ヘタレ勇者とヤンデレ僧侶の大冒険   作:シズりん

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おおぞらに戦う

子供の頃の夢を見た。

 

 

「なんで泣いてるの?」

「スラりんが死んじゃったんだ。」

 

幼い頃、アリアハンがまだ平和だった頃、大切な友達のスライムであるスラりんが死んだ。

幼い俺にとって初めて知る死。もうスラりんは笑わず、呼んでも返事はしない。俺の足元をピョンピョン跳ねることも、もうない。

ある日、ある瞬間を境に2度と帰っては来なくなる死。

俺はたまらなく悲しく、泣き続けた。

 

「マコトさん、泣かないで?」

「だってスラりんが死んじゃったんだよ?悲しいに決まってるじゃんか!」

「スラりんって、マコトさんに懐いてたあのスライムですか?それが死んだのってそんなに悲しいの?」

 

子供の頃のアイツは、まるで本当に死を理解していないのか、または悲しみを理解していないのか、キョトンとした顔で俺を不思議そうに見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

「マコちゃんおかえりなさい」

 

過去の世界から戻った俺に優しい微笑みと言葉をくれたのはビアンカさん。

俺達の帰りを神界の女神セレシアに聞いたのか、迎えに来てくれたようだ。公私にわたって色々助けてくれたビアンカさんとの再会は、心を温めてくれる。しかしそんなビアンカさんの横をすり抜けるように俺に力一杯抱き着く者がいる。

 

「会いたかったぜマコト!!元気にしてたか?」

「暑いし痛え!」

「懐かしいなソレ。シャンパーニだっけか?」

 

忘れもしない無二の親友ツカサがそこにいた。かつてアリアハンからずっと俺たちの旅を支えてくれた頼もしかった仲間の武道家だ。

大切なところなので繰り返す。

か・つ・て、頼もしかった仲間だ。

 

「・・・お前修行怠けたろ?」

「な、何のことかな?」

「何のことじゃねー!!何だよその丸々したフォルムは!?」

 

あの筋肉の鎧を纏った仲間は、今は見る影もない程に丸々と太っている。しかしそんなツカサにさらなる追い討ちをかける言葉が続いた。

 

「もっと言ってやってよ。コイツさぁ、いくらアタシが言ってもこれだけは聞かなくてさぁ。」

「サキ!!」

「久しぶりだねアニキ。」

俺はサキを抱き締めると、サキもまた腕を回す。

ルビス様の言う通りなら実に数百年ぶりの兄妹の再会だ。

シスコンと呟きながらも頬を染めた妹は、薄っすらと涙していたように見えた。

 

「私たちもいるわよ。」

背後から声がかかり振り向くと、そこには水面の波紋のようなものが空間に現れ、そこから俺に少し遅れて異空間から還ってきたルビス様とゾーマが現れた。

2人の手には、ピサロと、エルフのロザリーさんが、まるで首根っこを捕まれた猫のようになっている。

 

「いつまでも過去の世界にいられても困るからね〜。」

と、ルビス様の軽〜い御言葉と共にピサロとロザリーさんと再会を果たす。

 

一通り皆んなと再会を楽しんだ後改めて周りを見渡すと、そうそうたるメンツが集まったものだと思う。

 

世界を創造した創造神たるルビス様にゾーマ。

神界レンダーシアの女神セレシアと、天空人の血を引くビアンカさんに、その天空人を従えるマスタードラゴンのプサンくん。

今はお笑いの神となったツカサに、妹のサキ。

何故か大ケガしていた魔族に転生したパパス王に、同じくミイラ男になってるサンチョ。

異世界の元魔王ピサロに、エルフの女王ヒメアの娘のロザリーさん。

そんな異世界の魔王たちを遥かに超える力を持つ、神魔王たるシズクを護るロイヤルガードの1人、バラモスブロスのキョウイチに、同じくロイヤルガードの1人で、いつの間にか仲間に加わった相変わらず神出鬼没なキングヒドラのロレンスだ。

 

本当に普通集まることの無い面子が一堂に集まっているのだ。ツカサは全員集合だなと喜んでいるのだが、2人が足りない。最も大切なアイツがいないのだ。

 

 

 

俺が改めて1人、神龍への挑戦を前に決意を新たにしていると、それを察したかのようにゾーマは言う。

 

「さぁ、集めた三つの証を空に掲げなさい。」

 

俺は言われるままに三つの証を空に掲げると、一際輝く黄金の光が証から放たれる。

そして三つの光が合わさると、神々しい輝きを放つ三角形のプレートがキョウイチのデレレレーンとか言う声に合わせて現れた。

 

「これが?」

「そうだよマコトくん。それが私の証であるゾーマの証だ。」

「これで神龍に挑戦して勝ち、願い事を叶えて貰えばシズクに会える・・・。」

「そうよ〜勇者くん。でもね、勝つ必要はないわ〜。綺麗に一撃を与えるだけで良いのよ〜。」

「え?一撃だけでいいんすか?」

「ええ、でも神龍も創造神。そう簡単にはいかないわよ〜?なんたって過去にキリちゃん以外出来たものはいないもの。それに勇者くんはその武器で挑むの〜?いくらオリハルコン製とは言え棍棒じゃあね〜。神龍を本気で怒らせちゃうだけかもよ〜?」

「でも俺はこれ以外持ってないし・・・。」

「フフフ。そう言うと思って過去の世界から持って来たわよ〜。」

 

そう言って俺に手渡したのは、かつてゾーマとの戦いを共にした、王者の剣だ。

剣の柄を握りしめると、剣の波動を感じる。

 

「うんうん、やっぱりその子(王者の剣)は勇者くんが持って初めて本来の力を発揮するようね〜。さぁ勇者の、剣もゾーマの証も揃ったわ。改めて固い決意を私たちに見せてちょうだい〜。」

 

ルビス様の言うように王者の剣から力が湧き立つのを感じる。俺は王者の剣を空に掲げると、剣先が神界レンダーシアの太陽の光を浴びて輝いている。

 

不思議だ。今ならなんでも出来そうな気がする。右手には掲げた王者の剣。

左手には三つの創造神の証を集め現れたゾーマの証。

振り向けば、俺の背を押してくれる仲間がいる。

 

 

 

待っていろよシズク。神龍を倒して必ずお前を迎えに行く。必ずだ!!

 

 

 

 

 

 

俺の戦いはこれからだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンディングソング

「とんちんかんちん一休さん」

相○恵(ウソ)

 

 

 

 

 

 

 

 

スタッフ

 

 

ルビス(c.v大原さや◯ウソ)

ゾーマ (c.v池田秀◯ウソ)

 

ツカサ (c.v神○明ウソ)

サキ (c.v竹達彩・・・)

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待てやコラー!!」

 

 

 

「な〜に?今良い所なんだから邪魔しないでくれる〜?あら?ツカサくん、中々良いセンスしてるじゃな〜い。」

「本当っすか?ルビス様。」

「コホン!あの、ルビス様。勇者様の言われる通りでございますよ。私の冒険の書を勝手に書き加えられてしまっては、人間の世界の運命が変わってしまいます。」

「え〜?だってこの方が面白いじゃない。セレシアちゃんだって楽しい世界の方が良いでしょう〜?」

「そんなことされたら人間の世界が破滅してしまいますよ。とにかくダメでございます。」

 

何やらお互い目から雷を衝突させて盛り上がる2人。

とにかくルビス様による冒険の書の改ざんは何とか免れそうだ。

俺が一息吐いた瞬間だった。

 

辺りが真っ赤に染まった。厳密には実際赤く染まった訳ではないのだが、どれ程凄まじいかも判断できない程の魔力が辺りを覆ったのだ。まるで心臓を鷲掴みされた様な気分だ。

 

立っているのも辛いその魔力は、後ろにいた仲間にも襲いかかる。異世界の魔王やその妻であるピサロやロザリーさんも片膝をついて苦しそうにしている。

ツカサやサキ、パパス王にサンチョさんは立ち上がることさえ出来ないようだ。

 

ロイヤルガードであるキョウイチとロレンス、神界レンダーシアの女神セレシアとビアンカさんにプサンくんは、何とか両足で立ってはいるものの、その表情はやはり苦しそうにみえる。

 

「やっぱり来たのね〜キリちゃん。そろそろ来る頃だと思ったわ。」

ルビス様とゾーマが見上げた視線の先には、かつての師でり、俺の憧れの英雄キリトさんがいた。

 

「マコト、久しぶりだな。よくもまぁソレほどの仲間を集めたものだと関心するよ。」

「キリトさん!」

「正直、お前がここまで来れるとは思わなかったよ。」

 

遥か上空から俺たちを見下ろすキリトさんの瞳には、ほんの少しの情けさえ感じられない。

いくら鈍い俺でも分かる。今回はキリトさんは本気で俺を倒しにきたのだと。

 

「キリちゃん?貴方そんなに本気だして恥ずかしくないの〜?」

「恥ずかしさなどどうでも良い。ルビス様そこを退いてもらいたい。」

「ママと呼びなさい!」

「・・・今回は俺も譲れない。いや、譲る気はない。例えルビス様、貴女と戦うことになったとしても。」

 

少しも戸惑うことなく言い切ったキリトさんに迷いはない。それどころか彼は更に魔力を上げていき、やがて異形の魔神の姿になっていった。方や腕、至るところから刃を伴ったツノを持ち、その両手には其々が俺の持つ王者の剣を遥かに超えるであろう神剣を携えている。

彼の瞳は真っ赤に輝き、その姿からは嘗てのキリトさんの優しさを微塵も感じさせない。

 

それに比べて言われた方である最強の女神ルビス様は、冷や汗が頬を伝っていた。

あの無敵の女神が明らかに動揺しているのだ。

 

「あらぁ、アレはグランエスタークの姿ね〜どうやらキリちゃん本気のようね、困ったわね〜。ああなると、貴方達全員でかかっても勝ち目は0ねぇ。」

 

ルビス様が言うにはキリトさんは創造神のなかでも特に戦闘に特化した神だそうで、彼が本気になると例えルビス様と言えど、負けはしないまでも勝てもしないんだそうだ。

しかも全てを創造した神同士の戦いは、あらゆる世界を巻き込んでしまい、全てを消し去ってしまうのだという。

俺は本気になったキリトさんに勝てるのだろうか。

同じ創造神の神龍は一撃で良いのだけど、キリトさんはそうはいかない。

でも、俺だってここまで来て引き下がるわけには行かない。

 

手に持つ王者の剣を強く握りしめたその時、その俺の手にそっと自分の手を合わせる者がいた。

 

「マコトくん。ここは私たちに任せなさい。君はゾーマの証で奇跡の泉への道を開き、先に進むのだ。」

「ゾーマ・・・」

「師匠・・・あなたもマコトに着くと言うのですか?」

「そうだ!エスターク、お前には一度敗北を与えた方が良いようだ。」

 

 

そう言うとゾーマは俺の前に立つ。そして俺に早く行けと再び催促する。

 

「師匠、創造神同士で戦う事で全てを消し去るおつもりか?俺はそれでも構わないが。」

 

そう言うとキリトさんは更に魔力を上げた。

すると彼の背後の空間に無数の水面の波紋のような物が現れ、その全てから剣の柄の部分が現れた。

 

あれは知っている。リムルダールで一度見たキリトさんの必殺技だ。発動してしまったらルビス様でさえ防ぎきれないと言っていたスターバーストストリームだ。

 

「エスターク。確かに我々創造神同士の争いは神界レンダーシアを含めて幾度と無く世界を消滅の危機に晒してきた。しかしな、何事にも抜け道はある。我々創造神同士が争っても世界を消滅させない方法がな。それはな・・・これだ!」

 

ゾーマが言い終わるが先か行動が先か、ルビス様がゾーマの隣に並び立った。

 

「2体1で勝負だ!!」

「え?」

 

さすがのキリトさんも目を点にしている。

 

「えーーーーー!!」

 

「そ、そんなズルい!」

「キリちゃん〜?戦いはね〜勝てば良いのよ、勝てば。」

「お前には日頃から甘く育て過ぎたと我等も思っていたのだ。エスタークよ!両親の愛ある躾をその身に刻め!!」

「ちょっ、ウソ、やめてごめんなさいごめんなさい。」

 

ゾーマとルビス様は悪魔も逃げ出すような笑顔で並び立つと、涙目になって悲鳴をあげるキリトさんの首根っこを掴んで、引き摺るように何処とも知らない空間へと消え去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇマコトさん泣かないで?」

「シズク、お前は悲しくないのか?スラりんが死んじゃったんだよ?」

「悲しい?悲しいと涙がでるの?」

 

幼い頃のアイツは本当にいろんなものが抜けているようだった。シズクの養父であるアリアハンの神父様は、大雪の中何日も暗い森を彷徨った時の後遺症を疑っていたけど、幼いながらも俺には彼女が心のなかで悲鳴をあげているように見えていた。

 

幼い頃のシズクは、引っ込み思案で大人しい少女だったけれど、今思えば既にアイツの力の片鱗は見え隠れしていたように思う。

そんな一見無敵なような彼女も、俺には常に何かに怯えている少女に見えていたんだ。

 

「ねぇマコトさん・・・。もし、もしね?私が死んじゃったらマコトさんは泣いてくれる?」

「シズク、お前は死なないよ。勇者オルテガの息子の俺が死なせない!」

「そっか。じゃあ、もし私が消えちゃったら・・・マコトさんの前から居なくなっちゃったらどうする?」

「え?居なくなっちゃうの?」

「もしですってば。」

「探すよ?お前が何処に居ようが、何処に隠れようが、世界中探し回す!!」

「もし私がそれを望まなかったら?」

「それでも探す!お前がどう思おうが、俺は探すんだよ。いつだって何だって何処に居ようが絶対に探し出すんだよ!!」

「・・・おませさんですね。まだ6歳のくせに。」

「お前だって同じぐらいじゃねーかシズク。」

 

シズクは優しく微笑みながら俺の手を握りしめた。

手を繋いで見上げると、アリアハンの教会の礼拝堂に掲げられたルビス様の像は、優しく微笑んでいるように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが奇跡の泉・・・。」

 

泉なんて言うくらいだから湖畔的な場所を想像していのだが、辺りは一面氷の世界だった。

神界レンダーシアでも夜なのか、それともそもそも太陽の光が届かない場所なのか、あたり一面は薄暗い。息は吐いた瞬間に凍りつき、吸った空気は肺を一瞬で凍らすかの如き、絶対的な零度の世界だ。

神となった俺が今生きていられるのも、奇跡の泉へ渡る際にビアンカさんとサキのフバーハによるものが大きい。

 

辺りに生物の気配はなく、氷同士をぶつけたかのような音だけが、遠くの方でやまびこのように鳴り響いている。

 

何もかもを拒絶した静寂の絶対零度の世界。

 

それが奇跡の泉だった。

 

 

ジャリ、ジャリと氷を踏みしめる音を立てながら目の前の丘を登っていくと、大きな地震をともなった振動音に気が付いた。それは低い周波数で、まるで自分が胎内の中で心音を聞いているかのような規則性をもった振動音だった。

 

俺が丘を登るに合わせるかのようにボリュームが大きくなるその音は、丘の頂上に辿りついたところで止まった。

 

一面見渡す限り続く氷の世界。空を埋め尽くすような様々な彩りを揺らめかすオーロラのカーテン。

しかしそんな幻想的な景色を眺める余裕など微塵もなかった。

 

数十メートル先の空中に輝く白銀の球体が現れたのだ。

時を同じくして大地震により大地が揺れる。空のオーロラを巻き込むかのように、白銀の球体は凄まじい轟音と、球体付近に稲光りをともなって、まるで景色を吸い込んでいるかのように弧を描くように全てを吸い寄せている。

 

巻き込まれる風で辺りの水晶の原石が次々と大地から突き出してくる。美しかった景色は、水晶でできた針の山のような姿に変わっていく。

 

俺は腰を少し落とし、大地に根を張るかのように飛ばされないように体制を整えるさなか、白銀の球体に目を奪われていた。

 

 

 

 

俺の背筋は一瞬で硬直した。

絶対零度の世界にも関わらず、頬を汗が伝うのを感じた。

思わず全身に震えが走る。

球体から何かが出てきたからだ。

 

それは光輝く長い胴体をもち、ゆっくりと揺らめかすかのように動いている。空を埋め尽くすかの如き巨体は、逆U字型のカーブ状の姿勢になり、その動きをとめた。

何もかもを見通したかのような深い瞳は、ルビーのように紅く、白銀の全身にはそれすらも覆う程の眩い光が包み込んでいる。

この心臓を鷲掴みされた様な感覚に俺は経験がある。

 

初めて大魔王ゾーマと相対したあの時、さきほど本気になって現れたキリトさんと相対したときだ。

名は名乗っていないが全身が、魂が俺に告げる。

 

「し、神龍!!」

 

光の龍は俺に気付いたのか、男性とも女性ともとれない何重にも合わさったような声で、脳に直接語りかけてきた。

 

 

 

 

「創造神の証を集めワタシに挑む勇者よ。ワタシは神龍(シンリュウ)、最後の創造神である。ワタシはそなたの存在も知っているし、そなたの求めるものも識る。しかしあえて言葉にして聞きましょう。勇者よ、そなたは何を求めて我が眼前にやって来たのだ。」

「俺はマコト。神界レンダーシアにシズクを探しに来た!」

「・・・魔王を?彼女がそれを望んだのですか?」

「シズクがではなく、俺がアイツとの再会を望んでるんだ。ゾーマとルビス様から聞いたんだ。神龍、あんたならシズクに会わせてくれると。」

「ゾーマにルビス、それとキリトか?この様な戯れた事を考えたのは。確かにワタシの強制力なら魔王と言えど抗えない。しかし、ワタシに願いを叶えてほしくば・・・。」

「分かっているさ。神龍、アンタに一撃を入れなければならないんだよな。」

「それが分かっていてそなたは奇跡の泉へ来たと言うのですか。丸腰で。」

 

神龍の言う通りだった。

俺は過去の世界から持ってきてもらった王者の剣をツカサにわたしていたのだ。

 

「武器は必要ないんだ神龍。」

「…ワタシを相手に素手で戦うと?ワタシをそこまで舐めてかかった相手はそなたが初めてですよ。」

 

神龍の紅い瞳に怒りの炎が灯る。

神龍の全身を覆う光の光度が強さを増す。

 

神龍は大きく息を吸うと、キラキラと輝く息を吐いた。

空気中の水分が凍結する程の凄まじい嵐のような輝く息は、俺を目掛けて襲いかかってくる。

俺は近くの水晶の柱に飛び移り距離をとってかわす。

 

「聞いてくれ神龍!!俺はお前と戦う為に来たんじゃないんだ!」

「憐れな者よ、引き裂いてくれる。」

 

神龍は上空に向かって咆哮をあげると、オーロラのカーテンが敷き詰められた夜空から数百にわたる巨大な円柱が降り注ぎ、氷の大地に突き刺さる。

俺はその円柱を避けるように柱から柱へ、水晶の結晶から結晶へと飛ぶ。

だが神龍の技はそれで終わりではなかった。

神龍からギガデインを遥かに超える稲光りを大地に向かって放つと、先ほど空から降ってきた円柱は砕けて夜空に舞い上がった。

そしてソレは、数千を超える尖った破片となり、空気中の氷の結晶を纏い雨のように俺に降りつける

 

「マヒャデドス!!」

 

そう呼ばれたその技は、みるみる俺を傷付けていく。致命傷こそなんとか防いでこそいるが、確実に俺を追い詰めていく。

 

「勇者よ。何故そなたは勝てないと知りながらここまでやってきたのだ?」

 

なおも続く雨の如き刃を降らせながら神龍が語りかけてきた。

 

「ワタシはゾーマやルビスとは違う。そなたの生命を奪うのに躊躇はない。」

「そういうわりには俺はまだ生きてるぜ?」

「死に損ないが、よく咆えるものですね。」

 

しかし、いくら俺が必死に交わしているとはいえ、何故か神龍はトドメをさそうとはしなかった。

神龍もあのルビス様達と同じ創造神だ。その気になれば俺なんか一瞬で消し飛ばせるはずだというのにだ。

 

「・・・勇者よ、一つ応えなさい。そなたは何故戦うのですか?人は・・・争いなしに生きていけない生物なことは先の戦いでゾーマに諭されたのではないのですか?人は何故他者から奪うのか。」

 

それはゾーマも問うた質問だった。

 

「それは人が弱いからだ。力がとかではない。心が脆弱な生物なんだ人間は。」

「心が?」

「そうだ!人は弱いから戦う理由をつけたがるんだ!戦えば憎しみが憎しみを生むなんてことは分かっているんだ。戦う相手にも愛する者がいる事も今なら分かる。ゾーマはそれを俺に教えてくれた。その上で俺が出した応えは、相手を信じることができない人間の心の弱さが争いを生むんだ!」

「相手を信じること?」

「そうだ。武器を持った敵を前にお互い武器を捨てられない弱さだ。人間に・・・生物に必要なのは相手を赦す心だと言うのに争い続ける人間はまだ脆弱な生物なんだ!」

「興味深い答えにたどり着いたのですね勇者よ。そんなソナタに一つ昔話を聞かせてやろう。」

 

攻撃は続けながらも神龍は次々と質問を投げてくる。そんな神龍が話した内容・・・それは

 

「昔・・・まだ魔界グランゼドーラもまだ神界の一部であった頃。まだ世界は他になく、全ての生物はレンダーシアで生を謳歌していた。そんな世界に何処からともなく1人の少女がグランゼドーラに現れた。少女は美しく聡明な女性であったのだが、グランゼドーラの神々は少女を受け入れなかった。少女の異質な程の巨大な力を恐れた為だ。」

 

 

それは・・・アレフガルドで女王の執務室に手紙と共にシズクが忘れていった絵本『孤独な悪魔の物語』の内容だった。

 

「何で私を受け入れてくれないの?私はただ友達になりたいだけなのに。少女は懸命に自分の力は神々を傷つけるものではない。神々を襲うものではないと、それこそ毎日毎日必死に神々に訴え続けた。そんな訴えが千の夜を越えても少女は受け入れられる事はなかった。少女は次第に絶望していった。やがて自分を受け入れない神々を恨み、原因である自身の力を呪った。少女は外にも内にも拠り所を失っていったのだ。分かるか勇者よ。神々でさえも巨大過ぎる力は忌み嫌われるのです。」

「・・・」

「全てを否定し拒否された少女は何を以って生きれば良かったのだ?少女は何が悪かったのだ?お前に答えられるか?結局少女は全てに絶望し、かつて神界であったグランゼドーラを滅ぼしてしまった。そうする事で少女自身の心も滅ぼせると信じて。少女の心は痛みの集合体なのだ。」

「ソイツはバカだ!」

「なんだと?バカと言ったのですか?」

「そうだバカだ。どんなに悲しくても辛くても滅ぼしてはいけなかったんだ。結局少女は自身が忌み嫌うその力を使っているのだから。持ってしまった力を無くすことは出来ない。それは仕方ないんだ。でも、自分を受け入れてもらおうとするばかりで、自分自身は結局その神々を受け入れなかったからその結果に至ってしまったんだ。少女は・・・シズクはその力を嫌なものを見えなくする為に使うべきではなかったんだ!」

「誰からも受け入れられない魔王の気持ちがそなたに分かるというのか?魔王が好きで一番最初の悪魔という自身が最も嫌う忌み名を受け入れたと思うのか?」

「そうじゃねーよ!シズクは、本当に受け入れて欲しかったのならば、どんなに疎まれようが嫌われようが神々と距離を置くべきじゃなかったんだ!アイツは弱いんだよ心が。」

「・・・あの魔王が弱いだと?」

「そうだ!シズクは弱い。弱いからこれ以上嫌われるのを恐れて神々と距離を置いたんだ。心が弱いから婚約を解消とか言いながらもキリトさんを今も傍に置いているんだ。弱い心が、自身の正体を知ってしまった俺がシズクを拒否することを恐れたからアイツは神界レンダーシアに逃げたんだ!アイツは・・・シズクは誰よりも弱いから、全てを壊してしまうんだ!!」

「・・・」

「いいか神龍、よく聞けよ。俺はなぁ、俺はシズクが大好きだー!!!愛していると言っても良いね!!アイツがどんな力を持っていようが、アイツの正体が何であるかなんて関係ないんだ!!アイツが笑うと俺は嬉しくなる。アイツが寂しそうにしていると、傍にいてやりたくなる。シズクがそこにいるとおもうだけで幸せな気持ちになる。ただそこにいるだけで俺は幸せだったんだ!!」

 

 

 

 

 

「よく分かりました・・・それが勇者よ、そなたの出した答えなのですね。では更に勇者に問いましょう・・・。」

「なぁ神龍・・・いや、シズク。もうじゅうぶんだろ?」

 

 

 

ーーイタイーー

 

 

 

「・・・勇者よ、何故そなたは私を魔王の名で呼ぶのですか?」

「最初に変だと思ったのは、人間の過去の世界に行った時だ。」

 

 

ーーイタイですーー

 

 

 

「人間の、過去の世界?」

「そうだ。ルビス様にゾーマ、キリトさんの創造神は、現在過去未来において単体であると言っていた。」

 

 

 

ーー心が、張り裂けてしまいそうでイタイですーー

 

 

 

「・・・。」

「俺が行ってきたあの過去の世界での違和感が全ての始まりだ。」

 

 

 

ーーイタイ、もっとこの世界にイタイ、

イタイ、もっと貴方の声を・・もっと聞いて・・・イタイ。

 

 

 

「過去の世界にキリトさんや、ルビス様にゾーマはいなかったんだ。その部分だけは過去の俺は1人で話しているんだ。」

「そこに魔王もいなかったと言うのか?勇者よ。私は神龍、創造神の1人。私にカマかけは通用せぬぞ?」

「いや、過去の世界にシズクはいた・・・」

 

 

 

 

ーーイタイ、もっと傍で寄り添ってイタイ。もっと傍で温もりを、感じてイタイ。

 

 

 

「なら・・・」

「でも過去の世界のシズクは、本来なら存在しない現在の俺たちに気付いていた節があった。過去の俺だけではなく、現在の俺をもアイツは見ているようだったんだ。」

 

 

 

ーーイタイ。イタイです。もっと傍にイタイ。もっと寄り添ってイタイ。もっと話してイタイ。もっと想ってイタイ。もっと愛してイタイ。もっと・・もっと!!

 

こんなにイタイと、私、泣いてしまいそうです。

 

私は泣いても良いですか?

 

 

 

「・・・。」

「そう。あの過去の世界にいたシズクが・・・本人による成り済ましならば辻褄が合う。それに、神界の女神セレシアは言ってたんだ。証は、それぞれの思い出深い所に現れると。総てを創り、家族で幸せに暮らした神界の城にルビス様の証はあった。シズクとの思い出の詰まったあの部屋にキリトさんの証はあった。家族四人でいる事を何よりも愛したゾーマの証は、3人の証が集まることで現れる。では神龍、お前がシズクでないと言うなら、何故お前の証はアリアハンにあったんだ。」

 

 

泣きそうです。それが今の私の感情の総て。

死という名の安らぎを与える私。そんな私に誰が安らぎを与えてくれるのだろう。こんな深く傷付いて、ボロボロになった心は、沢山のイタイで出来ている。

 

 

「・・・。」

「でも何より1番確証に至った理由はなぁ、この奇跡の泉でお前と会った瞬間だ!!」

「・・・会った瞬間?」

「そうだ。シズク、確かにお前が俺の前で泣いたのは、ゾーマ城でのあの一度きりだ。でもなぁ、理由は分からないけど、俺の目には何時もお前は泣いている女の子に見えていたんだ。大雪が降り積もるアリアハンで出逢ったあの時からずっと。そして神龍、お前も俺には泣いている女の子に見えるんだ!!」

 

 

 

ああ、何故このヒトの言葉はこれ程にも、空っぽな私の心に響くのだろう。

特別な力は何も持たない彼は、攻撃力も特別ない。そんな彼の笑顔は、私に暖かい心を与えてくれる。

なんで気付かなかったんだろう。マコトさんはいつも私の傍にいてくれたというのに。

彼の少し後ろを歩くーーーー

大きな背中を見ているだけで嬉しかった。

一緒に歩くだけで幸せだった。

ただキミが笑ってくれているだけで私はーーーー

 

 

イタイ痛いいたいイタイイタイイタイ痛い痛いイタイ。心の中でマコトさんが溢れる。笑っているマコトさん。照れているマコトさん。時に怒るマコトさん。でも、直ぐに微笑みながら頭を撫でてくれた。

 

 

「・・・私は・・泣いても・・・良いのですか?」

「当たり前だばか!泣きたい時は泣けよ。辛い時は辛いと言えよ。痛みはな、耐えるものじゃなくて訴えるものだろうが!!辛くて押し潰されそうなら、俺が一緒に背負ってやる。だから・・・帰って来いシズク!!!」

 

 

やられた

 

私はそう思った。

それはまさに会心の一撃だった。

 

 

今までどんな勇者も戦士も、神も魔物も私に傷一つつける事は出来かった。神龍に一撃を与える勇気を示した者には、何でも願い事を叶える。創世の神を除けば、私に一撃を与えるなどあり得ない事。

もとから私は願い事を叶える気はないし、そんな力もない。ただ、神々や魔物に挑戦と言う娯楽を与えたに過ぎない。いずれ神々もまた自らの種族同士で争うかも知れない。そうならないように適度に刺激を与える敵を作る為、私はあえて魔王の汚名を甘んじて受けることにしたのだ。

 

それなりに楽しくしてはいたが、私だって顔を晒せば逃げ出されるのは、本当は辛くて悲しい。

 

そんな私に、目の前の勇者が武器も持たずに、言葉と言う愛情溢れる会心の一撃をもって与えた一撃は、とても暖かく、とても優しく、空っぽな私の胸の奥に、甘い余韻を轟かせる。

 

 

 

「・・・マコトさん。」

「シズク、一緒に生きよう?お前が俺を見限って去ったとしても、俺は必ずお前を見つけだす。いつだって何だって俺はお前を探すんだよ!」

 

 

ああ、なんて暖かい。

なんて嬉しい。

なんて幸せなコトバのイチゲキ。

 

 

「それが幼い頃に交わした、お前との約束だろシズク。」

 

 

 

 

 

 

 

そのとき光輝く強大な龍は、より一層眩く輝いた。それは光の闇とも言うべき光度。白以外何も見えない。

そんな虹色に輝く光は、やがて無数の光の粒子となって大空へと溶けていく。ただ一人、少女を残して。

 

流れるような白銀の長い髪は、キラキラと輝いている。透き通るような白く美しい肌に、ほんのり赤みを帯びた瞳。大空に溶けていく光の粒子が、まるで6枚の翼のように見えた。いつか何処だかで聞いた天使のようだ。

 

アレフガルドから何度も夢に現れた白銀の女神。今なら分かる。アレが、アレこそがシズクの本来の姿なのだと。

 

勇者は両手を広げると、彼女は胸に飛び込んできて、ひたすら声を上げて泣いていた。そんな彼女をそっと抱き締めて、いつまでもいつまでも二人抱き合っていた。

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらあら、あの子も勇者くんの前だと随分とお子様ね〜。」

いつの間にか俺たちのすぐ後ろにルビス様とゾーマ、巨大なたんこぶをこさえたキリトさんがいた。

「勇者マコトよ。よくぞ真の神魔王を打ち負かしたな。そなたの勇気は神界レンダーシアに永きに渡って語り継がれる事だろう。魔王城はグランゼドーラ城となり、その一階のエントランスにそなたの巨像を築こう。神々や魔族が争いを始めた時、勇気という力をもって世界を清めた神界の勇者として。」

「マコト、ゾーマ様の言う通りだ。お前こそが真の勇者だ。俺は・・・壊れゆく彼女を一番そばで見ていながら、ソレを止めることが遂に出来なかった。俺はシズクに近過ぎたのかも知れない。」

「あら〜大丈夫なの〜?そんなこと言ってるとシズクを勇者くんに本当にとられちゃうわよ〜?」

「大丈夫ですよルビスさぶぁ!?」

グーでキリトさんはルビス様に殴られた。

「マ・マ!!」

「お、お母様、大丈夫ですよ。俺は戦神です。誰にも負けないし、ライバルなんかにもなりはしませんよ。」

 

顔面ボロボロのキリトさんは、胸を張ってこたえるが、そんなキリトさんに言葉による痛恨の一撃を喰らわせたのは、俺の胸に顔を埋めているシズクだった。

 

「大昔、キリトさんが私に一太刀加え時願ったじゃないですか。本気で競えるライバルがほしいと。願い、確かに叶えました。」

「え?あれは戦いのことであって、お前とのことじゃ・・・。」

「往生際が悪いわね〜。まだお仕置きが足りないようね〜。」

そう言うと、ルビス様はキリトさんの首根っこを掴んで、空いた手で空間転移のゲートを開く。

 

「勇者くん。暫くはシズクと2人きりにさせてあげるわね〜。その代わり、今度会った時は貴方も私をママと呼ぶのよ〜。」

そう言って片目を瞑って見せるルビス様は、正しく女神の如き微笑みをくれ、泣きながら謝っているキリトさんを引き摺りながらゲートの中へ消えて行く。

 

「マコトくん、よく頑張ってくれたな。至らない娘だが宜しく頼むよ。そうそう、言い忘れていたが・・・娘はやらんからな?」

「さっさと消えろクソジジイ!」

 

後ろを向いたまま器用にゾーマをぶん殴ったシズク。

ゾーマは一度言ってみたかったんだよ〜と、シクシク泣きながらゲートの中に消えて行く。

 

「さぁ行こうシズク。あの丘の向こうに・・・奇跡の泉の外には皆んながお前の帰りを待っている。もうお前は1人じゃない。お前の帰りを待つ仲間・・・友達がたくさんいるんだ。もう姿を偽る必要もない。ありのままのお前でいい。お前はもうたくさんの友達に囲まれている。」

「マコトさん。」

 

シズクは俺の腕に自分の腕を絡め、頭を凭れかかるように歩くと、肩越しに彼女の甘い香りがする。

幼い頃からずっと俺の傍で、ヘタレな俺を支え続けてくれたシズク。

俺の幼馴染みが俺から離れるわけがない。

 

俺とシズクの物語はこれで一先ず終わりだ。

 

 

きっと何があっても、どんな困難が待ち構えていようとも、

俺たちはお互い支えあうように丘の向こうを目指すだろう。

 

まだ見ぬ明日(未来)を探して。

 

 

 

 

 

 

 

エンディングテーマ

 

 

sevens heaven

歌 カラフィ○(ウソ)

 

 

 

神龍戦のテーマ

 

おおぞらに戦う

 

 

 

 

staff

 

 

 

イラスト提供(五十音順)

 

アルアルファ

ナーコ

ニック・シェーファー

猫魔王

kitiguyder

meg

 

 

メインイラストレーター

 

さかき☆よーま

 

 

 

ネタ提供者

 

ニック・シェーファー

kitiguyder

hirahira

meg

アゼルバイジャン大佐様

ばいどるげん様

 

 

 

出演者

 

 

アルアルファ

如月ゆき

きょういち

クリシュ

ケイ

紅梅綾

さかき☆よーま

白雪

すりぃぷも〜ど

ナーコ

ニック・シェーファー

猫魔王

kitiguyder

hirahira

meg

 

 

 

シナリオ

 

 

堀井雄二(ウソ)

 

 

 

音楽

 

すぎやまこういち(ウソ)

 

 

 

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もしもしコルトさま

ベアリングさま

prinnyさま

 

 

 

 

 

 

 

presented by

 

スクエア・エニックス(ウソ)

 

 

 

 

 

監修

 

meg

 

 

 

 

 

 

 

present by スクエアエニクッス(ウソ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘタレ勇者とヤンデレ僧侶の大冒険

 

 

ハッピーエンド

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の嫁は大魔王様に続く(ウソ)




最後までお付き合い下さった皆さま、色々と突っ込みどころはおありでしょうが、メンタルの弱い女なのでお許しください。そして本当にありがとうございました。

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