牙狼〈GARO〉 ~東方魔戒録~   作:響く黒雲

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文 ~Scoop~

事件はある昼下がりの日に起こった。

 

「は? ビデオカメラで取材?」

 

「はい! 偶然拾ったので取材に役立つかなと思いまして!」

 

博麗神社に射命丸文が、ビデオカメラを持ってやって来たのだ。

 

「皆さんのこれまでの活躍をこのビデオに記録して魔戒通信なるものを発信しようと思った訳ですよ!」

 

「ふーん。で、何で私の所に来た訳」

 

「そんなの決まってるじゃないですか~ 砕牙さんの事を聞く為ですよ!」

 

「そう…… まっ、良いわ。知っている事は少ないけどそれでもいいかしら?」

 

「どうぞどうぞ! お願いします!!」

 

「分かったわ。それじゃあ……」

 

そうして霊夢は語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△▲△▲△

 

まずはプロフィールからね。

 

道外砕牙、年齢は十九歳、体重65キロ、身長176㎝

 

魔戒騎士の最高位、黄金騎士 牙狼〈GARO〉の称号を持つ魔戒騎士よ。

 

「貴様の陰我、俺が断ち切る!!!!」

 

誰よりも強くて、誰よりも優しくて…… 誰にでも好かれる性格の好青年って所かしら?

 

「口だけならどうとでもいえるからな…」

 

でも、相手を巻き込まない為にきつく言って誤解される所があるのがたまにキズなのよねぇ~……

 

「俺なんか父さんの足下にも及ばないよ」

 

そんな砕牙だけど…… 本人も辛い過去を持っているみたい……

 

両親を暗黒騎士に奪われた砕牙だけど、その哀しみを乗り越えて、彼は牙狼の称号を得たそうよ。

 

『我が名は牙狼!!!! 黄金騎士だ!!!!』

 

そうそう、騎士の鎧は纏う人によって瞳の色が違うそうよ? 砕牙は確か紫色だったはず。

 

鎧には色々な秘密があるのねえ…

 

 

 

 

〈失敬な!只の指輪じゃない、魔導輪だ!!!〉

 

あっ! あと忘れちゃいけないのが砕牙の…… いえ、牙狼の相棒的な存在、魔導輪のザルバよ。

 

〈おい砕牙、ホラーの邪気を感じるぞ〉

 

ザルバはホラーの気配を感知して砕牙や私にホラーの居場所を教えてくれるわ。

 

〈何故黄金騎士は色恋沙汰に疎いんだ?〉

 

たま~に、オカンみたいな事を言っては砕牙と小競り合いになっているみたいだけど……

 

〈どうする砕牙? 行くのか? 行かないのか?〉

 

でも基本的には、砕牙の身を案じている、正に相棒と呼ぶに相応しいし、牙狼にとって必要不可欠な存在と言っても過言では無いわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△▲△▲△

 

「まっ、こんな所かしらね」

 

「あやや…… 他に何かありませんか?」

 

「他に?…… あっ!」

 

砕牙についてまだ他にないかと訪ねられた霊夢は少し思案すると、思い出した様に声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△▲△▲△

 

それはある日の事……

 

「砕牙ー! お昼出来たわよー」

 

霊夢が昼御飯を砕牙と取ろうとしていた時だった。

砕牙は呼び掛けても現れず、暫く神社を探すと……

 

「砕牙?」

 

「………」

 

「ニャー」

 

猫とにらめっこしている砕牙がいたのだ。

そして砕牙は……

 

「お前可愛いなぁ~!」

 

「えっ?」

 

「にゃんこにゃんこお出で~」

 

と、猫を可愛がっていた。

 

 

 

 

 

 

△▲△▲△

 

「ぶはっ!? 本当ですかそれ!?」

 

「そうよ? 案外カワイイ所があるのよ砕牙は」

 

砕牙の意外な一面を聞いた文は吹き出し、霊夢はその時の事を思い出して、幸悦に浸っていた。

 

「霊夢…… と新聞屋じゃない。何しているの?」

 

「あっ、咲夜さん」

 

すると咲夜が博麗神社にやって来た。

 

「今、砕牙の事を話しているのよ。丁度いいから咲夜も玲司について話したら?」

 

「ぜひ!お願いします!!」

 

「少し面白そうね…… 分かったわ、付き合ってあげる」

 

そして咲夜も霊夢に倣って、玲司について話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○●○●○

 

凉邑玲司、年齢は十九歳、体重63キロ、身長173㎝

 

銀牙騎士 絶狼 〈 Z E R O 〉の称号を持つ魔戒騎士です。

 

「貴様の陰我、俺が切り裂く!!!!」

 

性格は気配り上手の世渡り上手、何時もはおちゃらけているし、クールに見られがちだけど、実はとても熱い男です。

 

「こんなカワイイ子の手助けになれたんだ。言うこと無しだね♪」

 

ただ…… そうやって女の子を揺さぶる様な言動を少しは控えて欲しいのが本音です……

 

「俺達は魔戒騎士!守りし者だ!」

 

魔戒騎士として、守りし者としての誇りや信念は強くて、使命を投げ出さない心の強さを持っています。

 

『貴様に光を感じる資格など! 無い!!!!』

 

でも、砕牙と同じように、玲司もまた、暗黒騎士にお父様を殺され、鎧を継承するためにお母様を斬ったと聞いています……

 

私は… そんな玲司の支えに成りたいです。

 

 

 

〈ホラーよ、ゼロ〉

 

魔導輪シルヴァ、玲司の…… と言うよりも絶狼の相棒と言った方が正確ですかね?

 

〈止めなさい! 二人共!!〉

 

性格は理性的で、私にとっても、玲司にとっても頼れるお姉さんと言った親しみがあります。

 

名前の由来は旧魔界語で家族を意味するそうです。

 

〈大丈夫よ咲夜。ゼロは出来ない約束は絶対にしないわ〉

 

私を励ましてくれた優しい方です。

そんな彼女だから、玲司は今まで笑顔を失わなかったのでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○●○●○

 

「こんな感じかしら?」

 

「ええ! いいですよ咲夜さん! 他にもエピソードはありますか!」

 

「そうね…」

 

咲夜は玲司にまつわるエピソードを思い出し、語りだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○●○●○

 

それは紅魔館での出来事……

 

「玲司、お嬢様がお茶にするそうですから一緒にどうですか?」

 

「おう、今行く」

 

玲司をお茶に誘った咲夜だったが、玲司のしていた作業が気になり、尋ねてみた。

 

「玲司、一体何していたのですか?」

 

「ん? ああ、置いてあったメイド服がボロボロだったからな、手直ししておいたぞ」

 

試しにメイド服をとってみると、そこにはどう見ても新品にしか見えないメイド服が綺麗に畳まれていた。

 

「これを…… 玲司が?」

 

「おう、中々の物だろ?」

 

その時玲司は、どや顔を咲夜に披露していたと言う…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○●○●○

 

「す、凄いですね……」

 

「まさか玲司にそんな特技があったなんて…」

 

「私… 少しメイド長としてのプライドが傷つきました……」

 

三人が女としてのプライドを傷つけれ、orzしていると……

 

「あれ? 霊夢さんに咲夜さん。何しているんですか?」

 

「よく見ればブン屋の天狗も居ますね」

 

買い物袋を提げた早苗と妖夢がやって来た。

 

「あやや、これはこれはお二方。丁度いい所に来ましたね。実は今、魔戒通信なるものを作っていまして、お二人に、パートナーの魔戒騎士についてお話しを伺っていたのですよ!」

 

「様はカズ君について話せばいいんですね?」

 

「私は…… 兄さんの事は基本的な事しか知らないのですが…」

 

「いいですいいです!! 何でもいいのでジャンジャン言って下さい!」

 

「分かりました。じゃあまず私から……」

 

文から説明を受けた二人は納得し、始めに早苗が和真について話始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

雨宮和真、年齢は十九歳、体重67キロ、身長180㎝

 

剣闘騎士 義狼〈 G I R O 〉の称号を持つ魔戒騎士にして、私の愛する夫です♡

 

「貴様の陰我、俺が打ち砕く!!!!」

 

普段はマイペースで、良くも悪くもムードメーカー。居るだけで周りを笑顔にさせてくれる、頼もしい人でもあります。

 

「久しぶりだな、こっちーやゆるさなえ」

 

玉に悪のりして人の名前で遊びだすのが悪い癖です! いい加減どうにかしてほしいです……

 

「せめて…… お前が眠れる様にする……」

 

でも、ホラーに対しては静かに怒りを燃やし、けして許さない意思と共にホラーを討伐しています。

 

『剣闘騎士 義狼〈 G I R O 〉……… 行くぜ!』

 

カズ君はどんな時でも力に屈しない、それに優しい。

本当に、私の自慢の旦那様です!

 

 

 

 

〈和真ぁ、ホラーだ!〉

 

魔導輪ディルバ、カズ君の左目に着いている眼帯の

相棒です。

 

〈出番だぜぇ!! 和真!〉

 

性格は熱くて、カズにピッタリな相棒だと私も思います。

生活のパートナーが私なら、ディルバは戦闘のパートナーですね。

 

〈弟子に位してやりゃあいいのによ〉

 

一方で人を気遣い、ホラーについてアドバイスする知的な面や、倫理を理解している珍しい魔導輪でもあるようです。

 

 

 

 

「僕を弟子にしてください!!!!」

 

あっ!そうそう、弟子と言えばこの間カズ君にお弟子さんが出来たんですよ。

 

名前は神山睦月君、年齢は十五歳、体重56キロ、身長160㎝

 

カズ君に弟子入りして、今は魔戒騎士になるために猛特訓中です!

 

「どうしてそんな残酷に人を殺せるんだ!?」

 

両親や村の人をホラーによって壊滅されたせいもあって、ホラーの事になると感情が先走っちゃう事があるけれど、凄くいい子ですよ。

 

私もカズ君も弟の様に可愛がっています!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

「……… と!こんな所です」

 

「殆ど惚気だったわね…」

 

「あやや…… 因みに面白エピソードは……」

 

文が、早苗に和真の面白エピソードを聞くと、自信満々に早苗は話始めた。

 

「勿論! ありますとも!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

ある日、人里に行っていた時だった…

 

「畜生! もうだめだ!!」

 

親爺が屋台の前で項垂れていた。

 

「おっちゃん、どうかしたのか?」

 

そこを偶々通りかかった和真が親爺に訪ねる。

話を聞くと、親爺の屋台が人気が出ないのだそうだ。

 

「成程…… よし!俺に任せな!」

 

和真は自信たっぷりに親爺に言い放ち、その場で呼び込みを始めた。

 

「らっしゃいらっしゃい!! この屋台の飯は旨いよ! 何せおっちゃんが手間暇掛けて作った飯だからな!!」

 

すると、どんどん客が集まり、その日は屋台が完売するまでに至っていた。

 

和真は、見事呼び込みだけで屋台を繁盛させたのだった。

 

「カズ君、格好いい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

「結局惚気ね」

 

「惚気ですね」

 

「苦いものが欲しいみょん……」

 

面白エピソードと言うよりもイイ話で、結局惚気話を聞かされた一同は砂糖を吐きかけていた。

 

「ごほん…… では、次は私の番ですね」

 

最後に妖夢の番となり、妖夜の事を話始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

魂魄妖夜、年齢は人間で言うところの十九歳、体重は軽めで59キロ、身長は172㎝

 

幽玄騎士 魄狼〈 H A K U R O 〉の称号を持つ魔戒騎士で私の兄です。

 

「貴様の陰我、僕が消し去る!!!!」

 

性格は冷静沈着、どんな時でも慌てずに物事に対処し、剣を振るう人です。

 

また、私と同じように半人半霊でもあります。

半霊を使った戦法と、神速の二刀流剣技が兄さんの持ち味です。

 

「彼奴の事だ、まだ自分を半人前と言ってるんだろう」

 

…… その通りなんですが、ナチュラルに人を罵倒するのは止めてください……

 

『貴様の罪は一つ…… 僕の主、幽々子様を傷つけた事だ!!』

 

そして私同様、幽々子様に使えている身でもあります。

幽々子様への忠義は厚く、例え誰だろうと幽々子様を傷つけた者には容赦しません。

 

そのせいで… 今は砕牙とギクシャクしているけれど…

 

 

 

 

 

 

 

〈妖夜!ホラーですわ!〉

 

兄さんの相棒、ペンダント型魔導輪、カルヴァ。

 

性格はお淑やか、どこか気品溢れる優雅な言葉遣いで私達をサポートしてくれます。

 

〈妖夢や幽々子は元気かしら?〉

 

まだ魄狼の称号が師匠にあった頃から、私と兄さんはカルヴァに見守られてきました。

これからは、私の成長を見てもらいたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

「こんな者ですね」

 

「あやや、私まだ妖夜さんにお会いしたことが無いのですか、他人に厳しい方なのですね」

 

「そうですね。あと、兄さんに面白エピソードは……あっ」

 

妖夜に面白エピソードなど無いと言おうとした妖夢だったが、あることを思い出した。

 

「あやや? その反応は…… あるんですね?」

 

「面白…… いかどうかは分かりませんが…… 一応」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

ある日、白玉楼での出来事……

 

「兄さん、お茶が入りましたよ」

 

妖夢が妖夜を呼びに行った時の事だった。

 

「………」

 

妖夜は、なにやら険しい顔をして鏡をみていた。

 

「……?」

 

妖夢が気になって見ていると、妖夜が不意に拳をグッと握り、顔の横に構えて……

 

「……… これでよし」

 

シュッと、板に付いたような所作で前髪を直した。

その様子に、妖夢はどこかホッとしながら呟いた。

 

「なんだ…… 前髪ですか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

「彼奴にそんなキザな所があったのね」

 

「兄さんも私達と同じように若者らしい所があるんですよ」

 

「微笑ましいですね」

 

魔戒騎士四人の紹介が終わったが、まだなにか聞きたそうな顔をしている文。

 

「他にはもう無いんですか? こう… ほら、弱点みたいな物とか」

 

「弱点? そんなのあったかしら…?」

 

「さあ?」

 

「知りませんよ?」

 

「知らないですね」

 

「そんな事ないでしょ!? さあ早く、早く!!」

 

「文、どうしたのよ? 何か可笑しいわよ?」

 

文の様子が段々と可笑しくなってきた。

まるで何かを探っているようであり、焦っている様でもあった。

 

すると、神社に複数の足音が響く。

 

「あら、砕牙が帰ってきたみたいね。丁度いいから、砕牙にも聞いたら?」

 

「いえ、その必要はありません! 私、用事を思い出したのでこれで!!」

 

「ちょっ!? いきなりどうしたのよ!?」

 

砕牙が帰ってきた事を文に告げ、取材を提案するが、文は何故か焦って帰ろうとする。

 

文が神社から境内へ出ていくと、砕牙と玲司、和真に鉢合わせする。

 

「あっ、カズ君」

 

「玲司も…」

 

「お帰りなさい、砕牙。実は…」

 

「何故ホラーがここにいる!?」

 

「え?」

 

ホラーと言う言葉が出た事に一同はは理解出来て居なかったが、文がホラーに変化したことで漸くその事を理解した。

 

「文が… ホラー!?」

 

「どうして!?」

 

「下がってろ!!」

 

三人は、文に化けていたホラーを囲み逃げられないようにした。

ホラーは逃げ道を探そうと後ろに後退するが、そこには既に妖夜が回り込んでいた。

 

「……… はぁっ!」

 

妖夜は、魔戒刀でホラーを切り上げ横転させた。

その衝撃でホラーはビデオカメラを離していまい、カメラが宙を舞う。

 

その時カメラが捉えたのは……

魔戒剣で円を描き、光の中から黄金の鎧を呼び出して牙狼へと変身する砕牙の姿だった。

 

カメラは地面に落ち、映像が乱れ、次に捉えたのは牙狼とホラーが対峙する姿だった。

 

ホラーの爪を軽々と弾き、牙狼は牙狼剣をホラーの腹に突き立てた。

 

『ハッ! ハアァァァッ!!!!』

 

「ギイィィィィィィッ!?!?」

 

突き立てた所から光が溢れ、輝きが頂点に達した時、ホラーは爆散した。

 

爆散した衝撃で、再びカメラが宙を舞い、映像が途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

映像が復旧すると、既に牙狼は砕牙に戻っていて、他の四人共々、自分のパートナーと話していた。

 

「砕牙! 」

 

「霊夢、大丈夫だった?」

 

〈奴は情報収集専門の幻想ホラーだ。だから射命丸の姿をコピーしたんだ〉

 

「ごめんなさい…… 私達、色々…」

 

「霊夢達が無事ならそれでいいよ」

 

「でも……」

 

「なら、俺達腹が減っているんだ。夕食は期待してるよ、お前達もそれでいいだろ」

 

砕牙の言葉に他の三人も頷く。

 

「分かった。腕によりを掛けて作るね!! 三人共、手伝って!!」

 

そうして霊夢は、他の三人と共に台所に行った。

 

砕牙はその後ろ姿をみて、微笑みながら神社に入ろうとすると、地面にカメラが転がっているのを見つけた。

 

「ん? これは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

カメラの場面が変わり、神社の部屋で砕牙と玲司、和真、妖夜はカメラの映像を見ようと弄っていた。

 

「うーん……」

 

「砕牙、それカメラか?」

 

「うん… 再生ボタンは……」

 

「ホラーが持っていた奴か」

 

「うん… えーっと……」

 

「これ…… 映っているのか…?」

 

「んー…… これか?」

 

砕牙は再生ボタンらしき物を見つけ、そのボタンを押した。

 

そこで、カメラの映像が途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び場面が変わると、今度は砕牙達の前に料理が並んでいて、和真がカメラで映していた。

 

〈博麗神社にホラーを入れるなんて、どういう事か分かっているのか?〉

 

「はい…… ごめんなさい」

 

そこでは、ザルバを筆頭に、魔導輪達が霊夢達に説教をしていた。

 

〈咲夜、貴女が着いていながらどうしてこうなったの?〉

 

「申し訳ありません……」

 

〈早苗の嬢ちゃん、何時ものほほんとしているのは美点だが、今回は度が過ぎるぜ〉

 

「うぅ…… ごめんなさい」

 

〈妖夢、前にも言いましたわよね? ホラーは何時、何処に潜んでいるか分からないと…〉

 

「すみませんでした…」

 

四人が怒られている中、騎士達と言えば……

 

〈大体なぁ…〉

 

「もう許してやろうよ、ザルバ」

 

「シルヴァ、それぐらいにしとけ」

 

「その辺にしときな、ディルバ」

 

「カルヴァ、過ぎた事だ、もういいよ」

 

実は、あんまり気にしていなかったりする。

 

しかし……

 

「それに…… 俺はそんな猫っ可愛がりしていない」

 

「裁縫が得意で意外か?」

 

「あのおっちゃん、元気かなー」

 

「身だしなみも、魔戒騎士のエチケットだ」

 

四人への精神的攻撃だけは、忘れてはいなかったようだ。

 

「「「「ど、どうしてそれを!?」」」」

 

「「「「お前の言いそうな事位わかる」」」」

 

霊夢達はたじろいていたが、砕牙達は面白そうに、彼女達を眺めていた。

 

「…… さ、さあ! 食べましょ!! 冷めちゃうわ!!」

 

露骨な話題の変えかたに、笑いをこらえながら砕牙は「そうだね」と返し、和真も、カメラを置いて箸を取る。

しかし、そこで、あることに気がついた。

 

「あっ…… そうだ、まだ紹介していない人達が居るんじゃない?」

 

紹介していないと言われてもてんで分からないと?を頭に浮かべる霊夢達だが、砕牙はカメラに向かって語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□■□■□

 

博麗霊夢、十六夜咲夜、東風谷早苗、魂魄妖夢。

彼女達は元々、ホラーとは縁遠い生活を送ってきた。

 

異変と呼ばれる出来事を解決し、幻想郷の平和を守り、人と妖怪と笑顔で過ごしていく。

 

でも俺達、魔戒騎士やホラーが現れて幻想郷で暗躍し始めて状況が大きく変わってしまっても、彼女達のその在り方は、まったく変わらなかった。

 

むしろ、俺達を暖かく迎え入れ、共に戦ってくれる魔戒法師になってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□■□■□

 

「右も左も分からないこの幻想郷で、俺達を導き、支え…… 今では、俺達の盟友で…… 俺達にとって、かけがえの無い…… 大切な存在になった。ありがとう、皆」

 

砕牙が語り終えると、四人は思わず涙を浮かべていた。

 

「そんな…… 勿体無いですよ」

 

「むしろ私達の方が何度も助けられて来たのに…」

 

「そんな事無いよ。皆が居たからここまでやれたんだ、もう一度言う、ありがとう」

 

「砕牙さん……」

 

少し、場の空気がしんみりしてきたのを感じた砕牙達は空気を変えるために、話題を変える。

 

「さっ! 皆が作ってくれた飯を食べよう!」

 

「ああ! もう冷めちまうぜ」

 

「早く涙拭いて、食べようぜ」

 

「有り難く、頂こう」

 

既に食卓に着いている砕牙達は待ちきれないと、料理を眺める。

それを見た霊夢はクスッと笑い、準備を始める。

 

「ふふ… 分かったわ、今、御飯持ってくるから、ちょっと待って…… うわあっ!?」

 

立ち上がって、台所にある御飯を持ってこようとする霊夢だったが、座りすぎて足が痺れたのか、変に足をビーンと伸ばして倒れた。

 

『『『『あっ!?』』』』

 

その時、丁度カメラにあたってしまいカメラは強く地面に叩きつけられ……

 

カメラの映像は、そのまま途切れてしまった……

 




番犬所って言うのは、どうも信用出来ねえ。

胡散臭い連中ばかりだからな。

何? 幻想郷に新しい番犬所だと? どうなってんだこりゃ。


次回 戦騎


駆け抜けろ! 希望の騎馬!
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