東方太陽録   作:仙儒

69 / 111
38話

目が覚める。

ダルイ感覚と鈍い頭痛がする。

やっとの思いで起きあがってみれば現代医療の物が勢ぞろいに所狭しと並んでいる。

酸素マスクを外しながら思う。

この部屋の造りからして幻想郷では無いだろう。

と言う事は外の世界の病院か?

そう言えば何故自分はこんな所に居るのだろうか?

 

思い出せ・・・・・、そう、確か外の世界に出て、早苗を宥めて、それから・・・・

 

 

 

何があったんだっけか?そこから先を思い出そうとするが鈍い頭痛が思考を妨げる。

 

仕方がない、取り敢えず色々あった装置を撤去し、点滴だけを残して部屋を後にする。

目指すは屋上だ。

しかしひどい頭痛だな。

頭を触ってみると包帯が巻かれて居るのに気が付く。

何か前にも同じ事があったような気がする。

そんなデジャヴに襲われながら何だかんだで屋上に出た。

天気は晴れ、屋上には白いシーツが大量に干されて居る。

そうして、何と無く空を見上げれば、空には月サイズの青い星が見える。

あれは何て星だろうか?月より少し大きく見えるそれを疑問に思いながら、恒例に成りつつあるいつの間にか持っている棒アイスを口にする。

暫くシャリッ、シャリッっと言うアイスを食べる音だけが木霊する。

天気の割に外で日向ぼっこする連中は居ないんだな~何て思う。

大抵1人か2人位はいるもんだと思ったんだがな・・・・・・。

アイスが無く成り、手持ち部沙汰に成り、空を眺める事にした。

見れば見るほど不思議な感覚が私を襲う。

あの青い星、何て名前なのかな?

暫くそのまま見つめていたが答えは出ず仕舞い。

そう言えば私の身分を表明出来るものを持っていただろうか?

そう言えば持って無かった気がする。

それって不味く無いか? ・・・・・でも後で出せば良いか。

そう思い屋上を後にする。

病院内に入ると少し慌ただしい雰囲気が出て居た。

何でも病人が1人居なくなってしまったらしい。

大変だな、病院と言うのは。

そう思い、自販機を見つけたので金を入れてジュースを買おうとするが何故か全ての金が使えない。

可笑しいと思ったがもしかしたら壊れて居るのかも知れないと、自販機を後にし、別の自販機を探しにぶらぶらと行く。

 

「ああ!!!」

 

急に大きな声がして振り返るとナースが此方を指さして叫んでいる。

どうでも良いが指を人に指すなと親から教わん無かったのか?

私は気にしないが最悪、刺されるぞ? 刃物で。

 

「ガウェイン様!やっと見つけましたよ!!」

 

・・・・・どうやらその居なくなった病人と言うのは私らしい。

しかし、”ガウェイン”だと?

一応外の世界では”セイバー・ガデッサ”と言う名前の筈だが・・・・・。

そんな事を考えて居る間に元居た病室に戻されてしまう。

本当に何だったんだろうか?

その後私担当だと思われる医師が来て色々質問攻めに成った。

名前は言えるか、とかどうしてここに居るのか、とか。

取り敢えず前の質問にはセイバーと答えておいた。何故か医師からの視線が尊敬の眼差しに変わった。

後に質問された事には正直覚えて居ないので正直に言う。

それから質問は続く。

名前以外に覚えてる事はあるかと大雑把な事を聞かれたが正直この世界に来てからの事しか無いので首を傾げつつ、どう言った物かとだんまりしていたら、何を勘違いしたのか医師が勝手に神妙な顔でカルテに書き込んでいく。

何て書かれてるのか気に成ったがあえて聞きはしなかった。

 

それから二人の姉妹が彼を訪ねて来るのは2時間後のこと。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。