やっと今回で長かった初ライブまでが終わります。
あまりきれいな終わり方ではないかもしれないですが、温かい目で見守ってやってください。
それでは本編どうぞ!
「ハァハァハァ…。あれ?ライブは…?あれ?」
俺がどうしようか考えているところに息を切らした子が講堂に走りこんできた。
「…花陽ちゃん…。」
どうやら穂乃果はこの子を知っているようだ。
…そんな穂乃果を見てみると何かを決意してような顔をしていた。
そうか…これが最後のピースか…。
穂乃果の目にはいつもの輝きが戻っていた。
穂乃果…。
やっぱりお前はその顔が似合ってるよ…。
「…やろう!」
「えっ…?」
「歌おう!全力で!!」
「穂乃果…。」
穂乃果がそういうが、ことりと海未はまだ不安な顔をしている。
だが…俺はもう心配していない。
ここまで来たらあとは穂乃果に任せるだけだ。
「だってそのために今日まで頑張ってきたんだから!」
「「あっ…」」
「歌おう!」
やっぱり穂乃果はそうでないと。
こんなことでへこたれるやつでないことは俺が一番よくわかってる。
「穂乃果ちゃん…海未ちゃん!」
ことりが穂乃果と海未のことを笑顔で呼ぶ。
「ええ!」
そして海未が笑顔で答える。
穂乃果だけじゃない…。
ことりや海未だっていつだって笑顔が似合うやつなんだ…。
俺がそう思っていると曲のイントロが始まる。
『START:DASH!!』
翔人は感動していた。
穂乃果たちの始まりにこれほどふさわしい曲はないだろうと。そんな穂乃果たちを翔人は慈愛のまなざしで見つめていた。これまでの苦労を誰よりも知っている翔人だからこそ出来ることであった。
花陽は見とれていた。
自分にはできないことをやってのける穂乃果たちに憧れを抱いていた。隣に座っている大ファンの翔人にも気が付かずに…。
凛は魅了されていた。
最初は幼馴染の花陽が見ていたから一緒に見ていただけだったが、曲が進むにつれてだんだんと引き込まれていった。
真姫は自分の気持ちがわからないでいた。
自分の作った曲をこんなにも楽しそうに踊る穂乃果たちを見て、自分の中で何かが変わっていることに…。
にこは嫉妬と羨望のまなざしでライブを見ていた。
自分の見ることのできなかった景色を見る穂乃果たちに対して抱く嫉妬と、あんなに楽しそうに踊る穂乃果たちに送る羨望。そんな穂乃果たちを見て自分の過去を少し思い出していた。
希は予想通りと言ったような表情で廊下で穂乃果たちの曲を聞いていた。
自分の思った通りのことをした翔人に対して心の中で感謝しながら、そして自分の親友も救ってもらいたいと思いながら…。
絵里は難しい顔で音響室からライブを見ていた。踊りも歌も全然できていない。だけど胸の中につかえるもやもやにいら立っていた。決して認めているわけではない。でもどうしてもこの前の翔人君の言葉が心に響く…。
それぞれが様々なことを考える中ライブは終わりを迎える。
穂乃果たちは一生懸命踊ったせいか息が切れているが、飛び切りの笑顔で俺を見ている。
そんな中穂乃果たちが俺に近づこうとすると、
「どうするつもり?」
「絢瀬さん…。」
このタイミングで絢瀬さんが来てしまった。
いくら穂乃果たちが楽しく踊ったとしても結果としては失敗だ。
観客が俺とあと大人しそうなボブの子とその隣にいる活発そうな子、そして後ろにいる真姫の4人だけなのだから…。
でもそれがどうした?
穂乃果はそんな些細な事気にする奴ではない。それに…。
「続けます!」
「なぜ?これ以上続けても意味があるとは思えないけど?」
少しイラッとしてしまったがここはしっかりと二人の会話を聞くことにしよう…。
「やりたいからです!」
穂乃果は真面目な顔で絢瀬さんにそう告げる。
「今、私もっともっと歌いたい!踊りたいって思ってます!
きっと海未ちゃんもことりちゃんも。」
そう言って海未とことりを見ると2人とも穂乃果の言葉に頷く。
「こんな気持ち初めてなんです!
やってよかったって本気で思えたんです!」
穂乃果がそう言うが、絢瀬さんは黙って聞いている。
「…今はこの気持ちを信じたい。このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない。
応援なんて全然もらえないかもしれない。…でも一生懸命頑張って私たちがとにかく頑張って届けたい!
今私たちがここにいるこの思いを!いつか…いつか私たち必ず…ここを満員にしてみせます!!」
ハッ!
よく言った!
やっぱり穂乃果はそうじゃないとな。
それに海未もことりも穂乃果の言葉に賛同しているようだ。
ここまで穂乃果が言ったんだ。
なら後は俺が引き受けるか。
「…絢瀬さん。以前言った通りだったでしょ?穂乃果ってやつはこういうやつなんです。」
俺がそう告げると絢瀬さんは少し驚いた表情をしたが、すぐに表情を戻し、
「言うだけなら誰にだってできるわ。」
と告げる。
言うだけなら?
絢瀬さん…。やっぱりあなたは穂乃果のことをわかってない。
「そう思います?ふふっ。じゃあ証明しますよ。俺とあの3人で。穂乃果の言った言葉を。」
俺がそういうと、再び絢瀬さんは驚いた顔をし、今度はそのままの表情で俺を見ていた。
「穂乃果はやるっていったらやるまで諦めませんからね…。必ずここを満員にしてライブを行います。覚えといてくださいね。」
俺は絢瀬さんにさわやかスマイルで告げ、講堂の出口へと向かう。
「あっ、そうだ。そこの君、今日はありがとう!」
俺はそう言って大人しそうなボブの子に話しかける。
「へっ…?」
「君が来てくれなかったらきっと穂乃果たちはライブをできてなかったと思う。だから本当にありがとう。」
俺は彼女にそう告げ返事を聞く前に講堂をでた。
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講堂を出るとそこにはニコニコしている希さんと出会った。
「希さん?来てたんですか?」
俺はそう尋ねる。
「まぁねっ。…完敗からのスタートか…。」
完敗か…。
まぁそのようにとらえられてしまってもしょうがない結果だ。
だが俺はそれが悪いとはとらえていない。
「スタートにしては最高だったんじゃないですか?」
俺は微笑みながら希さんにそう告げ、音ノ木坂学院を後にした。
次回第19話
「sequel」
お楽しみに~!