朝の弓練習が終わり、ご飯を食べながら今日行くところを考える、
一昨日と昨日である程度の物資は確保してある。
それならば、他のサーヴァント…もしくは生存者を探すべきか、
ジャンヌさんと板額さんに相談を持ちかける。
「うーん…私が見て回った感じでは、深山町には生存者が見受けられませんでした…」
「新都の方はあたしの千里眼で見渡しているからねぇ もうほとんど居ないと思うよ」
「そっか…」
二人の言葉に、悲しくなってしまう、
自分以外に生きている人間が居ないと思うと…胸にぽっかり穴が開いてしまったように思えてしまう。
「だいじょうぶです、マスター」
ぎゅっと、暖かく軟らかい抱擁に包まれる
「ここ以外に行けばきっと人が居るはずです、まずはこの戦争を終わらせてーーそれからゆっくりと探していきましょう」
ね?と微笑みを向けてくれるジャンヌさん
少し恥ずかしかったけど、とても心が温かくなれた
それから、せめてサーヴァントを探すことを決め、
自分達はまず探していない場所を見て回ることにした。
ジャンヌさん曰く、森の方は炎上が酷くてまだ行ってなかったようだ。
まずは板額さんに、森の方向に千里眼で何かあるか見てもらう、
すると
「マスター、うまく木々に隠れてる西洋風のお城があったよ」
「お城!?」
なぜこんな日本に西洋のお城がと驚いてしまうが、一つ疑問が発生する。
「あれ、でもお城燃えていないの?」
森が炎上しているのだからお城も燃えるのでは?と思ったが
「たぶんアレは結界だねぇ、それで燃えずに済んでるようだよ」
「結界…ってことは魔術?」
魔術って凄い、改めてそう思った。
「うーん…とりあえず準備して向かおう 何があるか分からないし、
ジャンヌさん、聖水の準備をお願いできますか?」
「はい、了解しましたマスター」
「板額さんは近くの民家とかから使える消火器を持ってきてくれないかな?」
「ああ、任せなマスター」
自分も準備を整えないと…
準備が整うと、板額さんに再び軽トラの運転をしてもらう
揺れる荷台でジャンヌさんと共に襲撃が無いか警戒をする
運が良かったか、襲撃も無く森の入り口までやってくる
木々は延々と燃え続け、絶え間なく灯りをともしている。
殿は板額さんに任せて、消火器で火を消しながら森へと進んでいく。
荷物の邪魔になるので三本しか持ってこれなかったが、ある程度進める道はできた、
ここからは慎重に進んでいかないといけない
板額さんが腰に差した刀で枝や邪魔な木を切り払い
ジャンヌさんが旗槍を振り回して火の粉を払いのける。
その間にも敵が現れたが、迅速な処理で倒していく
矢が、槍が、聖水が 骸骨達を影へと消滅させる。
やがてどれだけ歩いただろうか、ふと拓けたところに出た
目の前には まさしくお城としか形容できない建物
所々崩れているが、しっかりと面影だけは残っている
「やっと着いた…」
汗だくの体で慎重に敷地内に入っていく、
瞬間ーー揺るがすような咆吼
『■■■■■■■ーーーーー!!!』
大気がビリビリと震え、とっさに耳を塞いだが、鼓膜が破れそうなほどの声量に、体がすくみ上がる
ドスン!とお城から何かが落ちてくる、
ーーそれはまさに巨躯
シャドウサーヴァントだとは理解できる、しかし…しかしだ
目の前のソレは、明らかに他のサーヴァントよりも馬鹿げていると
脳が、体が、逃げろと警告をならす
「バーサーカーですか…!よりにもよってこんなところで」
ジャンヌさんが鬼気とした表情で旗槍を構える
ーーダメだ、ジャンヌさん…!
「マスター、急いで逃げな!」
板額さんも、弓を構える
ーー二人とも…戦っちゃだめだ!
声が出ない 出そうにも震えて、かすれた声が漏れるばかり
目の前に居るソレは、明らかに「死」
死にたくない、逃げたい、体は動かない
「マスターーーー!」
それは誰の声か、気づけば一瞬で、目の前に黒く染まった大剣を振り上げて殺そうとするシャドウサーヴァントの姿
スローモーション こちらに手を伸ばしてやってくるジャンヌさんと板額さんの姿
ごめんなさい、生きようって約束したのに
二人の手が届く前に ゆっくりと振り下ろされる「死」
だけどそれはーー自分に届かなかった。
寸前に、後ろから自分の体が引っ張られたのだ
そのおかげで、剣は自分を切れず、地面を抉る。
「余の臣民よ、怪我は無いか?」
声がかけられる、低く何処か勇ましい声
ソレは自分以外の男性の声。
地べたに座り込んだ自分の目の前に、影が躍り出る、
それは、一言で言えば“軍人” しかし、黒に映える金色の装飾、
軍帽の大きな羽根飾り、輝く西洋刀(サーベル)
自分を助けてくれた人物…サーヴァントはシャドウサーヴァントに剣を向けて高らかに、こう言った
「余の臣民を傷つけようとした愚か者よ、この度セイバーとして現界したこのジョシュア・ノートン一世が切り伏せてやろう!」
第三のサーヴァント やはり展開早いかな?