夢の中(此方では現実)で出会った小さな出会い。
間違っても二度と会う事が無いように心に決めた、そんな夜でした。
別にその出会いが憎い訳では無い。寧ろその逆で、それは、騎士が後悔を負ったが故の誓いでした。
自分のように成って欲しくない。ただ残ったのはこの感情だけでした。
東方太陽録、始まります。
な~んてなのはに似たようなテロップで初めて見たり。
たまにはこんな御茶目も許されるだろう。
兎に角、散歩の続きと洒落込む。
大きな大きな月と対面し、鍵剣で宝物庫を開けて、外で買って入れておいた果実酒を取り出し、お猪口につぎ、クイッと一杯飲み干す。
のどや胃までが熱くなるような感覚がする。
ここ十年で馴れた感覚だ。
月を見ながらまたお猪口にお酒をつぐ。
すると、そのお猪口の上に赤く染まった紅葉が落ちて来た。
もうこんな季節か、思い返せばあっという間の十年間だった気がする。
それだけ充実した時間だったのだろう。
又、近々収穫祭も行われるだろう。今までは出よう出ようと思っていたが、そんな時に限って外でイベントが有り、紫に連れ出されたり、永琳に誘われたりして収穫祭には行けなかった。
今年もまた紫辺りが外のイベントに連れて行けと言ってくるかもしれない。
そう言えば式であるルーミアも外の世界へは行った事が無かったな。
これを機に外の世界を体験してもらうのもいいかも知れない。
そんな事を思いながら能力でお猪口をもう一つ出し、それにも酒を入れ、隣に置く。
すると私の影が歪み、そこから人型の何かが出て来た。噂をすれば何とやらだ。
前に心臓に悪いからこの登場の仕方はやめろと言ったんだがな~。
未だに聞き入れてもらえない。
ルーミアはくすくす笑うとお猪口を持ち、私に寄りかかるようにして座る。
「月、綺麗ね」
「ええ」
短いやりとり。すぐに静寂が訪れるが、不思議と気まずい雰囲気にはならない。
そう言えば、とルーミアは私の腕を絡めるように掴み、力を入れて来る。
別に痛くないから良いのだが、やめて貰えないだろうか?
女性の象徴が腕に当たり、形を変えている。
マシュマロのように柔らかいそれは、私の中の理性をガリガリ削って行く。
急にどうしたんだろうか?そう問いかけようとしたら相手から声がかかった。
どこかドスの効いた声で、「別の女の臭い」何て言いながら抓ってくる。
やめろって、地味に痛いから。
てか、どうして私の周りはこうも臭いに敏感なのだろうか?
また一つ、迷宮入り事件が生まれた瞬間である。
暫く抓っていたルーミアだが、諦めたのか抓るのを止めて、抱きついてスリスリしてきた。
だから私の理性が!
そんなこんなで理性との戦いが続いた。
セイバーの膨大な神気を感じたから急いで来てみれば、月見酒と洒落込んでいた。
式としては様付けしたり態度を改めた方が良いかも知れないが、彼がそれを拒んだので一応普通に振舞っている。
着き合いこそ短いが、彼の頑固さを十分に思い知り、最後には此方が折れる形に成った。
っと、それはどうでも良いな。
重要なのは彼から別の女の臭いがする事だ。この天然たらしがまた、女を落としたな・・・・・。
思わずに溜息が出る。
此方の気持ちなど微塵も知らない彼はのんきに月見酒と洒落込んでいる。
カチンとなって腕を抓るが、効果は薄いようだ。
しかし、彼の鼓動が少し速く成るのを感じた。
そうしたらちらちらと私の胸元を捕えて居るのに気が付いた。
これは少なくとも女として認識されて居ると言う事だろう。
そう思うと、さっきまでの怒りが一瞬にして消える。
喜びの感情が溢れて来る。少なくとも女として見られているのだと。
悪戯心にも火がついて抱きついてスリスリして見る。
また鼓動が速くなった。心なしか顔に赤みがさしている気がする。
その事を指摘したら、酒を飲んでいるからだと返されたが、嘘だろう。
序に何処の誰とも知れない女の臭いを消す為にもスリスリすり寄る事をやめない。
そんなこんなで夜は更けて行くのであった。
たまにはこんな幻想郷