に鞭を打ち這い蹲る形ですぐ側にある壁を使い何とか立ち上がり壁にもたれかかるようにして体を安定させる。
そう言えば夢の中で自由に動けるのは初めてだな、今まではあくまで体験するような、五感を共有する感じで自分の意思では動くことは出来なかった。
そんな事を思いつつも壁に背を預けた状態で体を出口と思われる障子の方へ少しずつ移動する。
後少しというところで体勢を崩してしまい障子ごと外に倒れこんでしまう。
痛い、もう泣きっ面に蜂だなと思いつつ前を向く。
木でできた昔の日本屋敷のような廊下に縁側が見える、後竹林?
再度思うここ何処だ?
夢ならば早く覚めて欲しいのだが?痛み、特に頭の刺すような痛みは本当に勘弁して欲しい。
「ガウェイン様!!」
大きな声が聞こえたのでそちらを反射的にみてしまう。
・・・・・は?
今の心境である。
声のした方にいたのは頭から兎の耳がはえている赤目の少女がいた。
それは東方に出てくるキャラの鈴仙・優曇華院・イナバだった。
・・・・・・どうやら私は厨二病末期患者だったようだ。
そんな事を考えてる間に彼女はこちらに走って来ていた。
「動いちゃダメですよ!!ひどい怪我だったんですよ!!」
そう言うと私を起こし支えるようにして部屋に戻そうとする。
混乱する思考の中、彼女に悪いと思いせめてと動かない足を必死に動かす。
程無くしてベッドに着き寝かせられると「動いちゃだめですよ~」と言って凄いスピードで部屋を出て行った。
・・・・・取り敢えず、これは夢だ。間違いない。
そう結論ずけてとっとと覚めないかな~などと思い目を瞑ろうとした時、足音が聞こえた。
しかもこちらに近づいて来ている、漫画でいうと効果音がドドドドドだ。
音のする方を向くと銀髪で三つ編みの赤と青の独特の服を着た女性が凄い勢いでやってきた。
八意 永琳である。
まあ、優曇華がいる時点でもしやとは思っていたが・・・・ですよね~。
「お師匠様!!目が覚めたんですね!心配したんですよ!!」
まだ何か言ってるが待ってほしい。
今なんと言った?師匠?誰が?私が?月の頭脳である八意 永琳の?
我が夢ながら無いわ~、頭は確かに悪くはないが特別いいわけでは無い。
どこにでも居る普通の一般人である。
それが八意 永琳の師匠だと?世界が滅んでも無いわ~。
そう思っていると不意に八意 永琳に声をかけられた。
・・・・・・・どうしたものかと悩んだ末に永琳にこう告げた。
「あなたは?」
確かにキャラとしては分かっているが実際に会ったことは無いのだ。
するとみるみる内に永琳の顔が青ざめていく。
「お師匠様!私です、八意 永琳です!!」
知ってます。
知ってはいるが面識は無いのだ、そもそも面識がある方がおかしいのだが・・・・。
「もしかして記憶が・・・・」
永琳がなんか言ってる。記憶か・・・記憶はあるんですがね、現実の記憶ならだけど・・・・。
そもそもこれは夢なのだから突如に見る夢にその中の前の記憶があるのがおかしいのだが・・・。
まあいい、いずれ覚めるだろう。
それまでの少しの時間に架空のキャラとの遭遇という貴重な出来事を満喫しよう。
優曇華にお師匠様が目が覚めたと聞くと同時に体が勝手に動いていた。
聞きたい事が沢山ある、この数百年間何をしていたのか、その怪我はどうしたのか?
だが、まずは・・・、
「お師匠様!!目が覚めたんですね!心配したんですよ!」
声をかけても難しそうな顔をして沈黙を貫いている。
御師匠様は少し驚いた顔をしたが、顔を顰めている。
嫌な予感がする。
そんか勘がよぎり問いかけた。
しばらくの間を空けて答えが返ってくる。
「あなたは?」
頭が真っ白になる。
今なんといった?あなたは?ははは・・・悪い冗談だな。
言っていい冗談と言って悪い冗談があるんですよ?
「お師匠様!私です、八意 永琳です!!」
そう言っても難しそうな顔をしたままだ。
しかし私の冷静な部分が最悪な事態を告げてくる。
必死に否定するが冷静な部分がそれを崩していく。
運ばれてきた時に致命傷とも呼べる傷を負っていたのだ。
しかも頭部に、だ。
気付かないうちにその最悪の結果を口にしてしまう。
「もしかして記憶が・・・・」
十分に考えられる事だった。
医者としての自分がそれを告げる。
その冷静な自分を呪う。
何が天才だ、何が月の頭脳だ!!一番重要な時に何もできないではないか!!
そうして永琳はしばらく嘆くのであった。