邪悪の樹   作:コムネノス

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これからも本人が言うことは無いので主人公『ニンフルサグ』の過去を乗せておきます。この話を見なくても本編は十分楽しめると思います


彼女の過去

 

 

 彼女は貧乏な家の生まれで、貧しいながら清らかな心を持っておりました。

 ある時、家の負担が少しでも軽くなればとオーディションを受けます。16歳のときです

 結果は合格、そこから怒涛の人気を手に入れていきます。

 彼女の清楚でおとなしい性格が功を奏したのでしょう。

 しかし、彼女の家が持つ借金はどうあがいても払いきることが出来ませんでした。

 季節がめぐり18歳の時。やさしいおじさんが手を差し伸べます。おじさんはゾディア・キューブリックと名乗りました。

 おじさんはこう言いました。

「サイボーグになってみる気は無いかね?」

 聞けばおじさんの産業はとても嫌われているそうです。

 社会の格差とか、社会の停滞とか、社会の崩壊とか、よく分からない言葉が並んでいきます。

 おじさんのことを嫌いな人はみんなこういうことを言うそうです。

 おじさんは考えました。

 才あるものをサイボーグ化して才能の保存という名目でイメージアップしてもらおう。と。

 そこで白羽の矢が立ったのが彼女でした。

 おじさんは家の借金を払う。彼女はこれから先ずっとアイドルであり続ける。

 どう見てもたくさんのメリットがあります。彼女は契約書にサインしました。

 彼女はサイボーグになりました。サイボーグになるための費用は全部おじさん持ち。

 彼女が何らかの形で払うことはありません。

 彼女は体力なんて気にする必要の無い肢体でより一層頑張りました。

 

 しかし問題が発生しました。

 体は成長しなくても、精神は成長していたのです。

 彼女はもう貧乏ではありません。お金があって、スポンサーもいて、何不自由ない暮らしが補償されています。

 好きなものを買って、好きなものを食べて、好きなことが出来ます。

 もう貧乏だった頃の清楚な性格などとうの昔に捨ててしまったのです。

 ファンの求める彼女は18歳のあの時、バラバラになり誰かの体の一部になっていました。

 彼女は考えました。

 それなら、あの頃の私を演じてしまえばいい、と。

 何も難しいことはありません。しっかり練習すれば結果はついてきます。

 偶像化した自分がどういう存在なのか研究していけば必ずファンは増えていきます。

 彼女にはそういう才能がありました。人を騙す才能が。

 おじさんは全て見抜いていたのです。

 

 彼女の心はどんどん傲慢になっていきました。

 どうすれば相手を夢中に出来るか、商売敵を蹴落とせるか手に取るようにわかります。

 そしてそんな簡単に騙せる人々を軽蔑するようになりました。

 彼女を止められるものは誰もいませんでした。

 彼女の周りはイエスマンで塗り固められ。彼女独自の帝王学が出来上がりました。

 伝説など、自分で作ってしまえばいいのです。

 自分など、自分で作ってしまえばいいのです。

 彼女は自分の作ったもの、功績、結末に夢中になりました。

 その間、おじさんは何も言いませんでした。何も言わず、ただ、見ていました。

 彼女がどんな伝説をつくろうと、どんなものになろうとも、どんな悲劇をつくろうとも。

 ただ薄気味悪い笑みを浮かべながら、ただ見ていました。

 

 やがて30年の年月が経ちました。

 彼女の姿は18歳当時の姿のまま。心は悪魔のようになりました。

 おじさんは殺されてしまいましたが気にしません。

 結局おじさんが何者で、何をしていたかは分かりませんでした。

 ですがそれでいいのです。彼女に火の粉は飛んでこないのですから。

 彼女はいままで一度も法を犯したことはありません。

 おじさんがどんな恐ろしいことをしていたとしても、何も関係の無いことでした。

 それに、もうスポンサーがいなくとも十分一人で稼げます。

 もともとそういう関係です。

 彼女をこのように変えたのはおじさんですが、そのことには感謝していました。

 おじさんはサイボーグ化は精神も永遠に成長しないものになるというデマを民衆に浸透させました。

 だから、この先永遠にアイドルとして存在し続けられるのです。伝説は命より重いものなのですから。

 彼女はこれまでも、そしてこれからも清楚であり続けることを心に誓いました。

 めでたしめでたし。




無学だった彼女は契約の危険性を知りませんでした。
数年後これに気づき身もだえします。

おじさんはネウロのシックスではありません。
たまたま見た漫画をまねしてみた道楽好きのおじさんです。
結果血族がたくさん生まれましたが…

彼女は自分をどれだけ飾れるかに全力な人です。
モモンガ様を止めることはないでしょう。
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