ラブライブ! ~幼馴染たちと共に~   作:ローニエ

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ファーストライブ前日

ピリリリ、ピリリリ!

朝6時に目覚ましが鳴る。

 

今日は特に仕事がないためそんなに早く起きなくてもいいのだが、穂乃果たちの練習を見に行くため早く起きたのだ。なんと言っても、今日はライブ前日だ。

バカな穂乃果のことだ…。

ライブ前でも練習をがっつりやりたがるだろう。

それを止めるために行くのが今日の朝練に行く大きな理由かな…。

まぁ海未が止めてくれそうな未来は見えるけど。

 

「じゃあ支度しますかっ!」

 

そう言って朝練に行く準備を始める。

 

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場所は変わって神田明神。

今の時間は6時半。

ちと早く着きすぎたか。

眠気ざましにランニングをしたのが悪かったな…。

そんなことを考えていると、後ろから声をかけられる。

 

「あれ?翔人君やん。どーしたん?」

 

…希さんか。

一回話しただけでよく俺のこと忘れてないな。

俺なんてちょっと忘れてたぞ…。

 

「ひどいなー翔人君。うちのこと忘れてたやろ?」

 

希さんがそういいながらジト目で俺を見てくる。

何も口にしてないのになぜわかったのだろうか…?

というか希さんのジト目かわいいな。

巫女さんにジト目で見られるなんてそう機会はないから無理もない。

 

「えぇ、すいません希さん。というか希さんこそ俺のことよく覚えてましたね。一回しか話してないのに。」

 

「そうやったっけ?なんか翔人君は魅力を感じる人やったからずっと忘れられないでいたんよ。翔人君アイドルとかむいとるんやない?」

 

希さんがそんなことを言ってくる。

ってあぶなっ!

俺何にもしてないし言ってないのにアイドルだってこと感づかれてるよ;;

やっぱ希さんはすごいな…。

これがスピリチュアルか…。

 

「そうだったんですか。自分にそれほど魅力を感じるとは思えないですけど、言われて嫌な気はしないです。ありがとうございます。」

 

そう言ってお礼を言う。

 

「お礼なんていらんよ。私が勝手に思ってただけのことやから。…にしてもこんな朝からどうしたん?穂乃果ちゃんたちの朝練見に来たん?」

 

「えぇ。でもちょっと早く来すぎちゃったようです。」

 

「そうやったんか。…じゃあうちと少しお話ししーひん?」

 

お話し?

まぁすることもないし話し相手になってくれるならうれしいが…

 

「話してても大丈夫なんですか?バイトでしたよね?」

 

「ええんよ。少し話すくらいなら。」

 

「なら良かったです。じゃあ喜んでお話しさせてもらいます。」

 

「相変わらず固いな~。…話したい事っていうんは穂乃果ちゃんたちのことなんよ。」

 

まぁそうだろうな。

俺と希さんが共通で話せる話題と言ったら穂乃果たちのことくらいしかない。

 

「穂乃果たちのこと?また生徒会長といざこざでもあったんですか?」

 

この前は希さんから、生徒会長は穂乃果たちの活動を快く思ってはいないと聞いた。

だから今回もその話だろうか?

 

「いーや、違うんよ。えりちは前話したときから穂乃果ちゃんたちと接触してないからいざこざとかは何もないんよ。…まぁ快く思ってないことは変わらんと思うけど。」

 

そうだったのか。

穂乃果たち自分の学校のこと言わないからこういうときの情報はすごく助かる。

心配かけたくないという穂乃果たちの気持ちも分からなくはないが、もう少し俺にも頼ってもらいたいものだ…。

そんなに信用ないのかな…?

 

「じゃあ何の話です?自分には思い当たる節がないんですが…。」

 

「穂乃果ちゃんたち自身の話や。」

 

「穂乃果たち自身の話…?」

 

「そうや。私がタロット得意なんは知っとるやろ?」

 

タロットってあれか。

この前ちょっと自慢してたスピリチュアルなやつか。

 

「まぁ希さん自身が言ってましたからね。」

 

「そうやったね♪それでそのタロットで穂乃果ちゃんたちを占ってみたんや。」

 

「はぁ…。それがいったいどうしたんです?」

 

「それが穂乃果ちゃんたちの明日の運勢最悪なんよ。乗り越えなければならない壁が立ちはだかる、そんな感じのやつやね。」

 

…明日はライブだぞ。その明日乗り越えなければならない壁って…。

いつもちらちら俺の頭をかすめてはいたがまさかそれが現実に…?

っていうか希さんがそのことを俺に言うっていうのはどういうことだ?

それなら穂乃果たちに直接言ってやればいいのに。

そんなことを考えていると、

 

「だからね、明日翔人君には穂乃果ちゃんたちのライブを見に行ってあげてほしいんよ。きっと穂乃果ちゃんたちだけじゃ壁を乗り越えられない…。そんな気がするんや。」

 

なるほど…。

だから俺にこの話をしたのか。

だが…。

 

「なるほど。そういうわけでしたか。でも見に行くって言っても音ノ木坂は女子高ですよね?男の俺が入れるわけないじゃないですか。それとも希さんには何か俺が入れるような策でもあるんですか?」

 

そうなのだ。

穂乃果たちからも見に来るよう言われているのだが如何せん女子高なのだ。

こっそり入ったりなんかして見つかってしまったら警察に捕まるまである。

そんな危険を犯してまで見に言ってもきっと彼女たちは喜ばないだろう。

まぁ一つ手はあるのだがそれはなるべく使いたくはない。

 

「確かにその通りなんやけど…。そこは自分で何とかしてもらいたいなぁ~。」

 

この人丸投げだよ…。

自分で話振っといてそれはないでしょ…。

まぁ簡単に思いつく方法はないからしょうがないのかもしれないが。

 

「自分でって言っても俺にだって出来ることと出来ないことがあります。そんな無理難題を言われても…。」

 

「でも見たいやろ?穂乃果ちゃんたちのライブ。今までずっと穂乃果ちゃんたちの練習を見てきてその本番を見たいって普通なら思うと思うんやけどな~。」

 

「まぁそれはそうですけど…。」

 

しょうがない…。

希さんがここまで言うのだからきっと俺が行った方が穂乃果たちのためになるのだろう。

使いたくはなかったが『あの』方法で行くか…。

 

「…分かりました。ライブを見に行く件は何とかしてみます。」

 

「お!さすが翔人君や。うちが惚れただけのことはある♪」

 

だんだん希さんがどのような人か身をもってわかってきたぞ…。

 

「何からかってんですか?本気にしちゃいますよ?」

 

「うちは本気やよ。」

 

「はいはい。わかりました。ありがとうございます。」

 

「んもう!つれないな~。」

 

そう言って話しつつ歩いていると、階段を上がってくる穂乃果たちの声が聞こえてきた。

 

「おっ!穂乃果ちゃんたち来たみたいやね。じゃあそろそろうちは仕事に戻るとするかな~。」

 

「いいんですか?穂乃果たちに合わなくて。さっきの占いのこととか。」

 

「ええんよ。翔人君に話したし、他には誰にも言うつもりなかったからね。」

 

俺にだけ話した理由がわからない…。

だがきっと希さんのことだ。考えがあるのだろう。

考えの内容まではわからないが、いつかわかる日がくるだろう。

 

「そうですか。じゃあさっきの話は俺も穂乃果たちには話さないでおきます。」

 

「うん。そーしてくれると助かるやん。ほなな~。」

 

そう言って希さんは自分の仕事に戻っていった。

 

 

 

 

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一人で階段に座っていると階段を上ってきた3人と目が合った。

 

「おはよう。穂乃果、ことり、海未。」

 

「あっ、ひろ君だ。おはよう!」

 

穂乃果はあいかわらず朝から元気だな。

 

「ひー君おはよ~。」

 

ことりはあいかわらず甘々な声であいさつしてくる。

 

「おはようございます、翔人君。」

 

海未も海未であいかわらずだ。

 

「それにしてもひろ君、私たちより早く来るなんて珍しいね。」

 

なんか穂乃果に言われると心外だな。

俺だってこんな朝早く来たくて来たわけじゃないのに。

 

「あぁ、今日は目を覚ますためにランニングしてきたんだ。そうしたらなんか早く着いちゃってな。」

 

「そうだったんだ。…ひろ君ってあいかわらず変なところで抜けてるよね。ランニングなんてすれば、早く着くことくらいひろ君ならわかるはずなのに。」

 

言われてみればそうかもしれないな。

寝ぼけてたのか?

 

「でも朝からひー君に会えてうれしいな~。私たちのためにいつもありがとう♪」

 

ことり…。

やっぱもつべきものはことりだな。

えっ?持つべきものは友達じゃないかって?

そんなのどうでもいいだろ?

 

「ありがとう、ことり。俺も朝からことりと会えてうれしいよ。というかことりのために来たと言っても過言ではないな。」

 

「翔人君、今のセリフは聞き捨てなりませんね。先ほどのセリフだと私と穂乃果は『ついで』ということになりますが…。」

 

そう言うと海未が肩をわなわな震わせている。

…さてどうするか。

確かに先ほどの言い方だとそう捉えられても仕方がないが、俺が言いたかったのは『3人に会えてうれしいよ。特にことりに会えて』っていうことだったのだが…。あんま変わんないか…。

まぁこれを言ったところで海未には鉄拳制裁されること間違いなしだ。

朝からそんなことされるのははっきり言って嫌だ。俺はMではないからな。

助けを求めようとしても穂乃果は海未ほどではないが少し怒って見えるし、ことりはなんか顔を赤くしてもじもじしている。

ことりさん…。そんなことされたら私まで顔が赤くなってしまうからやめてください。お願いします。

それにそんなことしてるとさらに海未さんの怒りゲージがたまっていってしまうわけで…。

次に考えられる選択肢は素直に謝ることだが海未を見るに謝ったところで鉄拳制裁は受けることになるだろう。

そうしたらここはっ…!

 

「あっ!悪いな海未。マネージャーからメールが来て急な仕事が入ったみたいだ。…そんなわけで先に帰るわ!悪いな。」

 

そう言って走る。ひたすら走る。すべては鉄拳制裁から逃れるために。

 

 

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結局海未に捕まった俺は案の定、海未の鉄拳制裁を受けてそのダメージを回復しつつ穂乃果たちの練習を眺めている。

くそっ。海未のやつ絶対逃げれると思ったのにまさか捕まってしまうとは。俺の全力だぞさっきの…。しかもあんな思いっきり殴る必要ないじゃないか。ことりが途中で止めてくれなかったら後遺症が残ってたかもしれないぞ…。

こういうとき、ことりが仲裁してくれるからことりは天使なんだよな…。

そんなことを思っていると海未が、

 

「じゃあ今日はこの辺で練習をやめておきましょう。」

 

「えー!明日本番だよ海未ちゃん!もっと練習しようよ~。」

 

「いけません。明日は本番なんですよ?今ここで練習しすぎて明日体調を崩したりしたらどうするんです。」

 

「大丈夫だよ~。海未ちゃんは心配性だな~。」

 

さて…ここは俺の出番かな。

そう思い話に入り込む。

 

「穂乃果、海未の言う通りにしとけ。本番前に無理をするもんじゃない。俺も本番前は練習は軽めにしてるし。」

 

「ひろ君までそういうなら仕方ないか…。でも放課後はしっかり練習しようね!」

 

穂乃果さん、今の私の話をお聞きになっていましたか?

 

「今翔人君が言ってくれたことをもう忘れたのですか?今日の放課後は練習なしです!」

 

「えー!!」

 

あっ、これ長くなるやつだ…。

これ以上はめんどくさいし、ことりと話してるか…。

 

 

 

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「お待たせしました。」

 

俺とことりがお互いの最近の話をしていると海未がやってきた。

穂乃果は説得できたのかな?

 

「穂乃果は説得できたのか?」

 

「はい。穂乃果が何回も反論してくるので少々手間取りましたが、なんとか説得には成功しました。」

 

やっぱこれは海未の仕事だな。

変に俺やことりが入って話をややこしくするよりは、海未に任せてしまったほうが話が早くつく。

まぁ海未にはいつも申し訳ないと思っているが…。

 

「いつも悪いな海未。」

 

「おかまいなく。いつものことですから。」

 

そう言って海未はフフフっと笑う。

確かにいつも通りだよな~。

そんなことを考えながらみんなと一緒にストレッチを始める。

 

 

 

ストレッチをしていると急に穂乃果が、

 

「ねぇひろ君。明日はもちろん私たちのライブ見に来てくれるんだよね?」

 

とたずねてくる。

最近こいつはこればっかだな…。

 

「だから何回も言ってるが無理だって。音ノ木坂は女子高。俺は男。ここから導き出される結論は…入れない!お分かりかい?」

 

と何度も言っているセリフを穂乃果に返す。

 

「それはそうだけど…。どうしてもひろ君には見てもらいたいんだもん。私たちがここまで頑張ってこれたのもひろ君が手伝ってくれたからなんだし…。」

 

嬉しいことを言ってくれるな。まぁ実際俺は何にもしてないんだが…。頑張っているのは穂乃果たち自身なのだから。俺はそのサポートをしてるだけに過ぎないのだから、俺のおかげってことはないだろう。

 

「まぁそう言ってくれるのは嬉しいが、事情が事情だしな…。もし俺が女子高なんて入ったあかつきには捕まっちゃうよ。確かに穂乃果たちのライブは見に行きたいよ。お前たちが頑張って練習した集大成だからな。場所が場所だし。…とは言っても100%行けないってわけじゃないけどな。」

 

まぁ俺が思っていることが通るならおそらくライブを見ることはできるだろう。しかし、まだ絶対行けると決まったわけじゃない。穂乃果たちに嘘はつきたくないから、100%行けるとは言えないのだ。

 

「えっ!?じゃあ来てくれるってこと!?」

 

人の話を全く理解してないのか…。

さすがに翔人さんも呆れてしまいますよ…。

 

「違います穂乃果。きっと翔人君は『行けるとは思うけど確実ではないから絶対行けるとは言えない』と言いたいんでしょう。翔人君が何を考えているのかわかりませんがきっと私たちをぬか喜びさせたくないんでしょう。」

 

さすがです海未さん!

俺が言いたい事をしっかりと要約して穂乃果に伝えていました。

 

「って言うことは、ひー君が来てくれる可能性はあるってことだよね?」

 

今度はことりが尋ねてくる。

 

「あぁ行ける可能性はあるよ。」

 

「じゃあ絶対来てね!!私たち待ってるからね!!」

 

絶対じゃないって言ったのに…。

まぁそれほど来てほしいということなのだろう。

だったら穂乃果に返す言葉はこれしかない。

 

「あぁ行けるように頑張るよ。」

 

 

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そんな話をしていると3人ともストレッチが終わったようで、学校に行く支度を始める。

 

「じゃあ私たち学校行ってくるね!」

「「行ってきます。」」

 

「行ってらっしゃい。」

 

 

こうして穂乃果たちを見送った俺は、穂乃果たちのライブを見るための準備もといお願いをするためにひとまず自宅に帰るのであった。

 





次回第12話
「取引」

お楽しみに~!
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