東方太陽録   作:仙儒

61 / 111
31話

今更ではあるが、私はガウェインの力をちゃんと操れているだろうか?

 

答えは否だ。

何処かの感謝達の言うように動物のように本能に身を任せているだけだ。

それはそれで良いのかも知れないが、自分よりも強い奴が登場した場合、勝つ事は出来ない。

今までは聖者の数字と幸運の高さで何とか誤魔化せていただけだ。

その証拠にこの間幽香と模擬戦を聖者の数字が発動していない時に戦った所、辛くも勝利をおさめる事が出来たが、次は勝つ事は出来ないだろう。

ルーミアに勝てたのは相手が剣に慣れて居なかった事が大きい。

此処に来てこの十年間どれだけ自分がぬるま湯に浸かっていたかを思い知らされる。

もし仮に、世界の意思が私と言うイレギュラーを排除しに来た場合、必ず英霊とのぶつかり合いに成るだろう。下手をすれば吸血鬼の真祖クラスが来るかもしれない。

そうなった時に立ち向かえるか? 今のままで。

 

答えはNO。

 

少なく見積もってもアサシンであっても大妖怪クラスを打ち取る事が出来ると思った方が良いだろう。

ホロウでアサシンは卑怯な手を使ってだがランサー、彼の伝説の英雄。光の御子であるクー・フーリンを倒しているのだ。

クー・フーリンは槍兵の中ではトップクラスなのだ。少なくとも2位以上だろう。

1位はエルキドゥだ。確か槍使いで、ギルガメッシュと対等に渡り合えたエルキドゥは正真正銘化け物だと思う。しかも槍一本で、だ。

宝具もEXクラスの反則級の対界宝具に違いない。

 

おっと話がそれたな。

兎に角、今の状態で英霊の相手何ぞ務まらないだろう。

今まで世界の意思が介入してこなかったが、何時介入してくるかわからない。

警戒はしといて損は無いだろう。原作にどんなイレギュラーが起こるかもわからないし。

 

と、言う訳で・・・・・

 

「よろしくお願いします、メイリン殿」

 

「はい、お願します」

 

私の話に笑顔で答えてくれた。

前回のように成らないように前もって趣旨を伝えておいた。

美鈴は確か、幽香には劣るが身体能力としては幻想郷のトップクラスに入っていると言っても過言では無い。

何故美鈴なのかはその大元にある中国拳法全てに共通する動き、円運動にある。

それに、私も生前、太極拳を齧った程度ではあるが馴染みがある。

円運動は全ての動きに精通する。それは剣においても例外では無い。

西洋の剣の主眼はその重さに重きを置いている。その為、特に西洋の剣であるガラティーンは返しがついていない。日本刀のように相手を斬る事が出来ない。

必然的に切り方にも違いが出て来る。

本来ガラティーンなんかは突き等に特化した剣だ。普通にしてたら相手を切る事は叶わない。

今までは力任せに無理やり通して来たが、英霊との勝負に成ればそうはいかないだろう。

その為、今回は少しでもこの体に慣れるために美鈴に修行を付けてもらう事にした。

無論ちゃんとレミリアに許可は取ってある。

美鈴も幻想郷に来てから弾幕ごっこだった為か、どことなく生き生きしている気がする。

そして何故かフランも一緒に中国拳法を習う事になった。

私が申しでた所、フランも「私もやる!!」と元気よく言って来た。

それにレミリアは猛反対したが、フランが押し切り中国拳法を習うようになった次第だ。

太陽がだめなフランの為に、今は館で日陰に成っている所でやっている。

美鈴は剣を持っていない為、やはりどうしても拳を使う拳法になってしまう。

できれば剣の方が良かったんだけどな~。

中国の剣は西洋の剣を少し小さくしたような剣だった筈だし。

しかし、教えを乞おうにもおそらくこの館に剣は置いて無いだろう。

んー、もったいないな~。

そう考えながら美鈴の動きに何とかついて行く。

美鈴も私が初心な為かちゃんとゆっくり解り易く教えてくれている。

 

「そう言えば、セイバーさんは剣を使われるんですよね? 私と手合せ願えますか?」

 

「わー、私も見たい!」

 

突然の申し出に、それに賛同する声。

おいおい、勘弁してくれよ、そう思いつつ剣を構える。

神気が溢れ出す。それに美鈴はひどく驚いた顔をした。

 

「神様だったんですね、セイバーさんは」

 

美鈴の問いかけに苦笑いで違うと否定しておく。

私は神様何て大それた存在では無い。

その答えに対して美鈴は「御謙遜を」と言ってくるがマジで違うからな?

言葉にしてもきっと同じ事のループなので心の中だけで呟いておく。

思わず苦笑いがでる。

 

はぁ~、んじゃいっちょやりますか。

 

本来の目的忘れてるような気がするが、これはこれでいい経験に成るだろう。

剣を構える。

 

「いざ、尋常に・・・・・・勝負!!!」

 

その言葉と共に凄いスピードで迫りくる美鈴。

はぁ、面倒だ。

そう思いつつ、初撃を剣の腹で受け止め、その勢いを使い後ろに大きく下がる。

すると幽香の時と同じように握った手をグッパグッパしてる。

如何したんだ?

と、思いつつ様子を窺う。幽香の時と違い、中国拳法は完全に自分よりも強いものと闘う事に特化した拳法だ、最小限の力のみを使い、相手の力を利用する拳法なので、下手に突っ込んだらカウンターを貰い、痛い目を見る可能性がある。

しかし、隙である事には変わりない。成るべく美鈴の拳のリーチの外から攻める。幸い、背丈は此方の方が上だ。

必然的にリーチは此方の方が長い。剣を持って居るから余計に、だ。

しかし、流石と言うべきか、振り下ろされる剣の腹を殴り剣戟を反らす。

剣が地面に接しようとするわずかな時間に美鈴は一回転し、その勢いで蹴りをかましてくる。

それを鎧を部分展開する事で何とか受け止めるが後ろに大きく後退する。

 

っ痛!! これ私じゃ無ければ骨折れる処かミンチだぞ。

もしかしたら鎧通しを使っているのかもしれない。

今はちょうど聖者の数字の時間外だ。

改めて凄いスキルだったんだなと思いなおす。

そんな事考えていたら目の前に美鈴の姿が映った。

美鈴は攻撃態勢に入っており、強烈な破壊力を秘めた1撃が繰り出されようとしていた。

しまった。美鈴相手には致命的な隙だった。

 

ズルッ!

 

着地した足が滑る。一気に美鈴から青空の景色に代わる。

不味い、反射的にバク転をする。

足に軽い衝撃を感じる。

ドサリ、と言う音がして前を見直すと、美鈴が仰向けに倒れていた。

 

 

「流石、ですね」

 

美鈴はそれだけを告げると目をつぶってしまう。

なんだか知らないが、これだけは言える。

どうやら私はやらかしたらしい。

しかし、流石とは此方の言葉だ。

恐らくバク転の時に美鈴にたまたま入った一撃を恐らくは完全には出来てないが、やり過ごしたのだろう。

あのアクシデントの中で見事、としか言えない行為だ。

気絶してる美鈴は怪我ひとつ負って無いし、足に感じた衝撃が何よりの証拠である。

美鈴に対する認識を変える必要があるな、もしかしたら幽香相手にいい試合をするかもしれない。

 

「わー、凄いセイバー。流石は私のフィアンセ!!」

 

自分の事のように喜びながら凄い勢いで抱きついてくる。

ちょっ、それは洒落に成らない。

流石は吸血鬼と言った所か、凄い力だ。

興奮しているフランをあやしつつ美鈴を介護しようとしたら、タイミングを図ったように咲夜が現れて此方に一礼し、美鈴を担いで行った。

 

ふーむ、どうした物か・・・・

 

そう思っていると、私のすぐ隣を赤い閃光が駆け抜ける。

そちらを見る。

 

「うふふ、セイバー、今度は私と遊びマショウ?」

 

砕けた大地に四人に成ったフランがそれぞれ剣を剣を構えていた。

今日は、否、今日も厄日らしい。

興奮してるのか声もカタコトになり、笑っているフラン達。

もう一度言おう、厄日だ。

 

そうして第二ラウンドが開幕したのであった。

 

 

一番左上に居るフランから攻撃を仕掛けて来る。

その後ろにもう一人が剣を構えて続く。

剣を弾き、大きく後退している内に後ろに居たもう一人のフランが剣戟を仕掛けて来たフランを飛び越して此方に迫って来る。

黒い三連星かよこいつらは・・・・、4人だけど。

 

鞘を目の前に投げつけてわざと後ろに加速する事で後ろから迫っていた残りのフランとの間合いを縮める。

思いっきりのタックルをくらったフランは後ろにいるもう一人のフランを巻き込んで行った。

「ぎゃいん!」とか言ってたが大丈夫か?

・・・・・、様子を見ると二人仲良く目をまわしていたので大丈夫だろう。

 

「よそ見をしてていいの? セイバー・・・・」

 

ッ!

前を向くと二人のフランが剣を振り上げていた。

危ね! 剣の柄でフランの振り上げていた剣の柄を突く。

 

ギンッ!

 

鋭い鉄どうしの鈍い音が木霊する。

フランの振りかぶっていた剣が回転しながら屋敷を容赦なく破壊していく。

これって私のせいに成らないよね? そこん所おじさんは心配です。

 

蹴りをかまして剣を掲げると残りのフランの一撃がこの剣に伝わる。

 

ギンッ!!

 

「きゃはは! 凄いスゴイ!」

 

妹様が嬉しそうで何よりである。が、こっちとしては堪った物では無い。

残り1人、嫌、2人か。剣を失ったフランが弾幕を放って来る。

弾幕は得意じゃ無いんだけどな・・・・・。

 

「誓「緑の騎士を探す旅」」

 

スペルカード宣言をする。

この十年間で増えたスペルだ。

相変わらずのネーミングセンスだが気にしない。

色取り取りの弾幕が二人のフランの行動をけん制する。

 

行き場を失った剣を持って居る方のフランに近づき剣を奪い、もう一人の弾幕を張っているフランに投げ飛ばす。

 

「「きゃぁ!」」

 

今度は可愛らしい声を上げて飛んで行った。

素早く近づき剣を付き付ける。

 

「いたた、やっぱり強いね! 流石は私のフィアンセ!」

 

何て言いながら一人に戻り抱きついて来る。

だから飛びつくのはやめろって、力が凄いんだから。おじさんじゃ無かったら肋骨ごと背骨折れるぞ、全く。

 

・・・・・、そう言えばこの壊れた壁、どうしよう。




これ書くのに4時間とか・・・・

私的にはもっと書けてるつもりだったけど、見て見れば3000字だけか。

少し落ち込みますOTL
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。