東方太陽録   作:仙儒

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46話

あれから自分の家に向かって能力で自分の家に帰る。

日本庭園に向かいあう紫の姿があった。

蒼銀に輝く中で紫の姿はまるで女神にさえ見える。

そんな彼女の隣に団子と酒を出して隣に座る。

いきなりの事に驚いた顔をしていた。

あら可愛い。

っと、

 

「一杯付き合い願えますか?」

 

そう言いながら杯にお酒を流し紫に渡す。

 

「八雲殿、先の行動は何だったんですか? 私には不自然に思えてならないのですが?」

 

そう紫が面と向かって蓮子と話し合っているのが気に成った。

 

「・・・・・・・・」

 

「言いにくいのなら言わなくてもいいですよ」

 

そう言うと紫が私の方に寄りかかって来た。

人間誰に言えない事の一つや二つある。人間では無いが・・・・・

少し震えて居た方を寄りかかって居る方の腕で紫の肩を優しくさする。

 

「昔のことよ・・・・・」

 

そう言って来た。

数千、もしくは万の時を生きて来た紫の昔の事など知る由もない。

 

「そうですか・・・・」

 

ここで主人公なら気の利いたセリフの一つや二つ言えたのだが、中身は灰色の青春のトップをアクセルべた踏みで走り続けて居た私にはこう言う時にどう言う言葉をかければいいのかわからない。

ただただ寄りかかって居る紫の好きなままにするしか無い。

 

「月、綺麗ですね」

 

何とか絞り出した言葉がこれだ。

紫は

 

「ええ、そうですわね」

 

と答えて黙ってしまう。

き、気不味い。

そんな空気がその場を支配する。

やることもないので酒を一気に飲み干す。

すると紫が御酌してくれた。

杯に季節はずれの桜の花びらら杯に落ちて来た。

前を見る。蒼銀に輝く夜桜はこんなにも美しいものだったのか。

来年は夜桜を見ながら酒を飲もうと決めた。

紫は相変わらず此方に寄りかかったままだ。

 

そうして暫くしたら紫が船を漕ぎ始めた。

そんな紫をお姫様抱っこして紫の部屋に連れてって寝かしつけて部屋を後にする。

そうして元の場所に戻って見ると夢見が居た。

やれやれ、今日は客が多い日だな。

夢見の隣に座り、やれやれと思いながら苺を出す。

 

「ガウェイン先輩」

 

先に話しかけて来たのは夢見の方だった。

 

「呼び捨てで構いませんよ、それに敬語も要りません」

 

「じゃあが、ガウェイン!」

 

顔を真っ赤にしながら呼び捨てで呼んでくる。

 

「この世界はどうですか? 岡崎殿」

 

「思ったんだけど私だけ苗字って割にあわなくない? 名前で呼んでよ」

 

そうせがんでくる崎さん。

まぁ、本人が良いと言っているのだから良いか。

 

「それにこの世界は素敵な事ばかりで飽きないよ、ガウェインモイルシ」

 

最後の方が聞き取れなかったがまぁ、良いだろう。

崎さんに酒の入った杯を渡す。

受け取ると恐る恐るお酒を飲み始めた。

そうだ、

 

「ユメミ、二十歳おめでとう」

 

爽やかにほほ笑みながら言う。

 

「・・・・・ありがとう」

 

酒が入ったせいか顔を赤くして小さな声でお礼を言われた。

苺をユメミ渡したらテンションが上がった。

しかし、それも長くは続かない。

果実酒はジュース感覚で飲めるため夢見が酔い潰れた。

 

 

夢見も部屋へ送り届けまたさっきの場に戻る。

流石にもう人はいなかった。

そして誰も居なく成る、か。

大きな大きな月を見ながら酒盛りを再開する。

こうした一人きりでしんみりした感覚は嫌いでは無い。

自分がちゃんと生きて居る事を感じさせてくれる感じがするのだ。

それに世話に成った月の姉妹は元気にしているだろうか?

碌に恩を返せていない、寧ろ恩をあだで返した事に成るだろう。

それに罪悪感を感じながら、せめてと、あの姉妹が元気で居るように祈りを込めて杯を月へ向けて、一気に飲み干す。




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