牙狼〈GARO〉 ~東方魔戒録~   作:響く黒雲

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まさか六千字を越えてしまうとは…
我ながらびっくりです。

そして、GOLD STORM 翔 ついに終わっちゃいましたね~

次回作の紅蓮の月に期待です!!


星 ~Starlight~

ある日のこと……

 

「はっ!」

 

「えい!」

 

博麗神社の境内で砕牙と霊夢は互いの分野で試合をしていた。

霊夢は魔導筆を用いて、砕牙は魔戒剣で応戦する。

 

「夢想封印・法!」

 

霊夢のスペカ、夢想封印に法師としての法力を合わせたホラーに対抗するために霊夢と紫が作った魔導スペルカードである。

この様なものを、法術を習い始めてわずか一か月足らずで完成させてしまう霊夢は正に本物の天才と言えよう。

 

夢想封印・法の容赦の無い弾幕を浴びせる霊夢に対し砕牙は焦らず、魔戒剣で自らに当たるものだけを正確に選び出し、高威力の弾幕を切り伏せていった。

 

「おおおおおおおおおっ!!!」

 

「うそっ!? あれだけの弾幕をあんな正確に!?」

 

自身の渾身の技を見切られ、慌てた霊夢の隙を砕牙は見逃さなかった。

 

「はぁっ!」

 

砕牙は魔戒剣を渾身の力で振りぬき、衝撃波を霊夢に向けて飛ばした。

 

「きゃっ!」

 

霊夢は衝撃波の威力に耐えきれず、吹き飛んでしまう。

起き上がろうとすると…

 

「俺の勝ちだな。霊夢」

 

既に砕牙が霊夢の首筋に魔戒剣を突きつけていた。

 

「砕牙って一体どうなってんのよ? 剣で衝撃波を飛ばすなんて…… ホントに人間?」

 

「人間だ。魔戒騎士ならこれくらいは朝飯前だな」

 

「魔戒騎士って人外の集まりなのかしら…」

 

砕牙に手を貸して貰い起き上がる霊夢は魔戒騎士の人外具合に頭を痛めていたが、慧音程の実力者をいとも簡単に倒すホラーを倒せるのだ、仕方ないと結論付けた。

 

「まあでもさっきのスペカ?あれは少し焦ったぜ」

 

「全部斬っといてどの口が言ってんのよ…」

 

〈いや、元々あった物を対ホラー用に改造出来るだけ、お前の才能は相当な物だぞ〉

 

「ありがと。ザルバ」

 

「で? まだやるか?」

 

「当たり前よ!」

 

再び霊夢と砕牙は構え、訓練を開始しようとすると…

 

「霊夢~!!!!」

 

空から、霊夢を呼ぶ大声が聞こえてくる。

 

「はぁ… 全く… 魔理沙ったら…」

 

その大声に霊夢はため息を吐き、めんどくさそうな顔をする。

 

「よっす!霊夢来たぜ」

 

「誰も呼んでないわよ」

 

空から箒に乗った魔理沙がやってきた。

 

「今、修行中だから後にしてくれる」

 

「れ、霊夢が修行…… だと……!?」

 

「そんなに意外かしら? 魔ー理ー沙ー!!!!」

 

「ご、ごめんだぜ…」

 

来てから早速漫才を始める二人だが、魔理沙の事を知らない砕牙はただただ困惑するだけだった。

 

「なあ霊夢、こいつは?」

 

「ん? お前誰だ?」

 

「ああそっか、二人は初対面だったわね。この子は霧雨魔理沙、私の親友よ」

 

「霧雨魔理沙、普通の魔法使いだぜ!」

 

箒をクルリと肩に乗せ自己紹介する魔理沙、色々とツッコミ処が多いのは気のせいだろう。

 

〈魔法使いか、今時珍しいな〉

 

「うわぁ!? 指輪が喋った!?」

 

〈いい加減その反応も飽きたぜ…〉

 

「俺は道外砕牙、でこいつは…」

 

〈魔導輪のザルバだ。よろしく、お嬢ちゃん〉

 

やはり幻想郷でもザルバは珍しい存在なのか魔理沙に驚かれていた。

 

「魔導? 砕牙は魔法使いなのか?」

 

「いや。俺は魔戒騎士だ」

 

「魔戒騎士?」

 

「ああ… そこからか」

 

砕牙は魔理沙に、魔戒騎士、魔戒法師について、そして今までにあったことを話した。

 

「ホラーか… 面白そうだぜ!」

 

「何?」

 

「ホラーなんて、私の魔法で蹴散らしてやるぜ!」

 

ホラーは面白そう、ホラーなんて… 自信満々に豪語する魔理沙だが……

 

「ふざけるな!!!!」

 

その言葉は、砕牙の逆鱗に触れてしまう。

 

「面白そう? ホラーなんて? ふざけるなよ…… 魔理沙とか言ったか? ホラーを甘く見るな!!!! 奴等はお前達がやっている弾幕ごっこなんて気にも留めないで殺しに掛かってくる!! そんな安易な考えで、ホラーに関わるな!!!!」

 

「砕牙は私の実力を知らないから言えるんだぜ」

 

〈お前さんの実力は精々全力を出しても下級ホラーを倒せるかどうかしかないな〉

 

「…… そこまで言うなら私の実力を見せてやるんだぜ! 弾幕ごっこだ!!」

 

売り言葉に買い言葉、あっという間に砕牙は魔理沙と弾幕ごっこをすることになった。

 

「ちょっと! 二人供辞めなさいよ!」

 

「止めるな霊夢!! 私は勝つ!!」

 

〈典型的な慢心だな。幻想郷が何れだけ平和だったか分かるようだぜ。 どうする砕牙〉

 

「実力を分からせるしかないな… ザルバ、牙狼剣を出してくれ」

 

〈あいよ〉

 

魔理沙は箒と八卦炉と呼ばれる道具を手に持ち、砕牙は魔戒剣をザルバに擦り付ける。

魔戒剣とザルバは火花を放ち、魔戒剣は牙狼剣へと姿を変えた。

 

「先ずは小手調べ!! 食らえ!!」

 

砕牙の事を格下と見ているのか魔理沙は全く隙だらけの弾幕を放つ。

 

しかし、そんな隙だらけの弾幕は黄金騎士である砕牙には通じない。

砕牙は弾幕を軽々と避けた。

 

「…… 嘗めているのか?」

 

「へん!只の小手調べだぜ! スペカ!スターダストシュヴァリエ!!!!」

 

魔理沙はスペルカードを使い、流れ星の様な弾幕を大量に放ったが……

 

「何度やろうが、どんな技を出そうが無駄だ!!!!」

 

砕牙はスターダストシュヴァリエの弾幕を牙狼剣で切り裂きながら魔理沙に向かって突進し、魔理沙の懐へと突入、霊夢と同じ様に首筋に牙狼剣を突きつけた。

 

「この負けはお前のせいだ、魔理沙」

 

「な、なんだと!?」

 

「お前は小手調べと言ったな、ホラーに小手調べは必要ない、そんな事をしていれば食われるからだ。お前は最初から全力で俺に攻撃していれば、勝てたかもしれないがな」

 

砕牙は牙狼剣を魔戒剣に戻し、赤鞘に納めた。

 

「そんな慢心にホラーは漬け込んでくる…… ぐずぐずしてたら、大切な物から消えていくんだよ…」

 

「………」

 

魔理沙は無言で飛び去っていった…

 

「砕牙、何も彼処まで言わなくても……」

 

〈いいや、ああいう類いは分からせなければ付け上がり、重大なミスを犯す〉

 

「そのミスは、俺達、魔戒騎士や魔戒法師にとっては命取りにしかならない… 魔理沙自身が成長するしかないんだよ」

 

砕牙は悲しい様な、苦しい様な顔をして神社の階段を降りていった。

 

「どこ行くの?」

 

「少し頭を冷やしてくる…… 熱くなりすぎた……」

 

降りていく砕牙の背中を見詰める霊夢…

その姿は、自分の博麗の巫女の使命以上の何かを感じていた。

 

「魔理沙の所にいかなきゃ…」

 

霊夢は行動を始める、自分の親友がどうなったかを確かめるために……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ…」

 

魔理沙は草原で寝転がっていた。

先程から彼女の頭の中にあったのは屈辱、嫉妬、怒り、悔しさ…… そして砕牙の言葉だった。

 

 

『どんな技を出そうが無駄だ!!』

 

『そんな事をしていれば食われる』

 

『大切な物から消えていくんだよ……』

 

 

「なんなんだ、この気持ちは……!!!!」

 

魔理沙は幻想郷でも随一の実力者だ。

今までの異変も、苦戦はしたものの一度たりとて負けた事が無かったのだ。

 

それが先程、博麗神社で戦闘的な能力を持たない砕牙に、スペルカードはおろか弾幕すら使わず、剣一本で一方的に負けてしまった事が魔理沙の心にショックを与えていたのだ。

 

「魔理沙」

 

すると、よく聞いた声の人物が魔理沙に声をかける。

 

「何しに来たんだぜ… 霊夢…」

 

それは霊夢だった。

霊夢は砕牙が去った後、神社から魔理沙を追ってきたのだ。

 

「悔しそうね魔理沙」

 

「当たり前だろ? 負けて悔しく無い奴は居ないぜ」

 

「まあ思ったよりも落ち込んで無いみたいだからよかったわ」

 

「どこが… ほっといてくれ…」

 

魔理沙は負けた事の無い霊夢には分からないと思っていた。

しかし霊夢は魔理沙の考えを読んだのか、先回りして言った。

 

「今、私は負けた事がないって思ったでしょ?」

 

「何で分かったんだ!?」

 

「勘よ」

 

相変わらず非常識な勘だと魔理沙は考えるが、それを悟られると、後が面倒と思った魔理沙は考えるのを止めた。

 

「私もね、砕牙に負けたの」

 

「はあ!? 霊夢が彼奴にか!?」

 

「うん、初めて会った時の事件で私が歯が立たなかったホラーをいとも簡単に倒しちゃって、博麗の巫女としての面目がなくなっちゃったわ」

 

「信じられないぜ…」

 

霊夢が幻想郷で何れだけ強いか知っている魔理沙は、霊夢の言葉が信じられなかった。

 

「その後、私がホラーと戦うって言った時に砕牙、何て言ったと思う?」

 

「何て言ったんだ?」

 

 

『口だけなら何とでも言えるからな』

 

 

「ですって!! 失礼しちゃうわ!!」

 

「彼奴… やっぱ失礼だな」

 

「でもね魔理沙… 砕牙の事、嫌いにならないで上げて?」

 

「?」

 

「まだ一ヶ月しか一緒に居ないけど… それでも分かったんだ… 砕牙があんな言い方をするのは決まって、その人を心配している時だけだって…」

 

「…… 霊夢が誰かをフォローするなんて…… さては彼奴に惚れたか?」

 

「な、な、な、何言ってんのよ!? そそそんなわけ無いじゃない! 大体、何で私が砕牙なんか……」

 

誰かをフォローするのを初めて見た魔理沙は冗談半分で霊夢をからかうが、霊夢はその冗談を真に受け、あたふたと顔を赤くしながら慌てていた。

 

「ふ、ふふふ…… あははは!!」

 

「ちょっ!? 笑うなぁ~!!」

 

「あははは… わりぃわりぃ、でも元気出たぜ。サンキュー、親友」

 

「もう…… さ、戻りましょ」

 

「おう!」

 

調子を取り戻した魔理沙と供に博麗神社へ戻ろうとすると……

 

「旨そうな匂いがするな…」

 

「「!?」」

 

不気味な雰囲気を纏った男が二人に近寄ってきた。

 

「この匂いは…… 魔法使いと博麗の巫女の匂いだな」

 

男の瞳は白く濁っていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方砕牙は、頭を冷やす為に人里をブラブラしていた。

 

「ちょっと言い過ぎたかな?」

 

〈何言ってる。あの手合いはああでも言わないと聞きやしねえだろ?〉

 

「根は素直な奴だと信じたいな…」

 

〈珍しく感傷的だな?どうした〉

 

「いや、まだ魔戒騎士になる前の事を思い出してさ…」

 

 

 

 

それは砕牙が十歳になったばかりの頃だった…

 

『お願いします!! 俺もホラー狩りに連れていって下さい!』

 

『今のお前ではまだホラーと戦う力は無い… 諦めろ』

 

ある一人の魔戒騎士に出合い、ホラー狩りに連れていって貰おうとしたのだ。

 

しかしたかが十歳になったばかりの少年がホラーに太刀打ちしようなど不可能、故に騎士は少年砕牙の願いを断ったのだ。

 

『嫌です!! 俺は諦めません!!』

 

せめてもの抵抗にと、少年砕牙は騎士の魔戒剣を引き抜くが…

 

『うわっ!?』

 

ソウルメタルの剣を持ち上げる事が出来なかったのだ。

 

『今のお前にソウルメタルで出来た魔戒剣を持つ事は出来ない。それに…』

 

騎士は魔戒剣を鞘に納めると同時に少年砕牙を突き飛ばし、地面に押さえつけた。

 

『ぐわっ!!』

 

『これが今のお前の実力だ! こんな力で、一体何が守れるというのだ?』

 

少年砕牙は騎士を悔しげに見上げるだけだった。

そんな少年砕牙を騎士は優しく起こす。

 

『焦るな坊主。お前の時代は、まだずっと先だ。その時に備えて、今は… 己を鍛えるのだ』

 

そう言って騎士は、少年砕牙の頭を撫でるのだった…

 

 

 

 

 

 

懐かしい記憶に浸る砕牙だったが…

 

〈砕牙!邪気だ!〉

 

「ホラーか?」

 

〈ああ、ホラーだ〉

 

「分かった」

 

砕牙はザルバのホラー出現の報を聞いて、ホラーの元へと急ぐのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異様な男は魔理沙と霊夢を気味の悪い目で見詰めてくる。

まるで、品定めでもしているかの様に…

 

そんな男に霊夢は魔導筆で魔導火を出し、男の目の前に翳した。

すると男の目は白く濁り、魔界文字が現れた。

 

「っ!? ホラー!」

 

「何!? こいつがか!?」

 

「ほう… 博麗の巫女は魔戒法師だったのか… 魔戒法師を食らうのを初めてだな」

 

「冗談! 私はあんたに食われるつもりは無いわ!!」

 

二人を見て舌を嘗めずるホラーと魔導筆を構える霊夢……

 

「はぁぁぁぁ…… はっ!!」

 

霊夢は魔導筆で魔界文字を描き、ホラーに法力の弾を打ち出す。

 

「ぬぐっ!! …… だが術は素人… これならば問題ない」

 

しかし、いくら霊夢が天才と言えどこれが初戦、力んでしまい、霊夢は十分な力が出せなかった。

 

「しまっ!? がっ!!」

 

故に隙が出来てしまい、ホラーの蹴りをまともに受けてしまった。

 

「ごほっ!! ごほっ!!」

 

「霊夢! しっかりするんだぜ!!」

 

「魔理沙… に、げて…」

 

「バカな事言うんじゃないぜ!! 」

 

「フン… 所詮人間などこの程度… 恐れるに足らん」

 

ゆっくり… ゆっくりと、しかし確実に一歩一歩近づいてくるホラー。

ホラーに対し、魔理沙は……

 

「この……! 霊夢に手を出すんじゃないぜ!! スターダストシュヴァリエ!!!!」

 

スペルカードを発動させ、流れ星の様な弾幕をホラーに浴びせるが…

 

「なんだ今のは? 只の煙幕か?」

 

「なっ!? 私の弾幕が!?」

 

「もう終わりか? ならば、死ね」

 

ホラーが二人にその魔手を伸ばした。

 

「(お前の言う通りだったな…… 砕牙…… 私は… 自分の命だけじゃなくて、霊夢の命まで…… ごめんな)」

 

魔理沙が死を覚悟したその時…

 

「はぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

ザシュ!!

 

 

「グハァッ!?」

 

ホラーは、誰かの剣に斬られ、蹴り飛ばされた。

 

「だ、誰だ!?」

 

剣を持っていたのは…

 

「間に合ってよかった…」

 

赤柄赤鞘の魔戒剣を携え、黄金の三角形の紋章が入った黒コートを着た砕牙だった。

 

〈間一髪だったな〉

 

「ああ、無事か?二人供」

 

「砕牙…」

 

「砕牙…… ごめんだぜ! 私、全く分かって無かったのに… あんなこと言っちまって…」

 

砕牙に謝る魔理沙に砕牙は、魔理沙の帽子越しに頭をくしゃくしゃと撫でる。

 

「うわわわっ!?」

 

「分かってくれたのならそれでいい… 霊夢を守ってくれたんだろ?」

 

「あ…」

 

そこで魔理沙は自分の後ろに霊夢が居ることに気づいた。

 

「人を守る事が出来たのなら、お前はもう大丈夫だ。後は俺に任せろ」

 

「頼んだぜ!砕牙!」

 

「ごめん砕牙… 私……」

 

「何も言うな霊夢、お前は守りしものとしての義務を果たした。後はゆっくり休め」

 

「うん…」

 

砕牙は霊夢と魔理沙を後ろに下がらせ、ホラーを見据えた。

 

「魔戒騎士め……」

 

「ザルバ、あれは幻想ホラーか?」

 

〈いや違うな、あれはマンティグス。気ままに人を食らう大喰らいのホラーだ〉

 

「そうか」

 

「魔戒騎士!! 貴様も食らってやるうぅぅぅ!!!!」

 

マンティグスは雄叫びと共にホラーとしての姿に戻り、蟷螂の様な姿になった。

 

それを見た砕牙は魔戒剣を天に掲げて円を描き、牙狼の鎧を召喚する。

神々しい光が砕牙を覆い、砕牙を牙狼へと変身させた。

 

「綺麗だぜ… 」

 

その眩しさに、マンティグスは目の前に手を翳し、魔理沙は見惚れていた。

 

『ホラーマンティグス!! 貴様の無軌道な陰我… 俺が断ち切る!!!!』

 

牙狼は左手に牙狼剣を添えて構える。

 

「キシャァァァァ!!!!」

 

マンティグスの鎌の攻撃を、牙狼は左手で受け止め、牙狼剣で胴を裂いた。

 

「キシャァァァァ!!!!」

 

『ハァッ!!』

 

牙狼はマンティグスへ牙狼剣を突き刺そうとした時

 

「フシャァァァァァ!!!!」

 

マンティグスは牙狼へと白い泡の様な物を発射し、牙狼に纏わりつかせた。

 

『な!? 何だこれは!? 動けない!!』

 

〈砕牙!不味いぞ!? こいつは粘着性の卵だ!〉

 

『何だと!?』

 

〈早く剥がさないと内側から食われるぞ!!〉

 

『魔導火を使おうにも… 手が… グァッ!』

 

動けない牙狼をマンティグスは鎌で追撃し、胴体で吹き飛ばされた。

 

「砕牙!」

 

「くそっ… こんなとき… なんにもしてやれないなんて…… ん?」

 

魔理沙は霊夢が手元に持っていたスペルカードを見つける。

 

「霊夢! こいつは?」

 

「え? それは!? 魔導スペルカード!! 」

 

それは霊夢が作った魔導スペルカードだった。

 

「魔理沙!! 私と一緒に!」

 

「ああ!! 行くぜ!」

 

霊夢は魔導筆を、魔理沙は八卦炉を構え

 

「夢想封印・法!!!!」

 

霊夢の夢想封印の弾幕は牙狼へと向かい、白い卵嚢を吹きとばした。

 

『霊夢…』

 

「私だって、砕牙の役に立てるんだから!!!! 魔理沙!!!!」

 

「おう!砕牙! 行くぜ!!」

 

『ああ!!』

 

「マスタースパーク!!!!」

 

魔理沙は八卦炉から七色の光線を放つ。

 

『ウオオオオオオオ!!!!!!』

 

牙狼は光線の中に入り、マンティグスへ向かい、マスタースパークが当たると同時に真っ二つに切り裂いた。

 

『ダアァァッ!!!!』

 

「シャァァァァァ!!!!」

 

マンティグスは泡の様に溶けて消えていった。

 

そして牙狼は鎧を解き、砕牙へと戻る。

 

「ハァッ… ハァッ…」

 

〈無事か?砕牙〉

 

「ああ、何とか… 二人は?」

 

「こっちも大丈夫よ」

 

砕牙は二人の元へ歩み、二人の活躍を賞賛した。

 

「ありがとう。二人供… 二人が居なかったら俺は死んでいた」

 

「私が作った魔導スペルカードが役にたってよかったわ」

 

「あ、あのさ… 砕牙…」

 

「なんだ?」

 

「私で良ければ… その、友達になって…」

 

「おいおい何言ってんだよ?俺達はもう一緒に戦った盟友だろ? 」

 

魔理沙は砕牙に盟友と言われた事が嬉しかったのか、少女らしい、明るい笑みを浮かべていた。

 

「そ、そっか! じゃあこれからよろしくな砕牙!」

 

「ああ、お前もよろしくな、魔理沙」

 

「私も、これからもよろしく」

 

〈俺様も忘れてもらっちゃ困るぜ?〉

 

三人は握りこぶしを作り、互いにぶつけ合った。

 




新たに幻想入りする一人の男!

その世界で巡りあった二つの銀!

おい砕牙、この男は一体何者だ?


次回 銀牙


銀狼、紅魔に起つ!!
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