続きは・・・・・・未定w←おい
時間は少し戻って、グランツ邸のホール内。
弥王は、避難する人垣の中にグレアの姿を見付けた。
「公爵!」
「神南!」
背後から声を掛けると、グレアは走りながら振り向いて、弥王の姿を認めると安堵の表情を零す。
「よくやった。 神谷は?」
「先祖とお茶会したくなかったら、話は後だ! 思ったより火が回るのが早いから、ここもいつ燃えるか解らんぞ!
彼奴なら、猫より早く危険を察してさっさと逃げてるだろ。 五感と第六感だけは良いからな」
走りながら、弥王はグレアに逃げる事を最優先にしろと促す。
広いホールを出口へ向かい走っているが、人の多さやホールの広さの所為か、まだ、ホールを抜けきれていない。
鼻を付くオイルの臭いがホール内にも流れてきている。
結局、オレ一人が嫌な役回りをしたんじゃないか。 これなら、深夜に忍び込んで殺ればよかった。
弥王は、逃げながらそんな事を考えていた。 まぁ、殺せたので結果オーライとしようか。
弥王は、上機嫌に真っ黒い笑みを零した。
さーて、来月の給与査定が楽しみだな。 給料が入ったら、JNYの新作を買うんだ。
* * * *
-グレア視点-
弥王の上機嫌な真っ黒い笑みを見て、グレアは、彼が余程嫌な目に遭ったのだと容易に想像が付いた。
弥王が上機嫌に真っ黒な笑顔を見せるのは、
弥王がグランツにハニートラップを仕掛けていた所を目撃したグレアは、その後でグランツが弥王に何をしようとしたのかは想像に難くない。
大方、手込めにされ掛けたのだろう。 何たって、奴は守備範囲ばり広の女好きだしな。
女装して着飾った弥王は、男の自分から見ても綺麗で、一瞬性別を忘れる位だった。
自分がグランツなら、初見でコロッと騙されてただろう。
身内でそれだから、初見のグランツが堕ちても仕方がない。
そりゃ、上機嫌な真っ黒い笑みを浮かべるわ。
男の弥王からすると、同性に迫られる程気持ち悪い事はなかっただろう。
「女子にゲロ甘い女尊野郎」。 それが彼の学生時代のあだ名である。
そのあだ名は今でも、王室でも時折、彼女を取られたという男が弥王に向かって吐き捨てる蔑称として呼ばれる事もある。
本人は至って気にも留めていない様子ではあるが。
まぁ、そんな彼が男相手にハニートラップを使うというのは、麻酔無しで腹をかっ捌き、内臓を手術するくらいの苦痛を精神面に伴っただろう。
もし、自分がそんな状況に陥ったなら。 きっと自分は、暗黙のルールなぞ知るか!と言う勢いで
まぁ、そんな事があったらたまったモンじゃないが。
そんな事を考えながら、ふと、隣を併走している弥王を見てみる。
はっきりした目鼻立ちに、吸いこまれるように綺麗な翡翠の左目。
一見すると、全体的な線の細い、中性的な顔立ちの美少年だが、よく見ると色白でまるで女みたいな顔立ちをしている。
弥王の走るリズムに合わせてふわふわと舞う紫の髪は、綺麗に手入れされているようで、撫でるとサラサラとした手触りが楽しめそうだ。
有り触れた一言で表すなら、“綺麗”の一言に尽きる容姿だ。
これで彼が女ならば、即口説き落としていたであろう。 しかし、残念な事に彼は男である。
それにしても、何故、あの時・・・・・・。
グレアは、ふと、先程の・・・・・・ナタリアとの会話を思い出す。
『彼女は私の恋人だよ』
何故、私はあんな事を言ったのだろうか。
あの時のグレアは、無意識に弥王を『恋人』と紹介してしまっていたのだ。
確かに神南は、昔会った
そこまで考えたグレアは、まさかな、と首を振る。
そんなワケがない。
神南は男で、あの子は女だ。
確かに年齢は同じくらいだが、神南があの少女である筈がない。
だって、あの少女は――。
そこまで考えてグレアは、それ以上の事を考えるのを辞めた。
【作者Aの部屋】
ちょっとおまけが思い付かないので、居るかは解らない読者の皆さんからの質問等を募集します!
所謂、質問コーナーですね、はい。
では、皆さんからの質問などをご応募下さい!
あ、「○○して下さい!」というのも受け付けています!
※ただし、カップリングやクロスオーバーはご遠慮下さい。
では、ご応募待ってまーす!