咲夜に着いて行くこと、数十分。
最初は時を止めて運んでくれようとしたらしいが、精止力な為か、はたまた、亜光速で移動できる為か知らないが、咲夜の能力は私には通じなかった。
これで心配ごとの一つが消えたのに内心安堵の息をついている。
時止めてる間に殺されるBAD ENDは避けられた訳だ。
屋敷の方には私が抱えて行った方が速いのだが、それはメイド長としてのプライドが許さなかったらしく、
「主がお招きしたお客様に運ばれるのは、メイド失格です」
と聞く耳持たなかった。
まぁ、本人がそう言うならば、強制するわけにはいかないので、諦めた。
今は咲夜の少し後ろを飛んで移動している。
何故完全に後ろでは無いかと言うと、咲夜のメイド服のスカートはかなり短いのだ。
そこからパンツを見てナイフが飛んでくるのは避けたいし、私自身、覗くのは如何な物かと思い、その距離を保って居る訳だ。
しかし、本当に解せんな。プライドの高いレミリアが人間(に見えているだろう)の私を客人として招いている事だ。
一応一戦覚悟を持って行った方がいいかも知れない。
何たって、レミリアの尻を叩いたのだ。プライドが高い彼女からすれば、これほどの屈辱は無いだろう。
フランは・・・・・、問題無いな。
それは、肩車してた時に気に入ったと言っていたし。
二次創作的にも大丈夫だった筈だ。
ただ、暇つぶしに弾幕ごっこを仕掛けてくるかも知れないが・・・・・。
ウーム、どちらも余り良い結果が出そうにないのは何故だろうか?
正直、運命を操る程度の能力を相手にするには、私では役者不足だろう。
未知数過ぎる。どこまで操れるかがわからん。
少なくとも咲夜よりは強力な能力だと言う事だけだ。
・・・・・、直々に私を潰す気か?
十分にあり得るから怖い。
紅魔館全てが同時に襲ってきて勝てる見込みは完全に零だ。
ガウェインだったら何とか成るかもしれないが、生憎中身は私だ。
剣術も本物のそれには遠く及ばないだろう。
あれ?もしかして積んだ?
そんな事を考えていたら、紅魔館が見えて来た。
心の準備はまだだが、来てしまったからには、大人しくお縄に付くしかあるまい。
ふ、不幸だー!!!
そのまま、下に降り、歩いて門の所まで行く。
空からこんにちはは、流石に常識外れだろう。それに咲夜が降りてしまった為、私も降りざる負えない。
・・・・・・、やはりと言うか、何と言うか。
門番は寝ていた。立ちながら寝るとか器用だな、おい。
まぁ、門番何て暇な仕事じゃしょうがないわな・・・・・。
咲夜が頭を抱えている。まぁ、客人前に寝ているとか普通ならあり得ないからな・・・・。
その事も含めて、見て居ない事にして、その旨を咲夜に告げる。
咲夜もそれを聞いてから、深々と頭を下げてお礼と謝罪をしてきた。
それに苦笑いで答える。
そのまま門をくぐると同時に「ぎゃぁ!!」と悲鳴見たいのが聞こえたが気のせいだろう。
振り向いてはいけない気がするので振り向きはしないが。
扉を前にして、いよいよかと気を引き締める。
開けられた扉を潜り、エントランスに入る。
出かいな~。最初の感想はこれだ。まぁ、二回目なのだが、真正面から入るのは初めてだ。
そのまま、案内されるままに広い館内を移動し、「ここで御嬢様がお待ちです」と言われて、その部屋の扉を開ける。
月をバックに中世ヨーロッパの長方形の長ーい机に、これまた立派な椅子が沢山一定の規律を保ちながら並んでいる。
その中の、ひときわ出かく、一番奥の椅子に座しているのは紅魔館の主、レミリアだ。
レミリアは無駄にカリスマを放ち、此方に挨拶の言葉を述べて来た。
「ようこそ客人、我が館、紅魔館へ、歓迎するわ」
そう言うと何かが私に当たったような衝撃を受け、体制を崩しそうになる。
いきなり攻撃とは挨拶だなとも思ったが、思い違いらしい。
衝撃の正体はフランだった。
フランは大好ゅきはぐの状態でにこにこしながら私を見上げている。
取り敢えず、額に人差し指と中指で小突き、注意しながら引き剥がす。
流石は吸血鬼なだけあって力は中々なものだったが、それでも私の方が強い。
まぁ、相手が本気じゃ無いのもあるのだろうが・・・・・。
そんなこんなでフランと話していたら、わざとらしく大きなせき払いがし、そちらを見る。
レミリアだ。何と無くだが、フランを羨ましそうに見ている気がする。
その光景を離れた所から暖かく見守るパチュリーに咲夜。
そう言えば居たんだな。
「ゴホン、単刀直入に言うわ、私の者に成りなさい。好きなだけの富と贅沢な暮しに快楽は保障するわ」
おおう、聞き方によらなくてもプロポーズだぞ?
それに私は今でも十分な富に贅沢をしている。欲しいものなどお嫁さん位だ。
まぁ、私みたいなモノ好きを好きに成る奴はいないだろうが・・・・・。
それに、先の問いには寂しさや何かの感情が含まれているのに気が付いている。
それに、確かに嫁は欲しいと言ったが、レミリアが嫁とか、私はロリコンでは無い。
なので兄貴のあのセリフを言って見る。
「ふっ、小娘が・・・・、もっと大きく成ってから出直して来なさい」
それを言い終わると同時に能力で外の世界の自分の家に飛ぶ。
彼に興味を持ったのは私の運命を操る程度の能力が通じなかったからだ。
それを度返ししても、フランとの仲直りのきっかけをくれたのだ。
尻を叩かれた屈辱はこれで我慢しよう。
それに私自身、不思議と彼に心惹かれる所がある。
故に彼をパーティーに招待した。
断られないように運命を操って先程の言葉を言ったがこのありさまだ。
それに、
「ふっ、小娘が・・・・、もっと大きく成ってから出直して来なさい」
なんて鼻で笑われた。うーーーーーー。
見てなさい、絶対に彼から私の元に来るように成って見せるんだから。
そこまで考えてふと気づく。今までなら殺していた所だが、今の自分は殺す所か、欲しいと思った。天津さえ、私に振り向いて欲しいと思ってさえいる。
私も随分と甘く成った物だ。これが惚れた弱みか?
なんて冗談で思ったが、顔が熱く成るのが解る。
ま、まさか本当に人間風情にこ、恋心を持ったというのか?
あ、あり得ない。絶対に何かの間違いだ。
しかし、彼の顔を思い出すたびに胸が温かく成るのが解る。
気が付けば、彼の事しか考えて無い。
ふと前を向くと、愛しい我が妹が私を睨みながら
「ガウェインは私のフィアンセなんだから!!」
何て言いながら出て行った。ま、まってフラン。そ、そんなんじゃない。
伸ばした腕は虚しく空を切るのだった。
た、確かに咲夜見たいに数少ない有能な人間で、野放しにしておくのが惜しいだけであって、べ、別に他意何てない。ないったら無い。
少しかっこいいな~とかも思っていない。
兎に角、ツェペッシュの末裔たる私に相応しい人材と言うだけだ。
そう・・・・、それだけの筈なんだ・・・・・・。
そんな心の中で葛藤している姿は、見た目相応の姿であった。
意外と人材マニアなレミリア。
皆が待ちわびたうー☆タイムだ。
まぁ、基本カリスマブレイクだけど・・・・・。