東方太陽録   作:仙儒

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37話

「お姉さま!!」

 

「来たのね依姫」

 

「それよりお兄様が!」

 

「落ち着いて、今集中治療室の中だから、頭にひどい傷を負っているそうよ」

 

それにしても、と手にある書類を見る。

地上で活躍している人物が同姓同名で出て来たのをきっかけにそこら辺をあさって居たらまさかビンゴだったとはね、とため息を吐く。

書類にはDNA100%一致と書かれて居た。

それに気に成る物がある。額に古い傷がある事だ。しかもかなりの物だ。

今回はそれを更に上からなぞる様に怪我をしたとある。

記憶が無い事を覚悟してくれと医師から言われた。

そんな最悪の事を想像すると冷や汗が出る。

幾ら科学が発達していても無くした記憶を戻す事は出来ない。

再び治療室を見つめる。ようやく見つけた愛しい兄に、目が覚めたら聞きたい事が山ほどあるのに・・・・・・。

でも唯一つ確かな事は愛しい兄がこの扉の先に居ると言う事だ。

また急に居なく成らないように能力で兄の居る地点と月の都を繋ぐ。

しかし、相変わらず繋がったのか繋がって無いのか中途半端な手ごたえだが、それにさえ安堵の息が漏れてしまう。

すると手を繋がれた感覚がした。

その感覚を確かめるために目で見てみると不安そうな顔つきで依姫が私の手を握って居た。

それを見て思わず苦笑いがでてしまう。

 

「大丈夫よ依姫、お兄様なら地上の爆弾如きで死ぬはず無いでしょう」

 

ね、とウインクしながら妹をたしなめる。

 

「そ、そうですよね。お兄様なら平気ですよね」

 

妹からも少し安堵の息が漏れた。

そう、そんな事とで死ぬほど軟では無い。何たって自慢の兄なのだから・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずい事に成ったわね」

 

「ええ、そうですね紫様」

 

月への戦争をかける機会を窺っていたらまさかこんな事に成っているとは。

しかし、これで大義名分が出来た。

彼を助けるためにかなりの戦力がそろうだろう。

昔煮え湯を飲まされた月の賢者が此方側に間違いなく付くだろう。

敵に回せば厄介だが、味方にするのならこれ以上ないものだ。

戦力は大いに越した事は無い。

早速藍を使いに出す。しかし、妙だ。月の警護が緩すぎる。

少なくとも前まではそう易々とは入り込めなかったのに使い魔が月の都に潜入させる事に成功し、天津さえ彼を発見出来たのだ。

未だに気づいた気配もしない。

その事も踏まえて状況を見守る必要がある。




永琳の思惑がついに現実に成ってしまった。
これから先どうなる、待て次回。
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