もしも、何でもできる無敵な吸血鬼少女と優が出逢っていたら   作:からくり人形

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こんにちは、からくり人形です!


今回は、久々に優くんsideの話も少しだけ入ってます。



吸血鬼少女と少年達の関係

強くなり、優を救うための特訓は今日も行われていた。勝敗は、相変わらずノリカの勝ちなのだが、ノリカは何処か少し暗い表情をしていた。

 

¨……なぁ、ミカエラ¨

「……何?」

¨強さって、なんだろうな……¨

「こんだけ人をこてんぱんにしときながら言う台詞?そ・れ・は」

¨そういうが、お前、大分反応が良くなってきているぞ?¨

「……ハァ、そういう意味じゃなくて、いや、あんまり違わなくもないけど……」

¨何が言いたいんだ?¨

「それ、こっちの台詞ですー!で?何だっけ?強さ?そんなの、やっぱり力じゃないの?」

¨……私も、ずっとそう思って、今まで生きてきたんだが、優の姿を見て、何というか、それだけが強さというわけではないと、感じて……その……言葉が見つからないんだが……¨

「仲間」

¨え?¨

「家族……そういうことを言ってるのか?」

¨……多分、そうなんだと思うが……¨

「……まぁ、精神的な強さも有るとは思うけど」

¨ミカエラは…¨

「ん?」

¨ミカエラは、優の為なら、力、出るのか?¨

「そりゃあね、優ちゃんを救うためにやってるのに、優ちゃんが危機になってるときとかに、力がでないんじゃ、意味が無いだろう。」

¨……そうか¨

「ていうか、本当に何?いきなりそんなことを聞いてきて」

¨……いん……だ¨

「は?」

¨私には、そうやって、何かの為にやろうって言う、気持ちがないんだ。¨

「……」

¨今は良くても、家族のために、仲間のために、世界のために頑張っている人間達にいつか……やられるんじゃ……無いかって……思って¨

「ふーん」

¨……私は、弱い¨

 

 

「じゃあさ、ノリカは僕と優ちゃんの為に頑張ってよ」

 

 

¨……へ?¨

 

 

「ここまで付き合ってくれたんだから、もう今さらだけどね」

¨いや、何を言って、私は、お前らが憎むべき吸血鬼だぞ!?¨

「そうだけど、僕は人間も信じてないし……もう、ノリカは僕らの世界に全身突っ込んでるようなものだし」

¨……¨

「ここまできたら、僕らの為に、命、かけて戦ってくれないかな?」

 

初めは何を言っているのか分からなかったが、ミカエラのその言葉は、すっと私の胸のなかに吸い込まれていった。そして・・・

 

¨……ククッ、フッ、アハハハハハ!!そうか、そうか!うん、それが良い。ミカエラと優の為なら、私は命をかけて、頑張れる。そう、思う¨

 

自然と笑みが溢れる。嘗ての私なら、こんな提案など受け入れなかっただろうが、今の私はそれをするりと受け入れる。ミカエラの表情は、突然笑いだした私に呆れているようだが、とても柔らかいもので・・・

 

「裏切らないでよね?」

¨裏切るものか、こんなに面白い奴等を裏切ったら、きっと私は、自ら命を断つだろうよ¨

「面白いとは、失礼だな」

¨いや、良い意味でだよ。本当に、面白い¨

 

私は、少し、気が緩んでいたんだと思う。だから、背後から近づく気配に気づくのが少し遅れた。

「何が面白いんですかー?」

嫌味ったらしい、あの声。

私は、表情を引き締めて返事をする。

¨お前には関係ないことだ、フェリド¨

 

「えー、ハブらないでくださいよー、ノリカくん。酷いと思いませんかー、ミカくん」

 

「フェリドには、関係ないな」

 

「えー、」

酷いなーと、落ち込んでいるかのような声音で話すが、明らかに楽しんでいる。

¨それで、何のようだ。フェリド¨

「ただ、お話をしにきたというだけでは駄目なんですかね?」

アハハと、笑いながらその様なことを言う。

「まぁ、僕も暇ではありませんし、本題といきましょうか。」

フェリドは、あの気味の悪い笑みを引っ込め、真面目な顔つきで話し出す。

「ノリカくんに、また戦争に行って貰うことになりましたよ」

¨・・・は?¨

「ほら、黒髪の獅子くんがいたでしょう?彼の相手を君にして貰おうということになりましてね。」

¨・・・別に私でなくても、いける奴はいるだろう?¨

お前とか、と私はフェリドを睨む。

「いやー、僕は別件があってね、残念ですよ。それに・・・彼は少し怪しい。何かを隠し持っているようでね、彼らの実験に付き合う気は無いので、君に行って貰おうという結論に至ったんですよ。」

 

¨・・・これでも、第二位始祖なんだが¨

 

「だからですよ。君以外に適任がいなくてね」

 

¨・・・分かったよ、どうせ、女王が私を推薦でもしたんだろう¨

「僕も、推しておいたよ」

ニマニマと、気持ち悪い笑みで笑うフェリドに軽く悪態をつきながら私はミカエラの方を向く。

 

¨悪いな、ミカエラ。暫く相手をしてやれそうになくなってしまった¨

「良いよ、別に。僕もそろそろ、動き出さないといけないしね」

「アハハ、優くん奪還作戦でもするんですか?」

「・・・お前に言うことは、何もない」

 

ミカエラは、フェリドをギロリと睨み付ける。

「おぉ、怖い怖い。そんなに睨まないでくれないかい?僕、君に何かしたかな?」

フェリドは、意地の悪い笑みでミカエラをみる。

 

「・・・言わなくても、わかるくせに」

 

「すみませんね、長く生きていると色んな記憶が混ざってしまうものでね」

絶対にすまないと思っていないだろう表情でそう言うと、フェリドは用事があるのだと去っていった。

 

去り際に、

「大切なものなんて作ると、弱くなりますよ、ノリカくん」

なんて、言い残して・・・

 

¨全く、あいつのあの性格は何とかならんのか¨

 

「フェリドのあれは、死んでも治らないと思うよ」

 

私たちは、二人でハァと溜め息をつく。

 

¨最後のあれ、多分聞かれてたんだろうな¨

「めんどくさいのに聞かれたね」

¨全くだ。あいつ、暫くはあれで、弄ってくるぞ¨

「どうかな?寧ろ、影からクスクス笑って、楽しんでそうだけど」

¨うわ、想像してしまった、イラッとくるな¨

「本当に、イラッとくる」

 

¨まぁ、聞かれたからといって、どうということはないんだがな¨

「立場悪くなったりしないのか?」

¨まぁ、特には。これでも、第二位始祖だし、お前の言う通りあいつは自分が楽しいことならそのまま影から見て泳がすタイプだからな。大丈夫だろう。¨

 

それに、と私は続けて言う。

 

¨先程は、面白いなんて茶化しながら言ったが、私は本気だからな。そう簡単に、意思を変えたりしないさ¨

 

「・・・ん、本当にちゃんとしてよね」

¨任せろ¨

私は、己の胸をトンっと叩く。

 

これから、より人間と吸血鬼の戦いは激しくなっていくだろう。優とミカエラが命を落としてしまうということも、0ではない。

 

(二人は、絶対に死なせなどしない。私たちみたいな目には、決して・・・)

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

先の戦いにより負傷して眠り続けていた優は、無事に意識を取り戻した。

体力も着実に回復してきており・・・仲間から質問攻めにあっていた。

 

シノア「優さん、彼女と貴方の関係は何なんですか?」

優「彼女?」

与一「ノリカ・プラツェラって名乗ってたよ」

ノリカ、その名で思い浮かぶのは一人だけだった。

優「お前ら、ノリカに会ったのか!?」

与「う、うん」

俺は、すぐにその話に食いつく。皆は、若干引いているようだが、俺はそんなの気にせず、一人安心していた。

優「そうか、あいつまだ生きてたのか・・・そうか、」

流石に、あれだけ特訓の相手をしてもらっていたし、これまで別に気にしていなかったわけではない。俺は、一人そうかと呟いていると、君月に一人で納得するなと言われた。

優「ノリカは、俺が吸血鬼の地下都市に居たときに、特訓の相手をしてもらってた吸血鬼だ」

「「「特訓!?」」」

ああ!と、俺は頷き、軽くそのときのことを話す。

君「吸血鬼倒そうだなんて、ククッお前らしいな」

優「笑ってんじゃねぇよ‼」

俺が君月を怒鳴っていると、真剣な表情をしたシノアが驚くべき情報を俺に与える。

シ「何故、第二位始祖程の者が特訓に付き合って・・・」

 

・・・・・・!?

 

優「ハァ!!!!!?第二位始祖?あいつそんなに位高かったのか!?」

シ「知らなかったんですか?」

優「俺はてっきり、そこら辺の平レベルかと・・・マジか」

 

平の奴が、面白がってやってるだけなのかと思っていたが、第二位始祖だったなんて・・・なら、確かに、シノアの言うように疑問である。

・・・どうして、そんなに強いものが、人間の特訓に付き合っていたのか・・・

 

君「どうせ、暇つぶしなんじゃないの?そんな上位の奴が、まともに相手してるわけ無いでしょ」

君月のもっともな言葉。だが、俺の記憶は、そうではないと告げている。

 

優「いや、ノリカは結構ガチで特訓に付き合ってくれてて、助言までくれてた・・・」

そう言うと、皆は驚いたように目を丸くする。

 

シ「成る程・・・優さんの言葉を信じるのであれば、上手くいけば、もしかしたらノリカさんを、此方側に引っ張り混むことができるかもしれませんね・・・」

優「マジで!?」

与「第二位始祖ほどの力が人間側にきたら、もしかしたら吸血鬼に大打撃を与えられるかも・・・」

君「だが、こいつの特訓に付き合ってたからって吸血鬼どもを裏切るとは限らないだろ」

シ「・・・そうですけど、可能性は0ではないです」

優「うし、そうと決まりゃ、ノリカをこっち側に来させるぞ!」

君「お前、人の話聞いてるか?」

優「聞いてるさ、だげど、ノリカならきっと協力してくれる。あいつ、ああみえてすっげー優しいからな」

君月は、俺の言い分を呆れたように聞く。

優「きっと、あいつなら俺らの話をきちんと聞いてくれるはずだ・・・そうしたら、きっと・・・」

そう・・・きっと・・・こちら側の話を聞いてくれる。そうしたら、何かこの戦争を終わらせる手を考えてくれるはず

優「あいつ、けっこー頭いいんだ」

君「は?」

あいつが、第二位始祖だったというのは嬉しい情報だ。きっと、あいつがこの戦いを終わらせる鍵になるはず・・・俺は、そう信じてる。

優「ミカエラも生きてたし、ノリカも生きてたし、今の俺は最高に運が良いからな・・・きっと・・・」

 

 

 

きっと、また皆で笑い会える未来が・・・・・・




こんにちは、からくり人形です!

今回のお話では、ようやくノリカとミカエラが師弟関係ではなく、仲間となることができました。・・・長かったですね、本当に・・・。

早く、彼らをまた再会させてあげたいです。


それでは、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!





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