第一層のボスを倒した俺達はその喜びを分かち合い、次の層をアクティベートしてこれからどうするか話し合っていた。
ディアベル「皆、第一層クリアよく頑張ったな!!さて、今回の戦闘での死者は・・・なんと0だ!!」
「うおおおお!!」 「やったぜぇ!!」
ディアベル「さて、終わってから皆疲れているけど少しいいかな?今回戦ったこのメンバーでギルド作ろうと思ってる。」
キリト「へぇ、このメンバーでギルドを作るのか、アスナや、ジェノフはどうする?」
アスナ「私も入ろうかな。」
ジェノフ「俺は・・・すまない、ソロで行こうと思っている。」
キリト「えっ!?どうしてだ?誰かと約束してたりすんのか?」
驚くのも無理もないか、この場にいるほとんどがそのギルドに入ろうとしている中、ディアベルを助け、
ボスを倒すのに貢献した一人が単独行動は普通はしないだろうな。・・・普通ならな。
ジェノフ「俺は一人で戦う、もちろんこの場にいる人を忘れるつもりはないが今の俺では足手まといだからだ。」
ディアベル「君にも参加してほしかったけど・・・無理にとは言わない。」
キリト「ソロでやるのはいいけど何かあった時の為にフレンドくらい交換してくれないか?」
ジェノフ「ああ、お互いの連絡が取れるし微力だがボス討伐の戦力の補給にはなると思う。・・・面倒な人間ですまないな。」
キリト「いいっていいって、こうして生きてる事でも十分だよ!」
俺はキリト、アスナ、ディアベルの三人とフレンド交換をしてその場から去ろうとした
キリト「ジェノフー!!今度会った時はデュエルでもしようぜー!」
ジェノフ「ああ!また会おう!!」
・・・言えない、言えるわけがない。俺がまだアークスだった頃、目の前で仲間がやられたり、
アークスそのものに敵とみなされ殺されそうになった。そこから俺は仲間といるのが不安になってしまい、やられるのを見るのが怖い。
ジェノフ「マトイ・・・俺は・・・俺にはどこにも強さなんてないんだ・・・仲間がやられるのが怖い、臆病者なんだ・・・」
向こうの世界で待っているであろう人物の名を呟いて俺は第二層の宿で寝て、明日からソロとして活動することになった。
--第十一層 タフト--
俺はあれからソロで活動している。曲刀の熟練度を999にしてカタナを装備できるようになってからずっと使い続けている。
しかしその後の展開はなぁ・・・いったいなぜ・・・
「我ら、『月夜の黒猫団』に乾杯!!」
「乾杯!!」
「んでもって、命の恩人ジェノフさんに乾杯!!」
「乾杯!!」
ええと何があったんだっけ・・・俺がソロで活動中にエネミーにやられそうになってたパーティがいたからそれを助け、 すぐに去ろうとしたら引き止められて、感謝させてほしいって言うから来てみた・・・いいのか俺は?
・・・そういえばキリト達は『アインクラッドナイツ』というギルドを作り、攻略の最前線に立っているそうだ。
そういえばオラクルにもギルドではないが、チームなんかもあったな。言っても入ってないが。
ジェノフ「か、乾杯・・・」
「ありがとう、いやー助かったよ。あそこで来てなければどうなってた事か・・・」
ジェノフ「礼を言われる覚えはない、やるべきことと判断したまでだ。」
「大変失礼ですけどジェノフさん、レベルはどのくらいでしょうか?」
ジェノフ「俺は、42だな。」
「42って、そうとう高いじゃないですか!?」
ジェノフ「ケイタ、だっけ?すまない名前を聞いたばかりでな・・・敬語はやめよう。
この世界はゲームだ。デスゲームさえ除けば上下関係なんてないのだから。」
ケイタ「そう・・・そっか、じゃあさジェノフ、よかったらうちのギルドに入ってくれないか?
前衛ができるのがメイス使いのテツオだけでさー、こいつ、サチっていうんだけど
前衛ができる盾もち片手剣に変更させようと思っているんだ。」
そういってケイタはサチの頭をポンポンしながら言った。
ケイタ「でさ、勝手がわからないからコーチしてくれないかなぁ?」
サチ「なによー人をできない人間みたいに、だってさぁ、急に前でて接近戦やれって言われもおっかないよー。」
ケイタ「うちのギルド、リアルでは同じ高校のパソコン研究会のメンバーなんだよね。あぁでも、ジェノフも心配しなくていいよ。すぐ仲良くなれるからさ。」
ジェノフ「・・・じゃあ仲間に入れてもらおうかな、よろしく。」
こうして俺は、このメンバーだけで攻略ができるまでいようとギルドに入った。
--第二十層 ひだまりの森 --
俺達はカマキリのようなエネミーと交戦中だ。もっとも俺はあんまり手を出していないが。
サチ「きゃあ!!」
はぁ、サチの奴、完全に消極的になっていやがる。
ジェノフ「サチ、一度さがれ。」
エネミーが鎌を振り下ろすが俺はその付け根を斬り落とす。もう一つの鎌を弾き飛ばし
ジェノフ「テツオ、スイッチ!!」
テツオ「おう!!」
怯んだ隙に、テツオのメイスを確実に当てていく、直撃を受けたエネミーはHPが0になり消滅した。
ケイタ「アインクラッドナイツが28層突破かぁ、しかも犠牲者0、すげぇなぁ。なぁジェノフ、攻略組と僕達は何が違うのだろう?」
ジェノフ「情報の差だな。あいつらは効率的に経験値を稼ぐ方法とか独占してるからさ。」
ケイタ「んー、そりゃそういうのもあるけど、僕は意志力だと思うんだよ。」
ジェノフ「意志力・・・」
ケイタ「仲間を、いや全プレイヤーを守ろうっていう意志かな。」
ジェノフ「ここも負けてはないだろうな。」
ケイタ「ああ、もちろん仲間も大事だよ、いつか攻略組の仲間入りしたいなぁ。」
ジェノフ「このギルドは強くなれるさ、きっと・・・」
そうして俺達は休憩を楽しい時間で過ごせた。
その日の夜、宿でケイタからマイホームを買おうと話したり、今後についても話していた。しかしサチの表情が優れないな、何かありそうだ・・・
ジェノフ(あれから数カ月、元の世界に戻る手掛かりはなしか。戻れないというのもあるかもしれんな・・・ん?サチが帰ってこない!?やはり何かあったか。)
ケイタからのメッセージを受け取った後、探索スキルを育てておいて正解だったと思いながらサチを探した。
ジェノフ「ここにいたか、サチ。他が心配しているぞ。」
サチ「ジェノフ・・・一緒に逃げようエネミーから黒猫団から・・・私死ぬのが怖いのっ・・・」
ジェノフ「死ぬのが怖いか、そりゃ怖いな、俺だって怖いさ。けどな、現実でもいつ死ぬのかわからない、
こうして生きてるだけでもいいほうだ。あんないい仲間がいる、俺だっている、死なせやしない。」
サチ「ふふっ・・・ありがとう!」
--翌日--
ケイタがマイルームを買ってくる間に俺達は27層迷宮区に稼ぎに向かった。
テツオ「あれは隠し扉だな。」
隠し扉だと?嫌な予感がする・・・
ジェノフ「!?待てっそれは罠・・・」
トレジャーボックスを開けたとたん警告音が部屋に鳴り響く。
浮かれているからだ・・・くそっ、ここを突破したらここを離れなければ・・・!
ジェノフ「お前らは俺の周りにいろ、一気に蹴散らす。」
あたりのエネミーを手際よく倒していき、サチ達のHPに余裕がまだあることを確認した俺は
ジェノフ「そろそろ湧かなくなるはずだ、各自で残りを倒すぞ。」
と言って各自でエネミーを討伐するように指示した。
30分くらいの戦闘で俺達は迷宮区から脱出した。
さて、ここにいたら俺を頼り、いつか殺してしまうかもうかもしれん。そうなる前に・・・
俺達はケイタが買ったマイホームで今日のことを話している。
そろそろ言うか。
ジェノフ「皆、俺から一ついいか?」
ケイタ「どうしたジェノフ?」
ジェノフ「俺は、ここを抜ける。今の俺がいると自分を守れなくなる。だが二度と会えないわけではない。どこかであったらその時はまた共に戦おう。」
ケイタ「・・・そうだよな僕達より上にいて、それに加えて優しいしな。いつでも僕達のギルドは君を待つよ。その時は僕達ももっと強くなってみせるからさ。」
ふっ・・・俺はいい奴といれたものだ。
ジェノフ「ああ、また会えたらな。」
さて、とりあえず49層いってみるか。そう思って転移門の前に立つと
サチ「ジェノフ!!」
ジェノフ「サチ!?どうしたんだこんなところで?他の奴らは?」
サチ「皆はまだ家。・・・あのねジェノフ、昨日はありがとう。また助けられちゃったね。」
ジェノフ「気にするな、俺があのトラップをいち早く気付けなかったのが悪い。」
サチ「ううん、ジェノフは悪くない、むしろ悪いのは私達。ジェノフが寝たとき私達は集まって話したの。自分達の非力さと、あなたに頼り切ってしまっていることを
思い知ったわ。だから、次会う時があったら今度は私達に頼ってね!」
ジェノフ「ああ、その時はまた皆で戦おう。じゃあまたな。」
サチ、お前はいい仲間をもってる。俺がいなくとも十分強いギルドのはずだ、仲間を大切にな・・・
こうして俺は月夜の黒猫団を抜け、49層へ向かった。
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クライン「俺の出番は?」
はっ、待ってクラインさん!あなたの出番はって、ぎゃあああああ!!!