もしも、何でもできる無敵な吸血鬼少女と優が出逢っていたら 作:からくり人形
今回は、どちらかというと本編よりも番外編に近い感じのお話です。
もはや、お話というよりも、独白に近いですが……(・・;)
あれから、さらに時間が過ぎ去っていった。ミカエラは、優と再会したことにより、優を取り戻すという気持ちが以前よりも増したのか、稽古に力が入っていた。……今では、力無く泣いていたあの頃の面影は無くなっており、今度こそ優を取り戻そうと、彼の青い瞳は燃えていた。……私は、彼の青い瞳を見て、何度も安心してしまう。あぁ、彼はまだ、完全に吸血鬼に飲み込まれてない……って。
ミカエラが吸血鬼となって大分たつが、彼の成長は止まっていない。人間と同じように、優と同じように、成長している。つまり、彼は形こそ吸血鬼となっているが、まだまだ完璧な吸血鬼では無いのだ。吸血鬼は、人間の血を飲み、成長を止め、人間をやめることで、吸血鬼となる。彼は、恐らく優を救うまで人間をやめきることはしないだろう。……どれだけ人間のことを嫌っていても。彼のその意思は強い。鋼のように……だが、その固い意志が彼を奈落の底へ突き落としてしまわないか、心配である。いくら、成長は止まっていないとしても、形は吸血鬼。血を飲みたいという欲求は彼の中に既に生まれているだろう。今は、クルルの血で抑えつけられているが、その欲求は抑えるほど大きなものとなる。いつか、我慢の厳戒が訪れて、彼が壊れてしまうのではないかと、内心ヒヤヒヤしている。力だってそうだ。吸血鬼の力は、人間の何倍もある。しかし、ミカエラは人間をやめきっていない。つまり、彼は百%の力を出しきれていないということだ。優を救うには、力がいる。なんせあの柊家、さらには吸血鬼さへ敵にまわすのだ……彼も薄々気づいてはいるのだろう。このままでは、ダメだと。だが、彼は自分が人間をやめたとき、優が自分を拒絶するのではないかと、恐れているのだ。自分に向かう死という恐怖よりも彼は、家族から向けられる負の感情の方が怖い。それは、とても人間らしい感情。吸血鬼としての弱さ、人間としての弱さを兼ね持つ彼は、もしかしたら諸刃の剣なのかもしれない。
それでも、それでも私は、彼等が幸せになる道を見つけてあげたい。私は、見て見ぬふりができなくなるほど、深く彼らに関わってしまった。もう、後戻りはできない。今、世界は深い闇に染まりつつある。こんな世界だから、希望の光など、目を凝らさなければ見つけられないだろう。だけど、私は血眼になってでも、見つけて、探しだしてやる。傷だらけになってでも、手にいれてやる。……その先の未来が、私の存在しない世界なのだとしても。
だって……幸せは私の手にすることの出来なかった、光だから……
¨あの時、私たちにも希望の光は、有ったのかな……阿修羅丸。¨
私は、所定の位置から、地下都市を眺める。
¨もし有ったのなら、もう少し、頑張ればよかったか?まぁ、あの頃の私は泣き虫で弱虫だったから……いや、あの頃の方が、女らしかったか?ククッ、そんなこと言うとは、私も大分人間に馴染んでしまったものだ¨
ノリカは、広い空ではなく、暗闇の広がる地面を眺める。地上とこの世界を区切っている地面。外からの光を遮るモノ。
¨希望というものは、直前に絶望を感じるほど、光輝くそうだが、下を向くものに、はたして見つけられるのだろうかな¨
ノリカは、頭のなかにあの子達を思い描く。
どれだけ、絶望にうちひしがれても立ち上がってきた彼等。きっと、彼等なら見つけ出せるだろう。
「ノリカ!特訓の時間だ。降りて相手してくれ」
下から自分を呼ぶ声が聞こえる。ノリカは、立ち上がって、時計棟から飛び降りるとそのままの勢いでミカエラに蹴りを喰らわそうとする。
「ぐっ、」
ギリギリのところでミカエラは回避する。
¨敵は、思い通りには行動してくれないぞ、ミカエラ。……だが、反射能力は増してきたな。良い傾向だ。¨
「お陰様でね!!!!!」
ミカエラは、体制を建て直すと、すぐに私に向かってくる。
¨勢いに任せて、頭で考えることをやめるなよ、ミカエラ¨
「もちろん‼」
今日も始まる、二人の特訓。全ては、家族を取り戻すため……
こんにちは。
初めは、前回の続きを書こうとしていたのですが、途中から独白モドキになってしまったからくり人形です。
じ、次回は本編に戻しますよ(((^_^;)←フラグっぽ(殴
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!