東方太陽録   作:仙儒

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春雪異変編

そう言えば、魔界の一部の法界とか言う場所に白蓮が封印されてるんだったか?

その事を忘れていた。今度神綺に頼んで解放して貰うか。

平和的解決が一番だ。

武力行使は出来るだけ起こらない方が良い。

 

しかし、今はそれどころでは無い。

恐らくもうそろそろ、魔理沙が痺れを切らして行動し始める頃だろう。

縁を切られた所から面倒を見て居たせいかここの所が何と無くだがわかる様に成った。

我が子同然だしな。

さて、どんなイレギュラーが有るかわからないし、私も動き出した方がいいだろう。

思い立ったが吉日、膝の上に体を丸めていた橙を下ろし、炬燵を出て家を出る。

確か空の上に冥界への結界があった筈だ。

雪が降り注ぐ中、天に向かって加速する。

雲の中を抜けると春告げ妖精のリリーが「春ですよ~」と連呼していた。

確かに地上に居るよりは温かい気がする。

取り敢えず、リリーに春が集まっている場所が無いか聞いて見たらあっちの方にあると指さして教えてくれた。

そのリリーにありがとうと告げ、指差された方へ加速する。

 

 

あった。円形に歪んだ空間に何かが流れこんでいるのが見て取れる。

そう言えば、プリズムリバー3姉妹が居ないな。

門番見たいのをやっていた筈なんだが?

もしかしてもう魔理沙、或いは霊夢に倒されたのか?

 

まぁ、良い。無駄な争いは避けるに越した事は無いだろう。

その円形に歪んだ空間に突っ込む。

上下左右の間隔が曖昧に一瞬成ったが、直ぐに治った。

改めて周りを見渡す。

果てしなく長い階段に、左右に等間隔で置かれて居る行燈(で、いいのか?)が数えるのも馬鹿らしく思うほどに成らんで居る。

何だか嫌な予感がする。

急いで階段を駆け上がる。階段を上りきると妖夢が今まさに、魔理沙を切ろうとしている瞬間だった。

急いで間に入り、買ってから宝物庫に入れっぱなしの日本刀で剣戟を受け止める。

 

「何者だ!!」

 

妖夢から発せられた声に応えつつ、刀に力を入れて押し返す。

相手は少し離れた場所に着地した。

呆けて居た魔理沙が

 

「せ、セイバー、何でここに・・・・」

 

と言い出す。

私はそれに「通りすがりだ」と答えた。

本当は心配で来たのだが、恥ずかしくて言えない。

再び前を見る。律儀に待ってくれていたようだ。

それは良いとして妙だな、確かに白兵戦なら魔理沙は妖夢のそれに劣るが、弾幕ごっこでは遥かに魔理沙の方が上の筈だ。

実際に原作では魔理沙は妖夢に勝っている。

考えながらも剣に魔力を通し強化する。

 

「お前達のなけなしの春、頂いて行く!!」

 

言葉と共に切りかかってくる妖夢。

初撃を受け流し、切り返す。

それを妖夢は小太刀受け止めた。

流石は剣術を操る程度の能力の持ち主だ。

心眼(真)を絶対に持って居る。

確か妖夢のそれはスピードに特化したスタイルの剣術だった筈だ。

ここら辺で西洋と東洋の差が出た。

西洋では一撃による重さを、東洋ではスピードによる手数に長けて居る。

今は使い慣れていな日本刀だ。

強化しえるとは言え、現代の付け焼刃に近い刀では此方は不利である。

それに今までは決して折ぬ刃こぼれせぬガラティーンを使っていたから折れる心配は無かったが、今はそうはいかない。

剣戟の嵐の中、慣れない受け流しの仕方に四苦八苦しながら受け流す。

それをしつつ、日本刀にルーンを刻む。

 

なれない日本刀になれない二刀流を相手にする。

しかも相手のは相当な業物で此方は付け焼刃もいい所の刀だ。

あれ?もしかしなくても積んだ?

 

「考え事とは余裕ですね!」

 

ッ!!

急な突きを左手で白羽取りする。

これはチャンスだ。右手で切りかかる。

妖夢は小太刀を離して、剣戟を長いほうの日本刀で受け止めながら距離を取る。

 

ギンッ!!

 

鋭い音が木霊する。と同時に折れた剣が落ちて来た。

マジかよ。私の日本刀が半ばから折れている。

 

ッチ!!

 

残された小太刀と折れた日本刀で二刀流の構えを取る。

構えると同時に駆け出す。と言ったものの、リーチの長さが出た。

弾幕を放ちながら切りかかってくる。

避け切れない弾幕は刀で弾いて避ける。

その弾幕に紛れて日本刀による攻撃がくる。

此方もスペルカードを使うしか無いか・・・。

 

「皐月「鷹の名を冠する者」!!」

 

色とりどりの弾幕が妖夢を襲う。

最早避けるすきまがあるとも思えない鬼畜弾幕が張られる。

あれ?私の作ったスペルカードこんなんだったのか。

妖夢は剣で弾幕を弾くが弾き切れずに少しづつだが被弾している。

そこに炎で出来た鷹が3匹襲いかかる。

そこで完璧な隙が出来た。

今しか無い、折れた刀を捨て、小太刀の柄で思いっきり心臓部分を突く。

 

「ッハッ!!」

 

悲鳴にも成らない叫びを残し、妖夢は気絶した。

こちらに倒れかかってくる妖夢を丁寧に寝転ばせて先に急ぐ。

 

少し進んだ所、幽々子に霊夢に魔理沙が激闘を繰り広げて居た。

まただ。ここまで原作が歪んでくるとは・・・・。

そんな事を考えていたら西行妖が輝き出した。

満開に成りつつある。こんなの原作にあったか?

不味い、あれを満開にされたら幽々子が死ぬ。

それが今まさに満開になろうとしている。

 

な、何か出来る事は無いか?

止める術は無いか・・・・・。

考えろ、考えるんだ。この状況を打開できる方法は。

 

 

・・・・・・・、そう言えばあの桜は妖怪でもあった筈だ。

もしかしたらアレが通じるかもしれない。

こればかりは賭けだが・・・・・・、ええい!どうにでも成れ!

 

そう思いながら西行妖に向かってジョワイユスを投影する。

すると眩い光が放たれる。

あれ?この光に幽々子が当たったらダメなんじゃねーのか?

 

「ユユコ!!!」

 

急ぎ名前を呼びながら幽々子が私の陰に入るようにして抱きしめる。




ジョワイユスはありとあらゆる物を浄化し、執念や未練を切り取る剣なのでその光に直撃すると成仏します。
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