東方太陽録   作:仙儒

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49話

クリスマスが過ぎれば早いものでもうくれだ。

灌漑深いものがあるな。

そして、ここが重要なのだが、今年も彼女が出来なかったな・・・・・。

普通に落ち込む。

容姿はガウェインなので良い筈なのだが・・・・やっぱり中身が私だから駄目なのか?

それとも明治時代以降発展ていない里では恋愛結婚とかの方が珍しいのかもしれない。

そう自分の心に言い訳を付けて空を見上げる。

はぁ、溜息がもれ、漏れた息が靄のように霞んで消えていく。

そう言えば昔、これでたばこ吸ってるふり?って言うのか? あれは。良くやっていたっけ・・・

実際の煙草は煙ったくって全然だめだったけど。

そんな童心に帰った気持でその光景を見る。

どうでも良いが家の兎達が何日か前から餅を突きはじめた。

一体どれだけの餅を生産すんだ? と冷や汗をかいてます。

だって餅は大の苦手なのだ。

この感じだと正月三が日ずーっと餅だぞ! やべぇ、ここ十年間直面しては何とかやり過ごして来た日だ。

毎回私達が突いた餅ではだめですか? と涙目に上目づかいのコンボをくらい二、三個の餅を死ぬ覚悟で食って来た。

まぁ、餅が嫌いだと言いだせない私が悪いのだが・・・・

だが今年はそうはいかねえぞ。

皆がその気なら外の世界で一人寂しく過ごす覚悟だ。

ふ~、決戦だよ。奴も奴の計画も全部潰す。

・・・・・・・

・・・・・

・・・・

言ってみたかっただけだよ!

取り敢えず屋根に積もった雪を落とす事にする。

ここ、北海道並に雪降るからな。

これが終わったら近所の家の屋根の雪を落としに回ろう。

ここ十年の日課だな。

報酬は熱~いお茶でと頼んである。

まぁ、数件回るとお腹がチャプチャプになるのでそれ以降の家ではお茶は貰わないが。

代わりにお菓子何かを貰う。

前は断って居たのだが家の方に断ったお菓子や何かが届くように成ったので素直に受け取る事にしている。

それにこの里でも貧富の差と言う物が存在する。残念ながらそれは世界の真理なのだ。

その貧しい人の家に貰ったお菓子や何かを置いて行く。まさに五右衛門だね、かっこいい。

実際は雪かきに邪魔なので引き取ってもらっているだけなのだが・・・・・

そうこうしている内に屋根の上の雪が無くなった。

と言っても雪が降り続けて居るのでまた明日には雪かきだな、と苦笑い。

序に家の前や周辺の道の雪かき。

前に面倒に成りルーンやガラティーンで溶かしたら溶けた水が氷り、余計面倒な事に成ったので出来るだけ手作業でやって居る。

 

「お、セイバーの旦那、性が出るね!」

 

「おや、セイバー様、家もよろしくね」

 

等と声がかけられそれに手を振って返す。

雪かき雪かき・・・・・で気が付けば里を一周位してるんだよね。

流石は英霊。パナイぜ。

何か力の無駄使いなような気がする。

そう言えば霧雨亭、今年もちゃんと魔理沙の分の御節用意してんのかね?

魔理沙を家で預かる様に成ってから毎年ちゃんと魔理沙の席には魔理沙の分の料理がちゃんと欠かさずに置かれて居る。

素直に成れば良いのに、とも思うがこれは本人達の問題だ。

本人達で解決しないと意味がない。

とは言え、一応魔理沙に炊き付けるようにはしている。

魔理沙も魔理沙で意地張って行こうとしない。

けど気に成ってちょくちょく家の方に歩みを向けようとしては踏み止まるを繰り返している。

私の家によく来るのも家の事が気に成って居ると言うのが大きい。

全く似た者親子だよ、あんたらは。

 

「よ、遊びに来たぜ、セイバー!」

 

噂をすれば影、か。

空から箒に乗って上から声をかけて来た。

雪かきも終わったし丁度良いか。

サンタのような大きな袋を持って来ている。

またキノコの山か、苦笑いしながら歩いて家路へと向かう。

わざと霧雨店の近くを通って見たが今日も魔理沙は霧雨店には行かなかった。

家に着き、スコップを蔵にしまってから家に入る。

 

「御帰りなさい、お師匠様。お疲れ様です」

 

帰って来て声が返ってくるのって良いよな。

ふとそんな事を思いついつい笑顔に成ってしまう

 

「ただいま」

 

外は寒かったでしょう? と熱~いお茶を出してくれた。

お腹がチャプチャプだが折角出してくれたので飲む事にする。

素直にその行動が嬉しかったと言うのもある。

 

ただいま・・・・もう一度小さくつぶやく。

 

「御帰りなさい」

 

小さくつぶやいた筈なのに永琳から言葉が返ってくる。

聞こえてしまっていたか。

その言葉とともに永琳が私の前に移動し、私の左手を両手で包み込むように握って来た。

 

「やはりあなたの手は暖かいですね」

 

芯から冷え切った体にはとても暖かい。このままこの温もりに身を委ねてしまいたいが、そこまで甘える訳にはいかないと自分に言い聞かせ苦笑いをしながら永琳の額を小突く。

そしてその手をほどいて炬燵へと急ぐ。

一応暖房がついているため快適だが芯から冷えた体には炬燵の方がいい。

欲を言うなら温かい風呂に入りたいが湯冷めしそうなので我慢しよう。

 

 

炬燵に入って見て思う。

そう言えばまだこの寒空の下、餅つきを続けている兎達が居るんだったな・・・・。

寒いだろうなー・・・・・手伝うか。

炬燵に入ったばかりだが外に出て兎達の手伝いをすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう、お師匠様ったら~」

 

そう言ってふりほどかれた腕を見る。

これでも気がつかない何て本当に鈍いんだから・・・・

そう思いつつ思い返すのは数日前のクリスマスだか何だかの時だ。

あの時からお師匠様の様子がおかしかった。

何処か達観したような、私達と一歩引いた位置に戻られたような感じがする。

それに思いだす。「暖かい手ですね、あなたは。羨ましいよ、私には無い物だ」と言った。

この言葉に一体どんな思いが込められていたのか解らない。

私は何故かお師匠様がとても孤独に思えた。

まるで温もりに飢えた子どものように私の眼には見えた。

その事を思うと次々に思う処が出て来る。

思えばお師匠様は誰かに頼ったりした事はあっただろうか?

お師匠様は周りの幸せが自分の幸せに繋がるお方だ。

周りの事ばかりで自分でも知らず知らずのうちに自分が孤独に成ってしまったのかも知れない。

それに数億年と言う時を一人で生き抜いてきたお方だ。

自分の居所を今一掴みかねて居るのかも知れない。

だから、私がお師匠様の居場所に成る。

取り敢えず思いっきり甘えさせてみることにしよう。

そう意気込んで部屋へと向かおうとしたら外の兎達の手伝いに出て行くお師匠様の姿をみた。

全く、お師匠様はと思いながらもお師匠様らしいと苦笑いしてしまう。

そうだ、戻って来たお師匠様の為にミルクセーキでも用意しておこう。

甘いものには目が無いお方だからきっと喜んでくれるだろう。

無論、彼の大好物である林檎も擦って入れようと思う。

そうと決まれば早速キッチンへ向かおう。




久しぶりだけどこの短さ。

でももうちょっとだけ続くっちゃ。

次回の投稿もここに追加するのでよかったら見てやってください。
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