Promessa di duo~太陽ト月~   作:紅 奈々

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いやぁ、お久しぶりです。
長い事放置していてスミマセン。
何気にこの小説には原作(と言う名の黒歴史小説)が存在しておりまして、それを元に、エブリの星のサイトに再投稿しているモノですから、こちらの投稿にも時間が掛かっている次第です。

あ、原作は勿論、私が原作者ですからパクリの転載ではありませんよ。

というか、何気に内容も設定もこっちの方がしっかりしていると自分では思っています。


さてさて、そんなこんなで第2話ですよ。

時間差で4話まで更新します。


第2話

そして、何だかんだで時間は過ぎていき、今、弥王と璃王、ついでにグレアは、今回の標的(ターゲット)、ウルド・グランツの屋敷に来ていた。

 

華やかな雰囲気の中、一部だけうんざりした空気が漂っている。 弥王と璃王だ。

履き馴れないヒールの靴に、纏められ、頭上に上げられて重たい髪、璃王に至っては服まで重たく、足に痛みを感じてきていた。

 

「早く帰りたい」。 2人の雰囲気がそう言っている様だ。

 

「・・・・・・おい、神な・・・・・・、弥音(みおん)璃音(りおん)

もう少し楽しそうにできないのか?」

 

あまりの露骨な雰囲気に見兼ねて、グレアが弥王と璃王にレモネードを渡しながら言った。

 

潜入している事を悟られない様に、上手くやってくれ。

それは、本部を出る時に2人にしつこく言い聞かせていた事だ。 だが、今の2人を見れば、無理矢理連れてこさせられた子供の様だ。

 

それは、任務の関係上、あまり宜しくない。

ちなみに、弥王と璃王は潜入に当たって、偽名を名乗っている。 まぁ、名前に「ん」を付けた単純な偽名だが、十分だろう。

 

「楽しそうに?できるわけ無いだろ」

「逆によく、こんな白粉(おしろい)やら香水臭い所で楽しもうと思えるな?」

 

レモネードを受け取りながら、璃王と弥王は言った。

 

弥王と璃王は、会場に充満している人間の匂いにやられて、顔色が悪くなっている。 特に璃王は、普通の人間よりも嗅覚などの五感が良い為か、乗り物酔いでもしたかのように顔を真っ青にして、今にも吐き出しそうである。

 

夜会等の社交場に馴れているグレアからすれば、特に気になる程のモノではないが、不慣れな弥王や璃王には、会場に漂う匂いがキツく感じた。

 

「あら、ファブレット公爵!」

 

グレアが弥王と璃王をバルコニーへ連れて行こうとした時、不意に一つの明るい声が聞こえてきた。

その声に反応する様に、次から次にへと淑女が群がってくる。

 

「夜会に来られていたなら、お声を掛けて下されば良かったのに」

「今夜は私をエスコートして下さらない?」

「私をエスコートして下さいな!」

 

群がってくる淑女達にグレアが丁寧に対応している瞬間に、璃王はさっさとバルコニーへ姿を消した。 弥王はと言うと、逃げ遅れてしまった為、未だにグレアの隣にいた。

 

淑女達から発せられる甘ったるい香水やスパーシーな香水、フローラルな香水などの匂いが混ざって、弥王は噎せ返りそうな衝動を抑える。

ただでさえも香水の匂いにやられて鼻が曲がりそうなのに、近くにその匂いを感じると吐き気さえも催してきた。

 

耐えろ、耐えるんだ、神南弥王! こんなの、腐敗した死体の臭いより、まだマシ・・・・・・と、思ったが、これなら、腐乱死体の臭いの方がまだマシかも知れない。

 

弥王はそんな事を思った。

 

「まぁ、グレアお義兄(にい)様!」

 

群がっている淑女の中から、一際柔らかく、明るい声が聞こえた。

 

声のする方を振り返れば、まだ、20かそこそこくらいの茶色の巻き髪を後ろで団子にしている、褐色の瞳に淡い青色がベースのマーメイドドレスに身を包んだ、可愛らしい女性が立っている。

 

その陶器の様な白い肌を紅潮させ、嬉しそうな笑みを湛えている顔はグレアに向けられていた。

 

「ナタリア・・・・・・ッ!」

 

グレアの顔が、やや引き攣る。 彼女の名前を口にした声も何処か上擦っていたように思える。

こんな所で、とんでもない奴に会ってしまった。 グレアの目がそう言っているのを、弥王は見逃さなかった。

 

彼女は、ナタリア・ハーウェスト。 ファブレット家の次女であり、グレアの妹であるグレイア・ファブレットが嫁いだ、ハーウェスト侯爵家長男であり、市警察(ヤード)の本部司令官である、アーデス・ハーウェスト侯爵の妹だ。

 

彼女は、両家顔合わせの時からグレアを甚く気に入っており、事ある毎に近寄って来ている。

その為、グレアの中では苦手な女性の部類に入っていた。

勿論、それを弥王は知っている。

 

「あぁ、嬉しい! こんな所で会えるなんて、感激ですわ・・・・・・!

夜会に来るなら、誘って下されば宜しかったのに。

今夜は私をエスコートして下さらない?」

 

感激のあまりにグレアに飛び付いてきたナタリアを受け止め、グレアは困った表情を浮かべる。

 

ヒートアップしている彼女は、こちらの話を聞こうとはしないだろう。

グレアにエスコートしてもらう気満々のナタリアは、グレアの手を繋いでいて、離さない。

 

冗談じゃない! こっちは遊びに来ているわけじゃない。 どうにか、この場を切り抜けないと、任務に支障が出てきそうだ。

 

グレアはふと、視界に入った弥王に目が止まった。

気持ち悪さか、それともナタリアに顔が見えない様にしているのか、俯いている。

 

幾ら他人といえど、一度は顔を合わせたことがある為、顔を見れば正体がバレるだろう。 それは、良くない。

まぁ、ナタリアが弥王の事を覚えていれば、だが。

 

少し危険だが、ナタリアが弥王を覚えていないと読んで、グレアは咄嗟に弥王の手を引き寄せて、その薄い肩を抱いた。

 

「ナタリア、すまないが・・・・・・今夜はこの子をエスコートする事になっているんだ」

「な・・・・・・っ!?」

 

そんな事、聞いてないぞ!? 弥王は絶句する。

 

何が悲しくて、今は女装していると言っても、男同士で体寄せ合って踊らにゃならんのか。

なんだ、コイツにはゲイの気でもあるのか? 女誑しに飽きたらず!?

 

弥王は会場に漂う匂いからの気持ち悪さに相俟って、グレアの行動に吐き気さえも感じた。

今、コイツを殺ったとして、オレが裏警察(シークレット・ヤード)のボスになる事は難しいだろうか。 そんな事さえも思えてくる。

今なら殺れそうだ、と。

弥王の殺意はひっそりと溜められた。

 

それとも、気付いているのか? いや、違う筈。

そんな事を考えている弥王の耳に、ナタリアとグレアの会話が流れる。

 

「あら、この方は? お義兄さまのお知り合いですの?」

「あぁ、彼女は私の恋人だよ」

「えっ、ちょ!?」

 

今、何て言った、公爵!?

ナタリアとグレアの会話を殆ど聞き流していた弥王は、ナタリアに答えたグレアの言葉に耳を疑う。

グレアを豆鉄砲を喰らった鳩の様に目を丸くして見上げていると、グレアの嘘を聞いた、ナタリアを含む淑女達がざわめく。

 

「あぁ、まだ、誰にも言っていないから、ここだけの話で頼む」

 

涼しげな顔で言うと、グレアは弥王の肩を抱いて、会場の端に移動した。




神谷(こうや)璃王(りお)

年齢:13歳(現時点)
誕生日:1938年12月24日
星座:山羊座

血液型:A型
身長:170cm
体重:56kg
出身国:イタリア

趣味:黒魔術、情報収集、菓子作り
特技:近距離戦、呪幻術

好き:甘味、精霊、妖精、猫、使い魔、一握りの人間
嫌い:敵と見なした人間、辛い物、ウンディーネ(顔を合わせると喧嘩を売ってくる為)

異名:悪魔の猫(ディアーヴォロ・ガット)または悪魔の猫(デビル・キャット)
武器:(クロー)、くない


英国女王直属武装警察「裏警察(シークレット・ヤード)」に身を置く少年。
ユリアの呪幻術師で、闇と大地の属性の呪術の才能を持つが、大地の精霊であるノームとだけ契約を交わしている。
水属性の精霊、ウンディーネとは相性が物凄く悪いらしく、水と油。

猫のように気紛れな性格をしていて、気分の浮き沈みが激しい。
故に戦闘面では弥王を凌駕するも、精神面が脆い。

何事も弥王を優先に考える傾向があり、言わば弥王のお目付役のような役割をしている。
それを人は「召使いスキル」と呼ぶ。

食べた事のある物はレシピを見なくても勘で作れてしまう。
色々とハイスペックな少年ではあるが、こだわりが強すぎるあまり、少しでもイメージと違うと作り直したりする事も。

弥王と2人で風神(ウィンディ・ゴッド)とも呼ばれる。
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