聞きたかった声を聞けた気がした。
その膨大すぎる神気に膨大な霊力、そこから放たれる光に思わずに目を瞑ってしまう。
その瞬間、何と無くだがセイバー様に抱きしめられる
そこで私の意識が途切れた。
その包まれるような優しい安心感に浸りながら・・・・・・。
眩い光が収まる。
幽々子は!!
・・・・・・・、気絶してるが、どうやら大丈夫な様だ。
それに安堵しつつ、西行妖を見つめる。
原作に無かったイレギュラー、間違いなく私の責任だ。
今回は何とか凌げたが、次も同じように防げるとも解らない。
これからの異変を見守る必要が出て来たな。
取り敢えず近くに降りて来た魔理沙と霊夢に怪我は無いかを聞く。
二人ともかすり傷は幾つかあれど、大事無いようだ。
流石は主人公と言った所か。
っと、そんな場合じゃ無いんだっけか。
幽々子を二人に任せて西行妖の元へ飛んで行く。
改めて見るその巨大さ。伊達に1000年以上ある生きて?居る訳じゃないか。
ジョワイユスの柄を握る。
魔力を通しながら思う。
なぁ、おい。こんな悲しみの連鎖はここまでにしようや。
西行法師も死を呼ぶために桜の下で命を落としたわけでは無い。
確か西行法師は桜の美しさに魅入られて死ぬ時は桜の下で死ぬと決めて死んだ筈だ。
だから・・・・・だから、もうゆっくり眠りに付け。
「
呟きと共にまた眩い光を放ち始める。
西行妖から放たれて居た膨大な妖力がどんどん無くなって行く。
最後の抵抗とばかりに、根っこで攻撃してきたが、光に当たった瞬間に消滅した。
もう二度と咲く事が無い様に能力も行使する。
能力の方は保険だからどうでも良いが・・・・・。
これは紫に何か言われそうだ。
懐かしい夢を見た。知らない筈なのに懐かしく思う不思議な夢。
三人で甘味を食べて笑っている光景。
一人は私の大事な親友。八雲紫。
そしてもう一人は私の思い人であるセイバー様。
そして顔色が少し悪い私が居た。
三人で話、笑いながら過ごした大事な時間。
しかし、この光景を私は見た事が無い。
今と着てる着物もないしナイトキャップもかぶって無い。
毎日遊びに来てくれる二人。
それを嬉しく思いつつ、後ろめたさもあった。
二人には私の能力が効かない。
そんな二人にどうしようもなく思う処がある。
何故私は二人と同じじゃないのかと。
「・・・ユ・・・コ」
何故私は二人と同じ存在に成れないのかと
「ユユコ!!」
ッ!!!
現実に一気に戻される。
目を開けて最初に映ったのは私の、否、”私達”の愛した愛しい愛しい殿方、セイバー様だ。
目を覚ました私を見てセイバー様は私を抱きしめて来た。
余りの不意打ちに顔が茹でダコのように赤く成る。
しかし、セイバー様の言葉を聞き、冷静になった。
「良かった・・・・本当に良かった・・・」
こんな事を言われては罪悪感がふつふつと込み上げて来る。
私は小さく「ごめんなさい・・・・」と呟いた。
そう言えば彼は先程から私の名前を呼んでいるが、もしや記憶が戻ったのか?とも思って聞いて見たら、「何と無くそんな気がした」との達しだ。
そこで名前を教えて欲しいと告げられた。
記憶が戻らなかった事を残念に思いつつ、仕方がないと無理やり自分に言い聞かせ、名前を告げる。
「西行寺幽々子と申します」
頭を深々と下げる。
それにセイバー様は
「よろしくお願いします西行寺殿」
と告げて来た。
先程と同じように名前で呼ぶように頼んだがセイバー様は頑として首を縦には振らなかった。
そんなに名前を言うのが嫌なのだろうか?
本気で心配した。
それを察したかどうかは解らないが中指に人指し指でおでこを軽くコツンと突かれた。
「許せ”幽々子”、これが最後です」
その姿があの夢に重なった。セイバー様の癖。涙腺が緩み、回りが歪んで見える。思わずにセイバー様の胸に顔を埋めて声を殺して泣いてしまった。
幽々子の名前をまだ知らないはずなのに呼んでいた事に気が付きかなり焦った。
苦し紛れの言い訳に「そんな気がした」何て言ってしまった。
ツクセウ。そんな気がしたで名前を連呼出来る訳ないだろう、少し考えればわかる事だ。
ヤベぇ、どうしよう。
「記憶が戻られたのですか?」
ん?また記憶か・・・・・。何なんだろうな、いったい。
まぁ、良いや、何とか誤魔化せた様だ。
そうしたら幽々子が泣きそうになっていた。
ヤベぇ、何かミスッたか私!!
取り敢えず誤魔化す時の恒例のイタチ突きをした。
そうしたら幽々子が抱きついて来た。心なしか泣いている気がする。
やべぇ、本気でヤベェー、このままじゃ妖夢に殺され兼ねないぞ!!
どうするよ、私!!
まぁ、カードはなだめる以外に持って居ないので取り敢えず優しく撫でておくことにした。