3月29日(水)
手直し完了。
後書きの用語の項目に用語を追加。
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「――で、今回の
ロンドン郊外の森を抜けたその場所に、ひっそりと大きな白亜の建物がある。
その建物の一つの部屋、執務室からは静かな少年の声が聞こえた。 先程の出来事の報告をしているらしい。
少年は先程の黒猫の仮面は着けておらず、その端正な顔にメランコリックな表情を浮かべている。
腰まで長く流れている髪は群青色、藍色の三白眼が特徴的な少年だ。
デスクを挟んだ窓側に少年の上司だと思われる男性が座って、少年の報告を聞いている。
病的に白い肌にその肌に溶ける様な白銀の跳ねている髪、その病的なシルエットとは対照的にしっかりと色の付いたインディゴの瞳が印象的だ。
「最近、
「そうか」
少年の報告を聞きながら、悠然とティーカップに口を付けて、男性は相づちを打った。
「奴の端末データをハッキングしても、気色の
つまり、ビアンコ――白だな」
少年は、デスクに報告書の書類を投げた。 書類には、今回の任務の報告がぎっしりと書かれている。
それを一瞥して、男性は話の続きを待った。
「奴は
明日の朝刊に「麻薬中毒のマザコンヒキニート、捕まる」とでも載るんじゃないか?」
「それは
囮くらいは使えるだろう?」
少年の報告に男性は言葉を挟んだ。 すると、横から別の少年が言葉を挟む。
「どうだろうな。 彼奴、
引きつける前に銃口向けられて、命乞いして死ぬんじゃないか?」
言葉を挟んだのは、先程から一言も喋っていなかった、
先程まで着けていた白い仮面を外して、右目を前髪で覆ってはいるモノの端正な顔を今は晒している。
太腿までの長い髪は紫色で、覗く左目は緑玉色の三白眼。 左目尻に四つの雫の先端を十字に並べたタトゥーが在るのが特徴だ。
少年の言葉に男性は「そうか・・・・・・」と溜息混じりの言葉を零した。
「後は私が処理しておく。 今日はもう休んでくれ。
ご苦労だった、
「それでは、また後ほど。
――グレア・ファブレット公爵」
男性の言葉に、神南、と呼ばれた紫の髪の少年と、神谷、と呼ばれた、群青色の髪の少年は一礼して言った。
特に打ち合わせをした訳でもないのに、綺麗に揃えられた声にグレアと呼ばれた男性は微笑んで頷いた。
それを見届けて、二人の少年は執務室を出て行く。
彼らは、英国の裏社会を仕切る
言うなれば、女王公認の影の死刑執行人だ。
そのボスを努めるのは、弱冠22歳で爵位を持つ王家の長男で女王の兄、グレア・ファブレットである。
先程の少年達は、そのグレア・ファブレットが誇る死宣告者。
彼らはそれぞれ、「
弥王と璃王は二人で
二人が出て行った後の執務室で、グレア・ファブレットは感傷に浸る様に銀時計を見つめていた。
その時計は、長い事肌身離さず持ち歩いている為、所々が磨り減って傷だらけになっている。
時計の蓋の裏には、色褪せた写真が張り付けられていた。
写真の中で、まだ幼い紫の髪に右目が青、左目が翠のオッドアイの少女が笑っている。
その写真を愛しげに見て、グレアは呟いた。
「今、生きていれば13・・・・・・いや、もうすぐ14、か」
すっかり色褪せてしまった写真の中の少女に語りかける様に、呟いた。
あれから9年が経って、もう、生きている事は絶望的だろう。
生きていれば、どんな娘になっていただろうか、とグレアは思った。
「時間が経つのは早いな、
感傷的に呟かれた言葉は、誰も居ない蝋燭の明かりだけの部屋に虚しく消えた。
@用語
所以は、風の様に現れて消える為。
所以は、夢に入り込んでは悪夢を見せる為。
ちなみに、悪夢の伯爵に会ったなら、死んだ方がマシだとされている。
所以は、猫の仮面から。
ちなみに、英国では「デビル・キャット」と呼ばれている。
暗殺のみを得意としている者は、
最近では、活躍めざましい為に市警察のボスはグレアを目の敵にしている。
10代から20代前半くらいの女性を狙って殺害している。
手口などが100年前に起きた「
どういう原理か、璃王の爪は伸縮自在の為、日本刀のような鋭利な凶器になる。
恐らくその原理は今後明かされるだろう。