もしも、何でもできる無敵な吸血鬼少女と優が出逢っていたら 作:からくり人形
今回の話にも、ネタバレが含まれているので、まだ読まれていない方はお気をつけください!
明らかに様子のおかしい優……
私は、男に詰め寄る。
¨貴様!!!!!優に何をした!?¨
しかし、男は答えるつもりが無さそうに鼻で笑う。
¨答えろ!!!!!¨
そうこうしている間に、優は周囲を破壊していく。
¨くそっ!このままでは……¨
ノリカは、先程の優の様子を思い出す。おそらく、この男も含め、周囲にいた子供は優の仲間なのであろう。
もし、そうであるならば、この状況は非常にまずい。
¨……このままでは、優自身の手で、こいつらを殺してしまいかねない。¨
そうなってしまえば、塞がりかけた彼の傷口は塩を塗るどころではなく、抉られてしまうだろう。
どうするべきかと考えていると、男が話しかけてきた。
「さっきから、お前。優のこと気にかけてるみたいだが、お前こそ何なんだ?」
¨私は、優の……¨
《師匠》
……違う。ただ、相手をしてやっていただけ。
寧ろ、自分は優にとってしてみれば倒すべき敵である。
《仲間》
……これなんて、もっと違う。
これとは、かけ離された存在。
《家族》
…………私は、優にとっての仇を打つべき存在なのかもしれない。
家族の中に入っている訳がない。
やっぱり、私は……優の
¨私は、優にとっての倒すべき敵だ。
これは、おそらく今までもこれからも……変わらない。
いや、寧ろそうでなくてはならない。¨
「……どういう意味だよ」
¨これ以上は、話す気は無い。¨
私は、話はここまでという風に、男から目をそらし、優の方をむく。
¨……あの様子じゃ、ミカエラの声も聞こえていないな¨
優は、一歩、また一歩と一人の少女の方へと歩み寄っていた。
¨優!!!!!とまれ!優!!!!!……ダメだ、声が届かない。
……このままでは、最悪の事態になりかねない¨
私には、何もできないのか。
優の気を失わせる?
ダメだ……下手したら、殺してしまいかねない
根本的な解決にもならない。
優の手にかかる前に、私が少女をやってしまう?
ダメだ……優の正気が戻ったときに、悲しむのは……きっと……
私が手も足も出せない間に、ミカエラが少女を庇って、優に刺された。
グニャリと、視界が歪んだような気がした。
その時……
男が何か叫んだ。
優に抱きつけとか、そんな事。
少女は、一瞬躊躇い……優にしがみつくように、抱きついた。
優の叫び声が響く。
大きな大きな、叫び声がこだまして、声が止む頃には、優は元に戻っていた。
¨……また、私は何も出来なかった。¨
頬を、何か冷たい物が流れていった。
…………………………………………………………………
そこからは、早かった。
人間側の援軍が到着し、あれよあれよとこちら側が撤退することになった。
¨……¨
ミカエラは、最後まで優を連れ帰ろうとした。
まぁ、最終的にフェリドが意識を失わせて連れ帰ったんだが。
¨……¨
私は、静かに気を失った優の方をみる。
その時、先程の男と、パチリと目があった。
……ここから先のことは、単なる気紛れ。
そう、自分に言い聞かせて、
¨おい、そこの男。¨
上空から男に話しかける。
「あ?」
¨私は、優にとっての敵だ。それは、変わらない。
だが、私にとっては、優もミカエラも、一言では言い表せない存在だ。¨
「……」
¨優に何かしてみろ。その時は、この私……
第二位始祖 ノリカ・プラツェラが相手をしてやる¨
そこで、私は一方的に会話を終わらせ、その場から立ち去る。
後ろで、人間たちがざわついていたのは感じた。
……あの男が、どんな顔をして、立ち去る私を見ていたのかなんて、知らない。
どうも、からくり人形です!
今回も、主人公ちゃんあまり活躍させてあげられなくてごめんねー、みたいな感じになってしまいました(笑)
主人公ちゃんは、壊すのは得意なんですよ。
けど、強すぎるがゆえに、守り方を知らないんですよね……。
主人公ちゃん達が笑顔になれるように、頑張りたいです!
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!