ヘタレ勇者とヤンデレ僧侶の大冒険   作:シズりん

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第20話

序章

 

 

 

 

 

アレフガルドの夜の闇の中を引き裂くような二つの光の筋が絡み合い交差する。それはまるで踊るかの様に激しい光を放ちながら上空へと登って行く。

 

金属同士がぶつかり合う度に激しい火花を散らし、独特な高い金属音が響き渡るその様は、雲の下のリムルダールの大地に住む人々は空を見上げ、荒れ狂う光の龍のようだったと後に語られている。

 

勇者は盾を背にし両手で王者の剣の柄を握り締めると、頭の後ろに大きく振りかぶり、剣の重量を乗せて一息に振り下ろす。

より大きな金属音と痺れるような手応えが伝わる。合わさる剣の刃と刃の隙間から見えたキリトは笑っている。

 

「強くなったなマコト。」

 

かつての師の満足そうな顔。俺は少しはあんたに近づくことができただろうか?

だけどその余裕の笑みを消す迄にはまだ至らないのか俺は。ルビス様の力により勇者の力の覚醒をはたし、神の力を手にした今もまだキリトさんには届かない。

俺は距離をとり何度目かのライデインをキリトさんに向かって放つが、やはりキリトさんの前に黒いモヤのようなものが現れ、ライデインの電撃を渦を巻いて吸い込んでいく。魔法だけではない、先程からの剣による攻撃もまるで雲を切るかのようにどこかフワフワとする。

 

 

 

地上から二人の勇者の顛末を見届けているルビスは

「キリちゃん、あの子闇の衣まで持ち出して・・・一体何を考えているのかしら。そのくせ本気は出していないし。」

「闇の衣?」

ルビスの言葉に隣りで、同じく遥か上空での激突を見詰めているビアンカが反応する。

「ええ。闇の衣はね〜私達、創造神の世界レンダーシアの秘宝の一つでね?魔法や物理的な攻撃を全て受け流す衣なのよ〜。」

「魔法も物理的な攻撃もって・・・それって完全な防具じゃないですか。」

「そうね〜衣が出来た経緯はアレとしても、割と完全に近いわね〜。」

「完全に近いというより完全じゃないですか。」

「いいえ〜。決して完全なわけではないのよ?ちゃんと闇の衣を撃ち破る方法はあるもの〜。」

 

そう言ったルビスは意味深に、ビアンカがかつて友達にもらったマスタードラゴンの一族の秘宝、光の玉を見詰めている。

 

「本当、あの子はどこまでが・・・」

 

そこまで言ってルビスは口を閉じ、再び上空へと視線を移す。

 

勇者と勇者の熾烈に見える戦い。ビアンカも別世界で勇者を導いた事もあるので多くの戦闘を見てきたつもりだが、この戦いはそのどれもが色褪せるような戦いにみえた。

 

「マコちゃん・・・そこまで頑張れるんだ。」

 

ビアンカの独り言、ルビスも聞こえてはいたがあえて拾う事はなかった。

戦っている二人には心地良い膠着状態を破ったのはキリトの方だった。剣を持たない方の手を自分の背に移すと、手元に青白い光の粒子が現れ、やがて長柄の形に変わっていく。キリトの手に剣が現れる。

二刀を持ったキリトに対してマコトは距離を置く。ラダトームで見たあの技がくる。二刀による1秒間に16連撃、スターバーストストリームが。

あの時は茶化すことで躱したが、今回はそうもいかない。

「マコト、ちゃんと躱してみせろよ?」

かつての師は笑顔で言う。

 

 

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偽りの英雄

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「ただいま。帰ったよ。」

「おかえりなさい。」

 

帰宅の挨拶もそこそこに、

部屋の扉を開けると小鳥の囀りのように澄んだ声で返事が返ってきた。

 

四方広い部屋の壁には武骨に武器がかけられている。戦士としてのたしなみだ。部屋の中央にはテーブルと一組の椅子。ふいに風の流れを感じ窓を見ると、彼女が無理矢理替えた白いレースのカーテンが風を含んで揺らめいている。個人的には好みの色である黒一色で揃えていたいのだが、お務めで外出する度に彼女は部屋を自分好みに変えていく。最初は抗議の声もあげたものだが今では完全に諦めている。

窓の外には白い雪がちらついていた。

 

脱いだコートを壁に掛け、声のした部屋へ向かうと彼女は長いソファーにちょこんと座り、片手でポンポンと微笑みを浮かべながら右隣を叩いている。

隣に座れの合図。

白銀の長い髪を今日は後ろで結っている。透き通るような白い肌は、まるで細胞全体が水を得て喜んでいるかのように輝いている。薄く赤みを帯びた瞳は、いつも微笑みを浮かべていて、見ている自分まで心が暖かくなるのを感じる。

 

そんな彼女は冒険談を特に好んで聞きたがる。

彼女はこのグランゼドーラ城を出ることはあまりない。

ゆえに外の世界の知識はあっても、実際に目にした事は少なく、自分が創世の神からのお務めで世界を渡り、時には勇者となり世界の解放、またあるときは魔王として勇者の前に立ち塞がる壁としての役割を賜ったさいの冒険の話を聞いては、彼女自身も物語を楽しんでいるのだろう。

勇者や魔王といえど相手は自分より遥かに弱き存在。本気を出せない自分にとってストレス以外の何物でもないお務めも、彼女が瞳を輝かせて物語りを聞いてくれるのなら、それは輝きを放ち物語として意味をもちはじめる。

 

死と言うものの概念事態が無い自身の生において彼女の存在は何にも変えがたい。

ただ微笑んでくれるだけで何もかもが輝いて見える悠久の時――

それはずっと続くものだと俺は信じていたんだ。

 

 

そう、彼女が突然姿を消したあの日まで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リムルダール。

 

この都市の歴史は意外と古く、至る所に古びた城壁のような壁が都市全体を覆っている。

都市自体が湖の中心にあることから、古くから城塞として使われた歴史があることを、ラダトームの歴史文献から読みとくことができた。

 

そんな強固な城塞都市は、10年前突如現れた大魔王ゾーマの腹心である3体の魔物によって一夜と経たずに陥落した。

ラダトームの王パパスは、直ちに精鋭による軍隊を召集しこれにあたる。

万を超える精鋭による軍隊は三度に渡ってリムルダール奪還に進軍するが、パパス王の前に戻ったのは息も絶え絶えた兵士一人だけだったと言う。その兵士にしてもパパス王に大魔王ゾーマの名前と、たったの3体の魔物に万の軍隊が壊滅した事を伝え息絶えた。

そして押し寄せた魔物の軍勢にメルキドの人々は恐怖と絶望の底へと追い落とされた。

 

しかしそんな暗い時代は驚く程に早く終わりを告げた。数千の魔物を支配していた3体の魔物のうち、全身を黒い甲冑で身を包んだ魔神がある日を境に姿を消した。すると残り2体の巨大な荒ぶるドラゴン、最強の種族バラモスの将もいつしか姿を消したのだ。

そして時を同じくして現れた一人の黒づくめの剣士の少年の出現によりリムルダールに巣食う支配者の失った数千の魔物は一夜にして一掃されたのだ。

 

少年の髪は黒く、瞳も夜空のように漆黒の色だったが、瞳の奥には優しさが滲み出ているようだと人々は語る。

肩に掛けた二振りの剣を扱い、防具らしきものはとくに装備をしていない。片手剣の唯一利点とされる盾さえも持たないその少年は、片手剣を抜くと、並み居る魔物に一人向かって行ったと言う。

 

 

 

勇者キリトの伝説

 

 

 

その伝説がもっとも残る歴史ある都市、それがリムルダールだ。

 

 

 

 

 

 

しんしんと雪が降り続く雪の夜。

一組の男女がザクリザクリと、まるで白いキャンバスに塗り込むかのように足跡を付けて歩いている。

膝したまで積もる雪の中を歩いているわりに二人はまるで苦もなく進み、息一つ切らしている様子もみえない。街の中央に位置する広場まで来ると男は無言で立ち止まり、辺りを見回した。思えば随分と遠くまで来たものだと男は思う。立ち止まり振り返ることのない日々。

風に含む香りは、凍てつく寒さとは裏腹に澄みきっていて、不思議と体と心の疲れを癒し軽くする。

男がそんな空気を堪能していると、直ぐ後ろを歩いていた女は、乱れた髪を片手で軽く整えながら静かに話しかけてきた。

 

「・・・名残惜しくなりましたか?」

「・・・まぁ全くその気持ちが無いと言えば嘘にはなるが・・・支障はないよ。」

 

女は男に言われて同じく辺りを見回すと、二人が歩いてきた足跡を降り続く白い雪が覆い隠していくのが見えた。歩いてきた足跡が消えていくのを見ていると無性に物悲しくなる。まるで自分がここにいた事さえ消えていく。大切な人達と歩いてきた旅路の思い出も時間も、そして彼等の中から自分が消えていく。それが堪らなく自分を不安にする。しかし、それでも女は途中で止めるわけには行かなかった。

軽く頭を振り気持ちを入れ換える。いつの間にか頭に積もっていた雪が落ちたのを確認すると、力を取り戻した宝石のような曇り一つ無い瞳で男を見つめ、言い放つ。

 

「さぁ始めましょう。」

 

 

 

 

 

 

――深夜――

 

ラダトームの王室へ向かう一人の男がいた。彼は普段、日付も変わろうかと言う時間に王室を訪ねる程不躾ではない。しかし男は王室の前まで辿り着くと、躊躇なく扉を叩く。

 

「パパス王、サンチョでございます。夜分に失礼ではありますが、急を要する事態でして。」

 

しかし暫く待てど扉が開く事はなかった。しかしサンチョもまた少しも動じることはなかった。彼は今はラダトームの大臣という立場だが、それ以前は先代のロイヤルガードの隊長。さらに言えばパパスがまだ王位に着く以前からの幼友達だ。その古くからの友人がこの程度で扉を開けることがないことぐらい知っている。1度目は立場を重んじた社交辞令というものだ。今度は扉を叩く手に力を込め、腹のそこから目一杯の声を張り上げる。

 

「パパス!!お前の初動が遅れてリムルダールで起きたあの惨劇を忘れたのか!!ドムドーラの民の悲鳴がお前には聞こえんのか!!」

 

騒ぎを聞きつけ駆け付けたかつての部下に羽交い締めになりながらも、サンチョは右手にベギラマの魔力を溜めていく。確かにドムドーラの民への気持ちもあるが、ふだんマーサ(王妃予定)のグラビアを観て気持ち悪い笑いを浮かべている幼友達は、こんな不足の事態には本気になって対処にあたるヤツだと信じている。しかし未だ開かぬ扉に対してサンチョは苛立ちを覚え、まさに今この瞬間にも扉をベギラマで吹き飛ばさんとする魔力がひらかれた右手に集まり、それを扉に向けてゆっくりと力を解放していく。

 

ガチャリ

 

そんな時に軽快な金属音をたてて、真剣な眼差しのパパス王が現れた。

 

「「あ!」」

 

 

 

 

 

 

 

「このお茶うまいな。」

「そうか?それは良かった。」

 

サンチョは王室に招かれると、差し出された椅子に座る。即座に現状の報告および今後の対策について話を始めようとしたが、さすがは1国を束ねる王様。パパスは急ぎ話そうとするサンチョを片手で遮り、軽く手をパンパン!と2度叩き侍女を呼ぶと、二人分のお茶とお茶うけを用意するように指示を出す。

サンチョも一息入れることで失っていた冷静さを取り戻していく。

 

ロイヤルガードの地位を退き現在の立場に就いたのも理由がある。ラダトームはリムルダールの一件以来多くの兵士を失ってしまった。勇者キリトの台頭により魔族に占領されたリムルダールは解放されたものの、町を出ればあいもかわらず魔物は徘徊しており、またいつ攻め込まれても対処できるように、ラダトームは学園という形態をとり、魔法に長けた人材の発掘および教育に力を入れてきたのだ。

駆け足の10余年。思えばパパスの部屋に入るのも随分と久しぶりだ。差し出されたお茶を飲みながらサンチョは久しぶりに訪れた友人の部屋を見渡した。

だいぶ以前とは様子が様変わりした友人の部屋。以前はただ白いだけの壁に今はパパスの大好きなマーサ(アイドル)の写真が至る所に飾られている。そしてパパス自体もまた以前と変化が見てとれた。毎日見ていた友人の頭には、気付かぬうちに白い髪が随分と増えていた。意志の力が込められた瞳の脇にはうっすらとシワが見える。

 

「お互いに歳をとったものじゃな。」

 

まるで同じ事ん考えていたかのように話し出すパパス王。サンチョは少し笑ってしまう。

 

「ふっ、そうだな。お互いに歳をとった。パパス、お前は昔はそんなアフロヘアーではなかったし、そんな真っ黒に煤汚れていなかったしな。」

「これはお主のベギラマによるものじゃがな。」

「「ハハハハハ・・・」」

「ぬわーーッ!!」

突然パパスはサンチョに襲いかかり、サンチョはこれに応戦する。

王室の外に控えていた兵士に二人は取り押さえられ、小一時間の説教をくらう。

パパス王は小さく咳払いをし空気をいったんかえると、真剣な眼差しになサンチョに向き直り改めて問う。

「で?ドムドーラの街がどうしたと言うのじゃ?」

「ドムドーラの街が一夜にして壊滅した。」

「なんじゃと!!またあの3体の魔神が現れたと言うのか?」

「いや、今回は数千いや、万にもおよぶ大規模の軍勢が突如遥か南の地メルキドの海上に現れたそうだ。先頭に立つは龍のガイコツ・・・恐らくはバラモスゾンビと呼ばれる魔物を中心に北上を始めた。通り道は全て焼け野はらとなり、道の延長上にあったドムドーラが壊滅させられたらしい。その軍勢は尚も北上を続け、ここラダトームに向かって進軍しているようだ。」

「・・・」

 

さすがのパパスも言葉を失っている。それもそうだろう。歴史的にみても統率のとれた魔物の軍勢など例がない。

南の地で・・・いや、魔物のなかで何かが起こっているのかもしれない。パパスとサンチョに空気が重くのし掛かる。

 

 

.

 

 

 

「しかし我々にはあの女王陛下がいる。陛下なら数千の敵であろうと軽く打ち倒すのではないか?」

「女王陛下がいればな。パパス、最近お前は女王陛下を見たか?」

 

言われて始めてパパスは女王の不在に気付く。そもそも跡継ぎどころか結婚さえしていないパパスには、次の王たる王子がいない。学園形式をとるラダトームとは言え、王政をひいているアレフガルドに於いて跡継ぎがいないと言うのは大きな問題だった。パパスの中では民衆の支持と人気の高い勇者キリトこそが次の王に相応しいと考えていたが、勇者が王になってしまうと大魔王の討伐に出られない。パーティを組むことを酷く嫌うキリトをまさか一人でゾーマの元へは向かわせられない。そうして悩み続けた十余年。アリアハンから来たと言う勇者は、ルビス様と驚くほどそっくりな少女を連れてやって来たのだ。

その少女は控えめに振る舞っているようだが、そのルビス様に酷似した容姿と、他を寄せ付けない圧倒的な魔力を擁しており、あっという間にラダトーム中の国民の支持を獲たのだ。

パパス王自身よりも。

 

そんな彼女を女王として即位させるには、世間体やら、勇者の嫁として女王の立場は相応しい等と、パパスとサンチョの若干騙しに近い形で何とか彼女を説得し女王の座につけたのだ。

 

「なら勇者キリトは・・・」

「勇者キリトを始めとした特Sクラスのロイヤルガードも全員行方不明だ。」

「アリアハンの勇者のマコトは?」

「勇者マコトはマイラに温泉旅行だ。それについ先ほどマイラの村長より、勇者マコトは見事ルビス様を救出し、勇者一行はそのまま大魔王ゾーマ討伐の旅に向かったそうだ。」

「くぅ・・・女王陛下さえおれば!」

 

歯噛みするパパスをサンチョは横目で視ていたが、やがて意を決したように静かな口調で話し出した。

「なぁパパス、お前女王陛下をどう思う?」

「え?まさかワシの嫁にしようとか?」

「そんな話はしてない。女王にまた殺されるぞ?言い方を変えよう。女王陛下だけではない。キリト、キョウイチ、ロレンス・・・この四人をどう思う?あまりにも不自然だと思わないか?あれほどパーティを組むことを嫌がっていたキリトが、彼女等が来たとたんにまるで旧知の仲のようにお互いに引かれあっている。今では一人でいるところを見たことがない。」

「むっ。確かに言われてみれば・・・」

 

「俺の勘違いであればそれに越したことはないのだがな、俺は女王陛下こそが大魔王ゾーマの正体ではないかと考えている。」

 

「じ、女王がゾーマじゃと?サンチョよ、冗談にしてもさすがにそれはすぎるぞ?第一 大魔王ゾーマは男じゃろう?」

「それを誰が確認したのだ?最初大魔王が現れた時は声しか聞いていない。あんなものは代役を立てれば何の問題もない。次にリムルダールの襲撃だ。あれも腹心である3体の魔神によるもので、結局誰も大魔王ゾーマを直接見たものはいない。俺はな・・・大雪を伴いやって来た女王シズクを疑っている。キリトを含めたロイヤルガードの面々を含めてな。水面に映る月のようなものではないのか?生命を育む光の女神ルビス様と、瓜二つの破壊と死をもたらす大魔王ゾーマ。二人は創世の神、光あれば影があるように、その姿が同じだったとして何ら不思議はないのではないか?」

「しかしのぉそれだけで・・・」

「それだけではないぞ?キリトの伝説も今にして思えば色々おかしいのだ。いくら3体の魔神がいなかったとはいえ、数千に及ぶ魔物を一夜にして殲滅など人間に可能なのか?いくら勇者といえども・・・。」

「じゃがルビス様に運命を与えられた勇者なら・・・」

「それも考えた。それだと勇者キリトがルビス様が囚われた塔の位置を知っていながら放置していた理由がわからない。それ以上に不思議なのがキリトは何処から来たのかだ。」

 

パパスはサンチョの推理を黙って聞くことにした。色々聞きたい事はあるが、今は黙ってサンチョの話を聞くべきだとおもうから。

パパスにもパパスなりの思うところがあったから。

 

「あれほどの英雄。名前の1つもラダトームに聞こえてきそうなもの。それがリムルダールの一件までのキリトを誰も知らないのだぞ?全ての村や街をくまなく探し、英雄を輩出した村を称えようとしたことがあったろ?結局見付からず、本人は笑って誤魔化して終に教えてもらえないままだったではないか。だが何よりも一番不思議なのは、今の今までそれを少しも不思議と思わなかったことだ・・・」

 

 

サンチョの話を聞き暫く考え込むパパス。頭の中では女王やキリトを始めとしたロイヤルガードの面々とのやり取りを思い浮かべる。

やがて一つの考えを導きだしたようにパパスは、友人のサンチョに指示を出す。

「・・・サンチョよ。ラダトーム城に第1種戦闘体勢じゃ。ラダトームの町の一般人は城内へ避難。Aクラスの力あるもの及び、衛兵は城門を固めよ。落ちこぼれクラスは城内の警備じゃ。」

「・・・逆ではないのか?」

「どのみち城門を落とされれば同じ事。一人でも死者は少ない方が良い。」

 

サンチョはそれを聞き嬉しく思った。やはりパパスは普段はあんなだが、いざというときは的確に王としての責務を果たす。

戦いに赴く兵士や生徒さえ、国民一人たりとも無駄に死なせないという配慮が何とも誇らしい。

 

「もう1度勇者キリトの伝説を調べ直す必要がある。1から徹底的にじゃ。そこでサンチョよ、お主には特命を頼みたい。」

「ふっ任せておけパパス。俺はキリトの伝説を調べればいいのだな?」

「いや、それはワシがやるからお主はワシの命より大切なマーサのグッズ全てを護ってくれ。」

 

「・・・パパス、俺のさっきまでの感動をかえせー!!!」

 

 

 

 

 

.再会

 

 

 

「あれ?リムルダールに行くんじゃないんですか?」

 

マイラの村の東に位置するリムルダールへの道すがら、明らかに方角が違うため、俺は東の方を指差してルビス様に尋ねた。

 

「そうよ〜?でもリムルダールまでは結構距離があるから魔導機関車(天の箱舟)に乗っていきましょ〜?ほらちょうど来たみたいよ〜。」

 

そう言ってルビス様が指差した方角の上空から、ポーッと凄まじ汽笛を鳴らして大きな箱が入ってきた。

そして無駄に無から創る創造神の力を使って出したであろう、黒いコートと帽子を被ったルビス様は、俺に手を差し伸べる。

 

「行くわよ〜鉄郎。」

「誰が鉄郎だよ!!」

 

思わず突っ込んじゃったじゃないですか。

 

 

 

天の箱舟の中は沢山の座席が其々向かい合うように配置されており、俺たち3人が徐に席に着くと車両内アナウンスが、汽車の行き先を告げる。

いろんなプラットホームと言う所を経由しつつ、リムルダールへと向かうらしい。

 

 

「本日は天の箱舟(魔導機関車)をご利用ありがとうござい……あれ?ルビス様?ルビス様ですよね?ヤバい、ちょー感激なんですケド。」

 

座席に着くと、羽が生えた妖精のような真っ白な女の子の車両スタッフが冷たいおしぼりを手にやってきて挨拶をすると、ルビス様の存在に気付いたようだった。

 

「あら〜?サンディちゃん?久しぶりね〜。」

 

ルビス様にサンディと呼ばれた白い妖精のような女の子、独特な……いや、俺の妹サキと良く似た話し方をする。

ルビス様の話によればサンディは、グランゼニスと言う人型の神の始祖の娘らしい。

 

「サンディちゃんはアルバイト?グランゼニス君は元気してる〜?」

「はいルビス様。私は夢のネイルアーティストになる為にアルバイトしてんだよー。お父さんはたぶん元気じゃないかなぁ?仕事ほっぽりだして遊びに行っちゃったみたいだし?セレシアお姉ちゃんが代わりに神様の仕事をしてるんだけどー、ガン黒の女神とかちょーウケるよねー。しかも忙しすぎて中々日サロに行けないみたいでぇ、最近ではお姉ちゃんだいぶ白くなっちゃったんだよ?ね?ウケるっしょ?だからお姉ちゃんの代わりに私が日サロ行こうかなぁって……。」

 

まくし立てるように話し続けるサンディと、微笑んでいるけどたぶん話しを聞いてないルビス様、全くやれやれだ。

 

延々と続くサンディの話しはいつまで続くかと思ったその時、再び艦内放送が鳴り響く。

 

「業務連絡です。サンディ!!どこで油売ってやがる!!さっさと帰ってこい!!」

 

艦内放送の男性の怒声を聞いたサンディは飛び上がる。

 

「ヤバ。テンチョーがちょー怒ってる。私戻らないと。ルビス様、あとそこのショボいのまたね〜。」

 

去り際にしっかりとダメージを与えてサンディは走り去って行った。

そうしている内に艦内放送が目的地であるリムルダールに辿り着いたことを知らせる。

 

 

「勇者くん。もうすぐリムルダールに着くわよぉ~。」

 

 

列車の窓を上げ前方を見ると、月夜に照らされた高い壁のようなものが見えた。

話に聞いたリムルダールの城壁だろう。ラダトームの図書室で歴史についての本を読み漁っていた俺は、事前にリムルダールの街の歴史や勇者キリトさんの伝説についてもその知識を手に入れていた。

まだ幼かった自分に冒険のノウハウや戦いの仕方を教えてくれたキリトさんが勇者と呼ばれるようになった伝説だ。

師と仰いだ勇者キリトさんの活躍の地に来たのだ。興奮しないわなけがない。

逸る気持ちを抑えきれずに列車から顔をだすと、吸い込んだ息が胸を刺すような凍てついた空気が辺り一面を覆っていた。冷気を特に好んで使うとされる大魔王ゾーマ。やはり魔王に近付けば近付くほどに寒さが一段と厳しくなるような気がした。

 

「マコト、焦る気持ちは分るが、焦っても良いことはないぞ?」

ツカサ・・・らしき者が俺の肩に手を置きニヤリと笑う。

 

「・・・誰だよお前?」

「おいおいマコト。親友の顔を忘れたのか?」

「忘れてねーから聞いてんだよ!!誰だお前!!」

 

やたらと濃い顔に影が無駄に入っている。顔のバランスを無視した太い眉毛は目の大きさほどもある。

「俺だよツカサだよ!」

涙目になって俺の鎧にすがる大男。

「なかなか強そうになったでしょ~?」

ルビス様がカラカラと笑いながら話に混ざり込む。

ルビスの塔の大爆発に巻き込まれて死んだツカサは、サキの度重なるザオラルの失敗により灰になってしまったのだが、さすがは創造の女神ルビス様。灰になって飛び散ったツカサをいとも簡単に甦らせてくれた。

 

のだが・・・

 

「明らかに別人じゃねーか!!」

 

筋肉ダルマのようなフォルムは変わらない。確かに武道家としては申し分のない体だ。元のツカサとも相違がない。

しかしだ!彼の着ていた武道家の装備は何故か上半身裸で下はピッチリとしたタイツ?

 

「お前は江頭2:○0か!!」

「何言ってるんだよマコト?これが伝説の武道家の装備だってルビス様がくれたんだよ。これで俺もマコトと同じ最高レベルだぜ!ですよねルビス様?」

「え?そ、そうよ~。」

 

「「・・・」」

 

美しい宝石のような青い瞳が宙をおよぐルビス様の顔をみると、さすがのツカサも不安になったような顔をしている。

 

「俺のレベル上がってないんですか?」

「それは大丈夫よ~。貴方はLv99にしてあるわよぉ~。」

それを聞いてツカサは跳び跳ねて喜んでいるけどそれで良いのか?ルビス様は『それは』とか言ってるんだぜ?

「装備は?装備も伝説の武道家の装備なんですよね?」

「ええ、その装備の武道家は違う世界では救世主よ~?とーっても強いんだから。」

「この胸の7つの傷にも意味があるんすか?」

「もちろんよ~。その傷を相手に見せて、『俺の名前を言ってみろ』とか言うのよ~。」

「うぉぉ!カッケー!!カッケーっすよルビス様!!」

 

大喜びのツカサを、どう見ても笑いを堪えながら見ているルビス様。

 

しかし、結局はサキのクレームにより姿は元に戻されることになる。

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

リムルダールは湖の中央に位置し、湖岸から木で組まれた長い一本の橋がメルキドの唯一の出入口へと真っ直ぐ延びている。

幅は10メートル、長さは優に数百メートルはありそうにみえる。手すり部分には古い物から真新しい物まで沢山の傷があり、古来より度々戦火にまみれた歴史が見てとれた。

夜空の月と、雲はなくともちらつく雪が映る、鏡のような水面に延びる橋脚は所々で色が変わっている。きっと水で腐食し何度も取り換えた跡なのだろうと推察できた。

 

門番による長い検査を終えて辿り着いたリムルダールの市街地は、入ったとたんに広がる広大な広場を中心に扇状に建物が軒を連ねている。月の輝く夜ではあるが、時間帯は昼間らしく至るところの道具屋などが人で賑わっている。広場の中央には噴水があり、その中央にある台座の上には剣を天空に掲げたキリトさんの像が立てられていた。

 

「あら~?もしかしてこの子キリちゃん~?」

ルビス様がボソッと呟く。

「ルビス様は勇者キリトさんを知ってるんですか?」

「キリちゃん?知ってるもなにも・・・ん~どう説明したら良いのかしら~。息子?」

首を傾げて俺の質問に疑問符をつけて返すルビス様。なんで自分の息子に疑問符が・・・

「って、息子!?キリトさんは創造神だったんですか!?」

「ん~正確にはちょっと違うんだけど~、そこにいる別世界の神の娘たるビアンカちゃんよりは私達に近いわねぇ~。限り無く私達に近い存在、それがキリちゃんねぇ~。」

キリトさんは確かに俺の中で凄い存在だが、まさか創造神に最も近い存在だとは思わなかった。どんな不安も笑顔だけで取り除いてくれたキリトさん。最近はシズクに散々どつかれてボロボロになっている姿ばかり見ていたけど、まさか・・・

 

そんな自分の思慮に落ち込んでいる勇者を微笑みながら見ていたルビス様は、少しだけ真顔になると

「そうね~、良い機会だから1度世界の成り立ちについて話しておこうかしらね~。教会までの道すがら。」

「え?」

「ふふふ。行くんでしょ~?お友達がいる教会に。」

 

そう言って再び微笑んだ。

 

 

.

 

 

 

 

教会へ向かう道。昨日まで降っていた雪の中をサクサクと音をたててあるく。この辺りは居住区らしく、道の両脇には等間隔に街路樹が植わっている。昼間のないアレフガルドだが、もし太陽の陽が登っていたらきっと気持ちのよい木洩れ日の中を歩くことができただろう。

 

 

「先ずはあれね~」

まるで鼻歌を歌うかのように話を始めるルビス様。

「私達創造神と呼ばれる3人はねぇ~ずっと一緒だったの。ルビス〈わたし〉とゾーマ、そして神龍の3人ねぇ~。ある時ゾーマが新しい者を創らないかと提案してきたの。私達は初めてのこともあり戸惑っていたけどゾーマは諦めなかったわぁ~。やがて私達も加わり3人の最大限の力を合わせることで初めての人が誕生したわぁ~。」

 

「創世の神話ですね?」

「そうよ~。さすがはプサン君の娘ビアンカちゃ~ん。お利口さんねぇ。」

ビアンカさんがルビス様の話に相槌を入れると、ルビス様は笑顔でそっと彼女の頭を撫でる。

照れているビアンカさんがとても可愛い。

 

「私達創造神の全力を以て誕生したその子は私達に限り無く近かったの。違うところがあるとしたら、無から何かを創り出す創造の力がないぐらいかしらね~。私達はその子に持てる全てを惜しみ無く与えたの。その子は本当に優秀で全てを身につけていったわぁ~。特にゾーマの教えた剣技を好んでいたわね~懐かしいわぁ。」

「まさかその子が・・・」

「そう、キリちゃんよ~。そうして私達は3人から4人になった。君たちにはピンと来ないでしょうけど、この誕生は私達にとって物凄い衝撃をあたえたのよ~。更に永い時を経て今度は4人で新たな者を創り始めたの。そこにいるビアンカちゃんや、馬車を引いてるキョウイチくんの祖先である君たちの言葉を借りれば異形種の生物の始祖ねぇ。同じく人間もこの頃に創ったのよ~。」

 

「ちょっと待って下さい。ビアンカさんはマスタードラゴンの一族で神様なんですよね?その神様とキョウイチたち魔属は同じ生物なんですか?」

 

「そうよ~?ついでに言うと人もあまり違いはないわよぉ~?そうね・・・勇者くんは勘違いしているみたいだから教えておくけど、生物は生きるために糧となるものが必要でしょ~?人は食料たる動植物。またその動植物にも糧は各々あるわね。異形種が生きるために糧としているものは心なのよ~。信仰心などがそれにあたるわね~。」

「心?」

「そう。動植物や、人種によって違うように異形種もまた種族によって糧とする心は違うの。その世界においてどちらの種族に偏っているかの違いでしかないのよ~?あなた達の言う正義と悪は。そうした多種族が、各々命あるかぎり生を楽しむ世界ができていったの。でもね?天敵のいない種族はいずれ必ず同種族同士で争うの。きっと生きるための本能がそうさせるのねぇ~。」

「何故あなた達創造神私達を生物としたのですか?なぜ死を創ったのですか?」

 

当然の疑問だと思った。そもそも死が無ければ、糧を必要としない。そうなれば糧の奪い合いも起きないのだから。そうすれば争い自体がなくなるはず・・・

しかしルビス様は微笑んだままだった。

 

「死が与えるのは決して不幸だけではないわ?死があるから産まれるのよ?死がなければ今いるような街は産まれてこないわよぉ~?寒さを凌ぐ家も産まれないしね~。生物がね~より快適に生きるために道具は作られていったのよ~?生物は死ぬけどね、道具や技術は親から子へ子から孫へと継がれて行き、それは進化していく・・・私達はね~これを良しとしたの。勇者くんには想像できる~?景色の無い真っ白な世界を。」

 

思わず息を飲み込んでしまう。外敵はいなく争いもない、しかし何も誰もいない・・・そんな世界で死ぬことも出来ない・・・それはきっと地獄だ。ルビス様達はそんな世界にずっといたのかと思うと胸が締め付けられる。

そんな俺をジッと見つめていたルビス様は、少しだけ驚いた顔をしたあと、顔を綻ばせた。今まで見てきた慈愛に満ちた女神の微笑みではなく、彼女自身の笑顔を見た気がした。

 

「勇者くん、キミ面白いわねぇ~。私にそんな哀れみの目を向けた子はキミが初めてよ~?成る程ね~あの子がキミを気に入った理由が少し分かった気がするわぁ~。私もお気に入り登録しちゃおうかしら。ビアンカちゃんには悪いけど。」

 

そう言ってルビス様がビアンカさんを見ると、ビアンカさんは真っ赤な顔をして俯いた。

 

「私達神々の世界レンダーシアはね~お気に入りの人を連れてきて住まわせてるのよ~。ビアンカちゃんは勇者くんが魔王を倒し世界を解放した後のことを知ってるものね~?おおかた自分の世界に連れていき神となった勇者くんと添い遂げようとか考えてるんでしょ~?」

 

ビアンカさんは真っ赤になって走って逃げていった。嬉しいよ、物凄く。でもルビス様、それを言ってしまったら見も蓋もないですよね?

やはり創造神は他と少し考えがずれているのだろうか。

 

「そうそうキリちゃんのお気に入りの子も凄いのよ~。あれ?気に入られてるんだっけかしら?お陰でレンダーシアもドタバタと賑やかになったわぁ~。たま~にいるのよねぇ~創った者では辿り着けない天才が。そうそう話がそれたわねぇ~、要するに~私達は生物を創ったけど~生物は自分達の生き方、人生の物語を自分達で作るってところね~。」

「・・・簡単に言うとこうっすか?善悪どちらも大した違いはないから、選ぶの面倒だし代表をだしあって勝手に自分達で決めろと?」

「ピンポ~ン!大正解~。」

「アホかー!!俺達の世界で遊ぶなー!!」

「キャー!勇者くんに犯される~。」

 

そこからは逃げていったビアンカさんやらツカサやらに取り押さえられるまで大騒ぎとなり、閑静なリムルダールの街が騒然となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁ・・・聞きたい事が二つあります。」

「はぁはぁ・・・何かしら?」

 

肩で息をしながら会話する勇者と女神。

「魔王は創造神ゾーマなんですよね?本来この世界で魔王になるはずだった者は何処かにいるんですか?」

「いるんじゃな~い?そうそう、私達創った本人は当たり前として、魔王は勇者の対だから実は魔王もギガデインを使えるのよ~?まぁ大体は勇者に対抗してジゴデインだのアルテマだの、エビル何とかだの呼んでいるから気付きにくいけれど、基本的に同じものなのよ~。まぁ、誰かしらの助けでも無ければ今回は覚醒しないでそのまま人生を終えるんじゃないかしら~。」

「はぁ、ではもう1つ。ゾーマが創造神って勝てるわけないじゃないですどうすりゃいいんですか?」

「それは大丈夫よ~?この世界ではだいぶ力に制限が入るから1億分の1くらいまで。あと私達がこの世界に来た理由は私達の・・・あら?ほら勇者くん。目的地の教会が見えてきたわよ~。」

 

 

 

そう言ってルビス様が指差した先を見ると、荘厳な建物の教会が見えてきた。パパス王の話によればあそこにエルフのロザリーと別世界の魔王ピサロが治療にあたっているはずだ。

 

 

 

 

 

 

ギイ・・・

木の擦れる音を立てて教会の扉を開けると、広いホールになっていた。

長椅子が等間隔に揃えてあり、それは全てルビス様の像の方へと向いている。窓ガラスには青や赤、沢山の色をふんだんに使いステンドグラスとなっている。奥の壁には天井まで届かんばかりのパイプを有したオルガンが置かれている。

どの教会もそうだが、礼拝堂は派手に作られている。

昔、シズクを引き取ったアリアハンの夫婦はよくシズクにオルガンを教えていた。シズクもまたパイプオルガンを気に入ったらしく、いつも遅くまで練習に付き合わされたのが懐かしい。

 

「私、パイプオルガンの大きな音嫌いなのよね~。」

本当に罰当たりなことを言う女神さえ居なければもう少し思い出に浸っていたいところだ。

 

 

「あら?お客様?」

不意に話し掛けられて振り向いたそこには、近くの井戸まで水を汲みに行った、赤髪の少女ーーエルフのロザリーさんが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー後編に続くーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




クライマックスなので前後編にしてみました。
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