二人で話が弾み歩きながら話している。
段々と辺りが霞がかって来たような気がする。
それに足元には彼岸花がこれでもかって程辺り一面に咲き誇って居る。
それだけでは無い。壊れたパソコンのような物とか足元には空き缶等もあった。
ここは無縁塚か?
確か外の世界で忘れ去られた物がここにやって来るんだったなと思いだす。
そうか、お前達も忘れ去られたのだな・・・・・。
物やガラクタと化した物を眺めながら灌漑深い思いに成る。
これなんかはまだ使えそうなのにな・・・・・。
そのまま進み、大きな岩の上に人影があった。
こんな所にも人は居るんだなと思っていたらクローバーをパイプ代わりに昼寝をしてる小野塚小町だった。
隣から邪念のような気を感じて恐る恐る隣を見てみると山田さんがニコニコ顔に青筋を浮かべて小声で「あれほど言ったのに・・・」とか呟き始めた。
正直半端なく怖い。
山田さんはすごい勢いで小町の元に向かい罪と書かれた尺で叩かれた。
うわぁ痛そう・・・・。
確かあの尺って罪の重さによって重さと言うか、衝撃が変わる設定だった筈なのでかなり痛いんだろうな。
その後何があったかを理解した小町が山田さんに頭をペコペコ下げて謝り、山田さんが説教する様子はさながらサラリーマンが上司に怒られて頭を下げる物に重なり思わず笑いが出てしまう。
しかし、長い。毎日自業自得とは言えこんなに怒られるのは堪ったものではないだろう。
小町のさぼり癖、二次創作とかでも出て居たが優しすぎる彼女の性格故の物だった筈だ。
平等に扱わなければならない死者。例えその中に幼い子供が居ようと、親しかった者が居ようと平等に接さなければならない。
優しすぎる彼女にはこれ程残酷な事は無いだろう。
そりゃ、さぼりたくも成る。
世界は何時だってこんなはずじゃなかった事ばかりだな。
まだまだ説教してる山田さんの額を指で突く。
「四季殿、また今度だ」
そう言うとまだ何か言いたそうな顔をしているが一応お説教をやめてくれた。
それを見て驚き顔の小町。
「映姫様を黙らせるなんて・・・・あんた何者だい?」
「こら! 小町! このお方に向かってなんて無礼な!!」
言いかけた途中で山田さんの口をふさぎ
「セイバーと申します。失礼ですがあなたは?」
「あの映姫様を黙らせるなんてあんた何者だい? あたいは死神の小野塚小町よろしくあたっ!」
山田さんが途中で叩いた。
「すいません。部下が失礼な態度をとりまして、後できつく言っておきますので御許しを」
山田さんが小町の頭を掴み無理やり下げさせ、自身も頭を深く下げて来た。
それに苦笑いで
「気にしていませんよ、それに私は敬われるような人物ではありません。普通に接してくれるとありがたいです」
ですがと食いついてくるがそれに「では命令です」と言って普段通りに接するように頼んだ。
そんな不毛な戦い? が小一時間ばかし続いた。
そして最後に山田さんが折れてくれた。
良かった。無限ループ怖い。
「あんた本当に何者だい?」
「? 唯の人里の教師ですよ小野塚殿」
「あー片っ苦しいのは嫌いなんだ小町と呼んでくれよ」
そんな感じで話してて徐々に強く成る負のオーラに気がつかないふりをする。
山田さんが段々鬼の形相に変わって行く。
それに気がつかずに私としゃべり続ける小町。
そしてその怒りがついに爆発する。
尺で小町の頭を思いっきり叩き、早く持ち場に戻る様に支持を出した。
あの大きなコブはギャグ補正なのか?
「四季殿、あれは少しやり過ぎなのでは?」
一応フォローを入れるが映姫はむしろ加減した方だと言った。
本気でやったらどうなるんだろうな。気に成ったのは秘密だ。
さて、小町が行ってしまいまた二人に成ってしまったがどうしよう。
山田さんはいまだに怒ってますオーラを出している。
というかこうして見ると不貞腐れた子供そのままだなと思い苦笑いがこぼれる。
その不思議な帽子の上から少し雑にだが頭を撫でる。
「な、何をするんですか!!」
抗議の声が聞こえたが無視だ。
暫くそうやっていて、もう良いだろうと手を離すと少し名残惜しそうに見て髪や帽子を整えた。
そう言えば今更だがここ何処だ?
何か霧が出て来てて周りがあまり良く見えないし人魂が飛びまわって居るのだが・・・・・
もしかしてここが有名な三途の川か?
確かめに聞いて見るとその通りで今さいの河原に差し掛かった所だと告げられた。
この先に行くにはまだ早いよな~。
山田さんが色々と説明してくれるがあまり聞いて無かった。
取り敢えずここいらで別れる事にした。
ここが三途の川なら白玉楼が近い筈だ。
山田さんに白玉楼の場所を聞き、そこで別れた。
いきなりの訪問で迷惑では無いだろうか? と考えながらも幽々子ならお菓子持っていけば簡単におkが取れそうだとイメージしてしまう。
和菓子は食べ飽きて居るだろうから洋菓子が良いな。
どうしよう、少し考えて幽香達と同じ物で良いかと苺のタルトを能力で出し白玉楼に飛ぶ。
暫く飛んで行くと白玉楼が見えた。
門の中にいきなり入ってもいいのだがそれでは無礼だろうと思い大きな門の前に降り大声で誰かいませんかー!と叫んでから暫くの沈黙のうち、妖夢が驚いた顔で出て来た。
どうして驚いているのか聞いて見た所、ちゃんと門から入ってくる人が居なかったからだと言う。
苦労してんだな、と憐みの思いを込めて肩に手を置くといとが解ったのか妖夢は深いため息を吐いた。
「して、ご用件は何でしょうか?」
それにこれまでの経緯を教えて側を通ったので挨拶にきたと告げた。
「あ、これつまらないものですが・・・・」
持ってきた苺のタルトの入った箱を妖夢に渡す。
「これはどうも」と告げてくる。
「妖夢ー! おやつはまだー?」
遠くから聞こえるこの発言に顔を見合せて苦笑いをする。
「ただいま」と答えたのち
「良かったら上がって行って下さい、幽々子様も喜びます」
そういわれて妖夢の後を付いて行く。
「此処です」と言われて入る。
「妖・・む・・・・・!!!」
入って来たのが私だったので相当驚いているみたいだ。
幽々子は私を見て固まり、そして凄い勢いで部屋を出て行ってしまった。
一応机の所に座る事にする。
遠くから「この恰好変じゃ無い?」「もしかしてさっきの聞かれてた?」とテンパル幽々子の声が聞こえる。
キッチリと乱れのない恰好で顔を少し赤くしながら幽々子が戻って来た。
そして私の対面の席に座った。
こう言う場合どう言えば良いんだ? なんか気まずいのだが・・・・・
失礼しますと掛け声で入って来た妖夢の手には先程渡した苺のタルトが皿に置かれておりそれを私と幽々子に差し出すと失礼しましたと出てこうとしたので呼びとめる。
「魂魄殿、一緒に食べませんか?」
しかし、従者である自分が主達の御茶会に一緒に等とはと中々折れなかった。
そうこうしている間に能力でティーポットに人数分のティーカップを出し紅茶を入れ、それを差し出す事で折れて机の角に座った。
一応洋菓子でのマナーを教えながらフォークを人数分出し配る。
フォークの使い方も教える。
幽々子がフォークを初めて使う筈なのに妙に絵に成る。何と言うか上品だ。
流石は良いとこの娘さんである。
妖夢も初めてにしてはきっちりつかえてる。
そらそうか。刺すと横に倒して切る位しか動作ないもんな。
でも妖夢は刺して食べる動作が目立った。
で、苺のタルトは大好評に終わった。
幽々子がもっと欲しいと言わないのが不思議だった。
そして妖夢がさっきからちらちらと尊敬の目で見て来るのだが何だろうか?
それに私と剣とを交互に見て居る。
それを見た幽々子がぽんと手を叩き、
「妖夢は手合せがしたいのよ~」
何て言って来た。
妖夢は顔を赤くして下を向き沈黙を貫きながら頷く。
成程、何時どんな事に見舞われるかわからない私には圧倒的に経験不足だ。
それを補えるいい機会だと思いなおす。妖夢も私が死ぬまで切りつけて来る事は無いだろう。
幽々子がくれた剣を宝物個から出し、
「魂魄殿、手合わせ願えませんか?」
そう言うとキラキラした目で此方を見てきて首を何度も縦に振って庭に出た。
私も庭に出て妖夢と向き合う。
すると急に
「私の事は妖夢とお呼び下さい、セイバー様」
「呼び捨てで構いませんよ」
「主の友人を呼び捨てなど出来ませんよ」
そう返して来た。
同時に構える。
先に仕掛けて来たのは妖夢だった。
剣はバカ正直に真正面から来た。
それを自分の剣で反らす。
二刀流はルーミア以来だ。今でも時々模擬戦をやってはいるが二刀流では無い。
その勢いを殺さず短い方の剣で抜刀して来た。
それを開いている左手で柄の方を抑える事で回避する。
胴体ががら空きになったので容赦なく蹴りを加える。
蹴りを何とか短い方の剣で防ぐが蹴りの威力を殺しきれず大きく孤を描いて遠くに落ちた。
っ!
ガウェインの勘が発動し大きくジャンプして後退する。
さっきまで私が居た所に半霊がタックルして来た。
成程、確かに体の一部だなと思い刀を構えなおす。
一気に加速する。次の瞬間、妖夢を剣戟の雨が襲う。
ガキンッ!ガキンッ!ガキンガキン!!!!
金属同士がぶつかり合う速度が段々加速していく。
剣戟は更に加速する。
「っ!」
妖夢の剣と真っ向からあたり、力負けして後ろへと弾き飛ばされる。
その一瞬の隙が勝敗を分けた。
「参り、ました」
祖父の代から信仰していた人物が目の前に居る。
それが私を強くわきたてる。
手合わせをしてくれと言われた時は夢かと思った。
庭に出て刀を構える姿をみて武者ぶるいをした。
こんな光喜一生に一度あるかないかだ。
此方から仕掛けるが簡単に受け流されてしまう。
それはまるで雲を相手に素振りをしている感覚に陥るほどだ。
心臓をめがけ抜刀すれば抜く前に柄を抑えられてしまい腹ががら空きに成る。
そこを責めないほど相手は甘くない。
蹴りを何とか白楼剣で受け止めるが受け止めきれずに宙を舞う。
後ろに待機させておいた半霊で死角から攻撃するがまるで見えて居るかのように回避されてしまった。
やはり小細工は通用するような相手では無いか。
その後雨のような剣戟に耐えきれず楼観剣が離れた壁に刺さった。
「参り、ました」
負けたにも関わらず笑いが込み上げて来る。
寧ろ爽快感すら覚える程だ。
そうだ、あれこそが私が至るべき境地だ。
こんな所で止まる訳にはいかない。
それと同時に自身の未熟さを思い知らされた。
少なくとも自分には慢心があった。
上る山ははるかに遠く、しかし、だからこそ上る事に価値があるのだ。
作者は 力 ツキタ