先に言っておきますが捏造要素アリですのであしからず・・・。あと話し方などに突っ込まれてもどうしようもないのでそちらもスルーさせていただきます。
最近、怜の調子がイマイチ。原因は分かっとる。十中八九、須賀君の事だろう。最近病院に行っても会えない日が続いているらしい。と言うのも、行く前はルンルンで行って戻って来るとがっかりした表情を浮かべているからだ。うちは原因分かっとるが原因知らん他の部員は頭を捻ってる。
「あまりよろしくない兆候やなぁ・・・」
『麻雀顧問の先生は職員室に来てください』
そんなアナウンスが流れたのは竜華が百面相しており、具合の悪い怜を竜華が膝枕していた時だった。部活中ではないが、何となく部室に集まっていた時にそのアナウンスが流れたのだ。
「みんなはそのままー。私は職員室に行ってくるわ」
顧問とは名ばかりではあるが、部員全員の事を気にかけてくれる良い先生だった。
~職員室~
「お待たせしました。私が麻雀顧問をしてます。それでどのような用件でしょうか?」
顧問は緊張しながらも電話口に出た。慣れない標準語を使ったせいもあったかもしれない。それと最初に電話に出た先生から『電話の相手は若い男性ですよ』と言われていたせいも多少はあっただろう。
「すみません、お忙しい時にお呼び出ししまして・・・」
「ええ、大丈夫ですよ。それでご用件はどのようなものでしょうか?」
「そちらの麻雀部員に園城寺怜と清水谷竜華と言う部員が在籍していると思いますが・・・」
「・・・ファンか何かでしょうか、それなら・・・」
『今は大事な時ですので・・・』と続けようとして直感が働いたのでこの顧問は『それなら』で言葉を留めておいた。
「はは、ファンであれば会場で声をかけたりしますよ。おr・・・いえ僕にとってあの二人には救われたんです。ですが今、園城寺さんの調子は悪いと思いますがそこのところはどうでしょうか?心配しなくても僕はどこの高校にも行っていないのでスパイとかではないので安心してください」
「・・・・・・(まだ、分からない)」
電話口の青年の声に対して判断材料が少ないと感じて、無言を貫くことにした。
「そのまま聞いてください。園城寺さんが調子悪いのは、僕が入院している病院に来ているからです。それでも僕は誰とも会えない・・・言わば面会謝絶の状態だったからなんです」
「っっ」
「僕はこの先短いです。それならば親しくなる前に、友達になる前にその関係を断ち切ろうと思いましたがそれも無理だったようです。あの二人は僕にとって眩しすぎた。そして近づきすぎたかもしれません。僕から離れることを選ぶのは無理でしょう」
「・・・・・・」
この子はどうして短いと分かっていてもこんなに明るく振舞っているの?
「ここから本題です。長々と話してしまい申し訳ありません」
「いいえ、大丈夫です。どうか話を続けてください」
「ありがとうございます。・・・では続けます。見知らぬあなたに選択肢を出すのは申し訳ないのですが、私は殆ど
「・・・・・・」
ゴクッ・・・。いつの間にかその青年の話に聞き入っていた。こんなにも最後の最後に輝きを増す人を未だかつて見た、聞いたことはないだろう。そしてこれからもありえない経験だろう。
「一つ。僕が遠くの、そうですね・・・外国の病院に転院した。だからもう会う事は無い。二つ目ですが、これは選択肢とは言えないかもしれません。ありのままを言う・・・」
「あ、ありのままとは?」
「僕がこれから受ける手術は、脳の大きな血管にできた複数の
「・・・・・・えっ?」
口の中の全ての水分が失われたような感覚に陥った。早く、早く水分を取らねば・・・。
「ですから僕としては最初の転院したってのを伝えてくれるとありがたいのですが・・・」
私はどうしてこの青年が全てを諦めているのかを知りたかった。そして知ったあとどうして知りたいなどと言ってしまったのかと後悔の念に捕らわれた。
「君はどうして・・・どうしてそこまで諦めているんだい?」
「・・・・・・僕にも最初居場所が
――
「僕が元気な頃にいたのは清澄高校。そこの麻雀部員でした。麻雀は下手でもそこで駄弁りながら過ごしている日々がとても楽しかった。楽しかったから、そこで生じた綻びに気づいてしまったんでしょうね。僕はここにいてもいなくても変わらない・・・・・・。そう感じたと同時期に自分の体の不調を感じ取りました。それで居なくても良い存在と分かった時に諦めたんですよ」
「っ」
――知ってしまった!!・・・――
「理由はそれだけです。どうか判断して下さい。こちらの病院の電話番号を教えますのでどのような判断を下したのか、教えていただけないでしょうか?」
「わ、分かったわ。でも、私がどう言ってもそれはそれで構わないのでしょう?」
「ええ、しかし。せんせーはこの話を聞かなければよかった・・・とお思いですね?それでいいんですよ。そしてあの二人に余計な心配はさせたくないんです。だから・・・」
「・・・?」
いきなり向こう側からの声が聞こえなくなった。そして啜り泣くような声。
「あなた、泣いているのね?」
「お、おかしいな。あの時全ての涙は置いてきたと思ったのにっ・・・。まだ僕にも悲しむという感情が残っていたんですね」
電話の向こうの青年は転院を伝えてくれと言っていたが、これは本心ではないのかもしれないと思ったので、質問をぶつけてみた。
「あなたの本当の気持ちは?怜と竜華にどうして欲しい?本当に忘れてもらいたいのっ?」
「ぼ、僕は・・・。僕は死にたくない。だけどどうしようもないんだ。成功する確率がとても低いと知らされた時の絶望感、それに勝る物は何もなかった。ただ彼女らにもう一度会いたいというその気持ち以外はっ!!」
「・・・(やはりそうだったのね)」
電話から聞こえてくる声が段々とヒートアップしていたので、耳を受話器から遠ざけてもそれでも聞こえてくるぐらい声は大きかった。職員室に誰もいなくて正解だったかもしれない。
それでも予想外と言うものは存在する。
「せんせー?今の話は?」
職員室に行ったきりの顧問が戻ってくるのが遅いことを心配した部員が、職員室に近づいた時にその電話の声が漏れてきた。そしてその電話の内容がとても重いものである事に気づいて、もっと聞こうと思った時に扉の方を振り向いた顧問と目が合ってしまった。
それが青年が話の中に出てきた二人のうちの一人だった。なぜ彼女がここにいるかと言えば、膝枕をしていたけれどそれを他の部員に頼んで自分が職員室に行ってその話を途中から聞いてしまった。
この場合、青年が顧問に選択肢として挙げた一つ目の選択肢は無くなる。
真実を隠して都合の良いように解釈させることは不可能となる。そう、真実を伝えそれによってどのような結果になるとしても・・・・・・。
「ウソや・・・ウソウソウソウソ。有り得ひぃん」
「竜華?」
『まさか、聞いていたのか?』
前回の話から数日後~数週間後と考えてください。大会中?麻雀要素があればそこらへんの季節感とか出す必要もあるのかなとは思いますが、それ無視しちゃってください。
あと一話ぐらいで最終話となります。