もしも、何でもできる無敵な吸血鬼少女と優が出逢っていたら   作:からくり人形

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こんにちは、からくり人形です。

今回は、話の流れにネタバレがあります。
まだ、読んだことがない方は、お気をつけください。


吸血鬼少女と…

私は、クルル達よりも一足早く名古屋空港に着いた。

 

”…何が起きている?”

 

目の前で広がっているのは、人間同士で争っている光景…。

 

多くの人間が鎖によって次々と貫かれていった。その中心にいるのは…優の家族たちだった。

 

”…人間どもは、何をしているんだ”

 

嫌な予感がする。鎖の出処であるバンから、アレの気配がするからだ。ということは…今人間達がやっているのは

 

”…人体実験”

 

人間達がそうまで欲する力なんて…アレしか無いだろう。人間達の行動には、つくづく呆れさせられる。…だが、それが吸血鬼にとって脅威でないわけではない。人間達がその力を持ってしはえば、何が起こるか分からない。

 

”…優の助けに入るべきか?だが、流石にあの柊暮人を相手に何人も守るのは、厳しいな”

 

戦うのは容易いのだ。そう、戦うのは。守りながら、という事が厳しい。守りながらではどうしても力が落ちてしまう。

 

”どうしたものか…”

 

その時、優と共にいた一人の少女に向けて、攻撃が放たれた。

 

”マズイ!”

 

腹を決めて、助けに入ろうとした…が、スグにそれは無用だと判断した。

 

…優が現れ、攻撃を受け止めたからだ。

 

”優!それに…”

 

ミカ…

前にあった時よりも少し様子がおかしかったが、ミカエラもそこにいた。

 

”二人が来たのなら、もう少し様子を見ていてもいいか?今は兎に角情報が必要だ”

 

人間VS人間の攻防が繰り広げられているのを暫く眺めていたが、そこでふっと先程の自分のしようとした行動が、あまりにも奇妙であったことに気がついた。

”私は、何故彼女を助けようなどと思ったのだろうか…。優やミカエラならまだしも、ただ優の家族というだけの、人間の女などを…”

考えなくても、分かることだった。分かってしまうことだった。寧ろ、考える方が無駄であるのだ。

”ハハッ、本当に絆されてしまったな、私も…。彼らに会う前なら、そんな事を考える事さえしなかっただろうに…”

今まで、誰にも見せたことの無いような、柔らかい表情で彼女は…少し笑った。

が、そこで彼女はスッと真顔になり、あたりを見渡す。少しずつ吸血鬼達の気配が近づいてきていた。

 

”…来たか”

 

クルルの部隊が到着したことにより、人間達VS人間から人間VS吸血鬼へと戦いは変わっていった。

 

”それにしても、あのバンの中身を人間はどうするつもりなのか…。あんな代物、人間共に扱えるわけがないのに…な”

 

優達の動きを目で追っていると、優の先にグレンがいるのが見えた。…グレンはグレンでも、中身は別物の様だが。

 

優は、嬉しそうにグレンに近づく。

…が、次の瞬間にはその笑顔は凍りついてしまった。

 

”なに、してるんだ、アイツは…”

 

グレンの刃を受け止めるミカの姿がそこにはあった。グレンが優に攻撃してきたのである。

 

”…このままでは、マズイな。もう、悠長に傍観ばかりしているわけにもいかないか”

 

優とミカの元に駆けつけようとした矢先…

 

バンの中にいたソレは現れた。

 

”…ちっ、やはり人間は、人間どもは…アレに…禁忌に手を出していたのか”

 

ラッパを前に天使は言い放つ。

 

『醜い人間どもよ滅亡しろ』

 

それと同時に、ラッパから音が響き始める。

 

 

あちこちから悲鳴があがる中…

「俺の妹に何してんだ!!」

何処からかそういう叫び声も聞こえてきた。

 

”あれは、優の大切な仲間の一人…だったか?”

 

正直、馬鹿だと思った。人は、何故ああも叫ぶのだろうか。叫ぶのは、あまりにも無意味な事だと思う。だって…叫ぶ前にさっさと行動してしまった方がいいだろう?敵にも気づかれるし、デメリットしかない。

 

ザシュリ

 

案の定そう叫んだ彼は、次の瞬間にはグレンによって、刺されていた。

 

「何してんだおまえはああ!!」

 

優がグレンに駆け寄って行く。優の叫びに一瞬元のグレンが現れる。

だが…

 

ドス

 

向けていた刃を、優に刺した。

…誰も、動けなかった。

 

”あ…あ”

私は、わなわなと震え、口から言葉を成さない音を零した。

 

”グレンーーーーーーっ!!!!!!”

 

…前言撤回する。本当にどうしようもなく苦しくなった時、心の叫びは自然と出てしまうようだ。それを止めることは出来ない。それだけ、優のことを私は…大切に思っているようだ。

 

…だが、それはお前も同じはずだろう?グレン

 

グレンに向かって勢いよく飛びかかる。

 

「ノリカ!」

 

ここに私がいることは気配で感じ取っていたのだろうが、いきなり目の前に飛び出してきたことでミカエラは少なからず驚いているようだ。

”ミカエラ!こいつは私が相手するから、優を連れて逃げろ!!このままここにいれば、全員死ぬぞ!!”

「…分かった」

ミカエラは、優を抱えて走る。

 

「グレン、まだ起きるな」

グレンは、ブツブツと何か呟いている。

 

”…おい、グレェェン、貴様何をしたのかわかっているのか?”

 

わざとグレンに向けて声をかけてみる。余程グレンの中のソイツはグレンを目覚めさせたくないのだろう。ピクリと肩を震わせ、ギロリとコチラを睨みつけると刃の切っ先をこちらに向けて切りかかってきた。

 

”何が目的なんだ、グレン!!”

 

「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ」

 

狂ったようにそう叫びながら、尚も攻撃の手を緩めず切りかかってくる。

 

”ッチ、主導権はどうやら別のに今は委ねられているみたいだな。埒が明かない、優たちが上手く戦場から離れられたら、私も一旦退くか”

 

グレンの動きをよく見て、隙を探す。神経を張り巡らせて、グレンの動きに集中する。

 

(再起不能にするのが手っ取り早いが、今コイツを倒してしまえば情報が得られなくなってしまうだろうな。…優も、多分悲しむのだろう)

 

グレンの刀を避けながら、脱出ルートを模索していた。

 

 

だが結果として、隙を作ってしまったのは私の方だった。

 

 

「グ、ァア…」

 

視界の隅で、クルルがフェリドによって押さえつけられているのを見てしまったのだ。

 

 

”フェリド、貴様何を!?”

 

その一瞬の隙をついて、グレンが刀を振り翳した。

 

 

寸前で避けて急所は免れたが、それでも傷を負ってしまった。

 

(傷の治りが遅い、流石黒鬼装備と言ったところか…)

 

 

決断は、早い方がいい。

私は、その場から退きミカエラ達と共に戦場から離脱した。




こんにちは、からくり人形です。

今回の話では、主人公ちゃんが優たちを大切に思っていることを再確認してくれました。


次回では、優達をいっぱい出したいです!(フ、フラ{殴)

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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