東方太陽録   作:仙儒

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47話

何かをかけられる感覚に目を覚ます。

 

おっといけね、寝ちまってたのか。

 

そんな事考えてたら長いウサミミが目に入った。

 

「すいません、起こしちゃいましたか?」

 

ドアップで優曇華の顔がのぞきこんできた。

体を見ると毛布がかけられている。

 

「この毛布はあなたが?」

 

その問いかけに頷く優曇華。

どうやら柱に寄りかかり眠って居た私を見つけて毛布をかけてくれたらしい。

私はお礼を言うと屋根の上にジャンプする。

東の空が微かに色づき始めて居る。

暁か・・・・・、その光景に美しさを覚える。

そう言えばこの光景を見たのは2回だけしか見た事がなかったな。

満天の夜空はもう見慣れてしまったので新鮮さを覚える。

あたりまえにおこる事が美しく見える。

この感動は後何回味わえるだろうか?

そんな微かな疑問に答えてくれる者は何処にも居なく、居るのは私ただ一人だけだ。

私はさらにジャンプし二階の屋根上に登る。

少し見て居る世界が開けたような気がする中優曇華が飛んで私の元に来た。

隣に降り立つ優曇華に「美しいですね・・・・」と告げる。

優曇華も「ええ、」と短く返して来た。

後何回この光景を見ればこの光景を普通と認識してしまうのだろうか?

私の中で何かが変わり始めて居た。

それが良いものなのか、それとも悪いものなのかは解らない。

ただ、何とも言えない寂しさにも似た感覚が私を襲う。

 

 

・・・・・やめよう。

目の前に広がる暁が綺麗だ。今はそれだけでいいじゃないか。

そんな考えをしていたらクシュンと言う可愛らしいくくしゃみの声が聞こえた。

私は羽織って居た毛布を優曇華にかける。

最初は遠慮していた優曇華だが体を冷やすのは良くない事だ。

特に優曇華は女性なので余計にだ。

半ば無理やりかけて、優曇華も折れたのか最後には「ありがとうございます」と言う言葉とともに毛布は羽織ってくれた。

能力で缶珈琲を2本出す。無論温かい奴だ。

その内の1本を優曇華に渡す。

ブルタブを開ける音が静かな空間に木霊する。

それからはどちらも話さずに暁を見ながら珈琲を飲む。

うむ、乙なものだ。

暫く眺めていると太陽が頭をのぞかせる。

空に成った空き缶を握りつぶし、屋根から降りる。

相変わらず季節感零の庭を眺めリビングへ行く。

時間は6時ちょい前。

今日は寺子屋があるので二度眠は出来そうにないな。

そんな事を大きな欠伸をしながら思う。

今度夜に酒を飲む時は寺子屋が休みな時にしよう。

計画性は大事である。

改めて計画性の大切さを身にしみて実感する。

二日酔いが無いのが不幸中の幸いである。

さて何をして時間を潰そうか?

ゲームするのもいいが何故かその気に成れなかったので却下。

そう言えば今は四季折々の花が咲き乱れて居るのだ。

こんなチャンスはもう二度とないかもしれないので花見と洒落込む。

流石にこれから寺子屋があるので酒は飲まないが・・・・・。

縁側に座り団子が置かれた皿を出して花を見ながら団子をほうばる。

優曇華は台所でご飯を作り始めて居る。

先程手伝おうか? と聞いたところ大丈夫ですと台所を追い出された所だ。

結局炊事スキルは成長してないのよね・・・・。

 

「おい、セイバー、もうじきご飯にするからあまり食べすぎるんじゃ無いぞ?」

 

その呼びかけに振り向くと慧音が居た。

実は慧音は何故か家の合鍵を持っていて、こうして良くご飯を作りに来てくれる。

私に声をかけた後、慧音は台所へと向かって行った。

時刻は6時30分。

後30分位で朝ごはんと言う所か。

これを最後にするかと一本の団子をほうばる。

さて、朝ごはんは何かな?

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