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パー
ピー・・・
パッパー!!
「あぶねーだろうが!!」
鉄製の塊に乗った人が物凄い速さで、目の前を走り抜ける。
俺は改めて新天地のジパングを見渡す。
見たこともない程の高さの建物が、所狭しと建ち並び、そのどれもが今まで俺が見てきたどのお城をも遥かに越える高さをほこり、すべてが箱のような不自然な形状だった。
辿り着いたのは確かに夜であったはずだと言うのに・・・何だ、この昼間のような明るさは。
「不思議な街ですね?本当にここがジパングなのでしょうか?」
さすがのシズクも少し不安な様子を隠しきれていないようだ。
「なぁ、キョウイチ?ここは本当にジパングなのか?」
いつの間にかパーティに入り込んでいる魔物のキョウイチに俺が聞くと、ギロリと睨み付ける。
「おい人間。貴様誰に物を言っている。俺はかつて大魔王の側近だった者ぞ?あまり礼儀がないようなら、その頭をひねり潰す・・・イタタタタ!」
見ると、キョウイチの頭をひねり潰さんばかりに掴んでいるシズクがいた。
「ここは確かにジパングなはずだ。しかし以前俺が商売に来たときは普通の農村が集まっただけの小さな国だったはずだが・・・一体何があったというのか。」
「・・・ロレンスさん。あんた何処から現れた?」
シズクの雷撃により海の藻屑となったはずの商人ロレンスさんが、何事もなかったような爽やかな笑顔を見せながら会話に混ざる。
「マコトくん。君達の旅はお金が掛かるだろう?俺は君たちの旅のスポンサーになろうと思ってね。な?シズクちゃん?」
「ちっ・・・」
シズクが、ロレンスさんから奪った財産を俺が彼に返してからと言うもの、あからさまに不機嫌なシズク。
そんな彼女に苦笑いをしながらも、ロレンスさんは先ずは情報を集めようと提案してくる。
さすがは旅の商人。旅での不足の事態にも手馴れた様子だった。
二人で手探りをしながらの旅をしていた俺たちにとって、ロレンスさんとの出会いはラッキーだったのかもしれない。
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「あの・・・ここはジパングですか?」
俺が通りすがりの女の子に声をかける。先ずは情報を集めるのが先決だ。
「はぁ?ジパングぅ?なに言ってんの?こいつやばくなーい?」
「えー?まじ?でもぉ~顔はちょっとイケメーン」
女の子達は訳の分からない言葉で話す。
「ここは笹塚ってとこだよ?ねぇお兄さん。暇ならウチ等とカラオケしない~?なんなら~そのさ・き・も」
キャーキャー騒ぐ女の子達。う、うるさい・・・
しかし、貴重な情報源だ。カラオケとやらも気になるし・・・俺はその女の子達に近づこうとすると、背後から冷ややかな・・・いや、絶対零度に近い冷気が辺りの空気を凍らす。
「ちぇっ!コブ付きかよ。ってかこの子、ルビス様にちょー似てない?」
「本当だ〜。ちょールビス様だ!天に召します我らが女神だっけ?」
神様が天に召されてどうするんだよ!ってのは一先ず置いておいて、
「君たち、この子は確かにルビス様によく似ているけど、この子の名はシズクだ。ルビス様じゃないんだ。」
「え〜?そうなの?まぁいいけど。」
「そんな事より、この国の王様は何処にいるんだ?」
「王様〜?あぁ、もしかしてヒミコ様の事かな?」
「ヒミコ様?」
「うん。この国で一番偉いお方なんだよ?知らないの?ちょーウケる」
本当に何を言っているのか分からない。
「とにかくそのヒミコ様は何処にいるんだ?」
「う〜ん…国会議事堂?じゃないかなぁ…そんな事より、お兄さんカラオケ行こうよ〜。」
2人の女の子は、それぞれ腕を絡ませてくる。
鼻からとても良い香りが…。
ガンッ!!
物凄い音とともに、背後のシズクから再び冷気が辺り一面を凍てつかせる。
そんなシズクをみた女の子達は、そそくさと足早に逃げていった。
俺は恐る恐る雫の方を振り向くと、彼女は女神のように微笑んでいた。
瞳の虹彩は消え失せていたけど。
マグロナルト?
俺達はロレンスさんが見付けてきた酒場のようだが、お酒の出ない。宿屋のようだが、泊まれない建物に集まり、収集した情報を整理することにした。
「いらっしゃいませー!!」
元気の良い掛け声の青年が俺達を迎えてくれた
って・・・
「ピサロさん!!あんた、ノアニールにいたピサロさんだよなぁ!魔族の。」
「あ~お客様?中二的な発言はお辞め戴けますか?」
そう言う彼は、どこか罰の悪そうな顔をしている。しかし、俺達にとっては見知らぬ国で懐かしい顔に会えたのは何よりも嬉しかった。
「ピサロ~来たわよ~。」
俺達がカウンターで困り顔のピサロに話し込んでいるとお店の入口から
腰まで伸びたキラキラ輝く赤い髪。深緑の力強い瞳。凛とした美女
「ロザリーさん!!」
俺が口にするより早くシズクはその名前を口に出し、彼女に抱き付いて喜びを現した。
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「へぇ~あなた達もジパングに立ち寄ったのね?」
ロザリーさんが言う。
俺達は今、ピサロさんの家、通称デスパレスにいる。
城といっても、四畳半の部屋にロザリーさんと二人で暮らしているらしい。
よくエルフの女王ヒメア様が許したものだ。
「しかしピサロには驚いたよなぁ。まさか異世界の魔王だったなんてなぁ。しかもロザリーさんはエルフのお姫様・・・。よくそんな二人が恋におちたよなぁ。」
本当に全くもって驚きだった。ピサロが、まだ一介の魔族だった時に出会ったエルフの少女がロザリーさんで、後に進化の秘法で魔王になってしまったピサロを倒し、正気にもどしたのが、天空の剣を携えたエルフのロザリーさんだとは・・・
てっきり夢見るルビーを盗むような、バカップルだと思ってましたよ俺。
こほん
シズクが小さな咳払いをすると、ピサロとロザリーさん、キョウイチはそれまで騒がしく話していたのをピタリと止める。
「お話しがそれてしまっていますよマコトさん。今はジパングが何故このようになってしまったのかを聞かなくてはならないのではないですか?」
「そうだった。部屋に入りきれなくて、庭の犬小屋でくつろいでいるロレンスさんの話では、ジパングは小さな集落の集合体のような国だったと聞いたけど。一体何があったと言うんですか?」
俺が話を切り出すと、ロザリーさんは深いため息を吐き、静かに語り始めた。
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この国を治めているのは
内閣総理大臣ヒミコと言うらしい。ヒミコは妖術のようなものを使い、未来を見ては新しい方、価値の高い方へと国民を導き、人心を掌握すると、たった数年でジパングを経済大国に押し上げたそうだ。
しかし、ヒミコには疑惑もあると言う。いつまでも若い容姿の彼女は、その若さを保つために年に数人の若く美しい少女を生け贄に求めてくるという。
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「はい!ロザリーさん。説明ありがとうございます。」
パンと手を叩き、気持ち良く語る彼女を遮るシズク。
「まぁ、要するにその総理大臣ヒミコが怪しいと言うわけですね?」
いくらなんでも省略しすぎだろー!
「しかし問題がある。ヒミコは一国の総理大臣だ。どうやって近付く?」
「正面突破!!」
ズガン!!
正面突破を提案したキョウイチは、言い切るより早くシズクの光速のパンチを顔面に喰らい、2階の窓を突き破りロレンスさんのいる犬小屋へと落ちていった。
「バカですか?敵に正面から行くなんて!!」
正体は一応強力な魔族であるキョウイチを一撃でぶっ倒すとは・・・
「ここに一人美少女がいるじゃありませんか!私が生け贄になって潜り込めば・・・」
「駄目だ!!」
つい大声を出してしまった。
「マコトさん?」
「生け贄になるなんて駄目だ!絶対に駄目。シズク・・・お前に何かあったら俺は・・・」
俺は彼女を見つめると、目を潤ませたシズクは俺に飛び付き自分の腕を俺の腕に絡ませて、頭を持たれかけてくる。
か、可愛い・・・
しかしどうしたものか。
ロザリーさんを見ると、ピサロがさすがは異世界の魔王とばかりの睨みを向けるから無理として・・・
「そうだ!少女がいないなら、少女をつくりましょう!」
シズクが言う。
何か嫌な予感しかしないんですけど・・・
秋葉原
そこには不思議な空間があった。
色んな人種?がいて、首からは変なかめらとか言うものをぶら下げている。
何故か背に荷物を背負い込んでいて、中からは紙の筒のような物を出している。
なんだここ・・・
あっきはばらー!
何処からか女の子の声が聞こえた。
「ここは秋葉原だ。ここでは色んな物が揃う。ここで衣装を手に入れよう。」
ピサロが先頭にたち、俺達を色んな店につれ歩く。先ずはここだと入ったお店。
「お帰りなさいませ旦那様。」
ヒラヒラしたドレスを着た女の子が出迎えてくれた。
グサッ!!
「ここは違うわよね!ピサロ?」
何処から出したのか、天空の剣をピサロの顔のすぐ横に突き立てるロザリーさん。
どこも似たような感じなんだな。
改めて入ったお店は防具のお店だけど、どれも防御力は度外視の見た目だけの布の服だった。
シズクとロザリーさんはお店に入るなり、女の子二人スーパーハイテンション状態になり店の奥に消えていく。
「なぁピサロは、もう魔王になるつもりはないのか?」
「あぁ、俺は強さや魔王の立場より大切な人を見付けちまったからな。それに・・・お前はしっておけマコト。どの世界の魔王もな、所詮はカミとか呼ばれるやつの手の上なんだよ・・」
「カミ?」
俺は世界の真実に触れようとしたとき、
「見てみて~可愛いドレスを見付けたよぉ。」
ドレスを数着持ったシズクが俺達の所に駆け寄ってきた。
「で、ピサロその・・・」
「ま、待て。その話はまたいずれな?」
「何のお話しですかぁ?」
シズクが笑顔で聞いてくる。ピサロは少しだけ青い顔をしているが、魔族の表情なんか分からない。俺はあまり気にしないでいた。
そんな俺は、シズクがピサロを睨み付けていたことに気が付かなかった。
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「きゃ~たすけて~」
おえっ。
女装した魔族のキョウイチの、声を裏返した悲鳴が辺りを不快な気分にさせる。
これならまだイシスの王様を呼んだ方がはるかに良いレベルだ。
「可愛い私を食べる気ね~?」
酷すぎる・・・
ある意味パルプンテ級の威力を発揮するキョウイチの女装。
「・・・誰じゃ!わらわを愚弄するやからは。」
明らかに不機嫌な総理大臣ヒミコが現れた。ヒミコはあまりの怒りに我を忘れているのか、正体のヤマタノオロチの姿になりかけている。
キョウイチ・・・お前の女装・・・魔物の変身が解けてしまう程の威力なんだな。
その時、
「あら?ねぇあのドレスって買ってきた物と違くない?あれって確かシズクちゃんの・・・」
分厚い雲が辺り一面を覆った。昼間だと言うのに・・・先程まで太陽の日差しがまるで見えなくなった。
遥か上空には、幾つもの巨大な稲光が光の竜のように飛び交い、地上には巨大な竜巻が至るところで唸りをあげている。
ヤマタノオロチとなったヒミコは
「女!貴様何ものだ・・・え?ちょっそんなまさか・・・」
「ギ」
「ギ?」
ヒミコが台詞を途中でやめ、シズクの言葉を反復する。
「ギガデイン!!!」
もう言葉にはならなかった。
俺達は完全に視界が白い闇で覆い尽くされる。
何も見えない
何も感じない・・・これが死なのか?
「・・・さん!マコトさん!大丈夫ですか?」
女神のようなシズクが俺を呼んでいるのが聞こえる。何となくそのまま目を閉じたままでいると
チュ
唇にやわらかな感触が触れた。
俺は驚いて目を開けると彼女は頬を染め
「ベホマです。」
と言って微笑んだ。
辺りを見回すと船の上にいた。
ロザリーさんやピサロを始め、何故か犬小屋にいたはずのロレンスさんも包帯をぐるぐる巻きにしていた。まるでミイラの集団だ。
船底には人に変身することもできない程に力を失ったキョウイチが、たった一人で船を漕がされていた。
俺は自分の間違いを悟った。以前、ポルトガでロレンスさんの船を沈めたのはギガデインでも何でもなかったんですね?本物は、そんな生易しいものではなかった。
あの日ジパングが島ごと吹き飛び、世界地図から消えてしまったことを、僕たちはまだ知らない。
ーー続くーー
マコト Lv30 装備草薙の剣 布の服
シズク Lv180 装備 りょくの杖(改) 光のドレス
ロザリー Lv30 装備 天空の剣
ピサロ Lv30 クラス元魔王
ロレンス Lv25 装備 ぐるぐる巻き包帯
キョウイチ Lvしに 返事がない。ただの屍のようだ。
ネタ、考えなきゃやわぁ
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