東方太陽録   作:仙儒

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48話

あれからこれと言ったイベントは無く、平穏な日常を送って居た。

咲き誇って居た花々も枯れ、季節が巡り、冬に成った。

速いもんだな、あの異変? からもう8ヶ月が過ぎた。

今年も残すところ後数日となった。

大掃除をしようとしたが、ふだんから誰かが掃除をまめにしてる御蔭でする事は無い。

そんな事があって暇なのでここ数日の事を思い出す。

 

 

 

 

12月24日

それはキリストが誕生した事を祝う行事だ。

誕生を祝うだけで、キリストの誕生日と言う訳では無いのだが・・・・・

と言う複雑な日なのだが、どう言う訳か外の世界では恋人同士がイチャラブするリア充爆発しろ! と言うふざけた日に成って居る。

はー、今年も彼女無しか・・・・・

かれこれ十年幻想郷に居て浮いた話一つでなかったもんなぁ~

そんな中、家に一通の招待状が届いた。

どうやら紅魔館でクリスマスパーティーをやるらしい。

住んでいる皆に声をかけてみたら皆が行くとの事だ。

まぁ、パーティーなんだし大勢いても文句は言われないだろう。

そんな感じで紅魔館に行ったら何かヨーロッパのそれを思わせるものだった。

これ全部咲夜が作って居るんだと思うと敬意をもてる。

正直すげーの一言に尽きる

そんな中、馬鹿みたいにでかいケーキが登場した。

苺をふんだんに使ったショートケーキだ。

その苺を見たせいか崎さんのテンションが鰻登りに成りになった。

しかし、暫くしたらケーキを食べるのをやめて、ケーキの苺だけを食べ始めた。

おいおい、流石にそれは無いだろう。ケーキも一緒に食べろと言ったら「カロリーが・・・」

と返って来た。

そう言う事は全然気にしてないと思ったので正直驚いている。

やっぱり崎さんも女の子なんだな~と改めて思った。

しかし、その理論で行けば苺もダメなのでは? と聞き返したら人差し指を突き出し、チッチッチと言いながら苺はケーキよりもカロリーが低いのでたくさん食べても大丈夫との達しだ。

このままケーキから苺を掘り出されるのは不味いのでしょうがなく咲夜に頼んで苺だけを出して貰った。

いや~、マジで面目ない。

それにしてもよくこんなに苺を食べれるな。

流石はストロベリー馬鹿といわれただけはある。

再び深いため息を吐く。

 

「セイバー!!」

 

突然の呼びかけ声にそちらを見る前に腰辺りに衝撃が伝わる。

痛ぇ、背骨折れるかと思った。

何とか倒れずに踏ん張り後ろを向くとフランがニコニコ顔で抱きついていた。

そんなフランの脇の下に両腕を入れて持ち上げ肩車する。

こうすればフランが一番喜ぶのを私は知って居た。

一応勢いよく抱きつくのはやめなさいと言ったが本人はなんのその。

一応返事はしたが恐らくはまたやってくるだろう。

本当、困った物だ。

肩車で嬉しそうにしているフランを見てこれじゃあ怒れないな、と再び溜息。

その後はフランがあれ食べたい、これ食べたいと、私の上から言って、私がそこまで歩いて行くと言う事を繰り返していた。

どうでも良いが頭に皿を乗せるのはやめて頂けないだろうか?

食べカス何かが気に成るのだが・・・・・

後で頭洗おう。

そう言えば主催者のレミリアの姿が見えないな。

本当は最初に挨拶するべきなんだがな。

 

「あら、あなたは楽しんでいるかしら? もう私の物に成る気に成ったかしら?」

 

この上から目線の言葉を聞いてレミリアらしいな、と思い苦笑いしながら声のした方へ向く。

 

「相変わらずですね、あなたは。それよりも、こたびはパーティーに誘っていただき感謝します」

 

一応礼儀はわきまえてるのでね。

相変わらず固いわね~何て言葉が返ってくるが気にしない

 

「幾らお姉さまでもセイバーは私のフィアンセなんだから!」

 

と言いながら私から飛び降り睨み合う。

気のせいか視線がぶつかり合い火花を散らしているような気がする。

咲夜は・・・・相変わらず花を押さえてぴくぴくしてる。

その指の間から見える赤い液体が流れているのは気のせいだろう。

 

「どうどう、折角のパーティーなのですから喧嘩は無しですよ」

 

そう言って二人の間に入る。

二人も「「セイバーが言うなら」」と取り敢えず引いてくれた。

良かった。ここで喧嘩が始まったら会場が吹き飛ぶからな。

それだけは何としても避けたかった。

と、小さな救いがあったのは一人だけの秘密だ。

窓の外をふと眺めてみる。

雪がしんしんと降り続けている。

ホワイトクリスマスか、現実に居た時はホワイトクリスマス何て味わった事がないので新鮮だ。

外だと地球温暖化とか何とかで雪が降りにくくなっているからな。

十年も暮らしててこんな思いに成るのはおかしな話だが、クリスマス何て頭の片隅にもなかったからな。

意識してのホワイトクリスマス何て初めてだ。

ちょっと降り過ぎなのはたまに傷だが、悪くない。

そう思い一人雪が降る中、テラスへと出る。

急に冷え込んだ空気が私の鼻を通して肺に届く。

思わず身震いしてしまいそうだ。

雪の積もったテラスの手すりに手をあてる。

そうして振り返ってみる。

皆が楽しそうにしているのが見て取れた。

にぎやかだな。

そんな事を考えてまた空を見上げる。灰色の雲が空を覆いしんしんと降り続ける雪。

 

 

ああ、悪くない・・・・・

 

たまには良い物だな。こう言うのは。

 

にぎやかな所から少し離れた場所から賑やかな所を眺めるのが好きだった。

この胸にしみいるような、ジーンとした感じがする。

息をはく。

白い靄のようにでて来ては消えていく。

能力で出したワイン入りのグラスを持ち、一口口にする。

お酒独特の熱が体にジンワリと染みいる感覚がある。

成程、気つけに酒を飲ませるのの意味が身にしみてわかったよ。

 

「お師匠様・・・・」

 

呼びかけに振り返る。

永琳が心配そうな顔つきで覗き込んできた。

 

「こんな所に居たら風邪をひきますよ? 中に入りましょう?」

 

そう言い私の手を握って引こうとしてくれた手はとても暖かいものだった。

思わずに言葉に出してしまう。

 

「暖かい手ですね、あなたは。羨ましいよ、私には無い物だ」

 

「え?」

 

聞き返しに答えずに握って居た手を解く。

 

「もう少し、もう少しだけ此処にいますよ」

 

何でだかわからない苦笑いがこぼれる。

 

「お師匠様?」

 

「さ、ここは冷たい。女性であるあなたが居るのにふさわしい場所じゃ無い。中に戻りなさい。私もすぐに戻りますよ」

 

そう告げ、永琳の背中を押してパーティー会場に戻した。

今宵の雪は冷たいな・・・・・




取り溜めしてたアニメを一気に見ています。

続きはこちらに再アップしますのでよろしく
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