牙狼〈GARO〉 ~東方魔戒録~   作:響く黒雲

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また、六千字を越えてしまった…



銀牙

「咲夜、ちょっと」

 

ここは幻想郷にある紅い館、紅魔館である。

どれだけ紅いかというと、目に入れた瞬間、目が痛くなってしまう程である。

 

「何でしょうか? お嬢様」

 

その館の主に呼び出されたこの銀髪の少女は十六夜咲夜、紅魔館のメイド長で、完全で瀟洒なメイドと呼ばれる少女である。

 

「ええ、お使いついでに頼まれてほしい事があるの」

 

「頼まれてほしい事?」

 

そして、咲夜を呼び出したこのカリスマ溢れる幼女はレミリア・スカーレット、紅魔館の主である吸血鬼である。

 

「それは一体…」

 

「そこまで身構える事じゃないわよ。最近、博麗神社に居候している男が居るでしょ?」

 

「ああ、砕牙の事ですね?」

 

「そう、その砕牙を此処に招待しようと思うの」

 

「では、私が紅魔館に連れて来ればいいのですね?」

 

「お願い出来るかしら?」

 

「仰せのままに… お嬢様。それではいって参ります」

 

咲夜は、レミリアに一礼すると、部屋を出て、人里に行く準備をする。

 

「さてと…」

 

身形を整え、紅魔館の門を出て人里に向かって歩き出した。

 

「美鈴、出掛けてくるからしっかり仕事なさい」

 

「分かりました。行ってらっしゃい咲夜さん」

 

紅魔館の門番である、紅美鈴に一言言って、咲夜は人里に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?」

 

一方博麗神社では…

 

「どうかしたのか、霊夢?」

 

「この頃修行に係りきりだったから、食料切らしちゃったのよ」

 

ホラーがよく現れる影響か、霊夢が修行に費やす時間が増えたせいか、博麗神社に食料が無くなってしまったのだ。

 

「む~ それは問題だな…」

 

「でしょ? だから砕牙、一緒に人里に着いてきて」

 

「了解。修行に専念できるように多めに買い込むか」

 

そうして、砕牙と霊夢は人里に行く準備を始めた。

 

「……」

 

「どうかしたか霊夢?」

 

「う、ううん!! 何でもない!!(自然な感じで誘ったけど… これって…… デ、デート… なのかしらぁ~!?)」

 

「? そうか…」

 

〈(やれやれ、鈍感具合は父親譲りか)〉

 

霊夢は自分が知らず知らずの内に砕牙を誘っているのに気づき、顔を赤面させてたが、砕牙には何故顔を赤くしていたのか分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里に着いた咲夜はまず、紅茶のストックを買うために、人里から少し離れた香霖堂に来ていた。

 

「やあ、咲夜さん。今日も紅茶かい?」

 

「ええ、お願いします。霖之助さん」

 

香霖堂の店主霖之助はお得意様である咲夜の買うものが分かっているため、直ぐ様紅茶の茶葉を咲夜に渡す。

 

「押し売りするようで悪いけど、このライターなんてどうだい?」

 

「ライター… ですか?」

 

咲夜は霖之助から銀色の牙のようなアクセサリが付いた不気味なライターを渡された。

 

「さっき拾ったんだけど、中々面白くてね、魔導火と言うらしい。蒼色の火が出るんだ」

 

咲夜は言われるままに火を着けると確かに蒼色の火が出た。

 

「綺麗ですね。 これ貰います」

 

「紅茶と合わせて二十文だよ」

 

咲夜は二十文を支払って、魔導火と紅茶を受け取った。

 

「じゃあまた」

 

「ああ、またね」

 

そういって、咲夜は香霖堂を出る。

それと入れ違いの形で、黒いコートを着た少年が入店してきた。

 

咲夜はそのコートのドリームキャッチャーのマークに稲妻の様な紋章が何故か目に残ったが、直ぐに店を後にした。

 

「いらっしゃい。注文は何かな?」

 

「ライターを探しているんだ。銀色で不気味なライターなんだが…」

 

「ああ、それならさっき売っちゃったよ」

 

「何!? 不味いな…」

 

「え? 何が不味いんだい?」

 

「あれは魔導火って言って、正しい使用法を知らないと、魔界の炎に焼かれちまうんだ!!」

 

「ホントかい!? あー なんて事を!?」

 

「どっちに行った? その客?」

 

「商店の方だ。メイド服を着ているから直ぐに分かる筈」

 

「分かった!!」

 

少年は急いで香霖堂を後にし、咲夜の後を追っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香霖堂を後にした咲夜は、食料を買うために商店にいた。

 

「え~と… 後は…」

 

すると向こうから、よく知った紅白巫女と、知らない黒コートの少年を見つけた。

 

「あら? 咲夜じゃない」

 

「ごきげんよう。霊夢、それと… 」

 

「道外砕牙だ。よろしく」

 

「やっぱり貴方が… 私は十六夜咲夜、紅魔館のメイド長をやっているわ」

 

「だからメイド服を着ているのか…」

 

「丁度良かったわ。買い物が終わったら博麗神社に行こうと思っていたの」

 

「神社に? どうして?」

 

「お嬢様が砕牙に会いたいと仰っていたので」

 

「レミリアが砕牙にねえ…」

 

霊夢が訝しげな表情を浮かべるが、砕牙は咲夜が持っていたライターに目を着けた。

 

「咲夜、そのライターは…」

 

「これかしら? さっき買ったんだけど、綺麗な火が出るのよ」

 

咲夜が魔導火の火を着けようとすると…

 

「まて! それに火を着けるな!!」

 

「さ、咲夜!! それ魔導火じゃない!?」

 

「魔導火?」

 

砕牙達は、咲夜に魔導火について説明した。

 

 

 

 

「そんな危険な物だったなんて… 霖之助さんに返しておかなきゃ」

 

「ああ、それがいい。 でも… この魔導火何処かで…」

 

砕牙が魔導火に見覚えを感じていると…

 

「寄越せ!!」

 

「きゃっ!?」

 

いきなり見知らぬ男に魔導火と荷物を取られてしまった。

 

「あ! 彼奴、ひったくりか!?」

 

「あれはお嬢様に頼まれた品、賊ごときに触れる資格なし!」

 

砕牙達は走り去って行った男を追っていった。

 

「待てコラァ!!」

 

「私達の食料~!」

 

「お嬢様のお使い~!!」

 

「くそっ!! しつこいぞ!? 彼奴ら!!」

 

男は中々に足が早く、出遅れた砕牙達は追い付けないでいた。

 

すると……

 

「うわっ!?」

 

「どわぁっ!?」

 

曲がり角で、男は黒コートを着た少年にぶつかった。

 

「痛てて… あっ! それ、俺の魔導火!?」

 

「くそっ… 邪魔すんな!!」

 

男は逆ギレして、少年に殴りかかるが…

 

「ほっ」

 

少年はいとも容易く、男の拳を掴み取り…

 

「くそっ… 離せ!?」

 

「ダメだな~ もっと腰を入れなきゃ♪」

 

男から魔導火と荷物を奪い取って…

 

「あ~れ~!?!?」

 

彼方に投げ飛ばした。

 

「よし! 回収完了。後は… メイドの子を見つけるだけか…」

 

魔導火を回収した少年は咲夜を探そうとするが…

 

「どっちに行った?」

 

「分かんないわ… あの男… 唯では済まない…」

 

「落ち着けって二人供… よく探せば…」

 

そこに砕牙達がやって来た。

 

少年は砕牙達… いや、正確には砕牙を見つけると獰猛な笑みを浮かべた。

 

「み~つけた♪ こんな所に隠れていたのか… さーいが♪」

 

「おまっ!? 何で幻想郷に!?」

 

「そんなのどうだっていいよ。取り合えず… お仕置きな♪」

 

すると、少年は砕牙に向かって走り出し、飛び上がって蹴りを入れた。

 

「はあぁぁぁっ!!」

 

「くっ!!」

 

砕牙は腕をクロスさせる事で、蹴りを防いだ。

 

「何をする!!」

 

「言ったろ? お仕置きだって…」

 

少年はコートの袖から砕牙の魔戒剣よりも短めな剣を取りだし、砕牙に降り下ろした。

 

「はっ!!」

 

「うおっ!! 」

 

砕牙は魔戒剣の鞘で剣を受け、もう片方の剣は少年の腕を掴む事により防ぐ事が出来た。

 

「…… 仕方無いな…」

 

砕牙は魔戒剣を鞘から抜いた。

 

「へへっ… そうこなくっちゃ道外砕牙じゃねえな」

 

それに対し、少年も二つの剣を順手から逆手に変えて構える。

 

「はっ!!」

 

「せいっ!」

 

二人はほぼ同時に動いた。

砕牙は少年を貫こうと突きを放ち、少年は砕牙の首を跳ねようと、剣を振り抜く。

 

しかし、どれも互いに避けられてしまう。

 

「うおおおっ!!」

 

「せやぁぁぁぁっ!!」

 

少年はまた砕牙の首を狙い、腕を砕牙に押さえられ、砕牙も少年の首を跳ねようと狙うが、少年のもうひとつの剣で止められた。

 

〈止めなさい!! 二人供!!〉

 

すると、少年の手の甲に着いている手袋のアクセサリーから女性の声がする。

 

〈そろそろ止めとけ、砕牙。番犬所にバレるとやっかいだぞ〉

 

「分かってるって、シルヴァ」

 

「そうだな、ザルバ」

 

忠告を受けた二人は、素直に魔戒剣を納めた。

 

「腕は落ちていないみたいだな」

 

「そっちもな砕牙。たく、お前自分がどれだけ人に心配掛けたか分かってんのか?」

 

「それであの仕打ちか… 危うく掟を破る所だぞ…」

 

すると、向こうから霊夢と咲夜がやってくる。

 

「砕牙! 大丈夫!?」

 

「怪我は?」

 

「ああ、大丈夫だ。 」

 

「ん? 銀髪メイド? もしかして君が咲夜?」

 

少年は当初の目的を思いだし、咲夜に近づく。

 

「ええ、そうよ」

 

「はい、これ」

 

少年は咲夜の荷物と霖之助から預かったお金を渡した。

 

「このお金は?」

 

「さっきの店の店主から預かったんだ。 その代わりに魔導火は返して貰うぜ? 元々俺が落とした物だからな」

 

「お金は帰ってきたし、文句はないわ」

 

「そっか。いや~ 無事に魔導火を取り戻したし、おまけにこんなに可愛い子の助けになれたんだ。もう言うこと無しだね♪」

 

「か、可愛い!?」

 

咲夜は少年に可愛いと言われ、顔を赤くしながら狼狽えていた。

 

「砕牙… 彼奴誰?」

 

凉邑玲司(すずむられいじ)…… 俺と同じ魔戒騎士で無自覚な女誑しだ…」

 

「誰が女誑しだ!」

 

すると、心外だとばかりに少年、玲司が砕牙に向かってやってくる。

 

〈貴方のことでしょう? ゼロ… 見なさい、あの子トリップしちゃってるわよ〉

 

「シルヴァまで…」

 

玲司の仮面を被った女性を象った魔導具、シルヴァの言う通りに咲夜を見ると…

 

「可愛いって言われた、可愛いって言われた、可愛いって言われた…」

 

と連呼し続けていた。

 

〈今まで一体何人の女の子を泣かせて来たのかしらね?〉

 

「うう… すみません…」

 

「貴女はそいつの魔導具?」

 

〈ええ、シルヴァよ。 よろしくね、お嬢ちゃん〉

 

「私は博麗霊夢、成り立てだけど魔戒法師よ」

 

初対面のシルヴァと霊夢が挨拶をすると…

 

「え? 君魔戒法師なの?」

 

「ええ、霊夢って呼んでね」

 

「俺は玲司、よろしくな、霊夢」

 

玲司は驚き、霊夢が魔戒法師であることに気づく。

 

「さて、そろそろ咲夜を起こさないとね。咲夜!! しっかりしなさい!!」

 

「可愛いって… はっ!? 私は何を!?」

 

「紅魔館に行くんでしょ? 私も行くけど砕牙は場所知らないんだから案内しなさいよ?」

 

「わ、分かったわ、そっちの… 玲司さんも、お礼がしたいので一緒に…」

 

「いいのか? それじゃ、お言葉に甘えて」

 

咲夜を起こした霊夢達は、咲夜の案内で紅魔館へと行く事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん♪ふふん♪」

 

「………(チラチラ)」

 

「………」

 

「………」

 

砕牙達は紅魔館に向けて歩いていた。

鼻唄を歌っているのは玲司、そんな玲司を顔を赤らめてチラチラと見ているのは咲夜で、それを無言で眺めているのは霊夢と砕牙だ。

 

「ねえ、砕牙…」

 

「なんだ?」

 

「咲夜って完全に…」

 

「ああ、玲司に惚れたな…」

 

〈また玲司の被害者が増えるな〉

 

「全くだ…」

 

「なんか言ったか?」

 

「「いや何も…」」

 

すると、咲夜がキョドりながら玲司に話しかける。

 

「あ、あの玲司さん!!」

 

「ん? 俺のことは呼び捨てでいいぜ」

 

「じ、じゃあ玲司、 な、何か嫌いな食べ物ある?」

 

「いや、何も無いが」

 

「良かった… じ、じゃあ腕によりを懸けて作るね!」

 

「咲夜の手料理か… 楽しみにしているな」

 

そう言って、玲司は咲夜の頭をポンポンと撫でた。

 

「お二人さん… どうやらディナーの時間は後の様だぜ」

 

砕牙は、紅魔館から煙が出ているのを見つけた。

 

「紅魔館が! お嬢様達に何か!?」

 

咲夜は顔を青くすると、一瞬で消えてしまった。

 

「消えた!?」

 

「咲夜の時間を操る程度の能力よ!! 私達も急ぎましょう!!」

 

霊夢の言葉に砕牙と玲司が頷き、紅魔館に向けて走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜が時間を止め、自身の肉体の時間を早めて、最速で紅魔館に着くと、そこは惨劇だった。

 

「そ、そんな…」

 

門番の美鈴と、主のレミリア、レミリアの妹のフランドール、レミリアの友、パチュリー、パチュリーの使い魔の小悪魔がボロボロの状態で倒れていた。

 

「お嬢様!! 妹様!! パチュリー様!! 美鈴!! 小悪魔!!」

 

咲夜が駆け寄るが、レミリア以外意識は無かった。

 

「う… 咲夜?」

 

「お嬢様!! しっかり!!」

 

「咲夜… 逃げなさい!!」

 

レミリアが最後の力で、羽を動かし、何者かの攻撃を躱した。

 

「な、何者!?」

 

「あ、あれが噂のホラーって奴らしいわ…」

 

攻撃を加えてきた熊の様なホラーは次に咲夜に狙いを定める。

 

「ゴアァァアァァ!!!!」

 

「くっ!!」

 

咲夜はレミリアを抱えて、ホラーの攻撃を躱す。

 

「よくもお嬢様達を…… 許さない!!」

 

咲夜は武器のナイフを両手に持ち、時間を止めて、大量に投げつけた。

 

「スペカ!! 殺人ドール!!!!」

 

ナイフと共に、ナイフ型の弾幕も大量にホラーに向かわせるが…

 

「グオァァァァ!!!!」

 

ホラーは、邪気のフィールドを発生させて、全て防いだ。

 

「そんな!? あれは美鈴の能力の筈!?」

 

咲夜の驚きも他所に、ホラーは邪気の弾幕を放ち、咲夜を吹き飛ばす。

 

「きゃあ!!」

 

空高く打ち上げられた、咲夜はそのまま地面に激突…

 

 

ガシッ!!

 

 

「えっ?」

 

しなかった。

寸前で、玲司が咲夜を受け止めていたのだ。

 

「サンキューな咲夜。お前がホラーを惹き付けてくれたお陰で彼奴らを霊夢の結界の中に入れる事が出来た」

 

見ると、レミリア達は霊夢が作り出した結界にいて、ホラーは砕牙が牽制していた。

 

玲司は咲夜をお姫さま抱っこのまま、結界内に連れていった。

 

「ここで待っていてくれ、ディナーの内容を考えながらな♪」

 

玲司は咲夜にウィンクすると、表情を引き締め、砕牙の元へ向かった。

 

「はあぁぁぁっ!!」

 

玲司は飛び上がって、ホラーを両手の魔戒剣で切り裂いた。

 

「グオァァァァ!?」

 

「玲司!!」

 

「砕牙… こいつは俺にやらせてくれ… 久々にムカッ腹が立った…」

 

それを聞いた砕牙は、無言で下がった。

 

「いいの砕牙?玲司一人で」

 

「ああ、彼奴も守りし者だ」

 

ホラーと対峙する玲司、ホラーは玲司を警戒して動かない。

 

〈気を付けてゼロ。こいつは幻想ホラー ベイルズよ〉

 

「へぇ~ こいつが噂の幻想ホラーか… 幻想郷での初仕事にはうってつけだな」

 

すると、ベイルズは雄叫びを上げながら、玲司に突撃してくる。

 

「グガァァァァァ!!!!」

 

「ふっ!!」

 

しかし、玲司は華麗な身のこなしで避け、ベイルズは霊夢の結界に激突した。

 

「ゴガァッ!?」

 

「さて… 行くぞ!! シルヴァ!!」

 

〈ええ!〉

 

玲司は両手の魔戒剣を下で交差し、上に持ち上げ、円を二つ描く。

二つの円が重なりあい、円の内側が砕け、銀色の光が玲司を包み、銀色の鎧が召喚される。

 

鎧は腕、足、胴と纏われ、最後に、牙狼よりも獣らしい青い目をした銀狼の仮面が装着された。

 

『ハァァァァ…… ハッ!!』

 

玲司は変化した魔戒剣、銀狼剣を順手、逆手と入れ換えながら振り回し、最後に左斜めに降り下ろした。

 

「あれが… 玲司の鎧…」

 

「ああ、玲司の鎧と称号の名は…… 銀牙騎士 絶狼〈 Z E R O 〉だ」

 

「絶狼〈 Z E R O 〉……」

 

『幻想ホラーベイルズ!! 貴様の陰我、俺が切り裂く!!!!』

 

銀狼剣を地面に擦り付け、火花を散らしながら絶狼はベイルズに近づき、飛び上がって背中に乗った。

 

『ハァァァァアアッ!!!!』

 

ベイルズの背中に絶狼は銀狼剣を突き立てる。

 

「ゴガァッ!?」

 

当然、ベイルズは絶狼を食らう為に絶狼を掴もうとするが…

 

『ハッ!!』

 

既に飛び上がった後であり、絶狼はベイルズの頭に乗って…

 

『薄汚れた畜生の貴様に!! 光を感じる資格など… 無い!!!!』

 

その両目を銀狼剣で潰した。

 

「ガァァァァァァ!?!?!?」

 

絶狼はベイルズから飛び降り、二本の銀狼剣を連結させて、銀牙銀狼剣にした

 

『ハァッ!!!!』

 

そして、銀牙銀狼剣をブーメランの様に投げつけ、絶狼は飛び上がり、ベイルズを殴り付け仰け反らせる。

 

「ゴアァァアァァ!!!!」

 

仰け反って狙いやすくなった首を丁度、銀牙銀狼剣が撥ね飛ばし、ベイルズは断末魔を上げる事無く、消え去った。

 

絶狼は戻ってきた銀牙銀狼剣を二つの銀狼剣に戻し、鎧を解いて、玲司に戻った。

 

「ふぅ…」

 

玲司は真っ先に咲夜の元へ向かい、咲夜を抱きすくめ…

 

「これで仇は取ったぜ、咲夜」

 

と、優しく言った。

 

「うう…… ありがとうございます… 玲司ぃ……」

 

そんな玲司に咲夜は、顔を埋めて泣くのであった…




その声は全てを魅了した…

その声は全てを喜ばせた…

けれどその声は狂気を孕んでいた…


次回 歌 ~Humming~


そしてその声は…… どこか悲しげだった……
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