Promessa di duo~太陽ト月~   作:紅 奈々

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一日一ページの予定が、昨日早速うpし忘れ・・・・・・orz
すみませんでしたぁーっ!m(_ _)m


第3楽章 標的─ターゲット─
第1話


「そんな所で座り込んで、どうしたんだ?」

 

長い茶髪を後ろで纏めている、炎のような紅い目が印象的な男性。

彼は、璃王が座っている手摺りに歩み寄ると、璃王に声を掛けてきた。

 

え、何で男に声を掛けられてんだ?

璃王はそんな事を考えて、思い出す。

そう言えば今、女の姿だっけ?

 

自分の身体に呪幻術を掛けて身体を改造しただけであるが、鏡を見た自分は本当にそれだけで女になっていて、ナルシストではないがそこそこ男ウケの良さそうな顔をしていた。

それもこれも、先祖からの隔世遺伝だろう。

 

「人に酔ってしまったから、風に当たっていたんだ。

君こそ、こんな所でどうしたんだい?」

 

璃王は、男性に同じ質問を投げ返す。

すると、同じ質問を返されるとは思っていなかった男性は、言葉に詰まる。

 

まさか、「見惚(みと)れていたらふらっと来てしまった」なんて、言える筈がない。

 

「もしかして、見惚れていたらふらっと来てしまった、とか?」

 

ポロリと落とされた言葉に、男性は豆鉄砲を喰らった鳩の様な驚いた顔をした。

璃王の言った言葉は今、正に自分が考えていた事だからだ。

 

璃王は男性の反応に「やってしまった」と口に手を当てる。

 

璃王は、無意識に相手の考えを読み取る厄介な能力を持っていた。

それが呪いによる作用なのかは解らないが、常に他人の深層心理や思考を読み取れてしまう為、璃王は普段は意識的にそれを制御している。

しかし、その制御は完全ではないので、何も考えていなかったり別の事に気を取られていたりすると、その制御が出来なくなってこうして、相手の思考を読み取ってしまうのだ。

 

璃王は内心で焦っていた。

どうしよう、どうにか何でも良いから誤魔化さないと――!

 

「冗談だよ、面白い顔」

「自覚はないが、よく言われる」

 

クスッと口元に手を当てて微笑む、璃王。

 

その笑みが何故か懐かしく感じる。

男性は、既視感を感じた。

 

男性はつられて微笑むと、璃王に手を差し出した。

 

「折角の夜会だ。 ここで良いから一曲、踊らないか?」

「え? あ・・・・・・」

 

どうやら、誤魔化せたようだ、と考えていた璃王は、男性の突然の申し出に素っ頓狂な声を落とす。

 

差し出された手から男性の顔へと視線を移すと、微笑んでいる男性と目が合った。

璃王は、既視感を感じた。

 

自分を射貫くような、綺麗な真っ赤な目。

恐らく、会った事があるのなら、忘れないだろう。 しかし、思い出せない。

 

璃王は、何故か感じる懐かしさに思わず頷いた。

 

「喜んで」

 

男性の手を取ると、璃王は手摺りから身軽に降りる。

別に、断る理由がなかった訳じゃない。 ただ、暇なだけ。

 

(そう、ただの暇潰しだ)

 

一礼をして、璃王は男性のステップに合わせ、踊り出す。

緩やかな夜風が2人を包むように吹き流れた。

 

 

* * * *

 

-レイナス視点-

 

 

グランツ邸に青年――レイナスは、来ていた。

昨日のヒリュウの情報通りなら、風神(ウィンディ・ゴッド)は来ている筈。

 

裏警察(シークレット・ヤード)の死宣告者、風神(ウィンディ・ゴッド)の監視が、ギルドから命ぜられた彼の任務だ。

しかし、それらしき人影は今の今まで見当たらない。

 

レイナスは、人がごった返して少し熱気を孕んだホールからバルコニーへ出た。

少し風にでも当たって、風神(ウィンディ・ゴッド)の姿を思い出そう。

 

バルコニーには、先客が居た。

手摺りに腰を掛けて、感傷的な目で空を見ている蒼い髪の少女。 深海よりも深い藍色の目が印象的だ。

そんな感傷的な表情とは裏腹に、何処か雰囲気が風神(ウィンディ・ゴッド)の1人、悪魔の猫(デビル・キャット)に似ている様な気がする。

背丈も恐らくは同じくらいだろう。 蒼い髪も一致している。

しかし、性別が一致しない。

 

確か、彼奴は闇と大地の呪幻術師(ユリア)だ。

闇の呪幻術師は外見の操作ができると聞いた事がある。

もし、それが本当なら、彼女には警戒しないといけない。

 

そう思った時だった。

ふと、少女の顔がこちらを向いた。

あ、マズイ。

レイナスは、少女がこちらに気付いたのだと思った。

 

怪しまれないように声を掛けるべきだろうか。

どう声を掛ける?

 

それを考えていたが、口は勝手に少女に声を掛けていた。

声を掛けると、少女はキョトンとした顔でこちらを凝視した。

 

あれ、もしかして、こっちには気付いていなかったのか?

どうやら、勘違いだったようだ。

しかし、彼女は迷惑そうな表情は一切せず、答えた。

 

「人に酔ってしまったから、風に当たっていたんだ」

 

聞こえた声は、柔らかくて優しげな心地の良いソプラノ。

任務の時に時折聞こえて来る、冷たくて低い声ではない。

幾ら闇の呪幻術師といえど、声までは操作できない為、彼女と悪魔の猫(デビル・キャット)が同一人物であるという可能性が薄れた。

 

「君こそ、こんなところでどうしたんだい?」

 

彼女に訊いた事を訊き返されて、レイナスは動揺した。

まさか、警戒していたらこちらに気付かれたと思って声を掛けた、なんて言えない。

この場合は何て言えば良いんだ?

見惚(みと)れていたらふらっときてしまった」とでも言えばいいだろうか。

 

それを考えて、レイナスは首を振る。

まさか、「見惚れていたらふらっと来てしまった」なんて言える筈がない。

何処のキザ男だよ。 ()ぇよ。

もっとマシな言い訳は――。

 

考えていたら、少女は言った。

 

「もしかして、見惚れていたらふらっと来てしまった、とか?」

 

レイナスは面食らう。

その後で少女は、「やってしまった」と言いたげに口に手を当てて、こちらの様子を窺っているようだった。

 

「冗談だよ、面白い顔」

 

少女はクスッ、と笑って言った。

その微笑みにレイナスは、既視感を感じた。

 

いつか、何処かで同じ様な笑い方をする子に会った記憶がある。

凄く小さい時の話だ。

しかし、思い出せない。

 

レイナスはつられて微笑んだ。

 

まぁ、任務の事はもういいだろう。

見つからない相手に神経を尖らせて殺気立った目で探している方が不自然だし。

監視の任務は今日限りじゃない訳だし。

 

そんな事を思っていたら、自然とレイナスは少女をダンスに誘っていた。

少女は最初は戸惑っていたが、軈て、それを受け入れて、レイナスの手を取って手摺りから降りる。

触れている少女の手は、夜風に冷えたなのか、少しだけ冷たかった。

 





キャラの関係性が何となく解った気になる相関表(現時点)

*神南弥王
グレア・ファブレット→女誑しだが、一応は尊敬しているボス。
神谷璃王→幼馴染且つ相棒。 共依存?

*神谷璃王
神南弥王→幼馴染且つ相棒。 共依存?
グレア・ファブレット→エベレストから突き落としたいボス。
レイナス→何だか懐かしい

*グレア・ファブレット
神南弥王→信頼している部下。と言うよりかは、弟を見ている感覚に近い。
〝ミオン〟に似てないか・・・・・・?と疑い始めている
神谷璃王→殺気が痛いです。反抗期の弟を見ている感覚に近い。

*レイナス
神谷璃王→何だか懐かしい。 ちょっと気になる。
ヒリュウ→義兄。 いざという時は頼りになるが、ウゼェ。
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