東方太陽録   作:仙儒

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44話

あれから世間話に花を咲かせ、ガーデニングの事を幽香に教えてもらい、外の世界の肥料を幽香に渡して楽しいティーパーティーは幕を閉じた。

幽香はまだしばらく花の世話をしていくと言い一人残った。

メディスンは鈴蘭畑が気に成るらしくそちらへと飛んで行った。

私もこれ以上ここに居ても意味は無いと思い徒歩で里へ帰る事にした。

現在の時間は午後0時を少し過ぎた所だ。

御茶会したせいか腹は減ってないし、時間も持て余してる。

そこでふと思い出す。そう言えば十年も幻想郷に居るのにあまり中を知らないな。

そんな小さな冒険心から何時もとは違う道から帰るのもありかもしれない。

思い立ったが吉日。ちょうどいい所に長年使われて無さそうな道を見つけた。

草で覆われたその古い道を幽々子に貰った刀で切り払いながら進む。

わざわざ草を切る必要はないのだがツツガムシ病に成ったりすると嫌だからな。

絶対幻想入りしてるよこの病気。そのための保険だ。

この体が病気に成るかは知らないが・・・・・

 

暫く歩いたら川辺に出た。川は綺麗に澄んでいて飲めそうだ。

魚もちらほら泳いでいる。

近くに古いお地蔵様があった。

ボロボロに成り果てていて、可愛そうなので朽ち果てて居た囲いをとっぱらい、能力で新しい囲いを作る。そしてお地蔵様の前には大福をお供えした。

お地蔵様はその道を管理し、旅人の安全を守る神様だった筈だ。これ位しても罰はあたるまい。

此処を通る人がいるかはともかく、その道をずーっと守り続けたこのお地蔵様に手を合わせ、敬意を込めて手を合わせる。

なぁ、お地蔵様この道をいききする人を見て、長い時間この道を守り続けて一体何を思ったのだろうか? やっぱり人間の身勝手さに嘆きを上げて居るのだろか?

お地蔵様の隣に座り、気付いたらこんな事を問いかけて居た。

さーっ、と風が頬を優しく撫でる。

 

「そうですね、ただ役目を果たすだけしか考えていませんでしたよ」

 

まさかその問いに返してくれるとは思わずに、声のした方向を見る。

幼さを残した顔立ちで緑髪で罪と書かれた尺を持った少女が居た。

何処となく神々しく凛としたたち振る舞いでお辞儀をして来た。

私も釣られて頭を下げる。

 

「久しぶりです、セイバー様」

 

ここでも、か。

 

「確かに私はセイバーですけど人違いでしょう」

 

そう告げてはじめましてと頭を下げる。

 

「私ですよ!四季映姫ですよ!!」

 

知ってます。山田さんですよね?

面倒なので記憶が無いと告げた。

嘘では無い。事実合うのは初めてだ。

四季映姫は鏡を出して私の名を告げるのを覗き込んでも何も変化は無かった。

「そんな・・・やっぱり」と呟いてる。

これって確か浄瑠璃の鏡って言うんだっけか?

あの生前の事を全部映すプライバシーの欠片もない神器だった筈だ。

あれでも私の事は何一つ浮かんでこないぞ?

覗きこんでいたのに気がついたのか鏡をしまい、コホンとわざとらしく咳払いをして自己紹介をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぼって居た小町を叱りたまたま近くを通ったので自分の地蔵が気に成り、見に行った。

そうしたら新しい囲いの祠が立っていて少しびっくりした。

元々人通りの少ない道なので余計にだ。

隣に誰かが座って居た。

気に成り話しかけようとしたら相手から話を振って来た。

とは言っても私では無く地蔵に、だが。

この地蔵は私の半身でもあるので私が答えるのが筋と言うものだろう。

問いかけに答えたのに驚いたのか此方を見る人物。

私はこの人物に見覚えがあった。

その人物は私がまだ普通の地蔵だったころ、良くこの道を通り、何のご利益もない私によく手を合わせ、お供え物を持って来てくれた人物。

神であるのに神らしからぬ行動や思想を持っていた不思議なお方だ。

久しぶりの再会だ。胸の鼓動が速く成るのが解る。

 

「久しぶりです、セイバー様」

 

声をかけたが相手の反応ははっきりしないものだった。

そしてとんでもない事を言った。

記憶が無いと。

俄かに信じられないで鏡でセイバー様を映すが相変わらず何も浮かばない。

しかし、仕草や言い回しで本当に記憶が無いのだと確信してしまう。

虚脱感が一気に私を襲う。

そんな、覚えてない何て・・・・

 

待てよ? 記憶が無いと言う事は刷り込み現象である事無い事吹き込んで仲を近くするチャンスかもしれない。

そんな私の閻魔にあるまじき事を考えて自己紹介をしてしまう。




腹の中が黒い映姫様・・・・・ありだと思います
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